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ネタバレあり!ゴジラ・マイナスワン。一点減点。 [名作紹介]

ゴジラマイナスワンを見に行ってきました。
4回泣きました。
以下ネタバレあり。



ドラゴンクエストユアストーリーのこともあったし、
あまりゴジラに興味がないしで躊躇していたのだけども、
アメリカで大ヒットとかニュースで報じられてたり、
YouTubeなどに有名評論家のレビューがアップされてそれも見たいなということになり、

水曜日の料金安い日に行くか!…と思ったけど面倒臭くなってやめて、
その翌週の水曜日、今度こそ!…ということで本当に見に行って参りました。
チケット代1300円。駐車料金が1時間無料で400円の1700円の出費。
映画って高いよなー。

平日の1回目ということもあって、お客さんは5組ぐらい。
ちなみにファイナルウォーズ(北村龍平ファンなので)シンゴジラ(庵野秀明ファン)は劇場で見てるので、
邦画のゴジラは公開されるたび19年間欠かさず見ている計算になる。

 
というわけで最新作はどうだったんか。
今回のゴジラは出てくる前兆がある。
戦争から逃げて、黄昏れる神木くんが海を眺めていると、何かたくさんプカプカ浮いてる。
これが前兆。

プカプカしてるものがアップにならないので、なんだろうと頭の中で候補を挙げる。
正解はその中のひとつにあった、内蔵が飛び出ちゃった深海魚。
水圧の高いとこから低いところに一気に移動したために起こる現象。
アップにしないのは、必要以上にグロい映像をお客さんに見せたくないという、山崎監督のエンタメ精神ではなかろうかと思う。

そして出てくるゴジラも、逃げ惑う人をパックリコするのだが、咀嚼しない。
放り投げるだけ。
この辺も、必要以上にグロい映像をお客さんに見せたくないという山崎監督のエンタメ精神なのではなかろうか。

地元に戻ってくる神木くんでしたが、家も近所も焦土。
隣の家のおばさんも、生きて帰ってきて非国民みたいな冷たい態度で神木くんガッカリ。

このおばさん、モブかと思っていたら後でも出てきてドキリとさせられる。
よく見たら安藤サクラじゃないですか。こないだ見たボクシング映画良かったなあ。

ヒロイン登場。
逃走中に神木くんに押し付けた赤ん坊を神木くんがどうするか、遠くからしっかり観察。
害は無さそうだと赤子ともども神木くん宅で居候を始めるしたたかヒロイン。
しかも赤ん坊は拾った戦災孤児で、処女性もキープというキャラデザイン。

さらにその数年後、
ひとつ屋根の下で一緒に暮らすのに、結ばれてないというラブコメ関係!
これも山崎監督のエンタメ精神なのである。
ハリウッドよ、これが日本だ!

マイナスワン1.png
(画像はベンジャミン・ボアズ/青柳ちか「日本のことは、マンガとゲームで学びました」

よく見ると、ヒロイン演じるのはシン・緑川ルリ子こと浜辺美波
令和特撮映画の女王様だ。

そんな処女性キープの令和特撮女王の欠点は、お乳が出ないことにあった。
ミルクを買う金もないし、どうする赤ん坊の食糧問題!
そこに助け舟を出してくれるのが誰であろう、安藤サクラなのであった。
この赤ん坊がらみのベビーターンで私は泣いてしまった。

安藤サクラが提供してくれたお乳で餓死を免れる赤ん坊。
もちろん安藤サクラ自ら出したのはお乳ではなく、ミルクと交換するための食料であった。
っていうか、腹減ったとぐずりもしない情緒の安定した赤ちゃん。
これも山崎監督のエンタメマジックである。

ゴージラ、ゴジラ高収入♪
神木くんは水雷撤去の仕事を見つけ、たっぷり危険手当てをもらって家を新築。バイクにも乗る。
しかし戦争のトラウマでたまに発狂しかける神木くん。
そんな神木くんを、豊かかどうかよく知らないけどとりあえず胸で全力で受け止める浜辺美波なのであった。
ここでゴジ泣き2回目。

そしてゴジラが襲来。
水雷撤去のついでに足止めを依頼された神木くんだったが、
馬鹿でかくなったゴジラによって、応援に駆けつけた戦艦も大破させられてしまう。

こんなの勝てるわけねえ!
神木くん無力な民間人なのに、どうやって倒すんだと思わされる。

ゴジラが銀座に襲来。
今年のゴジラは、背ビレが尻尾の方からガシガシ盛り上がっていき、最後にものすごいレーザーを吐く。
爆炎が成層圏にまで達する勢い。この映像がローアングルで迫力だ。


運悪く、ゴジラの視線の先にあった電車に乗っていた浜辺美波の車両がピンポイントでゴジラに狙われ、浜辺美波が鉄棒運動からの海にダイブ。

ぬれネズミになった浜辺美波が銀座を歩いていると、またゴジラに追われる。
逃げ惑う群衆の中から都合よく浜辺美波を見つける神木くん。
愛の力だなあー、って、そんなワケあるかい!

ゴジラビームに吹っ飛ばされる瞬間、浜辺が体当たりで神木くんを物陰に吹っ飛ばす。
目覚めた神木くん、浜辺美波が吹っ飛ばされた先を確認すると、一面廃墟である。

次のシーンが浜辺美波のお葬式で、残された子供が泣いてるシーンで本日3度目のゴジ泣き。
この子役にどう演技つけてるんだろう。ガチ泣きだ。

しかし浜辺美波が死ぬシーン、ちょっと吹っ飛ばされ方がわざとらしい。
ビームを避けようというより、受け止めに行った余裕がある感じに見える。

「この世界の片隅に」でヒロインが連れていた姪っ子が死ぬシーンみたく、一瞬何が起こったのかわからないみたいな演出の方が良かったのではないか。

民間主導でゴジラ対策本部が作られ、神木くんも参加。
水雷撤去に関わっていた科学者を演じる吉岡秀隆がプランを明かす。

ゴジラに大量のフロンガスを巻き付けて、海底に引きずり込んで水圧で殺す作戦だ。新しい。
念押しで、海底から海面まで急浮上させて潜水病を食らわすオマケ付き。

ゴジラをトラップに誘導する飛行機乗りの役目を神木くんが引き受ける。
作戦が失敗したとき、爆弾抱えて特攻する覚悟である。
かつて神木くんのビビりで仲間を全滅させられた整備士を探し出してメカニックを依頼するのだった。


ハセガワ ゴジラ-1.0 日本海軍 九州 J7W1 局地戦闘機 震電 劇中登場仕様 1/48スケール プラモデル SP579

ハセガワ ゴジラ-1.0 日本海軍 九州 J7W1 局地戦闘機 震電 劇中登場仕様 1/48スケール プラモデル SP579

  • 出版社/メーカー: ハセガワ(Hasegawa)
  • 発売日: 2023/12/27
  • メディア: おもちゃ&ホビー

ここからあまりトラブルなく進む。
ブリーフィングで言ってたことをそのままやってるだけで、若干退屈なシーンであった。

ところで、
ゴジラを深海に引き摺り込まなきゃいけないのに、まだ足のつくとで作戦開始したなと思ったら、ゴジラが海底深く引き摺り込まれていった。…ということは、ゴジラは立ち泳ぎしていたのだろうか?

例によってゴジラの生命力が想定以上(観客的には想定内)で、神木くんの特攻でゴジラを倒す。
しかし整備士の粋な計らいで、神木くんは寸前で脱出できたのであった。

そして浜辺美波も生きていたのだった。
よく分からんが良かった良かった。
ここで4度目のゴジ泣き。嗚咽する勢いである。

 
帰り道、ふと思った。
あれ普通死ぬよな。浜辺美波のことである。
まず結構な距離を吹っ飛ばされて、瓦礫に体を叩きつけられたはずだ。
そこから熱線で、、、死体も見つからずに葬式やったのだなという理解だった。

そこで思い出したのが、病院で再会した浜辺美波の首筋にチラッと映った変なアザである。
そうか!浜辺美波はゴジラ人間になっていたから助かったというオチなのか。
すると次回作「ゴジラ・マイナスツー」ではゴジラ人間になった浜辺美波が熱線を吐くのか!

…そんなわけあるか!

おそらく、取ってつけたように生きてたことにしてもお客さんは不満に思わない、
そういう計算が山崎監督の中にあったのだと思う。
例えあのアザがなかったとしても、俺はこのラストで良かったと思う。

それでも不満なマニア向けのエクスキューズとして、
浜辺美波のゴジラ人間という生存の理屈づけを山崎監督はした、そういうことなのではないかと思う。

 
と、いうわけでゴジラマイナスワン。俺は非常に良かったです。
思い返すと色々ご都合主義というか、ベリースウィートな寓話的なお話なのかもという気もしますが、見ている間はほとんど気になりませんでした。画作りも豪華で、大迫力。

あまり残るものはないのですが、「見ている時ひたすら楽しくて、終わって劇場を出たら全て忘れている」、といったようなエンタメの究極に近い作品なのではと思いました。

 
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智

私的には「always 三丁目の夕日」は大傑作、「宇宙戦艦ヤマト」は大駄作と作品に波がある山崎貴監督ということで、おそるおそる観に行きました。
結果、素晴らしかった!!
特に音響が素晴らしくて、劇場で見たくて2回目行ってしまった。
重巡高雄が救援に来るシーンが最高でした。

今回のゴジラ、充分に人を殺傷してますけど、人体が欠損したり血が出るシーンを見せないのは海外での上映コードに抵触しないようにするためなのかな?と思いました。

全体的に穴の少ない脚本だったと思いますが、確かに銀座で都合よく典子(浜辺美波)を見つけるところだけは「和光の近くで働きはじめたの!」的なエクスキューズが欲しかったかも。
典子が助かったのがご都合といえばそれまでですが、彼女の役柄は敏捷(初出番)かつ身体能力が高い(電車で懸垂から水へダイブ)ので、とっさに後ろ跳びしてツェペリ男爵の「当たる面積を最小にして波紋防御!」をやってたんだ!と補完しました。
by 智 (2023-12-16 17:33) 

hondanamotiaruki

「always 三丁目の夕日」は見る前はなんか嫌な映画だなあと思っていましたが、見てみたら面白かったですね。今回のゴジラも三丁目の夕日っぽいなと思いながら見てました。「お前と俺は縁もゆかりもない赤の他人なんだぞ」って言い出しそうな感じで。山崎監督映画はどこか牧歌的な作風に徹したものが良いですね。
by hondanamotiaruki (2023-12-17 11:14) 

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