カウボーイビバップOPの元ネタは何か?ウルトラマンも同系統か? [心に残る1コマ]
ガンスミスキャッツのアニメ版(1995年)のオープニングって、
カウボーイビバップ(1998年)のオープニングの基になったんじゃないか?ということ。
定期的にカウボーイビバップのOPのカッコよさは話題になる。
でもその流れでガンスミスキャッツを挙げてる人を見たことがない。
もっと話題になっても良さそうなものだけど。
アニメはあまり詳しくないので、何か事情があるのだろうか。
でも、この手のものは、
さらに古い元ネタがありそうだ。
そんな中、ツイッターを見ていたら、
古い鬼平犯科帳のオープニング(1975年)が流れてきて、
さらにそれについてビバップOPの元ネタなのか?というポストが流れてきた。
丹波哲郎版『鬼平犯科帳』(1975年)のOPは
— TA-KA (@hakaima_taka) June 28, 2024
大人になってから見直すと凄くオシャレですけど
子供の頃に初めて見た時はちょっと怖かったです pic.twitter.com/hFtnLI8QrN
言われてみれば…?
それで先ほどのガンスミスの疑問を呟いてみたら、結構な反響があった。
これで今後ビバップOPの話題の時には、ガンスミスも挙げてくれる人が出てくるだろうか。
あと確信したのは、やはりこれ系統は元ネタがあるということ。
イメージ的には70年代かそれ以前の外国映画なんだろうなと思っていたが、
やはりそういった感じらしい。
寄せられた話を総合すると、
元祖はソール・バス(1920年-1996年)というデザイナーにあるという。
映画だと、ヒッチコックの「サイコ」(1960年)が有名か。
サイコは三部作&リメイクを見たけど、オープニングは印象になかった。
1961年のウエストサイド物語はインパクトがあった。
これもソール・バスだったとは!
つうか、機械の故障かと思った。
同じ系譜にあると言われればそうなのかもしれないが、ちと遠いといえば遠い。
そこから発展したであろう70年代のマカロニウエスタン映画や、
鬼警部アイアンサイドや、鬼平犯科帳などからビバップは色濃くDNAを受け継いでいるというのが正確なところだと思う。
鬼警部アイアンサイド(1967年)
そうなると古畑任三郎(1994年)もその系譜にあるし、
ひょっとしたらウルトラマン(1966年)などもそういうことなのではあるまいか。
みなさまはどう思われるか。
シャレード(1963年)
華麗なる賭け(1968年)
Our Man Flint (1966) - Title Sequence
R.O.D(2001年)
サイボーグ漫画開発競争?一番乗りは妖怪漫画の第一人者、水木しげる「サイボーグ」 [心に残る1コマ]
インパクトのあるセリフだなと思う。
初出1961年の横山光輝「鉄人28号」での台詞。(画像は原作再現版13巻)
単行本化の際に「サイボーグス」に直されたようだ。
サイボーグのwikiはこうある。
>アメリカ合衆国の医学者、マンフレッド・クラインズとネイザン・S・クラインらが提唱したのが1960年。当初は人類の宇宙進出と結び付け考案された。この提唱よりも前にSF小説でこのアイディアは使用されていた。
サイボーグは最初、宇宙と結びつけて語られるものだったのだ。
惑星開発用に改造された仮面ライダースーパー1は、かなり正統派なサイボーグと言える。
ちなみに、
石ノ森章太郎の「サイボーグ009」開始は、横山よりも3年遅い1964年ではあるが、
サイボーグという言葉を一般に浸透させたのは間違いなくこの漫画なのだろう。
「サイボーグという言葉は石ノ森章太郎が作ったという都市伝説が生まれ、辞書にまで載った」という意味のことを過去にBS漫画夜話で呉智英が語っている。
横山知識でいつも助けていただいているひらさんに鉄人28号の掲載誌である「少年」の1961年2月号のグラビアで、サイボーグ(サイボーグス表記)の紹介記事があったことを教えていただいた。鉄人でのカットはグラビアを参考にしたことは間違いない。
なんとなくチャンピオンシップロードランナーの箱絵を連想するのは私だけだろうか。
リプライもらって気がついたが、
手塚治虫「鉄腕アトム」の犬にサイボーグ手術をする話、
「ホットドッグ兵団」は「少年」1961年3月号掲載。
整理するとこうなる。
「少年」1961年2月号に「サイボーグス」を紹介。
「少年」1961年3月号に手塚治虫「鉄腕アトム」のサイボーグ犬漫画、ホットドッグ兵団。※
「少年」1961年6月号に横山光輝「鉄人28号」の超人間ケリー回でサイボーグの解説
※ただしアトムの内容は単行本サンコミックス版1巻で確かめただけなので、改稿されている可能性もある。エピソードも8ヶ月かけて完結させているので、どこでサイボーグという言葉が出てきたのかも興味深い。手塚治虫による単行本前書きによると、1958年ごろにサイボーグという言葉が使われだしたという。
で、
昨年末に教えてもらって忘れていたのが、
水木しげるが1960年に描いた「サイボーグ」。
コレを書いている現在、日本漫画史上初のサイボーグ漫画っぽい。
そう考えると仮面ライダースーパー1はかなり正統派なサイボーグだったんですな!Σ(°Д°;
— ムゲンホンダナ(本棚持ち歩き隊) (@hondanamotiaru) December 28, 2023
知識だけだと忘れてしまうので、実際に「サイボーグ」を読んでみた。
「水木しげる怪奇貸本名作選不死鳥を飼う男・猫又」に収録されている。
水木しげる 貸本名作選 怪奇 不死鳥を飼う男・猫又 (ホーム社漫画文庫)
- 作者: 水木 しげる
- 出版社/メーカー: ホーム社
- 発売日: 2008/04/18
- メディア: 文庫
どんなデザインのサイボーグが出てくるのかと思いきや、こんなんだった!
ミニオンズに似てるというリプライがあり、衝撃を受けた。確かに。。。
タカラトミーアーツ ミニオンズ2 ぬいぐるみS スチュアート (パイロット) 高さ約24cm
- 出版社/メーカー: タカラトミーアーツ(TAKARATOMY A.R.T.S)
- 発売日: 2021/06/26
- メディア: おもちゃ&ホビー
加藤直之が描いた、バーサーカーに似てるという意見もある。
おおっ、パーカーと晩餐会の元ネタだ!Σ(°Д°;
— ムゲンホンダナ(本棚持ち歩き隊) (@hondanamotiaru) May 5, 2024
加藤直之だったのか。
水木「サイボーグ」には、1970年に描いたリメイク版があるというリプライもいただいた。
妖怪ワンダーランドという文庫版短編集の7巻に収録されており、積ん読だったのですぐ読めた。
タイトルは「ベーレンホイターの女」。
宇宙開発のためにサイボーグに改造され、人間ならざるものになってしまった男の悲哀、
1960年版「サイボーグ」と基本的なスジは同じだ。
このエピソードは水木作品の中では割と人気作であるらしい。フィギュアも発売されている。
http://www.sunguts.com/bealen.html
その部分、赤いんだ?というのが面白い。
水木しげるのサイボーグはフンをすると黒い球になって背中の容器に落ちる。
ベーレンホイターの女も同様である。いかにも水木らしいアイディアだと思った。
漫画家史上最も早くサイボーグ漫画を描いた水木しげるは、
いったいぜんたいどんな海外誌からネタを仕入れたのか?
ちなみに「サイボーグ」にはアメコミをそのまま描き移したカットがあり、他作品にも流用している。
調べてみると、「サイボーグ」について割といろんな人が調べているのだが、決定打と思えるリプライをいただいた。
https://ketola-ka-makhetlo-10000.blogspot.com/2012/04/blog-post_12.html?m=1
この記事によると、
水木がソースとしたのは海外誌ではなく朝日新聞夕刊!1960年10月17日
決定打と思えるのは新聞記事を引用したこの部分。
「排泄物は再利用できないわずかの最終産物だけを背中の小さなカンの中に集める」
「サイボーグ」の描写は水木しげるの想像一辺倒ではなく、ソースにあるていど忠実だったとは驚いた!
(画像は「ベーレンホイターの女」)
1960年の作品なので、10月中旬に見つけて、そこから年内に間に合わせたということになる。
かなりタイトなスケジュールだが、不可能でもない気がする。貸本漫画だし。
ちなみに「サイボーグ」初出は1960年が定説だが、収録の文庫版は1961年とされていた。
1964年に石ノ森章太郎は「サイボーグ009」を始める。
サイボーグの知識は、1961年8月から3ヶ月間の世界旅行中に飛行機内で読んだ「LIFE」。
以下のブログによると、LIFEが初めてサイボーグの記事を載せたのは1960年7月11日号なのだそうだ。
https://ameblo.jp/mangetsuhakase/entry-12630324189.html
1965年、水木しげるは「テレビくん」でついにメジャーデビューを果たすが、
講談社の最初の依頼は「宇宙もの」だったので、水木は一度断ったという。
ひょっとするってえと講談社はサイボーグを読み、水木版サイボーグ009を期待していたのではないか。
それこそミニオンズだ!Σ(°Д°;
それにしてもインターネットの集合知は素晴らしい。
あるのかどうか?水木氏よりも早いサイボーグ漫画の情報もお待ちしています。
新装版 サイボーグクロちゃん(1) (コミッククリエイトコミック)
- 作者: 横内なおき
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2019/06/21
- メディア: Kindle版
CYBORGじいちゃんG 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 小畑健
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/04/19
- メディア: Kindle版
横山光輝の魂の還る海、神戸須磨海岸に実際に行ってみた。 [心に残る1コマ]
そんな鳥山明が愛した「鉄人28号」を描いた横山光輝が亡くなったのは69歳。
横山の死を予見したかのような漫画「闇におどる猫」に描かれていた、どこかで見た海。
その海は自伝的作品、「まんが浪人」にも描かれていたのと同じ、横山故郷の神戸の須磨海岸だった。
人生に少し疲れた時、横山がつい戻りたくなる場所。巨匠の魂の還る場所、須磨海岸。
ぜひ一度見てみたいと思った。
光源氏も都を追われ、須磨で過ごした時期があるらしい。
「源氏物語」は、その須磨編から書き始められた説があるという。
須磨観光施設協議会のページにはこう書いてある。
>八月十五夜、琵琶湖の水面に映る中秋の名月を眺めて、光源氏のモデルの一人在原行平(ありわらのゆきひら)の須磨での日々と重ねあわせながら、「須磨」「明石」の両巻から書き始められたとも言われています。
神戸にある須磨海岸はけっこう遠く、俺からしたら気軽に行ける距離ではない。
数ヶ月先になるかなと思っていたら急遽予定が空いてしまったので行ってまいりました。
そしたらめちゃくちゃオシャレなビーチで驚いた!
スタバにムラサキスポーツにレッドロブスターも併設。
割と最近大きい工事をしたらしい。
さらに海の綺麗さに衝撃を受けた。
肉眼でこんな綺麗な波打ち際を見たのは初めてだ!
沖縄でなくてもこんな透明な海って日本にあるんだと思った。
めちゃくちゃテンション上がった!
(画像クリックでツイッターで動画が見れます)
<追記>
The Beach Boysも 浜の美しさに感動して、「Sumahama - 想い出のスマ浜」という曲を作ったそうです。リプで教えていただきました。すごい!
https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11356692679.html
官民一体となって、かなり気合を入れて須磨海岸を管理しているらしい。
そりゃ横山光輝も還りたくなりますわ。
あの漫画に出てきた壁はなかったけど、どこかにあるのかな。
せっかくの聖地巡礼なので、
「まんが浪人」の表紙を再現してみた。
はしゃいですみません。須磨だけにスマン。
実は須磨海岸は、反骨のブラックジョーク漫画ジャーナリスト・宮武外骨がネタにしたこともある場所。
赤瀬川源平の解説によると、これはかなりしょうもない下ネタだそうですが。
余談ですがこの旅に「赤瀬川源平漫画大全」を持ち歩きました。
せっかくの遠征なので、
以前から一度見てみたいと思っていた実物大の鉄人28号のモニュメントも見てきました。
須磨海岸から東に2kmほどの場所にあります。
で、デカい!
横山光輝もよくコメントしているように、漫画の中の鉄人のサイズは自由自在。
いくらなんでもそんなにデカくないだろうというぐらいデカくなる時もあるのですが、
鉄人のモニュメントはそれよりさらにデカいイメージ。
今川ジャイアントロボぐらいあるのではないか。
ちなみに原作まだ読破できてない。
そこから少し北上して横山光輝が育った街並を散策し、喫茶店で小休憩。
きた道を戻って、鉄人モニュメントのすぐ近くのアーケードを南下して「KOBE鉄人三国志ギャラリー」を見学。入館料100円。貴重な三国志コレクションを見たり、グッズを購入することができました。
50kgはあるという青龍偃月刀を持ち上げる体験コーナーがインパクトあった。
いくらなんでもこんなに重くはないだろうとは思ったのですが、
これ振り下ろされたら間違いなく漫画みたいに真っ二つだろうなという説得力を感じました。
他にも巨匠ゆかりの土地はたくさんあるのですが、取り急ぎこんな感じで巡ってみました。
なんかいいとこらしいという話はよく聞いてましたが、そんな神戸をついに訪れることができて良かった。
あまり関係ないですけど、小島秀夫の「スナッチャー」は未来のネオ・コウベが舞台でしたね。
これからという方の参考になるかどうか。簡単ではありますが地図を作ってみました。
クリックするとツイッターアカウントからさらに拡大して見ることができます。
ご飯は鉄人モニュメントの近くのアーケード入ってすぐにある
「中国料理 新長田一貫樓」はいかがでしょうか。これぞ料理の鉄人!
いいも悪いも版元しだい、鉄人本よどこへ行く?横山光輝「鉄人28号」を55冊買ったワケ [心に残る1コマ]
横山作品としては「三国志」60巻に次ぐ多さ!
事情により、光文社文庫版、潮出版原作完全版、秋田コミックスセレクト版と買い集めてしまいました。
なぜこんな事になったのか?
いくつもの出版社から単行本が刊行されているような名作を購入する場合、
なるべく安く、封印未収録回&修正が少ないやつを選びたいわけで、
過去にもそんな葛藤をブログに書きましたけど、鉄人が特に難しかった。
そもそも購入のきっかけは、
鉄人の掲載誌だった光文社の漫画雑誌「少年」の傑作集を読んで面白かったから。
なので候補の中から最初に選んだのが1996年から刊行された、
光文社文庫「鉄人28号」全12巻と、「続・鉄人28号」全13巻。
鉄人28号 全12巻完結(文庫版) [マーケットプレイス コミックセット]
- 作者: 横山 光輝
- 出版社/メーカー: 光文社
- メディア: コミック
「続」ってなんだろう、という疑問はありましたけど、まあ光文社ですよ。
かつての自社に多大な利益をもたらした鉄人を復刻するわけですから、間違いないと思うじゃないですか。
間違いありまくりだったわけですよこれが。
びっくりするぐらい絵がひどい!
生原稿は印刷したら破棄されてしまうのが、鉄人発表当時の業界の慣習。
なので印刷されたものを生原稿として複製するしかないわけで、ひどくなるのはしょうがない。
しょうがないのですが、
同じ光文社から出版されているのに、
1989年に「少年傑作集2巻」に再録されたものと比べて
1996年の鉄人の方が印刷が汚くなるのは理解不能!
<比較参考画像1>2005年:潮出版「原作完全版」より。
もともとはこんな絵だったと思われる。
アシスタントがトレスして描き起こししたもの。
<比較参考画像2>1989年:光文社「少年傑作集2巻」より。
かすれてはいるが、線はそれほど潰れていない。
<比較参考画像3>1996年:光文社「光文社文庫 鉄人28号」より
そしてこれが問題の鉄人。
線が接触し、電灯のかけアミ線が潰れてしまっている。
左のヒゲの男性の目玉とまぶたが完全に癒着し、真っ黒になってしまった!
実はこの問題の光文社文庫版「鉄人28号」、20年ぐらい前に数冊購入したことがある。
購入したことがあるのだが、読むのが辛いと挫折してしまっていた。
そりゃ辛いわ。
ここにはどんな絵が描かれているのか?コマによってはニュアンスがまるで伝わらないのだ。
なので「少年傑作集」で鉄人を読み返してみたとき、
「あれ?思ったよりもスラスラ読めるぞ?」と不思議に思っていたのでした。
加齢で自分の許容範囲が広がったのかな、という風に理解していたのですが…。
なぜ同じ出版社なのに、こうも出来が違うのか。同じ素材を使えなかったのか理解に苦しむ。
で、光文社文庫版は掲載順もやばいみたいなことを教えていただいたので、
掲載順が真っ当だという潮出版「鉄人28号 原作完全版」全24巻を購入するに至るわけである。
これを最初に選択しなかったのは、アシスタントが新たにトレスしたもので絵が違うからである。
光文社文庫全12巻と全13巻。原作完全版24巻で、この時点で鉄人の単行本は49冊になった!
というわけで光文社文庫版と、原作完全版を交互に読み進めていたのですが、
光文社文庫版の「掲載順が違う」、というニュアンスを自分が完全に理解できてないことが分かりました。
鉄腕アトムやブラックジャック、
伊賀の影丸、サイボーグ009などはエピソードの順番がシャッフルされているものがあり、
光文社文庫の鉄人もそういう感じなのかと思っていましたが、そんなレベルじゃなかった。
光文社文庫はエピソードの途中で話を完全にカットして、
続きを1年後に刊行を始めた「続・鉄人28号」に収録しているのだった。
で、そちらでまた途中で終わっているので、無印の鉄人本に戻って続きを読む。
何を言ってるのかわからねーだろうが、そういうことだった。
ドラゴンボールで例えると、
ベジータがやってくる!というところでその巻が終わり、
次の巻はベジータが仲間になってるところから始まる、そういう編集をしている。
よくよく読むと毎度巻末に、
>光文社文庫COMIC SERIES「鉄人28号」全12巻は、雑誌「少年Jに昭和31年7月号から昭和41年5月号までの11年にわたって掲載された作品から、現在刊行されている新書判に収録された部分を除き、例月号に連載されたストーリーを完全復元したものです。
とある。
この「現在刊行されている新書判に収録された部分を除き」というのが読者に対する説明というわけだ。わ、分かりにくい。そもそも新書版とは何社の本を指すのか。新書版は鉄人の11年の連載のどの辺を収録しているのか。光文社文庫版には1巻に鉄人連載年表など掲載しているにも関わらず、その辺の説明が一切ないのは奇妙な編集方針である。
ちなみに、この「現在刊行されている新書判」というのは、秋田書店から1970年に出版されたサンデーコミックス版「鉄人28号」全10巻。現在もAmazonで新品で購入できる大ベストセラーである。
理解が追いつかないので、
サンコミとほぼ同じ内容である秋田コミックセレクト版「鉄人28号」全6巻を購入してみる。
こういう経緯で所有する鉄人の単行本が55冊になったわけである!
すると秋田コミックセレクト版は、光文社文庫版で割愛されたあたりから話が始まっていた。
鉄人年表で確認したところ、連載3年目のモンスター編。そんなんありか!
鉄人誕生の経緯とか、これまでの話のあらすじとか説明一切なし!※
※しかしサンデーコミックス版は現在も売られてるぐらいだから、なんか評価が高いのである
秋田書店のこの思い切った編集も、
光文社文庫の説明文「現在刊行されている新書判に収録された部分」を、よりわかりにくいものにしている。
というか光文社の説明文は、サンデーコミックス版を読んだ人にしか伝わらない説明に留まっているのだ。
話を光文社文庫に戻すが、
「この先は削除されています。続きは秋田書店の本でお読みください」とか注釈をつけるべきだったのだ。かなり不親切な編集方針だと思う。というか原作者がこれを許すのか、と首をひねってしまう。出版された1996年はもう四半世紀以上も昔のことになるが、それなりに洗練された出版文化だったはずだけど。。。
そもそも1958年に鉄人が最初に単行本化された時から話にカットされた部分があり、
5度目の単行本化でそれを初めて復刻させたというのが光文社文庫版の価値だそうなのですが、
それからさらに選択肢が増えた今現在、名作を蔵書に加えたいと思って購入するには光文社文庫版はかなり辛いものがありました。
ある程度原稿が溜まったら単行本にして出版する、という現在当たり前に行われている商習慣ですが、定着したのは1966年あたりから。そんなものが売れるわけない、と当時の人は当たり前に思ってたというから驚きです。しかし社会現象を巻き起こした鉄人ですら最初の単行本は7巻で途中終了というのが歴史的事実。横山先生も刊行が途中でストップしたのは「売れなかったからではないか」とコメントを残している。
鉄人の単行本史を調べると、想像以上の試行錯誤があって驚く。
出費はかさんだけども有意義であった。
というわけで、現在は光文社、潮出版、秋田書店と3社を並行して読み進めています。
あと飯城勇三「鉄人28号大研究」も同時に。その辺の単行本検証も詳しく書いてあるので、まずコレを読むべきだったのかも。ただし光文社文庫版が最新の鉄人単行本だった頃の本なので、現在はさらに新しい鉄人単行本が出ています。
復刻鉄人28号、
— ムゲンホンダナ(本棚持ち歩き隊) (@hondanamotiaru) September 25, 2023
スキャン版とトレス版を読み比べていて気づいたのは、スキャン版のスキャン精度が低すぎやしないかというところ。内容が全く頭に入ってこない。
同じ光文社なのに、
1989年「少年傑作集2巻」掲載の鉄人と比べて、
1996年の鉄人は線が潰れまくっているのだ。
どうしたらこうなる? pic.twitter.com/aHsELwgbf6
実写版 鉄人28号後期版)ヤマシロヤ限定 モノクロカラーVer フィギュア
- 出版社/メーカー: ノーブランド
- メディア:
「ライダーは死なない!」「殺せば?」「ですよねー!」 [心に残る1コマ]
仮面ライダー the first本郷猛(秋田文庫5-52) (秋田文庫 5-52)
- 作者: 石ノ森 章太郎
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2013/01/10
- メディア: 文庫
石ノ森章太郎の「仮面ライダー」を購入。
子供の頃、TV版とギャップがありすぎて苦手だった漫画。
「こんなの仮面ライダーじゃねえ!」子供の頃はそう思っていた。
本郷猛が途中で死んで、脳だけになって一文字隼人と合体したかのような展開が特に受け入れられなかった。この展開は、庵野秀明の映画「シン・仮面ライダー」に踏襲されたことで再び注目を浴びた。
よくよく読み返すとこの漫画版「仮面ライダー」、「原作」という表現が微妙に当てはまらない。
一文字隼人の誕生は、本郷猛役の藤岡弘のバイク事故というTV撮影のアクシデントから発生したものだからだ。石ノ森版の漫画は、基本的にTV番組の宣伝のために放送に合わせて描かれた漫画である。
だがしかし、
ショッカーライダーのように、逆に漫画からTVドラマ版に取り入れられたキャラクターもいる。
このように、TVが主で漫画が従だが、互いにリアルタイムで影響を与え合いながら作られている。
読み返すまで、すっっっっっっっっっかり忘れていたのだが、
漫画版の本郷猛はロボットになってラストバトルに登場する。
だったら最初から殺すなよという話だ。
つまり藤岡弘が降板したとき石ノ森章太郎は、
「あ、こいつもう出てこないから殺しちゃえばいいや」
と思って漫画の中で殺してはみたものの、藤岡弘が復帰してダブルライダー旋風が世に巻き起こったので、あわてて漫画の最後でロボットにして出してみた、ということだと思われる。
村枝賢一の漫画、「仮面ライダーをつくった男たち」で、
本郷猛の設定の処遇に苦慮するスタッフたちの前で、
「藤岡くんを切ってはいけない!ヒーローは絶対に死にはしないんだ!」と、
熱弁を振るった平山亨プロデューサーの姿は感動的であり、英断であった。
今まで気付かなかったが、
あっさり本郷猛を殺してしまった石ノ森章太郎の態度とはかなり対照的である。
しかしその後、
仮面ライダーがあっさり死んで、あっさり生き返る展開は、V3からのTV版の仮面ライダーに見事に逆輸入されて毎度おなじみのあの時の涙を返しやがれバカにすんな、ということになってしまうのである。
(画像はTVコミックス版「仮面ライダー」作画:山田ゴロ)
仮面ライダーthe second一文字隼人 (秋田文庫 5-53)
- 作者: 石ノ森 章太郎
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2013/04/10
- メディア: 文庫
松丸亮吾の「過去発言との矛盾を指摘するのは違う」論を考える [心に残る1コマ]
過去の発言と今の発言のスクショを並べて「矛盾してる!」「ブーメラン」みたいに言うのはちょっと違うよなぁ、とたびたび思う
— 松丸 亮吾 (@ryogomatsumaru) April 4, 2023
年が経つうちに色んな経験をして考え方が変わるのは自然だし、生涯を通して全ての発言に一貫性のある人なんていないんじゃないかなぁ
>「年が経つうちに色んな経験をして考え方が変わるのは自然だし」
これは分かるのだが、問題のツイートは
>「過去の発言と今の発言のスクショを並べて」
とあるので、Twitterの色んな所でよく見かけるツッコミに対する予防線として言及している印象もつ。この件で擁護できるケースをあまり見たことがない。
「ツイッター」「矛盾」で検索したら出てきた一例がこれ。
まあ別に責めるほどのことじゃないけど、イキった感じが出てるだけになんか面白い。
以前こういった事例について考えたことがあった
小山ゆう「お〜い!竜馬」を読んだ時だ。
なので今回改めて記事化してみた。
主人公の竜馬が幕府の要人を暗殺するために屋敷を訪ねたところ、
要人の話を聞いているうちに考えを変え、弟子入りをしてしまうという定番の「物語」がある。
「わかったことは坂本さまが変節漢だということです!!」と竜馬を非難するヒロインに、
「俺は正しいと思える新しい考えが見つかりゃ、何度でもコロコロと心変わりするぜよ」
と答えて仲間を呆れさせる。
竜馬の思考の柔軟性をうまくコミカライズしていると思わされて、
一見かっこいいと思ってしまうのだが、それは我々が後の歴史を知っているからではないだろうか。
「正しいと思える考えが見つかれば改める」というのは極めて合理的というか、本来そうあるべきなんだけども、これを推し進めると単なる発言に責任を持たない無責任な人ということになってしまう。
冒頭の松丸さんのツイートも、「その通り!」「よくぞ言ってくれた」なんて絶賛のリプライが殺到していたが、そういう人たちは将来「発言は常に首尾一貫すべし」と松丸さんが言い出しても許容するという話になる。
発言自体が既に矛盾を起こしているんよ。
思い出すのは手塚治虫のブッダに登場する、なにも信じない主義の高僧だ。
「なんでもホイホイ信じれば いずれとんでもない間違いをおかす」という考えは素朴で真っ当なのだが、これが先鋭化してあらゆることを疑いだす。疑い出せばキリがない。
そして優れた弟子の二人に、「では師も信じなくてよろしゅうございますか」と見限られてしまう。
みなもと太郎の「風雲児たち外伝風雲戦国伝」に、
「裏切りは大好きだが裏切り者は大嫌いだ」と言っていた家康が、
藤堂高虎は誠実な裏切りだと評価するシーンがある。
戦国時代は裏切ってはみたものの、評価されるケース、されないケースさまざまだ。
「不思議の勝ちあり、不思議の負けなし」と言うが、
評価される変節には美学が伴うと思う。
横山光輝「項羽と劉邦」に「一言を吐けば万金を積まれてもそれを変えず」というセリフがある。
己の悲運を予期しつつ、それに殉ずる軍師、范増のカッコよさがある。
「蒼天航路」で、のちに生涯の主君になることになる劉備にスカウトされた趙雲が、
公孫瓚の部下になると宣言した直後なので申し出を即断するシーンもかっこいい。
一切考えを変えるつもりがなく議論にのぞむのであれば考えものだけれども、
本来こんなふうに自らの発した言葉には責任を持つのが基本姿勢であるべきだと思う。
范増と趙雲はちと頑固すぎるが。
たかだかTwitterで発言の矛盾を指摘されたぐらいで、
そんなの別にいいじゃんと言う理屈をぶち上げてしまうのは、
やはりなかなか詭弁なのではないかなと俺は思う。
松丸くんが教育界の10人と考える 答えがない時代の新しい子育て
- 作者: 松丸亮吾
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2023/03/29
- メディア: Kindle版
作者も初出がわからん漫画たち。荒井清和「べーしっ君 完全版」 [心に残る1コマ]
これぐらいかなと手にとって一発で見つけた時はさすがだなと自賛してしまうが、
何時間探しても見つけられない時もある。
(見つけられない時は大抵、元絵を間違った印象で記憶している。)
浪花愛の「来訪者」は掲載誌を全号持っているので、これまで単行本を所有していなかった。
しかし来訪者の中の1コマを探すのに掲載誌のアニパロコミックス全54号のうち、40冊ぐらいを探さないといけないのは骨が折れるし、今回は見つけられないしで単行本をついに購入したのが前回までのあらすじ。
そして単行本の中に探している1コマを見つけることができた。
話のタイトルは「ハンドメイドの来訪者」。
子供が幼すぎて、抽象的な表現の理解が追いつかないエピソードを紹介している。
念の為に前後の話から掲載号を推測して実際に確認することにしたのだが、、、
無い!アニパロコミックスに掲載されていないのだ!
「謎に生きる来訪者」という話がアニパロコミックス36号。
第二子が生まれる「もっと小さな来訪者」が38号。
36と38の間のアニパロコミックス37号には
探してた1コマがあった「ハンドメイドの来訪者」、
雑誌ふろくをいつ捨てるかを描いた「ふろくのある風景」、
第二子出産前の苦労を描いた「まじかの光景ふたたび」、
が掲載されているハズなのだが、育休なのか37号には浪花愛の漫画が一切掲載されていないのだ!
こういう時は単行本に初出情報があるか確認する。
幸いこの漫画の初出が多岐に渡っているせいか、ラポート社版の初出情報は充実している。
…と思っていたのだが実際に確認すると、
全5巻のうち問題の話が収録されている1巻だけ初出情報がない!
なぜよりにもよって1巻だけ???
「ちいさな来訪者」5巻の奥付にある初出一覧。くわしい。
もしかしてだけど、
版元も作者も初出が分からないので1巻だけ掲載を見送った???
…分からないなんてことあるはずないと思うかもしれないが、思い出したことが。
荒井清和の名作ゲーム4コマ、
「ベーしっ君」という漫画単行本の完全版がある。
この漫画の連載は3誌(LOGiN、MSXマガジン、ファミコン通信)に渡っており、完全版では掲載された4コマひとつずつ初出が書かれている。かなり細かい、良い仕事をしてると思う。
ところがこの完全版には、
掲載誌こそ「ファミコン通信」と明記しているものの、
掲載号不明と書かれた4コマがいくつかあるのだ。
引用しているゲームから、大体の掲載時期が分かりそうなのにも関わらずである。
ヨッシー幾三のコマの下に掲載号不明と書いてあるのに注目
さらにところがになるのだが、この4コマ、
当時俺はこの漫画や掲載誌を読み込んでいたせいか、
ひと目見て初出の目星がついてしまった。
掲載号不明と書かれた4コマは全てファミコン通信の「増刊号」に描かれたものだった。
ヨッシー幾三の4コマは増刊3号に掲載されている。
増刊号はおそらく週刊化の準備号として企画された雑誌で、1991年の11月16日発売の1号から、月イチで5号まで発売された。あまり変わり映えのしない誌面&正式なナンバリングでは無いので、作者も編集者も存在が記憶からスッポリと抜けていたということだと思う。
そんなことがあったので、
前述の「来訪者」も初出情報が1巻だけ無いのは、「分からなかった」ので項目ごと無くしてしまったのではという考えに至ったというわけなのだ。
んー???
でも1巻の掲載話のほとんどはアニパロコミックスにしか掲載されてないのは分かりきった事なんだから、「アニパロコミックス××号〜××号までを掲載」ってまとめて書くよな普通。という疑問も湧く。いちいち×話は×号と確認作業を行う発想にもならないはず。
疑問は他にもある。
探していた1コマがアニパロコミックスに掲載されてないとしたら、自分はどこでその漫画を読んだのだという疑問。単行本は読んでない確信がある。しかし状況から言って単行本で読んだとしか思えない。
…でえ、
この記事を書くためにさらに調べを進めていたら、浪花愛不掲載のアニパロコミックス36号の編集後記に浪花愛の産休のお知らせを発見。
その中に「なお次の来訪者シリーズ」はJUNIOR13(5月19日発売)掲載予定ですので、よろしく。」という一文が目に止まった。
アニパロコミックスJUNIORは新人育成をテーマにした姉妹誌的な雑誌。
アニパロコミックスは隔月刊誌。産休明けになる38号は6月5日発売。…まさかと思う。
確認のためにオークションでJUNIOR13を落とすか???と思ったが、
よく見ると自分の机の下にJUNIORが20冊ぐらいあった。
こっちも購入してたのか!本誌を全て電子化して力尽きて放置してたのをすっかり忘れてた。
(表紙は高橋なの作画の「雲のように風のように」。七変化作画の「後宮漫画」も掲載されている)
そしてJUNIOR13の中に
「ハンドメイドの来訪者」「ふろくのある風景」「まじかの光景ふたたび」が掲載されているのを発見したのだった。
出産のため36号の掲載が見送られ、その翌月に出版されたJUNIOR13にスライド掲載された、ということか。謎は全て解けた。1巻だけ初出情報が無い理由は謎のままだが。
新人主体なのであまり読む気力が湧かなかったアニパロコミックスJUNIOR。
読んで見ると、けっこう本誌の主戦力の人が描いている。
仮面ライダーブラックRXが大河ドラマ武田信玄の世界に紛れ込む高橋なのの漫画も、どこで読んだんだっけと探していたのだがここにあった。
JUNIORは20冊ぐらいある。
蔵書完全電子化はまだまだ遠い。
村枝賢一は描き分けたのか?特撮でも起こる作画崩壊! [心に残る1コマ]
これで見るようになったのは2号ライダー編になってからなのだが、
自分がこれまでいかに本編映像を見ていなかったのか思い知らされる。
発見ばかりだ。
一番熱中していた時期は再放送もなく、
ビデオレンタルは高価で傑作選しかない。
小学生なのに2800円もする怪人図鑑を購入して穴が開くほど見返していたが、
そこには滝和也のことも山本リンダのことも書かれていない。
(山本リンダがショッカー戦闘員よりも強いのでびっくりした)
赤いはずの2号ライダーの複眼が
バイクスタントや殺陣のシーンなどで時々ピンクになっていることにも気づく。
1号役の藤岡弘が怪我をして、急遽2号ライダーが誕生したのは有名な話。
のちの旧1号と呼ばれるそのマスクの複眼の色がピンクだ。
時々2号の複眼の色が変わるのは、1号のマスクを中途半端に改造したものを使用してるからなのだと察した。
ちょっと貧乏くさい。
レギュラーの女優は三人も増やすのに。
水の中で戦うシーンでアクション用のマスクがドアップになっていてびっくりした。
中の人の目と口が露出していて、まるで覆面プロレスラーのようである。
そんなピンクの複眼も、
今週配信された26話でついに赤くなった。
2号の初登場が14話なので、12週かかった計算になる。
こうして見ると、かなり軟質で面長なマスクである。
視界を良くするために隈取りの部分のクリアパーツを外して、
向こうの景色が透けて見える場面もあった。
くちの部分、いわゆるクラッシャーもちょっと出っ歯気味でカッコ悪い。
なんかククルスドアンの島で有名な作画崩壊ガンダムのようでもある。
ウルトラマンのマスクはAからCと3種類あるが、ライダーにもそういった呼称はあるのだろうか。
(桜島1号とかあるよな)
仮面ライダー漫画といえば村枝賢一の 「仮面ライダーを作った男たち」。
そのマスク描写の描き込まれ具合は、仮面ライダーコミカライズの革命だった。
そんな村枝漫画で、アクション用のマスクをかき分けているコマはあったのだろうか?と思い、改めて読み返して探してみた。
第二話の冒頭のコマが隈取りの面積が広くて一番それっぽい。
ちなみに最近、宇宙刑事シャイダーのメイキング映像をネットで見た。
なぜかリアルタイムで本編を見た時以上の迫力を感じた。
#柴原孝典さん生誕祭
— マロン/栗山 久輝 (@2iGicfdWsbJcY5M) August 22, 2022
これは8mカメラで柴原さんが
撮影して細く編集したシャイダーの現場なんだそうです
ヒーローを演じてる方々は日々努力をされてるのが よくわかるな pic.twitter.com/5FAXkpLt2o
「仮面ライダーを作った男たち」では主役のマスクを地べたに置くなと、
演者がスタッフをたしなめるシーンがあるが、
シャイダーのメイキングでは思いっきりマスクを地面に置いていた。
宇宙刑事のJACとライダーの大野剣友会ではしきたりが違うということなのだろうか。
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ブルマー!思春期少年のためのささやかな工口の起源とは?中津賢也「ふぁいてぃんぐスイーパー」 [心に残る1コマ]
「ブルマーはフェミニストが作ったものだぞ」
「なんという矛盾」
〜みたいなレスがついていたので、へえそうなんだと調べてみた。
結果、間違ってはいなかったんだけども、
できた当時のブルマーは今我々が想像するブルマーとはてんで別物。
モンペみたいだった。
(ウィキペディアより)
今我々が想像するブルマーの形になったのは、
ウィキによると東京オリンピックのあたりらしい。
要するにスポーツのパフォーマンスを高めるため、
より体に密着した空気抵抗の少ないものになっていったという流れだ。
ブルマーを最初に履いたフェミニストのお姉さんたちも、後期型のブルマーは履けなかったろう。
20年前ぐらいだろうか。
ブルマーが廃止されて短パンが主流になったのは。
まあ見た目やらしいから廃止されるのも止むなしと思う。
今も陸上競技やらビーチバレーやらで盗撮が問題となっているが、 そんなもんどんどんやらしくない方にウェアを変えればいい。
2002年の「ジャムフィルムズ」という短編映画集の中で、
行定勲監督が撮った「JUSTICE」が、失われゆくブルマーの全てをフィルムに焼き付けている。
思春期少年に許された、ささやかなエロとしてブルマーは度々漫画でも描かれてきたが、
その中で説得力あるブルマー嘘トリビアを書いたのが中津賢也の「ふぁいてぃんぐスイーパー」。
のちのシティーハンターに代表されるように、
現代版仕事人のような仕事を街の掃除人、
スイーパーと呼称するのがフィクションの世界で流行っていた時期があったらしいのだが、
「ふぁいてぃんぐスイーパー」はまんま清掃道具を使って悪を倒す探偵系の漫画。
(普通に掃除もする)
掃除会社の制服がなぜブルマーなのかと訝しがるヒロインに、
「ブルマー(Bloomer)はもともと清掃用具、Broom、ホウキが語源」という説明が主人公からなされる。
ヒロインが感心するが、すぐにウソだとネタバらし。
80年代、ポップで洗練された漫画といえば少年サンデーという印象だった。
その中でも中津賢也の作風は新鮮で、
「ふぁいてぃんぐスイーパー」「黄門じごく変」「徳川生徒会」の小学館三部作は大好きな作品だ。
出版社を移籍した後はちょっと雰囲気が変わった気がして読まなくなってしまうのだけど。
「ふぁいてぃんぐスイーパー」は漫画図書館Zで無料公開されているらしいので、気になる人はぜひチェックしてほしい。
三人に一人が隠れ苦しむ病。ヴェルヘルム三世「私のお尻のメッセー痔」 [心に残る1コマ]
患った人にとって、なるべく他人には知られたくない病気だと思う。
漫画でよくネタにされる印象もある。
空手漫画「空手小公子小日向海流」に出てくる主人公の先輩、南さんなんかを思い出す。
そんな痔に、私もなってしまった。
周期的に苦しむ時期がやってくるようになって2〜3年ぐらい?
痛い痛いとは漫画で知っていたが、想像以上だった。
あまりの激痛に夜眠れず、ベッドでのたうち回るようになって初めて肛門科を受診した。
その医院があまり合わない感じがしたし、引っ越したので結局一回きりの受診だったが。
一番最近悪化したのは今年の4月くらい。
その時期に本屋のエッセイ漫画コーナーで見かけた一冊、
ヴェルヘルム三世の「私のお尻のメッセー痔」が気になって手に取った。
装丁は微妙。
シュリンクされて中身が確かめられないのでとりあえず本を棚に戻し、
家に帰ってU-NEXTの余ったポイントで電子書籍版を購入した。
現在はKindle Unlimitedでも読める。
とりあえず漫画としてのクオリティはプロっぽく無い感じ。
詳しく調べてはないが、Twitterかなんかにアップしたら人気になって出版社からオファーが、ってパターンなのだろうか。作者の体験をもとに、痔の苦しみ、解決方法を描いている。
変なところのある作風だけども、
知りたいところはしっかり描いているので購入してよかったとは思う。
結局、痔のせいで地獄の苦しみを味わった作者は手術まで行ってしまうのだが、
手術でも地獄の苦しみを味わい、それでも根本的な完治ではないと知り衝撃を受けた。
長い目で見たら、それでも手術した方が良いんだろうけど、ちょっと受け入れ難い結末だった。
作者が入院先で知り合った人の体験なども描いてあるので、参考になるというか、なんか心強い。他にも同じように苦しんでいる人がたくさんいるんだなって。実際、三人に一人は痔持ちだという調査もあるようだ。
漫画の中で一番共感したのは便意をもよおした時の恐怖。
普段、痛みでのたうち回っているというのに、その箇所にブツを通過させないといけないのだ。
無理無理無理!って思う。
排便が無理って、この先の人生どうなってしまうんだと絶望する。
漫画で一番参考になった痔の予防法がある。
医師によると排便時に力まず、短時間で済ますことだという。
ちなみに自分の母は痔ではないが、
私が子供の頃はよく便秘で苦しんでいた。
大人になって気づいたが、ここ10年以上は母のそんな姿を見てない気がする。
母に聞いてみたところ、医師からビオフェルミンという薬を処方してもらってから調子が良いという。
ビオフェルミンは聞いたことのある薬だ。
薬局でも気軽に買えるのかもしれないのだが、母が言うには処方箋がいると言うし、服用回数が多くて面倒そうなので、今のところは自分で編み出した予防法で快適である。
その予防法とは、やっぱり市販薬を買うこと。
自分が排便の時間が長くなるのは便が硬いからだと思った。
なので切れ痔気味でもある。
一般的な痔のイメージである、イボが出来るというのは無い。
なので軟便になれば軽減するのではと思った。
繊維質の食品を食べれば軟便になるかと試したが効果が無いので、
まず買ったのは「オイルデル」という市薬品。
名前の通り、オイルで腸の潤滑をよくする飲み薬だ。アマゾンでも買える。
効果があるのか無いのか、今ひとつよく分からなくもあるのだけど、ある程度これで軽減されたような印象がある。
もう一つは「スルーラックマグネシウム」。
これもアマゾンで買える飲み薬。
マグネシウムには軟便の効果があるそうだ。
便通が悪くなってきたなと思ったら、
それぞれの薬を最低一錠づつ飲む。
これで最近は好調である。
またこれで乗り切れない時期が来るのかもしれないが、
その時はまたここに追記しようと思う。
病状も対処法も人それぞれ。
漫画に登場する医師によると、羞恥心によるハードルは高いけども、行く気になった時が受診時だという。
幸運にも自分の症状は漫画の作者よりも軽いようである。
あくまでも参考までに、
他の人の痔で苦しみを1%でも和らげられたらいいなと今回のブログを書いてみた。
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