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コンテストはステルス広告だった?「スペースオペラ大いなる神々」 [ゲーム]

「ファンタジーランド」という高額で取引される1990年の古い漫画雑誌がある。
ファミコン必勝本11月20日増刊

ファンタジーランド.jpg

石垣環の「ウィザードリィ外伝」
その単行本未収録回「召喚の書」が掲載されているので、いつか入手したいと思っていた。
しかし安くても一万円以上が相場なので、ほとんど諦めている。

こないだ久しぶりに出品があったと思ったら
早々に二人買い手が現れ、15000円の値が付けられた。

こりゃあ無理だなと、
せめて参考画像だけでも拝んでおこうとサムネをクリックしたら、
とんでもないことに気づいて震えた。

それが以下の画像である。
お分かりいただけただろうか。

スペースオペラの主役になれない1.png

見開きの右ページにファンタジーRPGっぽい漫画。
漫画の右下にあるロゴから漫画のタイトルは「スペースオペラ」とわかる。
そして隣ページに同名のゲームソフトの広告が。

「スペースオペラ大いなる神々」
ソフトウエア興業株式会社による未発売に終わったゲームソフトだ。
件の漫画はゲームのコミカライズであると思われる。
漫画になっていたのか!驚きだ。
そこまで読み取れる人ならそこそこいると思う。

しかしこの漫画のキャラクターデザインが、
ソフトウエア興業が1990年に開催した、第一回ゲームクリエイターコンテストの
ファンタジーアート大賞100万円をとった作品と酷似していることに気づける人は何人いるのだろうか。

スペースオペラの主役になれない3.jpg

このコンテスト、微妙すぎると当時から気になっていた。
まあどこまで行っても審美眼は人それぞれという話なのだが、
俺個人としてはどうしてもファンタジーアート部門の大賞作品が、
大賞をとれるクオリティに見えなかった。
これが漫画の新人賞とかなら分かるんだけど。

ソフトウェア興業.png

さて、この「スペースオペラ大いなる神々」というRPG。
ソフトウエア興業のファミコン参入第一弾である。
前述の通り結局ゲームは発売されず、会社もやがて消滅してしまう。

ゲーム発売の告知が載ったのはコンテスト結果発表の翌週のゲーム雑誌。
よくよく考えてみれば、コンテスト自体が自社製品を売り込むためのステルス広告だったと考えるのが自然だ。

「コンテストの大賞100万円を獲った作品がゲームに!と話題作り」

「三ヶ月後に広告を(ファンタジーランドに)大量投入!」

「さらに三ヶ月後に発売!」

結論からいうと、こんな絵を描いていたと思われる。

発売は発売告知の七ヶ月後、1991年3月だが、
当時はゲームの増産に時間がかかるので、
発売一ヶ月前が納期だから半年の猶予ということになる。
かなりギリギリだ。

コンテストの結果が判り、キャラクターが決まってから開発を始めたのでは非効率。
あらかじめ仮の絵を決めておいて開発を先に進めて後で書き換えるか、

あるいはもっと手段を選ばないやり手のプランナーであれば、
コンテストの結果を先に決めておいて開発を始めるだろう。

社運を賭けたプロジェクトのイメージに合う応募作品が来なかった場合も想定しなければいけない。
(注:あくまでも、そういう可能性は否定しきれないという話である)

不思議なのは、そこまで入念に準備を進めていた形跡が感じられるのにも関わらず、
「三ヶ月後の広告大量投入大作戦」に、やる気が一切見られないところだ。

「ファンタジーランド」に掲載された「スペースオペラ」の広告は最低でも3ページある。
うち1ページは「表4」。目立つので掲載料を高く取られる場所だ。
さらに目次に前述の漫画版「スペースオペラ」が書かれてないことから、
これもお金を払って載せてもらっている広告漫画だと推測される。
漫画をいつから準備していたのか興味深い。
<追記>国会図書館で現物を読んできたが、作者名すら書かれていなかった。

スペースオペラの主役になれない2.png
目次の前ページもスペースオペラの広告。

このようにかなりお金を使っている。
その割には肝心の漫画以外の広告がスッカスカの内容なのである。

スペオペ3.png
ファンタジーランドの表4に掲載されたのと同じ広告。

版権フリーみたいな写真に、意味ありげなポエムを並べただけの広告。
具体的な情報が何も書かれていない。

スクリーンショット 2023-01-25 19.56.40.png
漫画の次のページと、目次の前ページに掲載された広告。
「中身がない」のがお分かりいただけるだろうか。

発売中止になったぐらいだから、
ゲームを全く作っておらず、宣伝する情報がなかったからでは?と考えられるかもしれない。

しかしファミリーコンピュータマガジン1990年9月7日17号を見ると、
かなりゲーム画面ができている。

スペオペ1.png
よく見るとこちらは発売日未定になっており、ずっと3月予定表記だったファミコン通信と違う。

スペオペ2.png

主人公の名前はアラン、魔王はザクロスなのもコミカライズと共通。設定は固まっている。
<追記>国会図書館で現物を読んできたが、武器装備などの細かな解説もあった。

なによりメインのイラストがあるのである。大賞作品100万円のイラストが。
なぜこれらの情報を使わず、お金をかけた広告が版権フリーの画像素材みたいなことになったのか。
理解に苦しむ。おそらくこの辺でプロジェクトが空中分解したのだろう。

今と流通が違い、問屋からの事前発注によって成功or失敗がある程度読めてしまう時代だ。
ちなみにスーパーファミコンの発売が1990年11月21日。
1990年8月に旧機種であるファミコンで発売が告知された「スペースオペラ」が、
話題にならずに発売中止になるのは当然の流れだったと思う。
この時期、ドラクエの堀井雄二のRPG、「ルーンマスター」ですら発売中止に追い込まれている。

 
そもそもプロジェクトにゴーサインを出した社長の判断が誤りだったが、
スタッフは可能な限り売るロジックを考えていた。
ファンタジーランドの広告を用意する段階で何が起こったのか?
それが分かる日はいつか来るのだろうか。

そのヒントがわずかでも残っているのかもしれないプレミア雑誌「ファンタジーランド」。
それを手に入れる機会はまた遠のいてしまったかもしれない。

 

追記:近日、石垣環「ウィザードリィ外伝 「召喚の書」」が電子書籍化されるらしい!

 
参考資料

コンテストの結果発表掲載誌
LOGiN1990年8月3日15号
ファミコン通信1990年8月3日16号(共に1990年7月20日発売)

ゲーム発売告知1991年3月で発売告知がされた期間
ファミコン通信1990年8月17&31日17&18号(8月3日売り)
〜1991年2月22日4号(2月8日売り)まで

ゲーム紹介記事
ファミリーコンピュータマガジン1990年9月7日17号

ゲーム広告が掲載された雑誌
ファミコン通信1990年11月23日24号に1ページのゲーム広告掲載(11月9日発売)
ファンタジーランド1990年11月20日増刊(発売日不明)



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ワルキューレの下着 [ゲーム]

PCエンジン「ワルキューレの伝説」の広告コピー、
「羽根かざりなびく。」が好き。

わるきゅうれ.1.png

ポケモンのキャラクターデザインで有名な杉森健という人がいる。
わたしゃこの人の漫画、「ジェリーボーイ」が大好きなので、
彼が描いたワルキューレのコミカライズがあると聞き、購入したのが2年前。

ワルキューレの冒険外伝―ふたりの女神 (Video game comics)

ワルキューレの冒険外伝―ふたりの女神 (Video game comics)

  • 作者: 杉森 建
  • 出版社/メーカー: 電波新聞社
  • 発売日: 2022/11/07
  • メディア: 単行本

ジェリーボーイよりも4年も前の作品なので当たり前だが絵も若干違う。
ちょっと細野不二彦の影響が見られる箇所があるような気がする。

この杉森健「ワルキューレの冒険外伝 ふたりの女神」
1989年に電波新聞社から出版された単行本。
カバーアートは原作者ともいうべき冨士宏によって描かれている。

ストーリーは完全オリジナル。
漫画好きな女子中学生が異世界転生してマーベルランドへ。
サンドラにワルキューレだと誤解され、魔王討伐に送り出されるというお話。

バイクに轢かれて異世界転生してスーパーパワーを発揮するという
異世界転生のテンプレが89年ですでに「読みなれた」と作中で言及されているのは興味深い。
当然「異世界転生」というカテゴライズは無く、「パラレルワールド」「タイムスリップ」と表現されている。

わるきゅうれ.3.png

ところでヒロインがワルキューレに成り代わるというストーリーに
自分は正直ガッカリした。
特にワルキューレファンということでもなく、ゲームも冨士宏の単行本も持っていないのだが。
もっと公式的な話を期待していたのかもしれない。

よく考えたら黒髪の日本人が金髪のワルキューレだと誤解されるプロットは無理がある。
(厳密に言うとオリジナルはドット絵の黒髪なんだけど)

そんなワルキューレの割り切れないプロットが読んでいて違和感がないのは、
ベタを塗らずに黒髪を表現する漫画表現のありがちなウソ、というのに気づく。

わるきゅうれ.4.png
冒頭8ページがカラーで、ヒロインの髪は薄い茶色で塗られている。

漫画としては可もなく不可もなく。
特に描くことも無いが紹介はしたいので困ったなあと思って、
冒頭で広告を紹介したりもしたのだが、まだそれでも内容が薄い。
(こういうの気にして書けなくなるのが自分の悪い癖)

でえ、なんとなくワルキューレで検索を繰り返していたら、
ワルキューレは下着を履いてないという記事が目に入ってきた。
ゲーメスト増刊の「ギャルズアイランド」で前述の冨士宏が言及していたらしい。

わるきゅうれ.jpg

なるほど確かにワルキューレは女神だから下着なんかつけないだろう。

わるきゅうれ.6.png
(画像は中津賢也「黄門★じごく変」

わるきゅうれ.5.png
(「和服は下着をつけない」で印象的な江川達也「まじかる☆タルるートくん」7巻キンドルunlimited対象作品)

「これだ!」と思った。
杉森健のワルキューレ漫画はヒロインのパンチラが多い。
あまりやらしい感じではない。
言うならばスポブラのような体にフィットした単なる線として描かれている。

わるきゅうれ.2.png

そしてクライマックスで本物のワルキューレも登場するのだが、
こちらは一切パンチラが無いのである。
単なるサービスショットだと思っていたが、
そうやって偽物感を暗示していた、非常に練られた演出だと考えられないだろうか。

冨士宏版ではどう描かれているのか少し気になってきた。
いや、描かれていないんだろうけど。

 

ワルキューレの栄光 1巻 (ブレイドコミックス)

ワルキューレの栄光 1巻 (ブレイドコミックス)

  • 作者: 冨士宏
  • 出版社/メーカー: マッグガーデン
  • 発売日: 2019/01/10
  • メディア: Kindle版



ワルキューレの降誕 1巻 (マサムネコミックス)

ワルキューレの降誕 1巻 (マサムネコミックス)

  • 作者: 冨士宏
  • 出版社/メーカー: マッグガーデン
  • 発売日: 2019/01/10
  • メディア: Kindle版



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あのとき感じた違和感の正体、田沼雄一郎「シャイニングフォース神々の降臨」 [ゲーム]

メガドライブミニ2が発売されるので、
いにしえのメガドラ専門誌2誌が統合したムック、
BEEP! メガドライブFAN2も発売。
3500円ぐらいする、高いな!

前回は買ったのだが、
今回も収録される雑誌PDFのデータがなんか重い。
描画に時間がかかる。

とある海外サイトで、
海外のゲーム雑誌の自炊本を読むことができたのだが、それもデータが重かった。
データ量はそれほどでもないが、描画がなんかウルトラ遅い。

確かに普通のスキャナで取り込むのと、
スキャンスナップで取り込むのとで描画のスピードは変わるような気がしてはいた。
なんかあるのだろうから調べてみたのだけど、はっきりとしたことは分からない。
Adobeアクロバットの「墨消し」という機能を使ってみたら少し軽減された。

でぇ、話は戻るが「BEEP! メガドライブFAN2」にはメガドライブFANで連載していた
九月姫の漫画「アーリエル」も収録されているらしい。

当時「モンスターメーカー」などで時代の顔的イラストレーターだった九月姫、
彼女がキャラクターデザインしたゲームギアソフトのコミカライズ作品だ。
月イチの1ページ連載のギャグ漫画だったが。

…アーリエルも悪くはないが、
メガドライブ誌関連では未単行本化の思い出深い漫画がたくさんある。
のちにジャンプで漫画を連載する山根和俊の「エルヴィエント」。
「大浮遊船時代」の乃美やすはるによるロムPちゃん。
日高トモキチの「メガドラマン」
そして玉木美孝の「ドゥームブレイド」
なぜそこら辺を景気よくまとめてDVD収録できんのだ!と思う。
いくらなんでもメガドラミニ3は無いだろうし、これが最後のチャンスだったのに。

メガドラマンいいよなー


そういえば、掲載誌は一般少年誌ではあるけども、
原作武藤正洋、作画田沼雄一郎の「シャイニングフォース神々の降臨」全3巻を買い直した。
これも当時相当繰り返し読み返した思い出深い作品だ。

シャイニングフォース1作目の後日談で、
暗黒竜の体液を浴びた少年兵バッジがスーパーサイヤ人化して、
さらわれたお姫様を助けに仲間たちと旅するという内容。

たぬまゆういちろう1.png
原作リスペクト度が高い

たぬまゆういちろう3.png
マックスかっこいい。アダムでかい!

とにかく1巻の作画が好きだったのだが、
段々連載が進むにつれて作者が疲弊していったのか、荒さが目立つようになる。

目立つのは作画の荒さだけでなく、
1巻の時から薄々感じていた作画担当者の変な性癖が顕になってくる。
奇乳、ボンテージファッション、少年の短パンからはみ出た睾丸などなど。

たぬまゆういちろう2.png

あれはなんだったのかと後年作画担当者の名前で検索してみると、
私の性癖的には正視に耐えない絵がワンサカと出てきて、
思わずブラウザバックして見なかったことにしている。

あまり少年誌向きの人ではなかったようで、
これ以外ではもう一作が単行本一冊のみ。
あとは成人向けで描かれていたようである。
ソフトな描写であれば、一度読んで見たい気もする。

ところで「シャイニング・フォース」といえば、
外資系のメーカーがスマフォ向けにリスペクト度の高い続編作っていたことをさっき知った。

2021年にPVを発表。
2022年に配信開始の予定だったが、業績が悪化して開発中止になってしまったんだと。



PVを見てあまりやりたいという気は起きなかったけども、
これだけ作って中止にしちゃうんだから、大変な世界よね。

 

シャイニング・フォース 全3巻完結 [マーケットプレイスセット]

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  • 作者: 田沼雄一郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • メディア: コミック



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  • 出版社/メーカー: セガ
  • 発売日: 2022/10/27
  • メディア: -



BEEP! メガドライブFAN2 ~2誌合体! メガドライブミニ2総力特集号~ (ATMムック)

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  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2022/10/27
  • メディア: ムック



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生頼範義のレアな光栄パッケージアートまとめ [ゲーム]

コーエーテクモゲームスが光栄だった時代。
様々な歴史を、Re:コーエー仕様リコエイションゲームだ!
…と、無理くり作っていた様な勢いのあったあの時代。

同時に生まれまくる生頼範義のパッケージアート!
…いい時代だった。

荒井清和の「べーしっくん」でもネタにされるぐらい、
当時多くのファンが生頼範義の新作が出るたびに心を躍らせていたものである。

やまとのくにに2.png

どれかひとつ選べと言われれば「大航海時代」が好き。
マゼランの心!コロンブスの勇気!キャッチコピーも良い。

やまとのくにに7.png

今回は、その中でも家庭用に移植されなかった割とレアなパッケージを紹介。

ひとつめはなんと古事記のゲーム化、
「神々の大地 古事記外伝」1993年PC-98用。

やまとのくにに1.png

遊んだことないけど「伊忍道 打倒信長」が一番イメージに近いゲームだと思われる。

ふたつ目はイタリア文学のゲーム化
「魂の門 ダンテ-神曲-より」
プレイ動画を見るとアクションRPGっぽい。

やまとのくに6.png

当時のPCでアクションを作るのは高い技術がいるのだろうけども、
家庭用ユーザーから見ると…ってなりがち。

魂の門は光栄にしては珍しく生頼範義氏の絵をあまり見せてくれない広告。
おそらく日本人に馴染みのないキャラクターの顔を、
会社的には見てもらいたかったので、こういったトリミングになったのではないだろうか。

最後に売れ線っぽいけど結局家庭用機では発売されなかった「源平合戦」
これだけ広告を持ってなかったので手持ちの攻略本の表紙から。
ちなみにこの本、Amazonで30000円で売られている。買うやついるのか?

やまとのくにに5.png

龍馬伝」で「維新の嵐」がリメイクされたように、
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」がきっかけで「源平合戦」の復刻が来るかなと思ったけど来なかった。
てかコーエーがドラマ制作に関与してるのにね。

 
最後にオマケ。
生頼範義ではないけども、かなりレアな光栄パッケージアートを発見した。
加藤直之作画の「ノーザンヴァース」。

やまとのくにに4.png

1993年のLOGiN12月17日24号に「94年1月発売」と突如姿を表し、
そのまま消えていったゲーム…ということしか現在は分かっていない。

加藤直之といえばスタジオぬえ所属の人で、パソコンでは「ディガンの魔石」が強い印象を残していた。12月号に来年1月発売ということは、ほとんどゲームが完成していたと思われるのだが、なぜ発売中止になったのだろう。謎だ。また詳細がわかり次第、追記していきたいと思う。

 
話を生頼範義に戻す。
自分は氏のマニアというほどでもないのでガチ画集は高いので手が出ない。
所有しているのは比較的安価な画集「生頼範義 緑色の宇宙」一冊のみ。

この画集に収録されている光栄作品は「信長の野望・武将風雲録覇王伝」「三國志2〜4」「水滸伝」「蒼き狼と白き牝鹿・元朝秘史」「大航海時代」「ランぺルール」「ヨーロッパ戦線」「太閤立志伝」だ。

 

生頼範義 緑色の宇宙 (玄光社MOOK illustration別冊)

生頼範義 緑色の宇宙 (玄光社MOOK illustration別冊)

  • 出版社/メーカー: 玄光社
  • 発売日: 2014/11/29
  • メディア: ムック



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失われたゲーム史はまた失われるのか?発売されて7年経って分かったロールプレイングゲームサイドVol.1のすごさ [ゲーム]

ロールプレイングゲームサイド Vol.1 (GAMESIDE BOOKS)

ロールプレイングゲームサイド Vol.1 (GAMESIDE BOOKS)

  • 作者: ゲームサイド編集部
  • 出版社/メーカー: マイクロマガジン社
  • 発売日: 2014/07/30
  • メディア: Kindle版


「ロールプレイグゲームサイドvol.1」というゲームムックの、
とある特集記事の素晴らしさが発売されてから7年経って理解できた。

特集記事のタイトルは、「真説・コンピュータRPGの起源」。
それによるとおそらく現存する世界最古のコンピュータRPGはpedit5。
さらにウィザードリィの元になったウブリエットってゲームがあったということを明らかにしています。

ウェブリット1.png

いや、今更新事実が出てくるとは思わないじゃないですか。
コンピュータゲームみたいなそこそこ新しいジャンルで。
しかもウブリエット以前のコンピュータRPGの記事も満載なわけですよ。
もう理解の範囲外。

 
というか、
ウィザードリィといえばコンピュータRPGの元祖も元祖と持ち上げられてきた作品。
「わしゃapple2を輸入して英語でプレイしたもんじゃあ。」なんて言う人がいようもんならキャバ嬢も絶対尊敬のまなざしですよ。

で、鼻持ちならないゲーマーは
「ドラクエ?ウィザードリィのパクリじゃん」とか言い出す。


でもそんな古参たちからウブリエットの話なんて聞いたことがない。
俺もファミコン版がブームの頃はいろんな特集記事を読みましたよ。
製作者のロバートウッドヘッドのインタビューも読んだ。

特に好きだったのは渋谷洋一のコラム。

ウィズ2.png

当時、浴びるほどウィズ知識を収集したのに、
RPGサイドに書かれてた記事は初耳も初耳。
渋谷洋一も忍者増田も須田PINも
ウブリエットやpedit5の話なんかしたことがない。(はず)

繰り返しますが、
コンピューターゲームような比較的歴史の浅いジャンルで、
こんな重要な新事実が、丸ごと真空パックされて今更浮かび上がってくるとは思いませなんだ。

ウィズ以前のそういったコンピュータRPGは件の記事によると、
アメリカの大学のコンピューターネットワーク上にあったというのです。
わからねえわけだ、そこんとこは感心するぜ。

ウェブリット2.png

ちなみに1991年に発売されたムック、ウィザードリィマガジンの解説にそれらしい記述を探すと、
「アンドリューはイリノイ大学が開発したゲームの管理を任されていた」「アンドリュー・グリーンバーグがテーブルトークのRPGダンジョンズ&ドラゴンズをもとに組んだプログラムを雛形にWizardryの制作を開始したのである」とある。ここを突っ込む人がいなかったというわけだ。

 
だからRPGサイドを読んだ直後は、
ひょっとして俺が知らなかっただけ?とか思ってしまいましたよ。
ゲームから離れてた時期もあったし。

思い直したのは、ドラクエに関わったとあるプログラマー書いた電子書籍に、RPGサイドの記事がすごい!と書いてあったからなのでした。それがムック発売から7年後。ああ、このレベルの人でも知らなかったんだって。

だからなのか?
このRPGサイドというムック、
売れなかったのか次の号で休刊に。
世の中間違っとるなあ。

けっこう情報がアップデートされてないマニアも見かける。
あるゲームムックでは今でもウィズが元祖と紹介されていたり、
別のムックでは「いや市販されてないからウィズが元祖なのだ」なんて書かれてたりもする。

 
さびしい話なので、電子書籍で買ってたのを、紙の本でも買い直しました。
最初に買ったのは2015年なんですな!ムックの発売から1年以上経ってたのか。。。

ウブリエット4.png


そして、このことをブログに書こう!…と思ってから一年。
ついにお蔵出し。さっさと書けよと自分でも思うが、なかなか上手く書けなくてねえ。

 
2020年に発売された
「蘇る伝説のRPG大全vol.1」にもウブリエットや、それに影響を与えた古典RPGの紹介記事が載っています。テーマを絞っているのでこちらの方が読みやすい。

ウェブリット3.png

RPGサイドは資料的な価値が高い。どちらもおすすめです。

 
ちなみに、自分がこのRPGサイドを買ったきっかけは、
ケムコのRPG、「真田十勇士」製作者インタビューが読みたかったからなのでした。


 


ロールプレイングゲームサイド Vol.1 (GAMESIDE BOOKS)

ロールプレイングゲームサイド Vol.1 (GAMESIDE BOOKS)

  • 作者: ゲームサイド編集部
  • 出版社/メーカー: マイクロマガジン社
  • 発売日: 2014/07/30
  • メディア: Kindle版



ロールプレイングゲームサイド Vol.2 (GAMESIDE BOOKS)

ロールプレイングゲームサイド Vol.2 (GAMESIDE BOOKS)

  • 作者: ゲームサイド編集部
  • 出版社/メーカー: マイクロマガジン社
  • 発売日: 2015/04/14
  • メディア: Kindle版



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庵野秀明は「シン・ドラゴンクエストファンタジアビデオ」を作るべきだ [ゲーム]

前回、「ドラゴンクエスト ユアストーリー」について書いた。
ドラクエの映像化が困難だということはわかる。
でも成功例はあるんだよ。

それは「ドラゴンクエスト ファンタジアビデオ」だ。
発売は1988年12月21日。3の発売から10ヶ月ほど経過している時期。
当時VHSで購入して、死ぬほど繰り返し見ましたよ。

内容は、すぎやまこういちが指揮するアレフガルド交響楽団によるドラクエBGMのコンサート映像に合わせて、実写でドラクエの世界を再現した映像をインサートするという構成。

この実写映像を作っているのがガイナックス。よく出来ていたはずだ。
今ではエヴァンゲリオンのメガヒットでよく知られているブランドだけど、それに気づいたのは余裕で20年ぐらい経ってからだったかもしれない。

ドラゴンクエストファンタジアビデオのソフトは
VHSとLDのみで、DVD化はされていないみたい。

Amazonを検索しても引っかからない。完全に絶版だ。
あの名作を現在正規に見る機会が無いのは勿体無い。
だからなのかYouTubeなどの動画サイトで消されずに残っている。

この際だから調べてみた。
ヤフオクにビデオ版のパッケージ写真があった。分厚さが懐かしい。

このパッケージイラストは生頼範義ではないか?と思って調べてみたら正解だった。
DQF1.PNG
予約開始(11月20日)の広告にクレジットが入っていた。
予約するとポスターが貰えたらしい。欲しい。
正面左に立つ賢者が内股になっているのが芸が細かい。

この賢者役の女の子、サマルトリアの王子風の役を演じているのだが、劇中で勇者を見かけて舌をペロッと出すシーンが可愛いのだ。演じているのは田村美保。勇者一行を演じた三人のうち唯一、のちの画像を見つけることができた。
dqf8.png

ファミコン通信1988年11月11日22号に、
10月12日に帝国ホテルで行われた制作発表会のニュースがあった。

DQF6.PNG

続くファミコン通信1988年11月25日23号(11月11日発売)に撮影が大詰めだという記事が載る。
発売の約1ヶ月前にクランクアップしてないのは、なんか計算が合わないような気もするが。

DQF5.PNG

さらにファミコン通信1988年12月23日24号にはプロデューサーインタビューが。

DQF3.PNG

右下の写真に「この魔王に扮しているのは、なんと制作スタッフ。特殊メイクとはいえ、すごい迫力なのだっ。」とあるが、どうもこれを演じているのが庵野秀明らしい。外人だと思ってた。。。

dqf7.png

ちなみに特殊メイクは原口智生。これまた一流の人だ。

ファミコン通信1988年1月6・20日1・2合併号では12月4日に行われた特別試写会の様子が報じられている。

DQF2b.jpg





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大炎上したドラゴンクエスト ユア・ストーリーを見た [ゲーム]

悪名高い「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」を今更見た。

ニュースで知った時は憤慨したものだが、
実際に見てみるとやっぱり怒りが込み上げてくるのだった。
どうして誰も止めない!…と思う。

そりゃ止められないよね。
邦画の第一人者、山崎貴監督に映画作ってもらうことこそが重要だもんね。
なんか会議で煮詰まって、徹夜のテンションで思いついた結末って感じ。

山崎監督は少なくともこのどんでん返しで好意的な反響があると思っていたと思うと…、理解に苦しむ。
こんなのはどんでん返しでもなんでもなくて、ただ一番いいとこで観客に冷や水をぶっかけただけなんだよな。

映画館で映画を楽しんでいたら変な男が乱入してきて騒ぎ始めた。
係員と協力して、その男をつまみ出した。
めでたしめでたし。

例えるならユアストーリーはこういう話である。
…これでハッピーエンドになるだろうか。
気分台無しになっただけである。
お金損した、
野良犬に噛まれたと思って我慢するしかない、というシチュエーションだ。

敵は何もダメージ受けてない。反撃されたことも気づかない。
チーズとキャビアを乗せたクラッカーをかじりながら
「システィーナ礼拝堂のミケランジェロの壁画が見れない」と愚痴ってるポルポのように。
そして彼の気分台無しにしてやるぞ作戦は達成されているのだ。

ドラクエユアスト.png

そんなフォローにすら山崎貴監督は思い至ってないから、
この映画の結末は単なる思いつきで付け足しと言っていい。
 

ユアストーリーは妥協を強いられる映画である。
ダイジェストでもしょうがない。
キャラの顔が鳥山明デザインでなくてもしょうがない。
鼻につくビアンカの顔はだんだん可愛く見えてきたよ、声が有村架純だし。

そうやって我慢を積み重ねてきたらあの展開である。
大団円、主人公に寄り添うビアンカも息子も、もう血の通ってない単なるCGにしか見えない。

「ゲームはもうひとつの現実だ!」という主人公の決め台詞は山崎貴監督のニチャア音が聞こえる。

そうじゃないんだよ!
感情移入を妨げたら、それはどうやっても血の通った「もうひとつの現実」にはならないんだよ!

 
「感情移入を妨げない」、これこそ私はドラクエスピリッツだと思ってる。
ドラクエ3では1箇所だけ主人公が「先に逃げろ」と突然喋り出すシーンがある。
自分だと思っていた勇者が勝手に喋ったら感情移入の妨げになるので、そうはしたくはなかったのだが、他にシナリオを進行させる方法がなかったので、そこだけひとこと喋らせたとのこと。

子供の頃、宮本茂との対談記事を読んで、ドラクエ原作者の堀井雄二がこんな細やかな配慮をしてるのを知り、感動したものである。山崎貴監督のしたことは、全くドラクエ的でない。

ユアスト2.png
虹色ディップスイッチ―ファミコン業界クエスト

わたしゃ山崎貴監督のデビュー作、「ジュブナイル」のDVD買って何度も見たのでどんな映画を作ろうと、ずっと好感持ち続けてきたけど、ユアストーリーにはそれでも怒りが湧いた。山崎貴監督は何かが強烈に鈍くなってるし、それに追従するスタッフもスレ過ぎてる。

 
ユアスト.png
『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』

ドラクエの映画化が困難だというのは分かる。
しかし映像作品で成功例はあるのである。
それは「ドラゴンクエスト ファンタジアビデオ」だ。
庵野秀明も参加してるし。これは当時死ぬほど繰り返し見た。
庵野監督は「シン・ドラゴンクエストファンタジアビデオ」を作るべきだ。

 
というわけで次の記事は
庵野秀明は「シン・ドラゴンクエストファンタジアビデオ」を作るべきだ 
https://ihondana.blog.ss-blog.jp/2022-05-21
 

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー Blu-ray完全数量限定豪華版(2枚組)

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  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2020/03/04
  • メディア: Blu-ray



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  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2000/12/22
  • メディア: DVD



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200時間かけて6000円課金してエルデンリングをクリアーしたよ。 [ゲーム]

【PS5】ELDEN RING

【PS5】ELDEN RING

  • 出版社/メーカー: フロム・ソフトウェア
  • 発売日: 2022/02/25
  • メディア: Video Game

ついにエルデンリングをクリアした。
全世界で1200万人が遊んでるという大ヒットを記録したこのゲーム。

最近ゲームから遠ざかってる私ですが、
このゲームを開発したフロムソフトウェアという会社のゲームは、
RPGには珍しく高難易度をウリにして高評価されているので、以前からプレイしたいと思っていました。

時間の止まったゲーマーに超わかりやすくエルデンリングを説明すると、「ゼルダの伝説 時のオカリナ」の超難易度版といった感じ。

どれだけ難しいのかというと、なんとクリアまで200時間もかかってしまった。過去振り返ると自分がクリアまでに一番長く時間がかかったゲームが天外魔境2の80時間ぐらいだったのでそれぐらいを見積もっていたのですが、まさか200時間超えるとは思いませんでした。プレイしてる間、他のことが何もできなかった。。。

難しいのでレベルを上げに上げ、200を超えてしまった。
それでも事故ると序盤のザコに殺されてしまうことがしょっちゅう。
そのぐらいエルデンリングの戦闘はシビアである。

ダンジョンなどで一部屋づつ敵を全滅させながら進んでいくようなゼルダとは根本的に異なるゲームデザインになっている。いかに敵と戦わずにセーブポイントからセーブポイントへ行くか。それが基本スタイルである。このクセが結構抜けずに苦労した。全ての敵を相手にするのは、メタルギアにおける警戒警報を鳴らしてしまう行為だと考えると分かりやすいかもしれない。

そしてレベルアップでは大して強くなれない。
繰り返すがレベル200越えても序盤の敵にやられることがよくある。
逃げ回って、武器や防具、援護アイテムの入手していくことこそが肝心なゲームなのである。
それでも装備入手の際に戦わないといけない中ボスたちがいるわけなのだが。。。

基本、2、3発で死ぬような調整になっている敵の攻撃は、ボタンひとつで完全回避が可能だ。いわゆるローリングで、このゲームのキモである。敵の攻撃のモーションには回避できる瞬間があり、その瞬間を熟知することがエルデンリング上級者の道だ。しかしエルデンリングにおける一体の敵がもつモーションは実に様々で、かなり嫌らしく避けることができるタイミングを外してくる敵ばかり。それらは初見が目で見て動体視力や反射神経でタイミングを測れるようなものでもないのだ。その辺はちょっと理不尽と言える。だからエルデンリングは基本的に覚えゲーで、死にゲーなのである。

何度も死ぬことを前提にしたゲームデザインであるにも関わらず、その辺のフォローがなってないと思うことが多い。
一番のネックはロード時間だ。
これからやるという方はプレステ4ではプレイしない方がいいかもしれない。
自分はプレステ4だった。

プレステ4だと死ぬたびにロード時間が約30秒もかかる。
これがキツい。

自分にとって最初の関門となった中ボスは「満月の女王レナラ」なのだが、喰らうと即死してしまう攻撃を放ってくる最初のボスだった。戦闘が始まってすぐに死んでしまう。そして30秒待つを繰り返す。これがキツい。段々と「同じ場所なのに何をそんなに読み込む必要があるんじゃい!」と憤りを覚えてくる。

その時はマジでエルデンリングをやめようかと思った。
ちなみにプレステ5だとロード時間は約6秒らしい。
買おうかなと思ったが、プレステ5は発売して一年以上経つのに入手困難。
もはや転売価格が定価となりつつある。

そこで外付けSSDの購入である。

アイ・オー・データ ポータブルSSD 250GB 耐衝撃 軽量 PS5 PS4/PS4 Pro/Mac対応 USB3.1(Gen1) 日本メーカー SSPH-UA250N/E

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  • 出版社/メーカー: アイ・オー・データ
  • 発売日: 2021/03/10
  • メディア: Personal Computers

これでロード時間が15秒ほど。半分に!5000円したけどウルトラ快適だ。
8000円もするゲームに5000円の課金とは随分な出費である。
プレステ5が5万円。その転売価格が10万円。そういった価格を見ていたから麻痺してしまったのかもしれない。さらにエルデンリングを快適に遊ぶために楽に経験値稼ぎする場所がゲーム内にあり、その場所に早く行くためには通信対戦をやっておかなければならない。そのためにさらに約1000円ほど課金した。。。

 
話を戻すがフロムは死にゲーで築いたブランドなのにエルデはそのフォローが甘い。
「戻し」に手間がかかるのは死んだことのペナルティというのもあるだろうが、少し麻痺してるんじゃなかろうかと思う。ムービーもいちいちプレイヤーがスキップさせないといけないのは面倒だ。ラスボス戦なんかは挑戦するたびに2回も飛ばさないといけなくてイライラする。

ボスに関して、これが任天堂だったらトレーニング施設とかをゲーム内に作るだろう。
一度戦った敵の攻撃モーションを再現してくれるNPCが出てきて、ローリングやパリィの練習を延々繰り返せる。ロードは実戦のみ。そんな救済措置を作ってくれそうだ。

濃いファンが多いブランドのせいか、新規へのフォローが足りないように感じることが多い。プレイ100時間を越えても基本的なことについて知らなかったと思えることが多々あった。ちょっとでも詰まったと思ったら検索して情報サイトを頼った方が良いと思う。それでもクリアまで200時間かかったのだ。(実は200時間以上プレイしていてもゲーム内によく出てくるサイン溜まりが何なのかいまいちわかってない。)

もちろんクソゲーであれば200時間も遊んでいられるわけもない。とんでもないボリュームがあり、デティールも凝りに凝りまくっているからこそ200時間も遊んでいられたわけだ。戦闘が苦手な人のために遺灰という戦闘支援アイテムもある。オープンワールドゲームらしく、敵キャラたちはゲーム内にある一定の天地法則に従って行動している。もちろんボスキャラも例外ではない。地形やらアルゴリズムを理解すれば、斬り合って勝てなかったボスも、簡単にやっつけることができる(…こともある)。その辺の戦略を立てるのが楽しい。

例えば、ある敵(宿将オニール)と戦った時は最後瀕死状態になりながらも間欠泉に誘い込んで倒した。ある敵(黒き刃の長アレクトー)は猛烈な連続攻撃を仕掛けてくるが、崖際で戦うと落下死を避けるプログラムが働いて戸惑うような動きをするのでそれを利用して倒せる。宿将ニアールはボスエリアの外から狙撃できる。

世界観はどちらかといえばホラーより。
萌とは程遠い、ハードボイルドなファンタジーで、この辺が人を選ぶかもしれない。
不気味な敵に襲われ、鳥肌を立てることがマジ何度もあった。
特にこのゲームをプレイしてネズミが心底嫌いになった。

漫画「ベルセルク」や米ドラマ「ゲームオブスローンズ」の影響下にあるらしいので、その辺が好きならばよりハマれるのかもしれない。わたしゃどちらも疎いけど。
スーロンズ.png

続く。

 

タグ:ゲーム
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消えたゲーム史、近未来ゲーム「バトルテック」 [ゲーム]

巨大ロボを操縦したいという夢。
とりあえずゲームでもいいや。
それを最も早く、スケールでかく実現したバトルテックという海外製のアーケードゲーム。

しかし東京近郊に住んでいないと遊べなかったイメージ。
いつか遊びたいと思っていたが、ついに一度もチャンスがないまま廃れてしまったゲームだった。
熱心にプレイしていた人たちがいたはずなのだが、ネットにバトルテックの情報は非常に少ない。

この際なので当時の記事を見つけ次第、情報をまとめてみようと思った。

<2023年4月1日追記>
おそらく一番最初にファミコン通信に取り上げられた記事。
なんと1989年8月4日18日16&17合併号だ。
まだ開発中。海外特派員によるものなのでリアルタイム感がある。
バトルテックのコピー.png

続いてバトルテック日本上陸開始の記事。なんと初報道?から3年後だ。
ファミコン通信1992年8月14日号
バトルテック19920814a.png
横浜駅西口にかつて存在したシグマ直営アミューズメントスポット「トレルワン」にて8月8日から稼動。筐体はアメリカにもまだない最新のものを32台設置(8台1セット)。プレイヤーは氏名、生年月日、電話番号を登録して会員になる。会員証で来店回数をチェックし、同レベル同士で対戦できるようにするとのこと。プレイ料金は10分1000円。(要約)

シグマ商事なる会社はファミコンの「必殺道場破り」というゲームで知ったが、もともとメダルゲームなど、アミューズメント施設運営の会社として有名だったらしい。自社のネットワークを活かして、いっちょバトルテックブームを起こしたろかい!って感じだったのだろうか。32台も筐体を購入するのは大変だったろうな。

ちなみに1992年はセガからバーチャレーシングがリリースされている。アーケードゲーム史に名を残す、バーチャシリーズの幕が上がった。それまでマイナーだったポリゴン技術が、ドット絵を駆逐していくという、節目の年になったのである。それはいち早くポリゴン技術を採用していたバトルテックが、激しい競争に飲み込まれたということでもある。

次に見つけた記事は半年後。
ファミコン通信1993年1月1日号
バトルテック1993年1月1日.png
12月7〜20日、第一回メジャーリーグ・トーナメント開催。 1チーム4人の16人が参加。予選は4ブロックに分かれて総当たり。 各ブロック上位2チームが決勝に進出。優勝チームにはトロフィーや記念品が贈られる。 参加費用は1チーム16000円。参加資格はチーム4人の出撃回数合計が121回以上。

翌93年2月に第二回大会を予定。将来的にはシカゴのバトルテックセンター代表とのチャンピオンシップ大会を開催したいとシグマ販売促進課。

ついに日本トーナメントが開催!
メンバーが4人必要。ぼっちは出場できなかった!
しかも121回÷4人だから、一人あたりだいたい30回かける1000円=30000円をバトルテックにつぎ込んでいる廃課金者の仲間を見つけないとイケナイわけだ。これはハードル高いなあ。

次のニュースはさらに半年後。
ファミコン通信1993年6月4日
バトルテック1993年6月4日.png
バトルテックを国内販売しているザップが、全国展開を発表。渋谷のドクタージーカンズにあるバトルテックを4台から16台に増やし、バトルテックセンターと改称、今後3年間で全国50店舗まで増やしたいとしている。

いつの間にかドクタージーカンズなるお店がバトルテックを導入していた。このお店は今でも渋谷にあるらしい。ゲーセンではなく、イベントスペース?ザップという会社名は初めて見た。検索しても会社の情報は見つけられなかったが、電撃王というゲーム雑誌のバトルテックの付録が付いてきたことが分かった。電撃王、読んでなかったけどバトルテックを推していたのだろうか。

1993年はセガからバーチャファイターが。ナムコからはリッジレーサーの他、バトルテックと被りそうな近未来戦車ゲームのサイバースレッドがリリースされている。

こんな記事も見つけた。
ゲームセンター回顧録 バブル後期編 バトルテックセンター!

 
さらに次の記事は一気に一年後だ。
3年で50店舗計画はどれぐらい進んだのだろうか。
「LOGiN」1994年6月3日
バトルテックログ19940603.png
4月9日アメリカ代表4名を迎え、渋谷ドクター・ジーカンズで日米決戦大会が開催。開催時間が午後一時から九時までの8時間という長丁場。個人戦は8名による10分間のバトルロイヤルと、ノーリターン制のバトルロイヤルの二種目の総合。日米双方の4名からなる代表チームで戦い、先に4勝した方を勝者にするルール。個人戦、団体戦とも日本が勝利を収めた。世界ナンバーワンになったのはコールサインHIDEKAZUの重富英和。

日本上陸から約2年、ついに国際大会が!
しかもサムライジャパンの圧勝だったようだ!

1994年はセガからポリゴンアーケードゲームの稼働ラッシュ。バーチャファイター2、バーチャコップ、バーチャストライカー、デイトナUSA、ウイングウォーなどがリリースされている。

 
さらに1年後。
これが現在のところ、自分が確認した最後の記事となっている。
「LOGiN」1995年6月16日号
プラモ3.png
ドクタージーカンズにて5月13、14日にバトルテック国内代表決定戦が開かれ、日本代表プレイヤーが決定。個人戦は「LOGIC1」、団体戦はKnight Forkが代表に。日米代表同士の決戦は6月3、4日にアメリカラスベガスのバーチャルワールドで開催される。前大会は日本が優勝カップを手に入れたとのこと。

ちなみに1995年のアーケードゲームは「鉄拳2」「バーチャロン」などが稼働開始。
テクスチャーマッピングやグローシェーディングなどの処理などが一般化し、ポリゴン時代第二期に入った印象だ。

何か新たな情報が入り次第、この項は加筆していく予定。


タグ:ロボゲー
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タイソン、約30年ちかくバイソンを知らず [ゲーム]

バイソン.jpg
バイソンはアメリカではバルログ。
バルログがベガ。ベガがバイソン。

…というふうに、
訴訟大国アメリカを恐れて、
1991年製のストリートファイター2のキャラクター名称は色々ややこしいことになってるわけですが、
当のマイク・タイソン御本人がバイソンの存在を知ったのは去年のYouTubeインタビューだといま知った。


取り巻きも多いだろうに、
30年近くも誰もご注進にならなかったというのはすごい話だ。
忘れてるのかもしれないけど。
お金に困ってた時期もあるのになあ。

すると、それ以前にコスプレイヤーと撮った写真は、意味分からずに撮ったということになるな。
タイソン.jpg

 
でもまあ、
マイクタイソンといえば当時は世界的な有名人。
全世界共通の最強ボクサーのテンプレ。

パチモノも世に溢れていた。
いちいち気にしてらんないってことなのかもしれないなあ。

1988年島本和彦「仮面ボクサー」マーク・パイソン
仮面ボクサー.png

1989年石ノ森章太郎「HOTEL」10巻ジョニー・ライソン
ラーソン.png

1989年江川達也「まじかるたるルートくん」4巻(マイク・タインソ)
タインそ.png

あとゲームの日本でのリリースが1991年2月、
タイソンが逮捕されたのが1991年7月。
そこから3年刑務所だったのもカプコンにとっては良かったのかも。

だから懲りずに1993年にブルースリーそっくりなフェイロンをスパ2に投入してきたのか?
フェイロン2.jpg

<2022年5月12日追記>
最近、遺族の意向により、面白おかしくブルース・リーに似せたものは全て削除していく方針に変わったというニュースがありました。今後、ストリートファイターシリーズにフェイロンが登場しない可能性があるそうです。
 

真相

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  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2014/08/11
  • メディア: Kindle版



所沢のタイソン ([テキスト])

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  • 作者: 久保 広海
  • 出版社/メーカー: 東京キララ社
  • 発売日: 2021/05/29
  • メディア: 単行本



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