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デブはいるのかいらないのか?5人戦隊はどのようにアレンジされてきたのか?鈴木武幸「夢を追い続ける男」7 [シリーズ]

今回はほぼ本に触れない番外編。

5人戦隊の元祖とはなんだろう。
スーパー戦隊の始祖である「秘密戦隊ゴレンジャー」が始まったのは1975年。
それ以前の五人戦隊といえば1972年のアニメ、「科学忍者隊ガッチャマン」がメジャーだ。

それよりも以前の5人戦隊というと、コレです(バン!)。
「三国志」の五虎大将軍。
関羽レッド、黄忠イエロー、、、(後が続かない)。

そもそも五人1組を最小のグループとしたのは古代中国で、そのリーダーが「伍長」。歴史上、最も有名な伍長はヒットラーなんだそうだ。「落伍者」という言葉もある。

 
話をガッチャマンまで戻すけども、主人公、ニヒル、デブ、チビ、女という編成はガッチャマンに限らず、当時のアニメの定番だったように思う。人数は様々だが、五人ぐらいが丁度いいと皆が気づいたのがガッチャマンだったのではなかろうか。

デブとかチビとかいらなくね?
全部美形でよくね?
ということに気づいてしまったのが車田正美なのではなかろうか。

当時、プロなら必ず押さえておくべき常識を覆し、レギュラーを全員イケメンにした「聖闘士星矢」(1986年)は大ヒット。その後、「鎧伝サムライトルーパー」「機動戦士ガンダムW」「超者ライディーン」などがそれを踏襲してヒットになった。腐女子ウケ狙いがあからさま過ぎて男性視聴者に敬遠されるので、今はあまり露骨にはやらないだろうけども。

キレンジャー3.png
(上画像は鈴木みそ「あんたっちゃぶる」2巻 1993年頃のもの。)


 
車田正美は出世作であるボクシング漫画、「リングにかけろ」(1977年)を途中から5人組で戦うフォーマットに路線変更し、大ブレイクした。その時の編成は「主人公(高嶺)、ニヒル(剣崎)、チビ(香取)、女(河合)、オッサン(支那虎)」であった。

続く学園忍者漫画「風魔の小次郎」(1982年)では「主人公(小次郎)、ニヒル(竜魔)、女(霧風)、?(小龍)、デブ(劉鵬)」と、定番のカテゴライズに少し当てはまらなくなってきている編成になった。

この中のデブ担当である劉鵬最初から最後まで全く見せ場が存在せず不要なキャラだったことから、聖闘士星矢の「デブいらなくね?」という悟りに繋がったのではないかと思うのだがどうだろう。

キレンジャー2.png


残念なのが車田正美が新選組を描いた「あかね色の風」では、そのノウハウが全く生かされていないことだ。青年誌に掲載された作品なので、あえてジャリ向けの演出は捨てたということなのだろうか。倒幕側はカッコよく描かれているが、肝心の新選組の隊士は近藤土方沖田以外は皆モブ顔なのである。

キレンジャー1.png

(上画像は「あかね色の風」。左から原田、山南、井上なのだろうか。旗持ちと、その背後にいるのは斎藤永倉ということになるか?)

 
逆パターンで成功していると思うのが1991年のスーパー戦隊「鳥人戦隊ジェットマン」だ。今やスーパー戦隊も全員美形で当たり前だが、28年前のスーパー戦隊15作目の頃もすでにそういう風潮になっていたように思う。しかしジェットマンはあえてイエロー役にデブを配置。

秀逸なのが、変身してもデブなのである!キレンジャーよりもキレンジャー感を出すことに成功。仲間がスカしたポーズをとる中で一人、腕を組んで胸を突き出す野暮ったいシルエットが素晴らしい。

キレンジャー5.jpg

ジェットマンは色々と革新的な戦隊だったが、原点へのリスペクトも忘れない作品であることが一目でわかるのである。

 
桂正和のウイングマンも秀逸である。
ジャンプを夢中になって読んでいた子供の頃、なぜ特撮ヒーローや巨大ロボものの漫画が少ないのか疑問だったが、それらを卒業した子供が主な読者層だったからなのではないかと思う。それと仮面のヒーローやロボット物はキャラクターの命である顔の表情で感情を表現するということに向いていないという致命的な欠点がある。

桂正和もウイングマンの後の「超機動員ヴァンダー」で打ち切りを食らって以来、あからさまな変身ヒーローものは避けているし、弟子の黒岩よしひろはスーパーロボット漫画「魔神竜バリオン」で打ち切りを食らった。

それなのにウイングマンはそこそこのヒット(インパクトのある作品だと思うが、単行本は全13巻と短い)になれたのか。そこは半裸のムチムチ女子4人を加えた5人戦隊としたところにあると思う。戦隊を卒業した背伸びしたがりの男の子も、これなら見るというわけだ。

キレンジャー6.png

ヴァンダー、バリオンの打ち切りから、ジャンプ作家があからさまな戦隊ネタを避ける中、出し抜いたのが鳥山明だと思う。ドラゴンボールの「ギニュー特戦隊」は最も効果的な戦隊ネタの有効活用だったと思う。

キレンジャー4.png

何しろ主人公不在でヒーロー側のタレント不足なところに、敵の新たな増援が到着。緊張感ピークなところであのギャグである。完全にやられたと思った。しかも巻頭カラーのタイミングをしっかり計算に入れている。ギニュー特戦隊は周囲でも大反響を巻き起こした。

 

夢を追い続ける男

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ディズニー専門誌でも漫画が連載された子供に不人気ヒーロー「アクマイザー3」を語る!鈴木武幸「夢を追い続ける男」6 [シリーズ]

鈴木武幸の「夢を追い続ける男」を読み続ける男のシリーズ、第6回は「アクマイザー3(スリー)」を紹介。
アクマイザー1.png
アクマイザー3は人間を守るために寝返った悪魔の三銃士というヒーロー。

ちなみに裏切り者の名を受けて全てを捨てて戦う東映ヒーロー、永井豪のデビルマンが1973年。アクマイザー3は1975年。影響下にあるのかと考えると面白いのかもしれない。同時期の東映特撮は「仮面ライダーストロンガー」「秘密戦隊ゴレンジャー」だという。本によると、制作費がストロンガーの半分で、予算的に厳しかったことが色々と書かれている。

初期は人間体のないヒーローとして設定されていたが、それも俳優の出演料を抑えるためだったそう。オープニングで疾走する3人乗りのバイクは、そのまま撮影中に壊れてしまったので、映像の使えるところだけを使ったのだという。
アクマイザー2.png
マニアックに作りすぎてあまり子供には受け入れられなかったそうだが、今でも根強いファンが多い作品だと思う。俺も朝方にやっていた再放送を必死に起きて見ていた記憶がある。

2005年に大人向けのフィギュアの人気ブランド「S.I.C」シリーズにおいて、竹谷隆之によってアレンジされたフィギュアが発売された。
S.I.C. VOL.31 アクマイザー3

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  • 出版社/メーカー: バンダイ
  • メディア: おもちゃ&ホビー

結構余ってたような気がするけども。。。(今現在、amazonでも安価で入手できる)

また、「仮面ライダーウィザード」の映画でも、そのままS.I.Cのデザインがスーツ化されたような姿で魔界の三銃士が登場した。オリジナルは「ザビタン」「イビル」「ガブラ」だが、映画では「ザタン」「イール」「ガーラ」なんだそうな。


平成ライダーをプロデュースしている武部直美は、子供の頃にアクマイザー3を見たことが東映入社の動機になったそう。これを「変わった女性だとは思いますが」と鈴木Pが本に書いているのが面白い。

桂正和の漫画「ウイングマン」は東映特撮への思い入れがたっぷりだが、キャラクターの造形的にはあまり影響が感じられないスタイリッシュで不思議なデザインだなと思っていたが、アクマイザー3のリーダー、ザビタンがモチーフなのかもしれない。主人公の部屋にザビタンのポスターが描かれていたりする。ただし他のヒーローも同じようにあちこちに書かれているので、特別意味を持って描かれているのかはわからない。
アクマイザー4.png

ウィキペディアを読んでいて驚いたのだが、むかしディズニーランド専門誌で「アクマイザー3」の漫画が連載していたという。作画はプラモ狂四郎のやまと虹一。1964年から43年も続いた雑誌で、初期はディズニー以外も扱う児童誌だったんだそうだ。あまり書店で見た記憶がないが。。。
アクマイザー3.jpg
(画像は拾い物。月刊少年マガジンに掲載された同作者によるもの。)

 
アクマイザー3は3人が名乗った後にレイピアを重ねる所作がカッコイイのだが、元ネタとなったアレクサンドル・デュマの「三銃士」を自分が知ったのはだいぶ後。1987年の「アニメ三銃士」による。

 
子供に不人気だったというアクマイザー3。
友達に勧めたとき、
ガブラのデザインはどう見てもウンチ。。。ってことはよく言われた。
これが不人気の一因だったのだろうか。。。



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夢を追い続ける男

夢を追い続ける男

  • 作者: 鈴木 武幸
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「闘将ダイモス」と「がんばれロボコン」からの漫画ネタ。鈴木武幸「夢を追い続ける男」5回 [シリーズ]

鈴木武幸「夢を追い続ける男」の第5回。

戦隊の話を追い続けるのはこれくらいにして、ちょっと小ネタを2つ。

 
鈴木Pは東映アニメーションでも仕事をしており、その経験がスーパー戦隊で活きたというのは有名な話。鈴木Pが関わったアニメの中に、「闘将ダイモス」という作品がある。いわゆるスーパーロボット物で、トレーラーが巨大ロボに変形して戦うという内容。子供の頃、かなりこのアニメが見たいと渇望したが、放送されていなかったという悲しい思い出がある。

ロボットプロレスに空手の型を取り入れているのもダイモスの特徴の一つ。
島本和彦の「アオイホノオ」の中で、主人公が通いだした空手道場の流派がダイモスと同じもだとわかり、主人公が内心熱唱するシーンがある。
加藤夏希4.png

「夢を追い続ける男」によると、ダイモスの監督である長浜忠夫は熱い人だったそうで、スタッフとぶつかることはしょっちゅうだったそう。アフレコの演出に向かう車中もダイモスの主題歌を熱唱してテンションを上げていたというから凄まじい。


 
続いての小ネタは「がんばれロボコン!」
藤子不二雄で言う所の「ドラえもん」「オバQ」「ハットリくん」みたいな、強烈な個性を持った居候が織りなすコメディの石ノ森章太郎バージョンといったところか。

今では廃れてしまったが、その後「ロボット8ちゃん」「バッテンロボ丸」「ペットントン」といった亜流を生み出した人気ジャンルの始祖となった作品だ。
 
ダメロボットが先生から100点をもらうべく人間に奉仕するという内容なのだが、なかなか100点を出さない事にこだわったということが「夢を追い続ける男」には書かれている。

思い出すのはサムシング吉松の「セガのゲームは世界いちぃぃぃ! 」だ。
当時、自嘲的な自社製品CMで一世を風靡したセガのゲーム機を、擬人化(?)して皮肉った風刺漫画だ。単行本1巻にロボコンネタがあり、やっぱり100点がもらえないのをオチにしている。
加藤夏希3.png

さらに単行本ではリメイク版の出演者であるロビーナ役の加藤夏希と作者の対談を掲載。
加藤夏希2.png
加藤夏希は当時13歳。20年前の漫画だが、今なお加藤夏希は33歳の若さってのがスゴイ。特撮出身でありながら、ファッションリーダーレベルまでいった、数少ない女優の一人だ。
加藤夏希1.png



ちなみに元祖ロボコンのロビンちゃん役の島田歌穂も現在55歳とまだまだ若いし、もっと出世してる感がある。


 

夢を追い続ける男

夢を追い続ける男

  • 作者: 鈴木 武幸
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/12/02
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セガのゲームは世界いちぃぃぃ! (SB comics)

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  • 作者: サムシング吉松
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  • 発売日: 1999/10
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タグ:鈴木武幸
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腐女子に支持された「高速戦隊ターボレンジャー」!鈴木武幸の「夢を追い続ける男」4 [シリーズ]

鈴木武幸「夢を追い続ける男」の第4回。

今もそうなんですけど、「冒険した翌年は手堅いことをやる」ということを繰り返して、スーパー戦隊シリーズは徐々に表現の幅を広げてきました。前回のバイオマンは攻めたので、その次の「電撃戦隊チェンジマン」は手堅い戦隊になります。ちょうどこの頃の自分は、いわゆる「卒業」する年頃になったのか、守りに入った戦隊に興味が持てず、徐々に戦隊から遠ざかることになります。

 
「夢を追い続ける男」を読んでいて面白いのは、バイオマンのあたりから巨大ロボの5体合体を模索していて、それより3作後の「光戦隊マスクマン」で実現しているところです。技術的には可能だったものの、価格の面から難しいと毎年試行錯誤していたことが書かれています。

フラッシュマンあたりからサポートロボが登場し、今やとんでもない数のロボットが毎年出てきていて、全部揃えられる子供がいるのかとか親の出費とか色々気になってしまいます。こんな無茶はきっとスポンサーの圧力なんだと長いこと思っていたのですが、『常に刺激を与え続けないと子供はすぐに飽きてしまうから』という鈴木Pの強い危機感から来たものだったと本を読むとわかります。

日本で生まれ、アメリカから逆輸入されたトランスフォーマーなどの脅威も感じていたそうです。蛇足ですが、この頃の「何体合体できるか競争」の苛烈さというものを、子供ながらにひしひしと感じていました。文字通り6体が合体する「六神合体ゴッドマーズ」が1981年。その翌年には「機甲艦隊ダイラガーXV」で文字通り15体が合体するというインフレっぷり。さすがにみんなバカバカしくなったのか、数を競うのはダイラガーXVで打ち止めになりました。

 
さて、この頃戦隊から遠ざかる自分とは裏腹に、もう少し年齢を重ねた腐女子のお姉様方の中には戦隊を同人誌で描く人が現れます。

プロ同人誌「アニパロコミックス」(昭和62年アニパロコミックス3月号)で藤田わか「フラッシュマン」をネタにします。
流れ星1.png
藤田わかはそれまで「ジャスピオン」や「メタルダー」など、他の連載陣が取り上げないマイナーな特撮ネタを扱ってきましたが、戦隊そのものを主題にしたのはここが初めて。
アニパロ11c.png
(画像はジャスピオンネタ)

藤田わかは2年後にアニパロコミックスの別冊「JUNIOR10」で「高速戦隊ターボレンジャー」を取り上げます。

ターボレンジャーは本誌「アニパロコミックス」でも人気作家のやぎざわ梨穂が35号と37号の二度にわたって取り上げました。
流れ星2.png
ターボレンジャーは初の高校生戦隊で、若さを売りにしているぶん女性人気が高かったのかな?

が、当時の自分は、なんかコスプレっぽいと思っていました。ウィキを調べてみるとキャストがほぼ成人です。それでも、これまでの戦隊と比べると若かったのでしょうけども。

ライバルキャラクターに「さすらい転校生・流星光(ながれぼしひかる)」とかいうのがいたんですけど、どうしようもないぐらい昭和な感覚だなと、当時絶望したのを覚えています。
流れ星3.png
すでに平成元年でしたけど、70年代の劇画の感覚ですよね。。。

 

夢を追い続ける男

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  • 作者: 鈴木 武幸
  • 出版社/メーカー: 講談社
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初のジェンダフリー戦隊の女子が逃亡!「超電子バイオマン」。鈴木武幸「夢を追い続ける男」3 [シリーズ]

元東映プロデューサー鈴木武幸の「夢を追い続ける男」
シリーズ第3回は「超電子バイオマン」

8作目の戦隊ということで、色々とマンネリ打破を狙っている。象徴するのがポーズ。
それまでの力感あるものだったのが、バイオマンでは力の抜けたスタイリッシュで幾何学的なポーズになっている。
バイオマン1.png

鈴木Pは新要素が最終的には20項目にのぼったと書いている。
「〜戦隊」とつかない。さらに隊員名が「戦隊名+色」ではなく、レッドワン、グリーンツー、ブルースリー(!)というように「色+番号」で法則づけられている。敵怪人も5人戦隊。それぞれにセコンドのような幹部が5人おり、毎回1匹が代表してバイオマンと戦うという内容になっている。
バイオマン3.png
(超人機メタルダーのムックに掲載されたバイオマンネタ)

さらに初の女子2人戦隊となる。
これにはメインターゲットである男子児童にそっぽを向かれると危惧したおもちゃメーカーから反発があったものの、女子児童の需要もあるはずと踏んだプロデューサーが強行。結果、その年のキャラ版権では2位を獲得し、戦隊はヒットメーカーとして不動の地位を築くことになったのだそうだ。

ところがこの女子の一人が空前絶後の前代未聞なトラブルを起こす。
イエローフォー役の女優が突如失踪したのだ。
バイオマン2.png

結局のところ著書では真相は名言されていないのだが、いまだに大変お怒りになっているのが伝わってくる。なんでも失踪が明らかになったのは鈴木Pの父の葬儀の最中だったらしい。つじつま合わせに奔走したことが本に書かれている。

バイオマンは主題歌も好きだ。

俺は宮内タカユキのファン。本書では歌手には触れられていないが、作詞家の康珍化について語られている。よく見かける名前だが、読み方がずっと分からなかった。「かんちんふぁ」と読むそうだ。在日二世なんだそうで本名?予測検索に出てこないが、本当にあっているのだろうか。

普通、歌詞は原稿用紙に書かれ提出されるものなんだそうだが、バイオマンの歌詞は宇宙から見た地球の絵をバックに書かれていたという。やはり売れっ子になる人は違うなという感じだ。

あまり作詞家、作曲家に興味が行かないのだが、調べてみると康珍化は「仮面ライダーBLACKRX」「未来警察ウラシマン」「巨人ゴーグ」「さすがの猿飛」など、俺の好きな特撮、アニメソングの作詞を手がけていた。あと「ウルトラマンガイア」の主題歌などは、本編見ていなかったがその歌詞にやられて愛聴しているぐらいである。

ちなみに手がけたアニメソングで最大のヒットは「タッチ」なのではなかろうか。


 

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夢を追い続ける男

夢を追い続ける男

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  • 出版社/メーカー: 講談社
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スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1984 超電子バイオマン (講談社シリーズMOOK)

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爆発する半袖戦隊「科学戦隊ダイナマン」。鈴木武幸「夢を追い続ける男」2 [シリーズ]

「夢を追い続ける男」を読みながら、過去の東映ヒーローを振り返るシリーズ。
第二回は「科学戦隊ダイナマン」だ。

本を読んで、長官役が島田順司だったことを知った。
1日に10話見るほどに最近ハマった白黒TV時代劇、「新撰組血風録」の沖田総司役だった人だ。

 
さて、ひたすら爆発推しのこの戦隊。
子供の頃、児童誌テレビマガジンだったかてれびくんだったか、テレビランドだったか覚えてないが、パロディ漫画がやたらツボにハマったことを覚えている。二頭身のダイナマンがひたすら爆発して全員ボロボロになるとか、そんな漫画だったと思う。いつかまた読みたい。この漫画について詳しい情報を知っている人がいたら教えて欲しい。。。

毎年新しい戦隊が発表され続けているが、児童誌の来月号予告でそれが明らかになるのが当時は楽しみで仕方がなかった。後で気がついたのだが、ダイナマンだけは予告カットとデザインが違っていて、ずっと不思議でいた。直前で変更があったらしく、マスコミ向けのお披露目も二度行っていると本に書いてあった。

ウィキによると、最初は「野球戦隊Vリーガー」という野球モチーフの企画で進んでいたらしい。5人戦隊なのに野球モチーフってなんやねん、キュウレンジャーでやれや、とか思ってしまうのだが、当然野球モチーフにすることで色々齟齬が出てきたらしく取りやめに。

ダイナマンにはその名残が色々と残っているようだ。マスクのデザインも、野球帽のつばをイメージしてるんだなと納得する。最初の撮影会では胸にチームロゴが入っていてユニフォーム然としていた。これが俺が児童誌の予告で見た没デザインだったのである。戦隊唯一かどうかは面倒なので調べないが、半袖なところもユニフォームの名残である。面白い。

こないだ主題歌を聴いていた時にふと思ったのだが、拍子木みたいな音は金属バットで硬球を打つ音なのだろうか?そういえば「燃えろ火の玉!」とか言ってるしな。。。

爆発以外のダイナマンの特徴として、デザイナーに出渕裕を招き、アニメ的な要素を取り入れたことがよく語られている。

失脚して退場するメキド王子が、ダークナイトとして復活するくだりが非常に燃えた。デザインもかっこいいのである。大槻ケンヂのメイクって、メキド王子と関係あるのかなって長年疑問なのだけれどもどうなのでしょうか。いうほど似てないか?

ちなみに当時はサンライズロボットアニメと戦隊ヒーローによるスーパーヒーロータイムだったのだが、ダイナマンとペアだった「聖戦士ダンバイン」にもライバルキャラが失脚した後、黒騎士となって復活するという、おんなじことをやっていた。それに気づいたのは今さっきである。


メキド.png
(画像は「テレビマガジンヒーロー大全集」より)
 

夢を追い続ける男

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スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1983 科学戦隊ダイナマン (講談社シリーズMOOK)

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意外と漫画に取り上げられていた「大戦隊ゴーグルV」!鈴木武幸「夢を追い続ける男」1 [シリーズ]

「夢を追い続ける男」を購入して読んだ。
東映のスーパー戦隊プロデューサーだった、鈴木武幸氏の回想録だ。
特撮の裏話がもちろん面白いのだが、むやみに敵を作らないプロデューサー的な物言いが勉強になる。世渡りを考えている人には必読の書かもしれない。

鈴木武幸氏は戦隊ではサンバルカン(81年)からオーレンジャー(95年)の長きに関わっていたそうだ。他にもアクマイザー3、がんばれロボコン、アニメでは闘将ダイモス、未来ロボダルタニアスなどを手がけている。アメリカで大ヒットしたパワーレンジャーも、この人が窓口になった様だ。

誰もがそうだと思うけども、東映ヒーローにはそれぞれ思い入れがある。
今回から数回に分けて、それぞれ語って行こうと思う。

まずは大戦隊ゴーグルVから。
いきなり前言撤回する様だけども、実は俺はこの作品には余り思い入れがない。

サンバルカンとダイナマンという、個性の強い戦隊に挟まれ、イマイチカラーが薄いというのがこれまでの印象だった。まず名前が悪い。ゴーグルってなんやねん。スキー用品か。そもそも戦隊はみんなゴーグルつけてるので、名前からキャラが想像つかないのがイカンと思う。そういう意味ではファイブマンも嫌だ。ゴーグルVは新体操を武器にする戦隊というのが特徴なのだが、そっから何か別の名前をつけてあげられなかったもんですかね。

そんなゴーグルVだが、漫画には結構引用されているのである。
自分ははなたれ小僧だったが、当時すでに立派な社会人していた視聴者にはインパクトのあった作品なのかもしれない。

中津賢也の「ふぁいてぃんぐスイーパー」では闇討ちする暴漢がゴーグルVのお面を被って登場する。
ゴーグルV.png

桂正和の「ウイングマン」ではゴーグルVが新体操をやっているという理由で説得され、主人公が新体操部に入部する。
ゴーグルV2.png

島本和彦の「アオイホノオ」ではゴーグルVの初回を仲間と一緒に見るシーンがある。
ゴーグルV3.png

ちなみに、このゴーグルVのピンクと、島本和彦の対談企画が過去にあったらしい。


これは漫画でも触れるのだろうか。

ちなみに所有しているテレビマガジンヒーロー大全集によると、最初は早坂あきよという女優がゴーグルピンク役だったそうだが、放送直前に急遽降板したのだそうだ。
ゴーグルV5.png
 
他にも「こち亀」やら「究極超人あ〜る」やら、ゴーグルVが登場する漫画は色々あるようだが、とりあえず自分で見つけたものだけ紹介してみた。

 

夢を追い続ける男

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  • 作者: 鈴木 武幸
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/12/02
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夢を追い続ける男

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スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1982 大戦隊ゴーグルV (講談社シリーズMOOK)

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俺たちは子供の頃から「なろう」を読んで来たのではないか?その2 [シリーズ]

凡人が異世界でレベル低い相手に無双。

これが「なろう」のイメージだ。
でもそういう漫画、子供の頃に読んだことあったぞ?と思う。

真っ先に思い出すのが「ドラえもん」。
所有している本の中では「大長編ドラえもんVol.2のび太の宇宙開拓史」(1984年)。
重力の弱い世界で無双している。
大重力1.png
本編の方でもそんな話があったような気がする。

それから数年経って、ドラゴンボールでは逆に超重力の世界で育った強敵という逆パターンを鳥山明が描く(1989年)。ドラえもんの影響を感じるのだけれど、ドラゴンボールでは初期の頃から超重量を使って強くなる(亀の甲羅)という基本構成があり、そこからの発想なのかもしれないとも思う。ちなみに超重量を使って強くなるジャンプ漫画は、ドラゴンボール以前に車田正美の「リングにかけろ」のパワーリストが思い出される。

伊東岳彦の「宇宙英雄物語」(1991年)には「地球の大重力で鍛えられた馬鹿力にはかなわないある」というセリフがある。それを「そんな都合のいい設定はなしにするあるーっ!!」と、メタギャグとして落としている。ドラえもんのパロディだと思うのだがどうだろう。
大重力2.png

 
そういえば「なろう」以前に「ラノベ」というものがあった。やはり書き手、読み手のハードルを下げており、それが一部で嘲笑の対象になった。ただ、こーいったテイストのもの(あくまでテイスト)を、自分たちも学生の頃に読んでなかったかなと思う。「宇宙英雄物語」もそういうイメージがあるし、「ロードス島戦記」とか「サイレントメビウス」とか、大層流行ったものだが、現在あまり顧みられることは無いように思う。

なろうのイメージに、ハーレムになりがちというのがあるが、漫画でなんの努力もせずに、むしろ作者の誤った女性観が見える流れでモテモテになるパターンは挙げだしたらキリがない。赤松健の「ラブひな」やら「魔法少女ネギま!」やら、年取っても大事に読み返す人がどれだけいるというのか。だからと言って、そういう作品が無くていいわけでもない。その時にしか読めない作品はあってもいいし、究極的に行って作品の良し悪しというのはどこまでいっても主観的なものだからだ。

 

大長編ドラえもん (Vol.2) のび太の宇宙開拓史(てんとう虫コミックス)

大長編ドラえもん (Vol.2) のび太の宇宙開拓史(てんとう虫コミックス)

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  • 出版社/メーカー: 小学館
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ロードス島戦記 文庫セット (角川文庫―スニーカー文庫) [マーケットプレイスセット]

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  • 作者: 水野 良
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俺たちは子供の頃から「なろう」を読んで来たのではないか?その1 [シリーズ]

近年、ネットでよく見かけるようになって、しかも意味がよくわからない言葉の一つに「なろう」がある。昔からよく聞くがよくわからない単語、「あすなろ」に似ていて、ちょっと「うっ」となる。

どうやら小説投稿サイト「小説家になろう」から来ているらしい。ネットで使われる「なろう」には「レベルが低い」という蔑みのニュアンスが含まれているらしい。よくまとめサイトなどでその極端な例を見ていたが、小説というより、よく言えば台本。悪くいえば漫画原作者のネームみたいだ。

言い回しに凝る、というのが文芸の本質の一つにあると思う。
表現したいものと全く別のものを使って、それと同じもののように見せかける技術。漫画も同じだ。トーンを使って、モノクロなのに読者はそれを青いと錯覚する。

素晴らしい技術なのだが、度が過ぎれば何が書いてあるのかわからなくなって行く。ゴーマニズムで、わかりやすいように書かないのは何故かと考える回があった。それは半分は演出であり、半分は作者の見栄だと俺は思う。ゴーマニズムを批判した文筆家が「みんなの思い込み通りに描いた」という意味を伝えるために「俗情との結託」という言葉を使った。まあ、終始こんな言葉を駆使しまくっていれば、そりゃあ活字の本の読み手も減るわけである。
なろう俗情.png

流行歌でやたらと英語を使いたがるのも、そういう理由からだと思う。理解できない高級な言葉をさらっと使ってるから人間としてステージが高いように錯覚する。最近は日本語よりも英語の量が多いような歌もあるような気がする。音楽はノリが大事なのでまだファンも離れないような気がするが、極端にこればっかりになれば。。。どうだろうか。

GS美神では文豪の幽霊が若手の人気作家に「お前は『美形』を表現するのに『スマップのイナガキ似』という言葉を使うのか!?」と罵るシーンがあるのだが、「漢字ともったいぶった言い回しが多ければ説得力があるっていうの!?漢字は少なく!!改行はこまめに!!出ないと読者がついてこないのよっ!!あんたたちが芸術部って文学マニア向けの作品ばっかり書いてきたせいで、日本の小説は若い世代に読まれなくなってるのよ!!」と来て、最後は売上の実績で持って論破している。
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昔、ケータイ小説が流行った時に男は女を散々バカにしたが、結局性別は関係なかったということである。それにしても若者の活字離れとよく嘆かれるが、結局はソフト次第ということだ。時代に合ったものがあれば、別に若者は男女問わず、活字を読むのを厭わないということだ。小説家になろうは国内22番目のアクセス数だと最近ニュースになった。

 
なろう小説は頭の悪そうな内容とよく蔑まれている。まとめサイトで論われたものしか見てないのでそんな気もするのだが、我々は頭の悪そうなものを結構喜んで受け入れてこなかっただろうか。キン肉マンとか、マジンガーZが科学的だっただろうか。こういうものは、やがて「様式美」として認知されたからこそ、現在成人した男性が好んでも、まあ昔よりは理解されるようになった。「なろう」もそうなるのかもしれない。

 
マニアがジャンルを潰すとはよく言われる。
まんが道でも、トキワ荘の住人がもっとも好んだ雑誌から潰れた。それはジャンルを成立させる約束事にこだわるあまり、ニーズを置いてけぼりにするからそうなるのではないかと思う。トキワ荘のテラさんは良心の人だったが、漫画というジャンルが大繁栄を迎えるはるか手前でルールに縛られ消えていった。スマホの紙芝居のような課金ゲーが、手間暇かけてこしらえた据え置き機のゲームより遥かに売れているのも、そういうことなんではなかろうか。

 
鈴木みそが「なろう小説」を体験する漫画を描いている。依頼者がかつて担当だった金ちゃんだったようだ。懐かしい。
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↓最近、ちょこっとだけ触れて見た、そういうジャンルの本。

百錬の覇王と聖約の戦乙女1巻 (ホビージャパンコミックス)

百錬の覇王と聖約の戦乙女1巻 (ホビージャパンコミックス)

  • 出版社/メーカー: ホビージャパン
  • 発売日: 2015/10/27
  • メディア: Kindle版



理想のヒモ生活(1) (角川コミックス・エース)

理想のヒモ生活(1) (角川コミックス・エース)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/07/26
  • メディア: Kindle版

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このあだち充がすごい!H2名台詞集5「今、値段をつけるのはやめろ。」 [シリーズ]

相変わらず日大の殺人タックル事件のニュースを見ている。

ほんっっっっと腹たつ。
自分はよく体育会系と間違われるが、こういう指導者が大っ嫌いな文系。
内田監督にクズ野郎!と一声かけて生卵ぶつけてやりたい。

選手から競技を取り上げ、不法行為を行わせ忠誠心を試す。行えばその不法行為をネタに、さらに別の不法行為をするよう脅すのだろう。一度屈してしまえば、後ろめたさから横暴を世に問うこともできなくなってしまう。今回のようにことが発覚すればしらばっくれる。オウム真理教が「ポアしろと言っただけで、殺せとは言ってない」みたいなヤクザの論理だ。

H2の城山監督とそっくりである。
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ちなみに主人公チームの監督も、かつて城山監督に干された経験を持つ。
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さてH2名台詞。
城山監督とコンビを組むエースの広田。
後輩にマッサージさせているところ、肘に違和感を感じ、つい暴力をふるってしまう。
そこに監督から干されているキャッチャーの小倉が止めに入る。

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「暴力はよせ、広田。」
「はずみで、ケガでもさせて表沙汰になったら事だぞ。」
「気安く触らないでくださいよ。」
「いくらの値打ちがあると思ってるんですか、その左腕に。」
「今、値段をつけるのはやめろ。」
「どんなに高い値をつけても、おまえ自身が安っぽくなる。」

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「うまいね、どうも。」
「そういえば千川の試合を偵察していたようですけど、何かわかりましたか?」
「参考までに聞かせてくださいよ先輩。」
「千川はおまえの敵じゃないよ。」
「そいつはどうも。」
「おまえの敵はおまえ自身だ。」
「そいつはどうも。」



H2(エイチ・ツー)全17巻 完結コミックセット(ワイド版)(少年サンデーコミックス)

H2(エイチ・ツー)全17巻 完結コミックセット(ワイド版)(少年サンデーコミックス)

  • 作者: あだち 充
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/01
  • メディア: コミック



H2 文庫版 コミック 全20巻完結セット (小学館文庫)

H2 文庫版 コミック 全20巻完結セット (小学館文庫)

  • 作者: あだち 充
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2011/03/01
  • メディア: 文庫

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