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年またいじゃったけど第五回もう年も変わりますが去年読んだこの漫画がすごい!賞 [名作紹介]

あけましておめでとうございます。

今年はアクセス数が三分の一に激減しましたが、なぜか収益は変わりません。
ソネットがブログサービスを手放したせいか、データが実態に近いものになったのかな?
おかげで運営費が賄えてますし、月の漫画購入費の足しになっています。

ほとんど自己満足のこのブログですが、今年も愛読いただければ幸いです。
いつまで続くかは正直分かりませんが。また動画もやりたいです。

さてコロナ禍もあり、ここ2年ほど開催しなかった
「もう年も変わりますが去年読んだこの漫画がすごい!賞」を今年は発表!

対象となるのは2022年に自分が読んだ漫画作品。
2022年のうちに選ぶと、1年の後半に読んだ漫画の方が印象が強くなるので、
1年寝かして選考しようという、なんて平等なこの企画!

っていうか、去年のうちにやらなきゃダメだったんですな。
久しぶりなんで間違えちゃったよ。
まあいいや。

過去の大賞作品はこちら。
2017年第一回大賞「ばくおん!!」おりもとみまな
2018年第二回大賞「建安マエストロ!」中島三千恒
2019年第三回大賞「王道の狗」安彦良和
2020年第四回大賞「デザイナー 渋井直人の休日」渋谷直角

ちなみに選考の対象となる2022年、Amazonで注文した件数は251件。
その中の栄えある1位は…、

2023年大賞「シートン」谷口ジロー
マスターシートン.png
2017年に亡くなった「孤独のグルメ」の谷口ジローが、2004年から07年にかけて連載した作品。全4巻。氏は20代の頃にも「学習漫画シートン動物記」を手掛けており、過去に「ブランカ」「犬を飼う」なども描いていることから、得意で思い入れのある題材なのだと思われる。

自分は子供の頃に学研の学習漫画でシートン動物記を色々と読んでいてそちらの方も色々思い入れがあるのだが、谷口版「シートン」はそれらのエピソードが全てシートンが体験したものに置き換わって描写されている。

考証的に正しいのかよく分からないが、全4巻が一本筋が通った話になっていて読みやすいと思う。
その筆致は緻密で、淡々としているが中身はゆっくりと燃え上がっており、爆発しそうなのを知性で抑えこむかのようなきわどいテンションがある。人間があまり足を踏み入れていない「自然」という神の領域に踏み込む、人間の冒険を描いている。

紙の本はけっこうなお値段がする。新装版はさらにめちゃ高い。紙の本は値上げする一方だと思われるので、気になる人は早めに押さえておいた方がいい。Kindle Unlimitedで1巻だけ読めるので、電子版もお勧め。
ジョジョの奇妙な冒険第四部で承太郎がシートンの言葉を引用していたが、そこに興味を持った方は絶対に読んで損しないはずである。

 
次点「いつか中華屋でチャーハンを」増田薫
いつか6.png
大胆な人物のデフォルメと、あたたかみのある料理描写。そしてひたすら町の中華屋さんを食べ歩くというアイディア。全てが味わい深い。一部モノクロ化された紙の本を電子化して、さらにフルカラー電子版も購入したが、紙のままでもう一冊手元に置いておきたいぐらい素晴らしい作品だと思う。ただし周囲で共感してくれる人がいない!もちろんレビューは絶賛が多い。皆様はどう思われるか。ということで次点となった。

描いているのが本業漫画家でないせいかミュージシャン、発想が素朴で新鮮。誰が漫画を描いていてもおかしくない、日本の層の厚さを感じさせもする。
過去に記事化している
 

次次点「マンガ獄中面会物語」塚原洋一
めんかい3.png
片岡健のルポルタージュ「平成監獄面会記」のコミカライズ。
死刑囚に実際に会いにいくという説得力はものすごいものがある。
報道は?司法の現場がどうなっているのか?噛み合わない歯車を回す社会の潤滑油の成分がどういったものなのか?その軋む音を聞かずに済んでいる我々の生活とは何なのか考えさせられる。

続編が電子版のみで発売されている。
わかりにくいのでもう少しちゃんとPRしてくれたら、もっと売れるだろうにと思う。
過去に記事化している
 

さらにこの際だから紹介したい作品を挙げていく
「吾妻鏡」竹宮 恵子
あん3.png
大家に歴史漫画を描かせる「マンガ日本の古典」という企画の一編。
「鎌倉殿の13人」副読本としてものすごい重宝した。
作者が畠山重忠にどんどん傾倒していく感じが伝わってきて面白い。

謀反の疑いをかけられたら、いかにして冤罪を訴えるかということをよく考えるのだけど、
考えるだけ無駄なのだという人間の本質がよく分かる歴史素材だ。
過去に記事化している。

 
「この社会主義グルメがすごい!! 」内田 弘樹/河内和泉
死んだおばあちゃん.png
擬人化された社会主義国家が自国の(あまり美味しくなさそうな)料理を紹介する漫画。
読むと口の中に土の味が広がるかのようで、社会主義は不味そうと思えてしまうのは、戦前戦後の風刺漫画家も思いつかなかった、とんでもない風刺表現が今ここに誕生したのだってな気がする。

元は同人誌なのだそうだ。
やはり日本漫画のレヴェルは高い。

 
「パルノグラフィティ」板垣巴留
パルのグラフティ2.png
バキの板垣恵介の娘が家の様子を紹介した貴重な漫画。
範馬勇次郎のような父親像も面白いが、娘も大概なのが面白い。
過去に記事化している。

 
「かくかくしかじか」東村アキコ
かくかく6.png
自伝的内容。絵が上手いとはどういうことか、考えさせられる。
過去に記事化している。

 
「メンズエステ嬢の居場所はこの社会にありますか?」鶴屋なこみん
メンエス3.png
風俗嬢によるエッセイ漫画。作画担当は別なのかと思いきや本人が描いているらしいので、やはり日本の漫画の層は分厚いと思わせるクオリティ。
過去に記事化している。

 
「日本人なら知っておきたい日本文学」蛇蔵
キラキラ1.png
天地創造デザイン部の蛇蔵。蛇蔵作品はほとんど買っていて、いずれも傑作である。その才能に見合った名声が得られてない気がする。この際だから推しておきたい。
過去に記事化している。


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