細かい傷にこだわったガンダム漫画。井上大助「機動戦士ガンダムF91」：ムゲンホンダナ（本棚持ち歩き隊!!）：SSブログ

	ブログをはじめるログイン

続編は無いと思う『THE FIRST S..｜学研名作シリーズ最後の作品？「アニメ三銃.. ブログトップ

細かい傷にこだわったガンダム漫画。井上大助「機動戦士ガンダムF91」　[名作紹介] [編集]

出版社/メーカー: バンダイビジュアル
発売日: 2008/02/22
メディア: Blu-ray

アムロシャアの因縁を終わらせ、モビルスーツを小さくし、ノーマルスーツも一新。
新たなシリーズのスタートを切った「機動戦士ガンダムF91」だが公開当時は爆死な印象だった。
F1が流行った91年に公開だから「F91」、という安易なネーミングのせいでは無いと思うけど。

92年に公開されるはずだったF92が公開されず、
93年にVガンダムが始まり正式に企画の死亡確認となった。
94年に「クロスボーンガンダム」の漫画連載が始まり、ある程度落とし前をつけたカタチにはなったけど、ラフレシア撃破後にコスモバビロニア戦争がどう終結したのかは不明なまま。
セシリーの兄、ドレル・ロナとか、どうなったのだろう。戦死したのか？

F91も近年再評価されてる感じがする。
30年経って語る人が増えるというのが富野由悠季の凄さだ。

自分は鉄仮面ことカロッゾが好きで、
婿入り先の家に忠義を尽くしたけど奥さんを寝取られ、娘にも拒絶され、
「つくづく女というものは、御し難いな！」と、
最後の最後で紳士ヅラをやめて本音が出るという弱さが印象的だった。
奥さん寝とったパン屋さんをどうやって殺したのか、映像を繰り返しみたけど分からない。小説には書かれてたのだろうか。

かろぞ.jpg

F91公開当時、頑張ってガンダムを理解しようとシリーズ全ての小説を読み切った。
ガイアギア以外。閃光のハサウェイもその時読んだ。

漫画では井上大助の「機動戦士ガンダムF91」がお気に入りで繰り返し読んでいた。
泣く泣く手放してしまったので、いつか買い戻そうと思っていたら大都社版を見つけた。
なんと池原しげと作画の「ポケットの中の戦争」とのカップリングということで購入。

機動戦士ガンダムF(フォーミュラ)91 (St comics)

出版社/メーカー: 大都社
発売日: 2022/12/09
メディア: コミック

この井上大助「機動戦士ガンダムF91」の特徴は
よく言われるのが主人公シーブックの性格の軽さ。
コクピットの中でおかかのオニギリを食べたりする。

コミックボンボン連載ということで、読者に親しみやすくという脚色なのだろう。
漫画の冒頭ではシーブックの夢の中に、まだ見ぬF91が出てきたりする。

もうひとつの特徴が、欄外の手書きのツッコミが多いということ。

萩原一至の影響か？…と、当時思った。
漫画の演出も勢いがあるアレンジがされていて萩原一至っぽい。

調べてみると井上大助は1952年生まれなので、当時39歳。
39歳で萩原一至に影響されるだろうか？とは思う。
子供に何がウケるかと研究した結果なのかもしれない。

あまり言われてない特徴がひとつ。
読んでいてガンダムにボツボツしたものが書き込まれていることに気づく。

なんだこりゃとページを戻して初登場時のガンダムを見るとボツボツは無い。

運用してできた、メカニックにも直せない細かい傷を表現してるんですな！
他のモビルスーツにもついている。芸が細かい。
こんなこだわりを持ったガンダム漫画は他に見たことがないと思うがどうか。

この井上大助という漫画家、
ボンボンで連載していた「はじけてザック」という漫画の人気が高かったようだ。
Youtubeで漫画解説をやっていた時にリクエストが多かった。
Kindle Unlimitedで読めたのだが、けっこうグロいマニアックな作風だ。

他にもテッカマンブレードなどをコミカライズしているそうなのだが単行本にはなってない。
作風にはあっているだろうからいつか読んでみたいものだ。

　
現在、ガンダムエースで連載中の「機動戦士ガンダムF91プリクエル」では、
作品の前日譚が描かれており、鉄仮面以前のカロッゾなども登場しているのだそうだ。
こちらもそのうち読みたい。