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大炎上したドラゴンクエスト ユア・ストーリーを見た [ゲーム]

悪名高い「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」を今更見た。

ニュースで知った時は憤慨したものだが、
実際に見てみるとやっぱり怒りが込み上げてくるのだった。
どうして誰も止めない!…と思う。

そりゃ止められないよね。
邦画の第一人者、山崎貴監督に映画作ってもらうことこそが重要だもんね。
なんか会議で煮詰まって、徹夜のテンションで思いついた結末って感じ。

山崎監督は少なくともこのどんでん返しで好意的な反響があると思っていたと思うと…、理解に苦しむ。
こんなのはどんでん返しでもなんでもなくて、ただ一番いいとこで観客に冷や水をぶっかけただけなんだよな。

映画館で映画を楽しんでいたら変な男が乱入してきて騒ぎ始めた。
係員と協力して、その男をつまみ出した。
めでたしめでたし。

例えるならユアストーリーはこういう話である。
…これでハッピーエンドになるだろうか。
気分台無しになっただけである。
お金損した、
野良犬に噛まれたと思って我慢するしかない、というシチュエーションだ。

敵は何もダメージ受けてない。反撃されたことも気づかない。
チーズとキャビアを乗せたクラッカーをかじりながら
「システィーナ礼拝堂のミケランジェロの壁画が見れない」と愚痴ってるポルポのように。
そして彼の気分台無しにしてやるぞ作戦は達成されているのだ。

ドラクエユアスト.png

そんなフォローにすら山崎貴監督は思い至ってないから、
この映画の結末は単なる思いつきで付け足しと言っていい。
 

ユアストーリーは妥協を強いられる映画である。
ダイジェストでもしょうがない。
キャラの顔が鳥山明デザインでなくてもしょうがない。
鼻につくビアンカの顔はだんだん可愛く見えてきたよ、声が有村架純だし。

そうやって我慢を積み重ねてきたらあの展開である。
大団円、主人公に寄り添うビアンカも息子も、もう血の通ってない単なるCGにしか見えない。

「ゲームはもうひとつの現実だ!」という主人公の決め台詞は山崎貴監督のニチャア音が聞こえる。

そうじゃないんだよ!
感情移入を妨げたら、それはどうやっても血の通った「もうひとつの現実」にはならないんだよ!

 
「感情移入を妨げない」、これこそ私はドラクエスピリッツだと思ってる。
ドラクエ3では1箇所だけ主人公が「先に逃げろ」と突然喋り出すシーンがある。
自分だと思っていた勇者が勝手に喋ったら感情移入の妨げになるので、そうはしたくはなかったのだが、他にシナリオを進行させる方法がなかったので、そこだけひとこと喋らせたとのこと。

子供の頃、宮本茂との対談記事を読んで、ドラクエ原作者の堀井雄二がこんな細やかな配慮をしてるのを知り、感動したものである。山崎貴監督のしたことは、全くドラクエ的でない。

ユアスト2.png
虹色ディップスイッチ―ファミコン業界クエスト

わたしゃ山崎貴監督のデビュー作、「ジュブナイル」のDVD買って何度も見たのでどんな映画を作ろうと、ずっと好感持ち続けてきたけど、ユアストーリーにはそれでも怒りが湧いた。山崎貴監督は何かが強烈に鈍くなってるし、それに追従するスタッフもスレ過ぎてる。

 
ユアスト.png
『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』

ドラクエの映画化が困難だというのは分かる。
しかし映像作品で成功例はあるのである。
それは「ドラゴンクエスト ファンタジアビデオ」だ。
庵野秀明も参加してるし。これは当時死ぬほど繰り返し見た。
庵野監督は「シン・ドラゴンクエストファンタジアビデオ」を作るべきだ。

 
というわけで次の記事は
庵野秀明は「シン・ドラゴンクエストファンタジアビデオ」を作るべきだ 
https://ihondana.blog.ss-blog.jp/2022-05-21
 

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