700年前からあるキラキラネーム問題。 [時事ネタ]
【電子版だけの特典カットつき!】壇蜜写真集 モナリザ -雫-
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- 発売日: 2019/08/30
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壇蜜がキラキラネームに苦言を呈するニュースを見た。
壇蜜の本名は齋藤支靜加。
えーと、さいとうしずかなんだろうけど、「し」がひとつ余計な感じだな。
よく見ると「静」が旧字体の「靜」だ。
「齋」もめんどくさい方の字だし。画数多い!
壇蜜は言う。
「漢字で書ける人がほとんどいないので、
電話での説明もめんどくさいし、
大体診察券間違ってるし、
旧字体は出てきませんって言われるし。
これ本当に苦労するからよく考えた方がいいと思います。プレゼントですよ、1番最初の」
キラキラではないけども、
昔バイトの後輩に芸能人の小池徹平(仮名)と同姓同名の奴がいた。
病院の待合室で名前を呼ばれると周囲がざわつく。(当時は番号で呼ばなかった)
立ち上がると「まぎらわしい」と女子高生に舌打ちされる、みたいな苦労があったようだ。
まるでMMRのキバヤシだ。
(「MMR-マガジンミステリー調査班-」6巻より)
もっと昔、悪魔君騒動というのがあって、俺ら世代では有名な事件なのだが、親の命名権について日本中が考えさせられる出来事があった。
1992年の東京。生まれた息子の名前を「悪魔」として届け出た親がいた。行政がそれを受け入れず裁判になった。父親の個性的なキャラクターもあってマスコミが大々的にこれを報じ、結局子供の名前は少し父親が譲歩したような形に落ち着いたと記憶している。数年後、父親が覚醒剤取締法違反で逮捕されてオチがついたことも、広く世間に伝わっている。
騒動の渦中、小林よしのりのゴーマニズム宣言5巻でもこの話題が取り扱われた。
もちろん小林は「悪魔」という名前に批判的な立場である。
「その(変名の)わずらわしさは精神を鍛えたり魂を磨いたりするものではなく ひたすら無意味に気を使い気を使わせるだけのものでしかない」
って分析が好き。
さらに、世間に「悪魔」という名前を支持する意見が出てきてたことにも触れて、
「自分の子供になら絶対つけるはずもないし親兄弟・親戚がつけるって言い出しても反対するはずなのにアカの他人になら『いいんじゃないの』って理屈で割り切って言えるか?そりゃ想像力がなさすぎだぞ 本能が狂っとるよ!」
と、まとめている。
本能が狂っとる!いい言葉だ。
そしてこないだ読んだ「日本人なら知っておきたい日本文学」という漫画が、700年も前にキラキラネームについて言及する兼好法師を、意訳して紹介していた。
「最近凝った名前多いよね…昔はもっと素直に名づけてたと思うんだけど。『難しくすれば賢く見える』と思ってるのかもしれないけどそうでもないよ?人の名前に見慣れない漢字を使うことがいいとは僕は思わないなあ…(作注=まるで最近の話のようですが700年前の発言です)」
原文は
「寺院の号、さらぬ万の物にも、名を付くる事、昔の人は、少しも求めず、たゞ、ありのまゝに、やすく付けけるなり。この比は、深く案じ、才覚をあらはさんとしたるやうに聞ゆる、いとむつかし。人の名も、目慣れぬ文字を付かんとする、益なき事なり。
何事も、珍しき事を求め、異説を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ。」らしい。
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