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いつか行きたい「3つのおかず」。李昆武「チャイニーズライフ」の舞台を探す。




引き続き「チャイニーズ・ライフ」という漫画の素晴らしさを語る。

同じ間取りの社宅を、同じような構図で描いて、
それぞれの生活感の違いを表現しているところがわかりやすいだろうか。

3つのおかずb1.jpg

3つのおかずb2.jpg

3つのおかずb3.jpg

とくに猫ちゃんがいい。
ただ、ネットの小さい画像では伝わらない気もする。
ぜひ紙の本を手に取っていただけたらなと思う。

よく見ると、ワンルームなのである。
住宅事情はあまり良くなかったようだが、悲壮感はあまり無い。
アメリカ人から見た日本の住居がウサギ小屋と言われるのと同じようなものかも。
年代的には1970年代ぐらいと思われる。
 
そういえば最近、
中国でミネラルウォーター会社が不買運動にあってるというニュースを見た。
ペットボトルの赤いキャップが日の丸っぽい、親日企業だ!という非常に知的極まりない理由だ。
その会社の社長は中国一の資産家として知られ、財産は九兆!Σ(°Д°;
経済の行き詰まりがささやかれる人民の不安の表れではないかとも思う。



「チャイニーズライフ」にもミネラルウォーターの会社の社長が登場する。
その社長さんは非常に良い人なので、不買のニュースを聞いた時この人の会社だったらどうしようと不安になったのだが、どうやら違ったようで安堵した。それにしてもミネラルウォーターって儲かるんだな。まさに水商売だ。

ところで、
李昆武(Li Kunwu)の「チャイニーズライフ」以前の代表作は「雲南18怪」
雲南省の珍しい風習をイラスト化したもので、以下のサイトで見ることができた。
https://oka-ats.blogspot.com/2012/08/oka01-qfobcfyxzifaeset.html


昆武と知り合いになったミネラルウォーター会社社長は、
自社製品のラベルに「雲南18怪」をプリントすることを思いつく。

3つのおかず3.jpeg

このミネラルウォーター、
探せば見つかるかなと調べてみたら、発見できた!感動!
https://ethnicsuzuki.com/unnan18kai/

3つのおかず4.jpeg

昆武とミネラルウォーター社長の出会の場となったレストラン、「3つのおかず」も見つけた。
作中で、クズ鉄拾いでお金を貯めた夫婦が開業させて大成功したレストランだ。
http://siusam.net/archives/9023923.html

3つのおかず.jpeg

なかなか中国旅行は難しいけれども、
この「3つのおかず」にはぜひ一度行ってみたいなと思っている。

3つのおかず2.png

「チャイニーズライフ」の舞台となる雲南省に興味が湧いた。
中国の、うんと南の方にあるようだ。

映画で何かないかなと調べてみたら、「単騎、千里を走る。」という映画が出てきた。


単騎、千里を走る。 [DVD]

単騎、千里を走る。 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2006/09/22
  • メディア: DVD

高倉健主演で、2005年の映画。
話題作だったので存在は知っているが、地味そうで敬遠していた。
監督は、田舎の素朴な恋愛を描いた「初恋のきた道」で有名なチャン・イーモウ。
こっちは見たことがある。

「単騎、千里を走る。」は、
余命いくばくもない息子と和解するために、息子の念願だった名人芸を撮影しに中国の雲南省に行くという話。
さまざまなトラブルに遭うが、雲南省の人たちが親身になってくれたことで、息子が求めていたものは名人芸ではなく、もっと別のものだったと気づくというオチ。

いい映画だった。
リアリティ重視の芝居で、だらだら喋っているのだが退屈しない。
その場に自分も参加しているかのようである。

この映画に出てくる雲南省は田舎である。
1998年制作の「中国の鳥人」という映画も舞台が雲南省でやはり田舎だった。
チャイニーズライフを読んで、日本の漫画家が一時期もてはやしていた人民服を着た中国人たちがその時期にかなり貧しかったと気づいて驚いたのだが、その辺が確認できた。

陳腐な解釈をすれば、「単騎、千里を走る。」は
「田舎っていいよね人情があって、それに比べて都会は」という映画だということだ。
TVでよくある発展途上国に行って、寄ってきた子供たちを見て、「子供たちの目が死んでない!キラキラしてる!」とかいうのが俺は嫌いだ。それは貧しさから来る娯楽の少なさ、余暇の多さでもあるからだ。

ではあるのだけれど、日本からやってきた一人の中年を歓迎するために、
村をあげて一列に机を並べ、飯を食うという「単騎、千里を走る。」のワンシーンは言葉にならない感動がある。その光景をフィルムに残したのがこの映画の価値だ。
 

それからたった20年でとんでもない経済成長を遂げた中国。
現在の雲南省はどうなっているのか。
YouTubeで探して見つけた動画では、とんでもなく発展してる。
国土が広いので、都心を離れるととんでもない田舎も残っているのだろうけども。



1980年に日中漫画家交流で中国の漫画家が来日した際、こんな文章を残している。

3つのオカズ.jpg

日本の漫画家と中国の漫画家はそれぞれ社会制度の異なる国にいます。簡単に比較はできないと思いますが、例えば彼等の生活水準は、一般的に我々より高いでしょう。しかし、その生活水準を維持してゆくため、厳しい仕事をこなしていかなくてはならないのです。我々の生活水準は低くても、基本的な生活を送れる賃金が約束されています。几帳面にするか、怠けてするかは自分で決めることです。本当のところ私は怠け者ですので、日本の漫画家の忙しさには恐れを抱いてしまいます。ある晩、京都のフランス料理のレストランで、鈴木義司さんが感慨深げにこういいました。「中国の漫画家はいま一歩テンポを速めて、日本の漫画家はもう少しのんびりやればちょうどいいんじゃないの」私は、はっとしました。彼はきっとこの資本主義社会の緊張感を少し緩めたかったのでしょう。逆に私は、社会建設のために我々はもっと歩調を速めなければならない、と思ったのです。「世相漫画で知る中国」より)

 
「チャイニーズ・ライフ」の作者の結論は、
「人権より秩序と経済発展」という、とんでもないものだったことを思い出す。
人権大国フランスで発表した作品でこの結論が許されるというのは、その筆致の凄まじさによるところが大きい。あと悲しみだ。

「チャイニーズ・ライフ」はそういう現実を知らされる傑作中の傑作だと思うのである。

 




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ニセ札犯から転身した漫画家、赤瀬川源平という人がいた!Σ(°Д°; [あの人は今]

偽札犯から漫画家に転身した人がいたと知った。
この年になっても漫画は知らないことばかりだ。
偽札犯の名前は赤瀬川源平(あかせがわげんぺい)という。

まずその存在を知ったのは「現代漫画博物館1945-2005」という本。
終戦直後から60年間、漫画史に残る750タイトルを選び紹介する内容だ。
偽札犯、赤瀬川源平は1970年を代表する20本の中に「櫻画報」(さくらがほう)で選ばれている。
菫画報の元ネタ?


現代漫画博物館

現代漫画博物館

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/11/07
  • メディア: 単行本

その櫻画報を紹介するために引用されたコマは、つげ義春「李さん一家」のパロディ。

アカヒガワげんぺい1.jpg

紹介文を読むと風刺漫画っぽい。
「文藝春秋漫画賞の47年」を調べてみたが受賞もノミネートもない。

ただ「孤独のグルメ」の久住昌之が1999年に「中学生日記」で受賞した際、
「赤瀬川源平に師事」と書かれていたことから、赤瀬川源平がそれだけ高名な人だというのは伝わる。美学校の講師をしていたらしい。

さらにウィキを調べてみて、
赤瀬川源平が「表面だけの千円札」を作ったとして、有罪判決を受けたと知ったのである。

厳密にいうと偽札犯では無く、「紙幣と間違える紛らわしいものを作った罪」なのではあるが、色々込み入った話なので簡潔にさせていただく。本人も「千円札を印刷したら起訴されて有罪になっちゃいました」と書いているし。

要するに赤瀬川源平は前衛芸術家なのだ。

千円札裁判終了後、弁護した瀧口修造に赤瀬川がお礼に送った千円札オブジェが4分18秒に登場する動画。


赤瀬川源平は執行猶予になった後、つげ義春「李さん一家」を読んで深い感銘を受け、「ガロ」で「御座敷」という漫画を発表。同誌の人気漫画家だった佐々木マキが推薦されて朝日ジャーナルで作品を発表し、手塚治虫以外に好評だった流れで赤瀬川源平にも朝日ジャーナル連載のオファーがくる。

そこで赤瀬川源平は前述の「櫻画報」を始めるのだが、その中で朝日新聞を揶揄する漫画を描いたことが上層部で問題になり、掲載号は回収され2週間の休刊、編集長は更迭、61人が人事異動を喰らう大混乱をもたらした。すごい風刺であり、アートだと思う。

アカヒガワげんぺいb1.jpg
ルバング島に潜伏していた日本兵も「偏向しとる」と思ったぐらい朝日はアカイのである。

この「櫻画報」の文庫版を購入してみた。
本の冒頭、序文が終わったらまた序文が始まるのを繰り返す。
計4度、18ページにわたって、新装版が出るたび書いた序文を収録しているのだから人を喰っている。


櫻画報大全

櫻画報大全

  • 作者: 赤瀬川 原平
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1985/10/01
  • メディア: 文庫

コンセプトは櫻画報そのものが本体の独立した雑誌であり、
掲載誌の朝日ジャーナルは包み紙にすぎないというものだ。
その中でゼロ円札を有料で交換するということもやっている。
欄外の煽りの、「善は急げ!悪も急げ!!」がなんかツボ。

アカヒガワげんぺいb2.jpg

肝心の漫画の内容であるが、正直よく分からない。
コマ漫画というより、グラビア漫画といった感じだ。
絵柄は水木しげるっぽく、かなり上手い劇画タッチだと感じた。

ちなみに水木しげるのアシスタントが描いた「水木先生とぼく」にも、
赤瀬川源平が水木プロを来訪する客として、つげ義春らと一緒に登場する。

アカヒガワげんぺいc.jpg
(中央が赤瀬川源平)

櫻画報だけだとよく分からないので、赤瀬川漫画の代表作としてよく挙げられる「御座敷」「おざ式」を読まないと肝心なことは分からないと思ったので、大枚はたいて「赤瀬川源平漫画大全」を購入。赤瀬川源平が亡くなった翌2015年に出版されたもので定価が2800円。中古相場はその倍だ。


赤瀬川原平漫画大全

赤瀬川原平漫画大全

  • 作者: 赤瀬川 原平
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2015/10/24
  • メディア: 単行本

デビュー作「御座敷」は良かったが、テンションはそこがピークだったと感じた。
やはり本業は芸術家で、そこまで漫画にのめり込むというほどのものでは無かったのだろうと思う。

アカヒガワげんぺい3.jpg

こち亀でも出てくる「トマソン」を始めたのも赤瀬川源平だったというからすごい。
他にも「老人力」を流行らせたり、
今でいう、みうらじゅんみたいな人なのだ。
 
アカヒガワげんぺい2.jpg
 
とりみき「トマソンの罠」という短編にも赤瀬川源平の名前が。
トマソンの罠.jpg


超芸術トマソン (ちくま文庫 あ 10-1)

超芸術トマソン (ちくま文庫 あ 10-1)

  • 作者: 赤瀬川 原平
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1987/12/01
  • メディア: 文庫



と、そんなことをやってる折、
他にも漫画史を調べている過程で、そろそろ読まねばならないと思った本が出てきた。
風刺漫画で投獄されたりした宮武外骨(みやたけがいこつ)を紹介した本、「外骨という人がいた!」である。


外骨という人がいた: 学術小説

外骨という人がいた: 学術小説

  • 作者: 赤瀬川 原平
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 1985/03/01
  • メディア: 単行本


この本、小学生ぐらいの頃に父から「面白いから読め」と勧められていたが、文字だけの本が苦手なので読まずにいた。しかし「外骨」という名前のインパクトは、ずっと記憶に残っていた。

購入の際、「外骨という人がいた!」の著者が赤瀬川源平だったのでビックリした。
こんな昔から俺は赤瀬川源平に触れていたのか!
櫻画報にも宮武外骨の滑稽新聞の引用が多数あったので気になってた。

ちなみに赤瀬川源平は直木賞作家でもある。
実家の居間の壁一面を本棚にしたほどの読書家の父が赤瀬川源平にどういう印象をもっていたのか興味深いが、数年前に死んでしまっているので聞くことはできない。

「外骨という人がいた!」は面白く、
全25巻で定価20マン以上する宮武外骨全集を散々悩んで購入してしまった。

親父も読みたかっただろうなと、その中の数冊を仏壇に供えたのだが、
そのせいか夢の中で親父から「迎えに行く」とメールがきたので、ここ数日死なないようにしている。

アカシェがわ.JPG


赤瀬川原平: 現代赤瀬川考 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)

赤瀬川原平: 現代赤瀬川考 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2014/10/28
  • メディア: ムック



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横山光輝の魂の還る海、神戸須磨海岸に実際に行ってみた。 [心に残る1コマ]

鳥山明が亡くなった。68歳。不意打ちすぎる訃報だった。
そんな鳥山明が愛した「鉄人28号」を描いた横山光輝が亡くなったのは69歳。

横山の死を予見したかのような漫画「闇におどる猫」に描かれていた、どこかで見た海。

やみにまぎれて生きる猫7.jpg

その海は自伝的作品、「まんが浪人」にも描かれていたのと同じ、横山故郷の神戸の須磨海岸だった。
人生に少し疲れた時、横山がつい戻りたくなる場所。巨匠の魂の還る場所、須磨海岸。

やみにまぎれて生きる猫8.jpg

ぜひ一度見てみたいと思った。

光源氏も都を追われ、須磨で過ごした時期があるらしい。
「源氏物語」は、その須磨編から書き始められた説があるという。

須磨観光施設協議会のページにはこう書いてある。
八月十五夜、琵琶湖の水面に映る中秋の名月を眺めて、光源氏のモデルの一人在原行平(ありわらのゆきひら)の須磨での日々と重ねあわせながら、「須磨」「明石」の両巻から書き始められたとも言われています。

神戸にある須磨海岸はけっこう遠く、俺からしたら気軽に行ける距離ではない。
数ヶ月先になるかなと思っていたら急遽予定が空いてしまったので行ってまいりました。

スマスマ須磨3.jpg

そしたらめちゃくちゃオシャレなビーチで驚いた!
スタバムラサキスポーツレッドロブスターも併設。
割と最近大きい工事をしたらしい。

さらに海の綺麗さに衝撃を受けた。
肉眼でこんな綺麗な波打ち際を見たのは初めてだ!
沖縄でなくてもこんな透明な海って日本にあるんだと思った。
めちゃくちゃテンション上がった!

スマスマ須磨4.jpg
画像クリックでツイッターで動画が見れます)

<追記>
The Beach Boysも 浜の美しさに感動して、「Sumahama - 想い出のスマ浜」という曲を作ったそうです。リプで教えていただきました。すごい!
https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11356692679.html

スマハマ.jpg

官民一体となって、かなり気合を入れて須磨海岸を管理しているらしい。
そりゃ横山光輝も還りたくなりますわ。
あの漫画に出てきた壁はなかったけど、どこかにあるのかな。

やみにまぎれて生きる猫3.jpg

せっかくの聖地巡礼なので、
「まんが浪人」の表紙を再現してみた。
はしゃいですみません。須磨だけにスマン。

スマスマ須磨1.jpg

実は須磨海岸は、反骨のブラックジョーク漫画ジャーナリスト・宮武外骨がネタにしたこともある場所。
赤瀬川源平の解説によると、これはかなりしょうもない下ネタだそうですが。
余談ですがこの旅に「赤瀬川源平漫画大全」を持ち歩きました。

スマスマ須磨10.jpeg

せっかくの遠征なので、
以前から一度見てみたいと思っていた実物大の鉄人28号のモニュメントも見てきました。
須磨海岸から東に2kmほどの場所にあります。

で、デカい!

スマスマ須磨2.jpg

横山光輝もよくコメントしているように、漫画の中の鉄人のサイズは自由自在。
いくらなんでもそんなにデカくないだろうというぐらいデカくなる時もあるのですが、
鉄人のモニュメントはそれよりさらにデカいイメージ。

今川ジャイアントロボぐらいあるのではないか。
ちなみに原作まだ読破できてない。

そこから少し北上して横山光輝が育った街並を散策し、喫茶店で小休憩。

きた道を戻って、鉄人モニュメントのすぐ近くのアーケードを南下して「KOBE鉄人三国志ギャラリー」を見学。入館料100円。貴重な三国志コレクションを見たり、グッズを購入することができました。

スマスマ須磨7.jpg

50kgはあるという青龍偃月刀を持ち上げる体験コーナーがインパクトあった。
いくらなんでもこんなに重くはないだろうとは思ったのですが、
これ振り下ろされたら間違いなく漫画みたいに真っ二つだろうなという説得力を感じました。

他にも巨匠ゆかりの土地はたくさんあるのですが、取り急ぎこんな感じで巡ってみました。
なんかいいとこらしいという話はよく聞いてましたが、そんな神戸をついに訪れることができて良かった。
あまり関係ないですけど、小島秀夫の「スナッチャー」は未来のネオ・コウベが舞台でしたね。

これからという方の参考になるかどうか。簡単ではありますが地図を作ってみました。
クリックするとツイッターアカウントからさらに拡大して見ることができます。
スマスマ須磨8のコピー.jpg

ご飯は鉄人モニュメントの近くのアーケード入ってすぐにある
「中国料理 新長田一貫樓」はいかがでしょうか。これぞ料理の鉄人!

スマスマ須磨5.jpg
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文化大革命を体験した漫画家の自伝、 李昆武「チャイニーズ・ライフ」 [名作紹介]




日本よりも30年も早く週刊漫画誌が誕生したと言う中国。
そんな中国漫画がなぜ衰退したのかを探っている日々。過去記事参照のこと。

「チャイニーズ・ライフ」なる漫画を購入してみたが、めちゃくちゃ良い。
今年これ以上のものが読めるのかというレベル。

なんと親子二代で中国共産党員の漫画家の自伝だ。
文化大革命などを過ごした描写はもう「デビルマン」に匹敵する。
それでいてどこかユニークなのだ。

ぶんかく3.jpg
これが自己批判ってヤツですか

「チャイニーズ・ライフ」はしっかりした劇画になっていて、違和感なく読み進められるのも驚き。
中国はこんなレベルの漫画が溢れているのだとしたら大いに認識を改める必要がある。

が、「チャイニーズ・ライフ」の後半で、
外国の漫画際に招かれた作者が、世に漫画が氾濫している国があることを知り、
人類が月面を歩いたときレベルで驚いたというから、やはり中国には漫画が少ないのかもしれない。
(情報統制がはかどってるのもわかる)

「チャイニーズ・ライフ」が違和感なく読めるのは、
共同原作者のフィリップ・オティエによるところも大きいのではと思う。
オティエはフランス人で、漫画好きな外交官という異色の経歴の持ち主。

劇中で本作の打ち合わせの様子が描写されているのだが、
そこから察するにオティエが李昆武から話を聞いてネームにし、
どういう絵にするか誘導しているのではないだろうか。

つまりこの漫画は中国漫画というよりは、バンド・デシネなのである。

 
「チャイニーズ・ライフ」の主人公、李昆武(Li Kunwu)は1955年生まれ。

その父は中国共産党内で、地方のそこそこ偉い立場にいた人物。
自分も、国家も、大衆も、とんでもなく愚かで嘘つきあることを悟り、独り想い悩む。

ぶんかく1.jpg
このコマの父の表情が良い

スズメを駆除すれば豊作だと言って逆に害虫の増殖を招いて大飢饉に。
鉄を増産さえすれば一流国だと鍋カマまで溶かしまくってクズ鉄を量産。
溶鉱炉にくべる薪が必要だとハゲ山も量産し、大洪水を巻き起こす。

過度なノルマを課すから生産報告はウソだらけ。
それを信じてまたさらに過度なノルマを課す悪循環。

ぶんかく2.jpg
(王 欣太/李 學仁「蒼天航路」冒頭の1コマ)

作者は回想する。「ユートピアとはこんなところでしょうか」
この時の中国は、意識が高いだけのアホがトップダウンをおこなう実験国家だった。

そんな中国共産党を愛した作者の父は、
地主の家系だったというだけで一時は失脚。
矯正施設に追放されるが、それでも党への忠誠心は生涯捨てなかった。

父は言う。
「党が危機に瀕したときは、家族も友人もないんだ。」
この精神は息子にも受け継がれている。

本書を翻訳した野嶋剛も巻末で解説している。

つまるところ中国にとっては「秩序と安定が経済発展のためには必要」であると結論づけている。

これらは政府の公式発言でなく、内心から出たものであると李氏は語る。なぜなら、中国は「20世紀を通じてあらゆる苦難と屈辱を味わった」国であり、李氏自身も「文化大革命、批判運動、階級闘争、干ばつ、飢饅、電力不足、極貧」などを経験した末に持った考えであり、「発展と再生のために必要な秩序と安定を求める私たちの深い渇望」を理解してほしいと読者に語りかけている。こうした李氏の思考法は、現代中国人の価値観を理解するうえで、私にとって非常に知的な刺激を感じる部分であった。もちろんその意見には異論のある読者もいるはずだ。しかし、李氏の考え方もまた、中国人社会における否定できない現実的な一面であると私は考えている。

人権よりは秩序と発展が大事。
自由を謳歌しすぎるとこの国はバラバラになって崩壊する。

全2巻を読み通すと、そういう考えに至るのもわかるような気がする。
それを正直に人権大国フランスのメデイアで発表してしまうのもすごい。

さらに訳者の野嶋氏は、
愚かな失敗をした過去を綺麗さっぱり忘れて再出発する「チャイニーズ・ライフ」に描かれたような中国人たちの心理を、戦前・戦後の日本人と重ねて分析しておりわかりみが深い。

庶民はたくましい。七人の侍
ナイーブな青年のように自己嫌悪して歩みを止めることはないのだ。
 

おどろくことに中国の黒歴史満載の「チャイニーズ・ライフ」は中国でも出版されている。
おそらく改変されることは避けられないだろうが、この内容が出版されてるのは驚きである。
共同原作者のオティエ氏が外交官のキャリアがあり、刊行当時も中国に滞在していたと言うのが大きいのだろうか。

邦訳版刊行時には日本でも権威ある漫画賞を受賞しており、原作者両氏が来日を果たしている。
島本和彦や沙村広明らと並んで写真を撮っているが、どんな会話があったのか興味は尽きない。

そこから俺の手元に本書が届くまで10年かかった。
欲しい人のところに欲しいものを届ける、なんとも大変なことだと思う。
宣伝は大事。そして難しい。

みなさまには届いているだろうか。

 






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ディズニー+で映像化。ジーン・ルエン・ヤン「アメリカン・ボーン・チャイニーズ」を読む [名作紹介]

中国人が描いた漫画について色々調べている。

中国系アメリカ人の話というのに興味を惹かれ、
「アメリカン・ボーン・チャイニーズ」という邦訳コミックを購入してみた。

以下ネタバレあり。


アメリカン・ボーン・チャイニーズ:アメリカ生まれの中国人

アメリカン・ボーン・チャイニーズ:アメリカ生まれの中国人

  • 出版社/メーカー: 花伝社
  • 発売日: 2020/02/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


エッセイ的なものを期待してたのだけど読んでみたらフィクションで少しがっかり。
しかし作者の実体験を基にしたのであろう人種差別エピソードがなかなか強烈だった。
強烈すぎて、作中に仕掛けられたドンデン返しが上滑りしていく。

昔から漫画では、
外国人の中の悪いヤツには「イエローモンキー」と言わせるのが定番だ。

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(画像はみなもと太郎「風雲児たち」17巻。アメリカで差別を受けるジョン万次郎の史実。)

ネットでは、目尻を指で押し上げる侮蔑表現が話題になることが多いが、
その辺も「アメリカン・ボーン・チャイニーズ」には登場する。
それらは悪役の行為というよりは、さらっと空気のようにさりげなく挿入される。

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学校での出来事である。
もちろん注意すべき出来事だけども、
大人の目から見ると「まあ人格も未熟な子供だからこういうこともしてしまうのだろうな」と多少割引いた気持ちで見てしまう。いじめが犯罪にならない悪習慣だ。

だから劇中のアジア系の少年少女たちは詰んでいるように思う。
漫画の中で何か劇的な解決がなされるわけでもない。

 
偽白人にはなるな。
自分のルーツに誇りを持て。
友達を大切にしよう。

大雑把にいうと、そんなメッセージがこの漫画のオチだ。

この漫画はその結論に導くために、
西遊記の斉天大聖・孫悟空が三蔵法師の弟子になるまでのエピソードと、
中国人を極度にステレオタイプにしたキャラクター、チンキーを登場させる。

ほんじつは斉天大聖4.jpg

それがあまり効果的に働いてないように自分は思うのだ。

主人公の親友の台湾人の正体は、斉天大聖孫悟空の息子でである。
悟空は言う。自分が猿であることを認めていたら、人生のトラブルも無かった」(意訳)

黄色人種蔑視をテーマにした漫画にはふさわしくない比喩に感じるのだが、
特にそういうふうに問題視されることなく、この作品はアメリカで高い評価を得ているようだ。
その辺がよく分からない。

そして意図的にコテコテのステレオタイプにした中国人キャラクターのチンキー。
出っ歯で目が細くて弁髪。空気を読まずにはしゃぎまくり、主人公の肩身を狭くさせる。

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「チンキーが面白い」と言う感想が時折寄せられ、作者は困惑したという。

分からんでもない。
チンキーはある意味、小林よしのりの描く異形のキャラクターっぽいのだ。

ほんじつは斉天大聖5.jpg

これに対して作者は
「チンキーは面白がられることを意図して登場させたのではありません」
チンキーの出る章は不快に感じるはずです。それこそ私が望んでいた反応なんです。」
とコメントしたと巻末解説に書かれており、ちょっと考えさせられる。

「このキャラクターに対してはこう感じるべき」
あまり聞かない種類の著者コメントに感じる。
正しいニュアンスが翻訳されてない可能性もある。

自分に置き換えてみるとどうか。

自分はオタク趣味の持ち主である。
宮崎事件直撃世代で、学生時代が人生で一番辛い時期だった。
社会に出て、脱オタを図った。

ここからは仮定の話。
そんな自分が所属した社会人コミュニティで、バンダナにチェックシャツ&メガネでデブの典型的なキモオタの旧友と再会したとする。向こうは馴れ馴れしくしてくるが、つい他人のフリ。同族嫌悪に陥ってしまう。

そして自分の前にポルコ・ロッソが現れて森山周一郎の声でこう言う。
「飛べない豚はただの豚だ。」

色々考えてみて、「アメリカン・ボーン・チャイニーズ」は、
こういうことなのではないかと思った。
抑圧に負けて自分を出せず、なんの人生なのかと。

しかし正確に言えば、私は飛ぶ場所を選ぶ豚であった。
そのことに特に後悔はない。

「アメリカン・ボーン・チャイニーズ」で否定される偽白人になること、
これって結構手っ取り早い解決策な気がするのだが、あまり読み物でそう言う結論は出しづらい。
もちろん偽白人になることと、脱オタすることは意味がかなり異なる。

言いたいのは、いじめから逃れたいのなら、どんな狡い手でも使うべきだと思うということ。
直接的に他人に迷惑かけない範囲でなら。
こういう結論は「いじめられる側に問題がある」という話に発展しやすいけども。

そういう意味で、アジア人蔑視に苦しむ少年少女は、
「アメリカン・ボーン・チャイニーズ」を読んでなにか救いがあったのだろうかというのは気になる。
しかしこういった漫画は読んだことがないし、これを叩き台にしてまたジャンルとして発展してゆくのかもしれない。
 
 
文化の違いもあるのか、
「アメリカン・ボーン・チャイニーズ」は読んでいて消化不良を起こす部分がある。
リラックスできるタイプの作品ではないので、日本ではあまり読まれないとは思うが一読の価値はある。
目尻を上げるジェスチャーが醜い行為だと認識を改めさせることもあるだろう。

アメリカではミシェル・ヨーが出演したドラマ全8話がディズニープラスで配信されているらしいので、
ネットフリックスの時のように1ヶ月だけ加入して見てみたいと思う。
内容はかなり改変されてるっぽい。



ディズニープラスといえば、
真田広之の「SHOGUN 将軍」も見ておきたいと思っていたところだ。


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巨匠の魂の還る海。横山光輝「闇におどる猫」 [名作紹介]


横山光輝初期作品集 第6集 闇におどる猫 (横山光輝愛蔵版初期作品集 第 6集)

横山光輝初期作品集 第6集 闇におどる猫 (横山光輝愛蔵版初期作品集 第 6集)

  • 作者: 横山 光輝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/01/23
  • メディア: コミック


横山光輝の「闇におどる猫」を読んで背筋が寒くなった。

鉄人28号が始まった翌年の執筆という、かなり初期の作品。
いい漫画のアイディアが浮かばず弱っていく横山光輝自身が主人公、という珍しい漫画。
内容的には今ひとつピンとこない。猫がおどってない。

タイトルからしてコナンドイル原作の横山作品、
「夜光る犬」みたいな本格ミステリーを連想してしまうせいかもしれない。
実際はホラー漫画。

読んで背筋が寒くなったというのはお話が怖かったからでなく、
現実の横山光輝の死を連想させる内容が次々と展開していくからである。

タバコの火の不始末。(このあと消さずに降車する)
やみにまぎれて生きる猫5.jpg

自宅が火事。
やみにまぎれて生きる猫6.jpg

そして死亡。

 
ところで、
最近あったマンガ原作者死亡のニュースの関連リンクから、
こんな見出しを見つけた。

日本テレビでアニメ化された漫画家 自宅で全身やけどで死去 妹が発見
https://news.yahoo.co.jp/articles/6f58bc80011ab212de91fd712c819c4baa67b4cb

やみにまぎれて1.jpg

誰のことかとクリックしてみたら、横山光輝の死亡記事だった。
2004年の記事がまだあるものなのだな。

「鉄人28号」「魔法使いサリー」 横山光輝さん自宅火事で全身やけどで死去
https://www.daily.co.jp/gossip/flash/20130914330.shtml

【2004年4月16日のデイリースポーツ紙面より】
「鉄人28号」「魔法使いサリー」など多数の人気作品を描いた漫画家の横山光輝(本名光照)さんが15日午後10時29分、死去した。69歳。神戸市出身。横山さんはこの日午前6時10分ごろ、東京都豊島区千早2ノ26ノ14の自宅で起きた火事で全身やけどを負い、意識不明のまま都内の病院へ入院していた。葬儀・告別式の日取り、喪主は未定。

横山さんは「鉄人28号」「魔法使いサリー」以外にも忍者ブームを作った「伊賀の影丸」など多数の作品を描き、91年には「三国志」で日本漫画家協会賞優秀賞も受賞した。

火は横山さんの寝ている2階洋間のベット付近で出ており、目白署はベッド脇に灰皿が置いてあったことから、横山さんのたばこの不始末が出火原因の可能性があるとみて調べている。家の中にいた横山さんの妹2人もけがをした。

横山さんは約3年前に足を骨折し、足が不自由で最近は自宅療養中。普段は母、妹と3人暮らしだったが、この日は別の妹が介護のため泊まっており、横山さんの部屋で物音がしたため確認に行き、ベッドが燃えているのを見つけ119番通報した。

 
ちなみに漫画「闇におどる猫」での横山光輝の死因は、
タバコなどの過剰摂取による中毒症状が引き起こしたノイローゼによる自殺。

やみにまぎれて生きる猫4.jpg

横山の友人らが禁煙を決意する教訓がオチ。

やみにまぎれて生きる猫9.jpg
(左の人物は、かつてノンタン原作者の一人だったオオトモヨシヤス

まさかこの時、
横山光輝が禁煙を決意して描いたとは思えないが、
もし禁煙していたら…と思うと残念でならない。

 
ところで「闇におどる猫」の中で、
精神的に追い詰められてボヤ騒ぎを起こし入院までする横山光輝は友人らに勧められ、
ぶらり途中下車の旅に出る。

やみにまぎれて生きる猫7.jpg

ふと横山は神戸の須磨に途中下車する。
須磨海岸の砂浜に寝そべり海を眺めてリフレッシュする横山。
あれ、このシーンなんか見たことあるぞ…と思った。

やみにまぎれて生きる猫8.jpg

横山光輝の自伝漫画、「まんが浪人」に出てきた海岸じゃん!

やみにまぎれて生きる猫3.jpg
(「まんが浪人」は「横山光輝超絶レアコレクション」に収録されている名作。)

こちらに描かれた横山光輝は、イメージ通りの淡々としたキャラクターだが、
「闇におどる猫」の横山と同様に、須磨海岸に腰掛け、海を眺めている姿が印象的だ。

やみにまぎれて生きる猫2.jpg

横山光輝は神戸市須磨区の出身。
市内の公園には実物大の鉄人28号のモニュメントがある。

漫画の中で横山光輝は、
将来のこと、仕事で悩んだ時に須磨海岸にたたずむ。

やみにまぎれて生きる猫1.jpg

もちろん友達と楽しい時間を過ごす場所でもあった。

 
「闇におどる猫」はフィクションだが、
横山光輝が創作に思い悩む姿はどこかリアルな感じがある。

普段ドライなイメージの横山が、思わず漫画に描いてしまった故郷の海。
ここに良い意味で「弱さ」が表れてしまったのではないか。
そう思うとこの「闇におどる猫」は巨匠の本音が垣間見える貴重な作品と思える。

須磨海岸は横山光輝の魂の還る場所なのかもしれない。

そう思うと一度行ってみたくなる。
何ヶ月後になるかは分からないが、そのうち訪れてみたい。

 
<追記>
実際に行ってみた記事はこちら。

 
タグ:横山光輝
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ドブに沈んだ19歳新人漫画家。豊島雅男「不眠症」 [あの人は今]


「ガロ」編集長―私の戦後マンガ出版史 (ちくま文庫 な 4-1)

「ガロ」編集長―私の戦後マンガ出版史 (ちくま文庫 な 4-1)

  • 作者: 長井 勝一
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1987/09/01
  • メディア: 文庫


長井勝一 「ガロ編集長」を読んだ。
さまざまな漫画家を世に送り出してきた名編集者の自伝本だ。
満州で山師をしていた話から、赤本、貸本漫画、ガロ。その人生は漫画の歴史そのもの。
面白くないわけがない。

トヨシマン9.jpg
(水木しげるの漫画に出演する長井勝一)

本の中で、長井氏の記憶に残るさまざまな漫画家を紹介しているのだが、
その中で一人、えええええーっ!っと驚いてしまう人物が挙げられていた。

その名は豊島雅男

誰だ。
名前だけじゃ自分だってピンとこない。
しかし長井さんの文章を読んでいくうちに、
水木しげるの漫画の出てきた人だ!と気づいたのである。

漫画界のレジェンドである水木しげるつげ義春池上遼一
彼らの顔にタバコの煙を吹きかける、
とんでもなく横柄で、嫌われ者のアシスタントとして豊島雅男は描写されている。

トヨシマン2.jpg
(豊島にタバコの煙を吹きかけられている三毛は、つげ義春がモデル)

トヨシマン3.jpg
(豊島は豊川名義になっている。タバコの煙を吹きかけられているのは池上遼一がモデル)

自分は、豊島が出てくる漫画が収録された水木しげるの単行本を三冊持っている。
それぞれ微妙に違うが、ほとんど同じ話だ。

おそらく1973年に描かれた「ドブ川に死す」がオリジナルなのだろう。
自分が先に読んだのは、オリジナルの2年後に描かれた「漫画狂の詩」。
どちらも「ビビビの貧乏時代」に収録されている。

「漫画狂の詩」ではタバコの煙を吹きかける豊島の奇行にただ驚かされただけだったが、
「ドブ川に死す」での豊島は、最後にラリってドブ川に落ちて死んでいたので驚いた。

豊島の訃報を知った水木だったが意に介さず。
それよりも朝食のパンが焦げたことに心を動かされる。

この漫画のラストがなんか好きだ。

トヨシマン8.jpg 

佐藤まさあきにとっても豊島は印象的なアシスタントだったらしく、
自伝「劇画の星をめざして」を読んだら豊島のことが描かれていて驚いた。

水木しげるから「アシスタントを一人回すから使ってやってほしい」という電話が入った。「どんな人物や。あんたとこで持て余したからこっちへ回すのと違うか?」と冗談で言ったのだが、水木の返事は「ううう…、そ、そんなことはナイっす」と、どうも歯切れが悪い。後から知ったことだが、この男は水木の顔にタバコの煙を吹っかけたり、当時、水木プロにいた池上遼一やつげ義春なんかを、人を人とも思わぬ態度で、水木も持て余していたらしい。それで、「あんた佐藤プロへ行ったらどう?」と言って厄介払いをしたということだった。

トヨシマン4.jpg

豊島が辞めないなら自分らが辞める。
アシスタントが口々に言うので、ついに豊島は水木プロ追放となる。

トヨシマン5.jpg
(このコマの藤山プロは佐藤プロがモデルだと思われる)

しかし佐藤プロはあまりにもハードだったらしく、豊島は水木プロに逃げ帰ってしまう。
「劇画の星をめざして」にはこう続いている。

ところが三日ほどもした朝、事務所に出てみると、布団がきちんと畳んであって、本人は影も形もない。再び水木のところへ逃げ帰ってしまったのだ。その男が帰って水木に言うには、「あそこは地獄プロです。夜中の4時まで仕事をさせられて、やっと眠ったと思うと朝の9時にマネージャーの兄貴が叩き起こしにきます。あそこではとても身体がもちません。もう一度ここに置いてください」と言ったそうである。さすがの水木プロの持て余し者も、佐藤プロでは通用しなかったようだ。それにしても根性がない。うちでは近藤も村松も川崎も文句を言わず、平気で仕事をしていたものを…。余談だがこの男は、のちにフーテンの仲間に入り、ある朝、新宿御苑の池の中に落ちて死んでいたそうである。シンナーかなにかの吸いすぎということだった。

トヨシマン6.jpg

ちなみに「ドブ川に死す」では豊島水死のきっかけになった薬物はシンナーではなく、
睡眠薬となっている。

話を最初に戻す。
そんな豊島雅男が「ガロ編集長」にも印象深い人物として登場していたから驚いたのだ。
なんと豊島はガロで入選を果たしていたのである。

「漫画狂の詩」でも、17歳で二科展に入選した経歴が紹介されていた。
人格はともかく、才能あった人だったのだ。

トヨシマン1.jpg

しかし長井が言うには、
絵は新人離れしていたが作風はあまり個性的とは言えず、
処女作以降はパッとせず、苦しんでいたと言う。

「ガロ編集長」を読んでさらに驚いたのが、
豊島が結核もちだったと書かれていたことだ。

長井も結核で何度も死にかけた過去があり、水木と一緒に相談にのっていたという。
長井は生活保護を受けてでも治療に専念すべしとアドバイスしていたが、
豊島はその決心がつかないままズルズルと日々を過ごし、悲惨な結末を迎えてしまったという。

 
自分の知る限り、豊島の出てくる水木作品は改稿含めて3本あるが、
いずれも結核だったとは描かれていない。

なぜ水木しげるは豊島の結核エピソードを描かなかったのか。
おそらく読者に同情する余地を与えたくなかったのではないか。
そこまでのものが豊島のキャラクターにあったのだろうか。

結核とは肺病である。空気感染する。
肺病持ちがタバコ吸うのもすごいが、
うつる病気なのに相手の顔に煙を吹きかけてたというのも、
嫌われて当然すぎてよく分からない話だ。
ほとんど暴行罪。

そんな豊島雅男が描いた漫画とはどんなだったのか。
せっかくなので、豊島の作品が掲載されたガロ1967年11月号を購入してみた。


月刊漫画 ガロ 1967年11月号 (通巻39号) 白土三平カムイ伝㉟ 林静一処女作掲載号

月刊漫画 ガロ 1967年11月号 (通巻39号) 白土三平カムイ伝㉟ 林静一処女作掲載号

  • 出版社/メーカー: 青林堂
  • 発売日: 2024/02/11
  • メディア: 雑誌

作品タイトルは「不眠症」
読んだ感想は長井さんとあまり変わらなかった。

トヨシマン10.jpg

ネタバレになるのだが、
ようやく眠れたと思ったら死んでいたと言うのがオチで、
睡眠薬の服用による事故で死んだ豊島の最期を暗示した作品と言えないこともない。

 
この豊島作品が掲載されたガロには、
先輩アシスタントの池上遼一と、師匠の水木しげるの作品も掲載されている。

また、豊島と一緒にこのガロ11月号でデビューした林静一はその後、
漫画「赤色エレジー」や、小梅ちゃんのパッケージイラストを描いて有名になった。

豊島雅男にも、いろんな可能性があったのは間違いない。

しかし全てはドブに捨てられたのである。

 




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ゴールデンウィーク以降買った本の電子化の進捗状況メモ [日記]

ゴールデンウィークからこちら買った本の電子化の進捗状況メモ

横山光輝だけ年代別に並べてみる
1955 音無しの剣
1956 鉄人28号ACS版 1 2 3 4 5 6
1956 鉄人28号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
1956 続鉄人28号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
1956 鉄人28号原作完全版 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
1957 風の天兵
1957 闇におどる猫
1961 伊賀の影丸 1 2 3 4 5 6 7 8
1963 片目猿
1964 影丸と胡蝶
1965 蛟竜
1965 コマンドJ 1 2 3
1965 宇宙船レッドシャーク 1 2
1966 仮面の忍者赤影1 2
1967ジャイアントロボ 1 2
1969 闇の顔
1971 サンダー大王1 2 3
1972 ウイグル無頼
1973 ダイモス1 2
1974 あばれ天童1 2 3 4
1974 セカンドマン
1976 魔界衆1 2
1976 竜神伝説
1977 その名は101 1 2 3
1978 少年忍者風よ1 2
1979 火盗斬風録
1987 新仮面の忍者赤影1 2 3
1992 捨て童子松平忠輝1 2 3 4
1991 チンギスハーン 1 2 3 4 5

単行本未収録傑作集死神
RED SHADOW赤影 完全攻略極秘ガイド
ジャイアントロボ地球の燃え尽きる日1 2 3 4 5 6 7 8 9
ジャイアントロボバベルの籠城1 2 3 4 5 6
横山光輝グッズコレクション
横山光輝で読む項羽と劉邦
単行本未収録傑作集 死神
鉄人28号大研究

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甲賀武芸帳 1

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1957 こがらし剣士
1958 嵐の忍者 1 2 3
1958 黄金色の花
1959 からすの子
1959 闇の斬剣
1959忍者街道 1 2
真田剣流 1 2
忍者旋風 1 2
風魔
1959忍者武芸帳影丸伝1 2 3 4 5 6 7 8
1960風の石丸
1961サスケ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
1961狼小僧1 2
1965ワタリ文庫版1 2 3 4
1965カムイ外伝 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
1965無風伝
白土三平ビッグ作家究極の短篇集
白土三平異色作品集 鬼泪
忍法秘話 1 2 3 4 5 6

漫画研究本

赤塚不二夫が語る64人のマンガ家たち
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明治大正風刺漫画と世相風俗年表
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ぼくがすきな外国の変わった漫画家たち
世相漫画で知る韓国
世相漫画で知る中国
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水木先生とぼく
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ベルセポリス 1
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たばこ屋の娘
サイゾー 2003年7月 9月 2004年1月号
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戦中派不戦日記

ブンブン堂のグレちゃん
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機動戦士ガンダムサンダーボルト 3 4 5 6 7
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ヘタリアAXIS POWERS 1 2 3 4 5
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プラスチックマン38PAGE SPECIAL
大正時代の身の上相談
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衒学始終相談 1

学生食堂ワンダフルワールド
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三つ目がとおる 1 2 3 4 5 6 7 8
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欅のまんが棚
昭和マンガ風俗史
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地政学ボーイズ1 2 3 4
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かっこいいスキヤキ
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沈黙の艦隊 12 14 15
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タンク・タンクロー
藤子不二雄Aブラックユーモア短編集
弱虫ペダルスペアバイク13

HOTEL 8 16 18
有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む
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水木しげる妖怪傑作選 1 2 3
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キン肉マン 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 79
夜の眼は千でございます

速水螺旋人の馬車馬大作戦
ピッコリーナ1 2
ゴジラ狂時代
ラーメン大好き小泉さん 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
ブラック・ユーモア選集 1 2 3 4 5 6
プロレス狂奏曲
約束のネバーランド ART BOOK WORLD
少年の名はジルベール
土下座で頼んでみた

パンプアップ
らーめん再遊記 9
SSSS すぎむらしんいち短編集
男たち 1 2
あしたのジョー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
暗殺後宮
妻観察日記 4
薔薇はシュラバで生まれる
制服date 1 3

金魚屋古書店出納帳 1 2
金魚屋古書店 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
紅椿妃 初版1 1 2
ぷ〜ねこ 9
北欧ふたりぐらし 1
乾と巽 10
手塚治虫とつげ義春
わが子ちゃん 4
僕は春をひさぐ 1
妖怪博士の朝食 1 2 3 4

紫電改のタカ 1 2 3 4
ジョジョランズ 2
ジョジョマガジン 3

おとうさんとぼく 1 2
プラスチックリトル
エイドロンシャドー
プラスチックリトル
レジェンド・オブ・レムネア 1 2 3

死ぬ前に1回やっとこう
へうげもの 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1012 13 14 15
いんちき 2
世界を滅ぼす男

長恨歌
当世おんな風俗画集
新絵本太閤記
加寿天羅甚左  
osaka,sora
お父さんクエスト
ありがとうさち子
手足をのばしてパタパタする
ユーモア美術館
ブッダという男
定番すぎる文学作品をだいたい10ページぐらいの漫画で読む。

まんだらけZENBU 119
ワルキューレの栄光 1
BLOWUP! 1 2
ノンキナトゥサン
ドラえもん+ 7
ドラミちゃん
商店街のあゆみ
ゲゲゲの鬼太郎 1 2 3 4 5 6 7
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水木しげる貸本傑作大全2 1 2 3 4 5
妖怪と歩く
あどりぶシネ倶楽部
ダーウィン事変 1
シャドウオブスポーン 1 2 3
山口小夜子 未来を着る人

戦場ロマンシリーズ 1 2 3 4 5 6 7 8
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キャプテン2 10
ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論平成29年
東京城址高生 1 2 3 4
うみべのまち

誰も調べなかった日本文化史
櫻画報大全
三面記事から見る戦前のエロ事件

人間ども集まれ!完全版
西周:兵馬の権はいずこにありや
パリ愛してるぜ〜
スウィートパーティー
マジカルトワイライト
トロピカルアイズ
アオイホノオ 29
マンガ安保闘争
はじめの一歩 139 140
大斬オオギリ

幻の小松左京モリミノル漫画全集
戦前昭和の猟奇事件
カツシン 1 2
すし物語
すしの美味しい話

アサギロ 28
文豪春秋

ヤマトの火
奈津の蔵 1 2 3 4
西周夫人 升子の日記
聖闘士星矢海皇再起 1

るろうに剣心北海道編 9
コミック版プロジェクトX 運命の滑走 日本初人力飛行に挑む

音盤紀行 2
ばくおん!! 17
ばくおん!!台湾編 4
妻と僕の小規模な育児 9
少年小説大系 少年漫画集
少年小説大系 少年漫画傑作集 1 2

だんドーン 1
隣り合わせの灰と青春 1
図説 いま・むかし おもちゃ大博覧会

社外取締役島耕作 3
漱石事件簿
かいじくんちのニラコさん 1
しいちゃんあのね 1 2 3 4 5

つげ義春初期傑作長編集 1 2 3 4
つげ義春初期傑作短編集 1 2 3 4
つげ義春コレクション(ちくま文庫版)1 2 3 4 5 6 7 8 9
つげ忠男コレクション

独学大全
アオバ自転車店といこうよ! 12
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完全復刻版 影・街
黒い吹雪

現代コミック 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12
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父から学んだこと父として教えること
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電脳なをさん愛蔵版憎
小学館学習まんが くまモン
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合奏
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劇画天皇陛下
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手塚治虫物語1928-1959 1960-1989
小学館版 学習まんが人物館 手塚治虫
鉄腕アトム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 別
鉄腕アトム サンデーコミックス版別冊2巻
鉄腕アトムプロローグ集成
鉄腕アトムコンプリートブック
アトムポケット人物館 手塚治虫
アトムポケット人物館 坂本龍馬
アトムポケット人物館 浅井力也
手塚治虫の「新宝島」その真実
ある日の手塚治虫
どついたれ
PLUTO 1 2 3 4 5 6 7 8

1948 ロストワールド
1948 地帝国の怪人
1948 シャリ河の秘密基地
1949 メトロポリス
1950 マンガ大学
1950 平原太平記
1951 新世界ルルー
1951 来るべき世界
1952 ロック冒険記
1953 罪と罰
1954 地球の悪魔
1955 大洪水時代

完全復刻版 新寶島
新選組
シュマリ 1 2 3
奇子1 2
ハトよ天まで1 2
鳥人体系
アイエル
ばるぼら1 2
白いパイロット
ふしぎな少年
地球を呑む
Oマン1 2
人面瘡
勇者ダン
グリンゴ1 2
キャプテンKEN
スーパー太平記

手塚治虫マンガ音楽館
紙の砦
手塚治虫の奇妙な資料

畏悦録
スポーツマン宮本武蔵
プラスチックマン
お笑いチーム
総員玉砕せよ!
墓場鬼太郎 1 2 3 4 5 6
悪魔くん 貸本まんが復刻版

とんとん飛丸 1 2 3 4 5 6 7
ストップ!にいちゃん 1 2 3 4 5 6 7 8 9
中国幻想選 1 2 3

食品工場の中の人たち

ブルーシティー
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こぶたのぶうちゃん
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ジョジョの奇妙な冒険クレイジー・Dの悪霊的失恋 3

MAJOR2nd 26
海底人8823 1 2
アイウエオボーイ 1 2 3 4 5 6 7 8
青の6号AO 1 2 3
サブマリン707 1 2 3 4 5 6
サブマリン707F 1 2 3 4 5 6 1 2
バジリスク甲賀忍法帖 1 2 3 4 5

冬の蕾
同人女アパート建ててみた1 2

鉄槌!

末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる
レッドブルー6 7 8 9

青の6号 1 2 3
ぶっせん 1 2 3
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自虐の詩愛蔵版 1 2
自虐の詩文庫版 1 2
自虐の詩日記
自虐の詩小説版
「少年」傑作集1 2 3 4 5

ギャグ漫画傑作選
漫画讀本傑作選
幻の貸本マンガ大全集
少年西遊記1 2 3

ゴブリンスレイヤー14

デビルマン1 2 3 4 5
手天童子1 2 3
黒の獅士1 2 3
ダンテ神曲1 2
キューティーハニー1 2

ギャグにもほどがある
自宅をゲーセンにした男たち

ガンダムエイジ
斉藤ひろしのシナリオ入門

力人伝説1 2 3
ABURA1 2 3
乾と巽9
pink

白い旗
ユリイカ2007年11月臨時増刊号荒木飛呂彦鋼鉄の魂は走りつづける
爆笑中国怪異伝
ケロロ軍曹1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

弱虫ペダルスペアバイク12
エイトマン1 2 3 4 5
エイトマン完全復刻版 6 7
エイトマンマンガボーイズ版
アサギロ27
アオイホノオ28
アオバ自転車店といこうよ!11
雑兵めし物語1 2
忍法十番勝負

ファンロードハンドブック 87 88 89

正チャンの冒険
ロマンとの遭遇小松崎茂の世界
シン・仮面ライダー デザインワークス

親バカの壁
バキ道6 7 8 10 11 16 17
フイチンさん再見!1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
私説昭和文学

甲賀忍法帖
ウィースリー
デットプールスーサイドキングス
デッドプールモンキービジネス
ホークアイvsデッドプール
バットマンvsベイン
シャーロックホームズvsゾンビ
連チャンパパ1 2 3 4
あだち勉物語1 2 3
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オレのまんが道1 2

仮面ライダー1 2
波よ聞いてくれ10
クジャクのダンス誰が見た?1 2 3 4
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この世界の片隅に1 2 3
ぼけ日和
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ジョジョの奇妙な冒険 超像の世界 ACT.2

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裁判中に千秋でアニメ化。ノンタンといっしょだった漫画家、オオトモヨシヤス [あの人は今]

劇画の祖、辰巳ヨシヒロの自伝的漫画「劇画漂流」に、
オオトモヨシヤスという名前が出てくる。
オオトモヨシヤスは漫画家の弟子なのだが、その後どうなったかは分からないまま。

ひどいよノンタン1.jpg

あとで劇画漂流の文章版「劇画暮らし」を読んだら、
オオトモヨシヤスがのちのノンタンの作者と書かれていて、ビビってたじろいだ。
ひどいよノンタンひどいよ。

ひどいよノンタン2.jpg
辰巳ヨシヒロはいわゆる天才漫画少年だった。
手塚治虫や大城のぼるが原稿を預かって、出版化を交渉するぐらいの天才。

ちなみに大城のぼるについて説明しておくと、
手塚より先に漫画に映画的手法を持ち込んだとも言われる漫画家。
オオトモヨシヤスはその大城の内弟子の一人。
多忙な大城はオオトモに代筆させて、辰巳と交流をしていた。

横山光輝「闇におどる猫」に出演するオオトモヨシヤス。
オオトモ.jpg 
岸本は岸本修

そんなオオトモさんが描いたと劇画漂流に書かれているノンタン。
千秋が声優を務めたアニメ版で記憶している人も多いのでは無いでしょうか。
子供の頃にアンパンマンと同じぐらい何度も読み返しましたけども、
正直言って作者の名前を意識したことはありませんでした。



改めてネットで書影を確認してみると、表紙に書かれた名前はキヨノサチコ
オオトモヨシヤスの名前はどこにもありません。

ノンタン.jpg

ウィキを調べてみたら、オオトモヨシヤスは本名が大友義康。
大友はキヨノサチコの元旦那さんで、漫画の師弟関係でもあったそう。
「二人でノンタン」という本も出している。共同執筆者だったのだ。

しかし離婚をきっかけに著作権をめぐって9年間も争う裁判に。
大友の死後、キヨノが勝訴してノンタンの著作権者に一本化されたと書いてありました。

裁判が始まったのが1990年で結審したのが1999年。
千秋版が放送されたのが1992年から1994年の間だったという。
よくアニメ化できたな!
 
アニメのオープニングには原作者の表記がなかった。


ウィキによると、ノンタンの累計発行部数は3300万部超え。
一冊で100万部超えてるのもたくさん。200万部超えもある。
すごいよノンタンすごいよ。

 
オオトモヨシヤスは裁判中の1995年に61歳で他界。
キヨノサチコは2008年に60歳で亡くなる。
ウィキには二人でノンタンの原型となる企画の持ち込みをしたとあるが、
公式のノンタン誕生のページにはオオトモヨシヤスの名前は無い。

ノンタン2.jpg

ひどいよノンタンひどいよ。


ノンタンあそぼうよ(全23巻)

ノンタンあそぼうよ(全23巻)

  • 作者: キヨノサチコ
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2020/04/01
  • メディア: 単行本



セキグチ ノンタン あらえるぬいぐるみ 537440

セキグチ ノンタン あらえるぬいぐるみ 537440

  • 出版社/メーカー: セキグチ(Sekiguchi)
  • 発売日: 2023/05/17
  • メディア: おもちゃ&ホビー



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名編集者列伝:つげ&永島の恩人編集者、熊藤男の出没情報

熊が出没しまくるというニュースを最近よく見る。

だからというわけではないが、読んでいる本に最近よく
熊藤男という編集者が出てくるのでまとめてみた。

熊藤男は永島慎二つげ義春を育てた人なのだというから名編集者と言えるのだろう。
ただし、熊藤男に対して良い印象を持ってない漫画家もいる。

永島はヒッピーな感じの漫画家で当時カリスマ的存在だった。
つげは「ねじ式」で漫画を芸術の域にまで高めたと言われる短編作家。

最初に熊が出没したのは
魚乃目三太「チャンピオンズ 週刊少年チャンピオンを創った男たちの物語」
特に見せ場はなく、創刊当時のメンバーとして登場。おだやかな感じに描写されている。

くまふじ2.png

次に熊が出没したのは、
吉本浩二「ブラックジャック創作秘話」3巻。
こちらも特に見せ場はないが、名編集者の壁村耐三がチャンピオンに引っ張ってきた人物とだけ説明されている。魚乃目版とはちょっと変わって、激しそうな性格に描写されているように見える。

くまふじ1.jpeg

筑摩書房から刊行された選集、「現代漫画」の永島慎二集に、
永島自身が収録作品の解説をしているのだが、その中に熊藤男が登場する。
ちょっと豪胆な感じだ。

ちょうどその頃、東京トップ社なる単行本の会社に、突然、熊なる男が登場して、オレは編集長だと絶叫し、『刑事』(デカ)なる短篇誌を発行。大阪劇画の雄、さいとう・たかをと、東京のチータカ漫画家のボクとを組み合せたのが当って、その後『デカ』は売れに売れたといううわさが高い

やたらあちこちの選集に収録される永島の代表作のひとつ、
「びんぼうなマルタン」(漫画家残酷物語)解説中に、熊藤男についてさらに詳しく書かれていた。

それにしても、『デ力』編集長の熊さんという男は、なんて男なんだろうと、今考えても驚きます。ずい分色々な人に会いましたが、あんなに気の長い、顔ににあわず心のやさしい人は知りません。とにかくズボラでうそつきその上、ええかつこしでメッチャクチャで、つまりどうしようもないこのボクの原稿を常に、ゴタゴタ云わず、ただただ待っていてくれました。虫プロに勤めてからも待っていてくれたのです。借金を待っていたのではなく原稿を待っていてくれたのがニクィのです。もしあの熊さんという編集者がこの世に存在してなかったら、ボクの漫画家残酩物語も、又存在しえなかったと云えます。とにかくボクは、熊さんが待っていてくれたという、これだけでも、忘れられないのです。

 
つげ義春と熊藤男の関係については、
「つげ義春初期長編傑作集」の巻末で香川眞吾が解説している。
当時は大変だったが、のちに良い思い出になったそうである。

つげは東京トップ社での仕事を回想して、「つらくてつらくて仕方なかった。早くやめたかった」といいながらも一方では、「編集長の熊さんに徹底的にしごかれたことで、ストーリー作りなどで自分は本気になったように思う。当時はつらかったが、今思えば熊さんは恩人のひとりだったかも知れない」と語ったことがあります。

 
永島、つげと逆の熊印象を持つのが、劇画の祖である辰巳ヨシヒロだ。
自伝本「劇画暮らし」に熊が出没していたのである。

その本によると、手塚治虫の再録単行本を発行していた あかしや書房の編集者として熊が登場。
辰巳のグループである劇画工房に、強引に短編誌「少年山河」の編集、発行を依頼してくる。

その後、潰れかけた東京トップ社でイライラを募らせる編集者として熊が再出没。辰巳の「ギャング大統領」の原稿を見て「同じ紙に描いて、どうしてこうも売れ行きの違うモノになるんだろう」と酷評。当時そこでしか仕事がなかった辰巳だが、熊と縁を切った。その後、トップ社は倒産したという。

 
辰巳の盟友である佐藤まさあきは、
経営者として熊と対決したと自伝「劇画の星をめざして」に書いている。

佐藤プロの短編誌「モーゼル96」で描かせるため、熊藤男が編集長をしていた東京トップ社で描いていたありかわ栄一難波健二を引き抜いたのである。採算度外視して、原稿料400枚分という破格の専属契約金を積んだと言う。当然、熊は激怒して抗議の電話をかけてきたが後の祭りである。

大友公平「漫曲グラフティ」によると、その後チャンピオン編集部に移った熊藤男だが、そちらでもありかわ栄一難波健二を起用したという。どんなやりとりがあったのだろうか。

ありかわと難波は、
佐藤プロに引き抜かれた後でも原稿料アップの駆け引きを挑んできたというからしたたかである。
ありかわは後の園田光慶。

ちなみに佐藤まさあきは熊藤男について、
「フーテンをしていた永島慎二の面倒を長い間みて、才能を開花させたとして有名」とその手腕は認めているようだ。

 
この項は新たな熊出没情報を見つけ次第、追記して行く予定。

 

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