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性的搾取、わからんでもない。鶴屋なこみん「メンズエステ嬢の居場所はこの社会にありますか?」 [名作紹介]

Kindle Unlimitedでエッセイ漫画、
鶴屋なこみんの「メンズエステ嬢の居場所はこの社会にありますか?」を読む。
ものすごく面白かったので、紙の本も買っちゃったい。

風俗嬢はフェミニストになりがちという分析を最近YouTubeで見た。
そんなもんかなあと思ってましたけど、
この「メンエス嬢」の漫画読むと説得力を感じる。

セクハラされまくっても同情されにくいのが風俗嬢。
漫画のヒロインが勤めるのは露出高い衣装でマッサージするだけのお店。
でも風俗には違いないので、お客さんも容赦なく卑猥な言葉を投げかけてくる。
流行りの性的搾取という言葉、わからんでもない。

セクハラは訴えることができるが、
訴えることが出来ない不快なエロ行為はされ続ける、
だから性的搾取なのだ。

メンエス1.png


そんなに稼げるでもない(一日に2万円稼いで狂喜乱舞している)。
辞めたところで他では稼げない。
あれこれ改善を試みても客は付かない。

そうしてヒロインは精神的ダメージを負っていく。
まあ詰んでいるように見える。
特に何か劇中で解決がなされるわけでもない。

メンエス2.png

しかし帰宅途中で衝動的に降りた「うかの」という駅で、
総理大臣御用達のうなぎやさんで食事して元気になるエピソードは良かった。
思わず「うかの」「鰻」「総理大臣」で検索しちゃったよ。
「うかの」という駅名からして出てこなかったけど。

メンエス3.png

何か癒された感のある帰り道、
ヒロインが口ずさむアニソン。
どっかで聞いたことある歌詞だけどもしかして…、

メンエス4.png

と調べてみたら「マクロス7」のファイヤーボンバーの歌詞だった。
さすが杉咲花のお母さんがいたバンド。

 
繰り返すようだが日々色々起こる出来事に何か解決がなされるわけでもない。
ヒロインの性格にも問題の大元があるような気がする。
それでもうなぎやのシーンは心に染みるものがある。

よく描けすぎてると思うぐらいのレベルの漫画なので、
作画と原作が別のパターンなのかなと思ったら本人が描いていた。
賞も獲っている。
まだメンエスの仕事は続けているのだろうか。

 
ところで、俺も一度メンエスに行ったことがある。
メンエスどころじゃない、女性について勉強するつもりで風俗にあれこれ行った時期があった。
(お金もなかったので総数では20回も行ってないと思うけど。)

愛用している電子書籍リーダーの新型を買うために訪れた某都市。
買い物も済ませたので街をぶらついているとメンエスの看板が。
一回3千円と書いてあって安いし、興味もあったので意を決して入ってみることにした。

受付で会員登録が必要だと言われ、
さらに千円取られていきなり話が違うじゃないかと思った。
こういうのは経験上、あまりいい思いが出来ないパターンだぞと察知した。

個室で待つと、部屋に入ってきたのはハーフっぽいお姉さん。
至って普通の容姿。歳もあまり若いということもなく。
やはりエロいことは何もない。かと言って会話が盛り上がるわけでもない。

勉強した甲斐あって風俗にはいい思い出が多いのだが、
一回きりにしてもこのメンエス体験は圧倒的にダメな部類の体験だった。
なにが楽しいんだ?とずっと疑問に思っていた。

しかし漫画に出てくるメンエス店長は過度なエロのない仕事にプライドを持っているし、
ジャンルとして廃れてない(知らんけど)ということは強い需要があるのだろう。

会話の練習するにはいいのかなーとちょっと思った。
ただこの漫画に出てくる男たちのように、
あわよくばというスケベ心が芽生えるのが目に浮かぶのは避けられない気もするので、それは嫌かな。

 

メンズエステ嬢の居場所はこの社会にありますか? (コミックエッセイ)

メンズエステ嬢の居場所はこの社会にありますか? (コミックエッセイ)

  • 作者: 鶴屋 なこみん
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/09/26
  • メディア: Kindle版



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