その忍法は悪魔超人が受け継いだ?堀江卓の「忍法十番勝負」 [名作紹介]
「伊賀の影丸」について調べてく流れで気になった「忍法十番勝負」という作品。
著者名は横山光輝となっているが、よく見ると漫画家10名によるリレー漫画なのだ。
こんな順番になっている。
堀江卓(ほりえたく)1925-2007
藤子不二雄(ふじこふじお)1934-2022
松本あきら(まつもとあきら)1938-2023
古城武司(こしろたけし)1938-2006
桑田次郎(くわたじろう)1935-2020
一峰大二(かずみねだいじ)1935-2020
白土三平(しらとさんぺい)1932-2021
小沢さとる(おざわさとる)1936-
石森章太郎(いしもりしょうたろう)1938-1998
横山光輝(よこやまみつてる)1934-2004
名前は全て当時のもの。松本あきらは松本零士だ。
なんと「青の6号」の小沢さとる以外は全て故人になってしまった。
ちなみにこの漫画の小沢さとるの絵は伊賀の影丸時の横山光輝そっくり。伊賀丸というキャラクターが出てくる。
単行本の初版は1966年。購入したのは1979年の42刷。めちゃくちゃ売れてた。
よくよく調べたらAmazonで新品も購入できる。
まだ刷ってるのかよ!
いま何刷なんだ?置いてくれる本屋あるのか?
(2010年50刷が存在する書き込みがTwitterにある)
当然中古しかないだろうと思い込んで中古で購入したのだが、かえって高くついたのだった。
秋田書店は「サイボーグ009」や「がきデカ」などもいまだに刷り続けているらしい。
そういえば4年前に「マカロニほうれん荘」を新品で大人買いしたな。1巻62刷だった。
10人の中で最も印象に残ったのはトップバッターの堀江卓「一番勝負」。
やけにノリの軽い忍者がかっこいい。モンキー・パンチみたい。
最後は忍法ペストにやられて唐突に死んでしまう。
その技は危険すぎるだろ!
ゲームブックで選択に失敗したみたいなオチだった。
ゆでたまご「キン肉マン」のザ・ニンジャが使う「忍法顔うつし」という技があるが、
その元ネタと思われるコマも堀江卓の一番勝負の中に発見。
一峰大二の「六番勝負」に出てくる技、「忍法かすみ龍」はどういう理屈の技かよく分からないが、カメハメ波的な肉体飛び道具の元祖なのかもしれない。煙のような龍が出てきて相手の武器を絡めとる忍術だ。ゆでたまごの「闘将!!ラーメンマン」の猛虎百歩拳に似てないこともない。
自分にとって堀江卓は学研まんが伝記or名作シリーズでよく見ていた漫画家。
「聖徳太子」「水戸黄門」「狼王ロボ」「銀ギツネ物語」など。
複数人作家による連作、「学研まんが日本の歴史」でも数巻描いている。
基本的に絵が達者な人だと思うのだが、学研まんがの頃の作風は少しデフォルメがキツイ。
アメリカンカートゥーン的だ。
ガンガン絵柄が変わっていくタイプの漫画家らしく、この先はもっとリアル系になっていったようだ。かなりやり過ぎな気がするが。。。自分的に忍法十番勝負の絵柄がちょうどよく感じる。
銀ギツネ物語は子供の頃、何度も読み返した。
下の画像は堀江卓による中表紙で、本表紙は石ノ森章太郎が描いている。
埋まってしまった子供たちを助けるために、血を滲ませながら前足で土砂を掻き出す描写が痛々しく切ない。
堀江卓の作品は、現在Kindle Unlimitedで多くの作品が読むことができる。
忍法十番勝負はトゥギャザッターに掲載順や細かいバージョン違いの話などが綴られていた。深すぎる。
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