伝説のギャグ漫画「マカロニほうれん荘」を大人買い!他の作家に与えた影響を検証する [名作紹介]
鴨川つばめの「マカロニほうれん荘」の全巻を大人買い。
一気に裁断、スキャンして読んだ。
1977年から1979年の2年間、少年チャンピオンで連載され、一世を風靡したギャグ漫画である。リアルタイムで読んでないどころか、少年時代に周囲に全く少年チャンピオンを読んでいる者がおらず、この漫画と「がきデカ」はずっと気になっていた。
「マカロニほうれん荘」が気になりだしたのは1995年に3DOというゲーム機でゲーム化された時である。1979年に終わった漫画が、16年後にゲーム化。相当愛されてんなと衝撃を受けた。それまでに「マカロニほうれん荘」を愛読しているという作家も数多く見かけた。
しかし、実際に俺が漫画を購入して読むまでに、ゲーム化から約四半世紀経ったわけである。
ギャグ漫画は特に「時代と寝る」ものだと思うので、今読んでも面白いのか不安だったが、割と楽しんで読めた。爆笑するほどではないが、いい漫画だというのはわかる。さらに言うとオシャレだと思う。ちょっと狂気も感じる。
購入のきっかけは、漫画家のきたがわ翔。
辛かった少年時代に生きる支えになった漫画だと涙ぐみながら語る動画をYouTubeで公開しており、そこまでの作品なのかと驚いた。ちなみに有料会員になってまでこの動画の後編を見た。
さらにきたがわ翔は、にわのまことの「ザ・モモタロウ」の謎の登場キャラクター、「もんがー」の元ネタが「マカロニほうれん荘」なのではないかと解説しており、大いに興味を惹かれた。「モモタロウ」の登場キャラクター、宮川三朗太は、「マカロニ」の主人公、沖田そうじとツッコミがそっくりだし、鴨川つばめのギャグデティールの細かさも、にわのまことに共通する部分である。
さらに長年疑問だった、まるで「パタリロ!」のタマネギ部隊のような「マカロニ」登場キャラクター「トシちゃん」のひし形の口。薄々勘づいてはいたが、マカロニが先なのである。真似した漫画が、その要素を作品に欠かせない重要な設定として100巻以上続けてしまうのはすごい話だ。徳弘正也が「シェイプアップ乱」で始めた(と思う)「もっこり」を、後追いの北条司の「シティーハンター」の方で国民に広く知られてしまうのと似たような現象だ。
<追記>「もっこり」は「できんボーイ」の田村信が始祖という説もあるそう。
田村信本人のツイートによると、横山まさみちが始祖だという。
「パタリロ!」をざっと読み返して、ひし形の口がいつ出てきたのか検証してみた。
見落としがなければ単行本5巻の65ページが初出。
人気キャラ、間者猫の初登場シーンで猫語を使う口の形が小さいひし形になっている。
続いて同じ5巻の76ページでタマネギ部隊が初登場。
※4巻「マリネラの吸血鬼」が実質的な初登場でした。
77ページで初めてひし形の口になる。その口のサイズはまだ小さく、模倣としては控え目である。
131ページでそれがメーキャップであることが明かされる。
タマネギ部隊が再登場するのは7巻の後半と、ちょっと間を置く。5巻のスターダスト編は映画化されたエピソードで、タマネギ部隊はその時1回こっきりのつもりで出したのかもしれない。
※繰り返しますが4巻「マリネラの吸血鬼」が実質的な初登場でした。
8巻で作者の魔夜峰央の自画像が初めてトシちゃんになる。
さらに11巻でトシちゃんの「トシちゃん25歳」を真似た「みーちゃん28歳」が初登場。
この時1981年。
ほうれん荘の破滅的な終了から2年経っており、
作品を惜しむ気持ちが魔夜峰央の中にあったのかもしれない。
ちなみに今回購入した「マカロニほうれん荘」単行本第1巻は65刷だった。
一気に裁断、スキャンして読んだ。
1977年から1979年の2年間、少年チャンピオンで連載され、一世を風靡したギャグ漫画である。リアルタイムで読んでないどころか、少年時代に周囲に全く少年チャンピオンを読んでいる者がおらず、この漫画と「がきデカ」はずっと気になっていた。
「マカロニほうれん荘」が気になりだしたのは1995年に3DOというゲーム機でゲーム化された時である。1979年に終わった漫画が、16年後にゲーム化。相当愛されてんなと衝撃を受けた。それまでに「マカロニほうれん荘」を愛読しているという作家も数多く見かけた。
しかし、実際に俺が漫画を購入して読むまでに、ゲーム化から約四半世紀経ったわけである。
ギャグ漫画は特に「時代と寝る」ものだと思うので、今読んでも面白いのか不安だったが、割と楽しんで読めた。爆笑するほどではないが、いい漫画だというのはわかる。さらに言うとオシャレだと思う。ちょっと狂気も感じる。
購入のきっかけは、漫画家のきたがわ翔。
辛かった少年時代に生きる支えになった漫画だと涙ぐみながら語る動画をYouTubeで公開しており、そこまでの作品なのかと驚いた。ちなみに有料会員になってまでこの動画の後編を見た。
さらにきたがわ翔は、にわのまことの「ザ・モモタロウ」の謎の登場キャラクター、「もんがー」の元ネタが「マカロニほうれん荘」なのではないかと解説しており、大いに興味を惹かれた。「モモタロウ」の登場キャラクター、宮川三朗太は、「マカロニ」の主人公、沖田そうじとツッコミがそっくりだし、鴨川つばめのギャグデティールの細かさも、にわのまことに共通する部分である。
さらに長年疑問だった、まるで「パタリロ!」のタマネギ部隊のような「マカロニ」登場キャラクター「トシちゃん」のひし形の口。薄々勘づいてはいたが、マカロニが先なのである。真似した漫画が、その要素を作品に欠かせない重要な設定として100巻以上続けてしまうのはすごい話だ。徳弘正也が「シェイプアップ乱」で始めた(と思う)「もっこり」を、後追いの北条司の「シティーハンター」の方で国民に広く知られてしまうのと似たような現象だ。
<追記>「もっこり」は「できんボーイ」の田村信が始祖という説もあるそう。
田村信本人のツイートによると、横山まさみちが始祖だという。
ノンノン。横山まさみちじゃ。@d_doridori もっこりの元祖はシティーハンターの北条司ではなく、シェイプアップ乱の徳弘正也だ。とツイートしようと確認したらもっこりの初出は田村信という説も出てきた。どっちだ? http://t.co/1ihEsB9a%
— 田村信 (@tamutamuz) July 2, 2012
「パタリロ!」をざっと読み返して、ひし形の口がいつ出てきたのか検証してみた。
見落としがなければ単行本5巻の65ページが初出。
人気キャラ、間者猫の初登場シーンで猫語を使う口の形が小さいひし形になっている。
続いて同じ5巻の76ページでタマネギ部隊が
※4巻「マリネラの吸血鬼」が実質的な初登場でした。
77ページで初めてひし形の口になる。その口のサイズはまだ小さく、模倣としては控え目である。
131ページでそれがメーキャップであることが明かされる。
タマネギ部隊が再登場するのは7巻の後半と、ちょっと間を置く。5巻のスターダスト編は映画化されたエピソードで、
※繰り返しますが4巻「マリネラの吸血鬼」が実質的な初登場でした。
8巻で作者の魔夜峰央の自画像が初めてトシちゃんになる。
さらに11巻でトシちゃんの「トシちゃん25歳」を真似た「みーちゃん28歳」が初登場。
この時1981年。
ほうれん荘の破滅的な終了から2年経っており、
作品を惜しむ気持ちが魔夜峰央の中にあったのかもしれない。
ちなみに今回購入した「マカロニほうれん荘」単行本第1巻は65刷だった。
マカロニほうれん荘全9巻 完結セット (少年チャンピオン・コミックス)
- 作者: 鴨川つばめ
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2010/11/01
- メディア: コミック
[まとめ買い] マカロニほうれん荘【電子コミックス特別編集版】
- 出版社/メーカー:
- メディア: Kindle版
2019-07-18 14:29
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コメント(2)
マカロニほうれん荘、コミックスをリアルタイムで買ったとき、入らない回があって不信感が募って買うのを止めちゃったんですが、その後順番が入れ替わって他の巻に入ったのかなと謎に思ってます。当時の秋田書店は今の常識とは違っていて、「すくらっぷ・ブック」が発売日にどこでも買えなかったとか(店員さんに聞いても新聞切り抜きとかメモとかを貼り付けるスクラップブックのことだと思われました)、「らんぽう」の最終回がコミックス未収録とか、なんだったんだろうなぁと。「マカロニほうれん荘」、後の文庫版は三冊でしたっけ、当然未収録作品多数ですしで、封印というほどではなくとも今の人が読めない回があるんでしょうかね。
by てんてけ (2023-03-13 07:19)
自分も未収録回を読んでみたいと思ったのでざっと調べましたが、マカロニの未収録回は電子版の傑作選に1話だけ収録されているのみのようです。国会図書館まで出向いて読んだという人もいるそうで、ファンの渇きは相当なものだと感じます。
当時の秋田書店の粗雑なイメージは同感ですが、鴨川先生はかなり繊細なイメージがあるので、封印がどっちの判断だったのかも興味深いところです。
by hondanamotiaruki (2023-03-13 07:52)