続編は無いと思う『THE FIRST SLAM DUNK』ネタバレあり感想 [日記]
スラムダンクの映画、『THE FIRST SLAM DUNK』を見てきました。
例によって平日の昼間の回だったけど、けっこうお客さん入ってた。
女性客や男のひとり客も多い。
以下ネタバレありで感想を書きます。
ネタバレ嫌な人は画面をスクロールさせずにブラウザバックしてください。
(画像は二ノ宮知子「平成よっぱらい研究所」)
微妙なCGで描かれた映画冒頭は、少年時代の宮城リョータ。
あいつ沖縄出身だったのか。
それにしても何故リョータから…という疑問のまま、ついに本編がスタート。
(ありえないと思っていたが、宮城の少年時代を描いたストーリーという書き込みは見かけていた。)
タイトルが入るところで迫力の手書きのアニメーションで湘北の五人が登場して身構える。
続いて手書きアニメで現れたのは山王のメンバー!
山王戦をやるのか!
それを知ったのがこの瞬間。
公開から三日目だったけど、ネタバレ回避できてよかった。
もちろんネット利用を控えめにしていた。
唐突に、そして淡々と試合が始まる。
芸術家肌の井上雄彦が許諾し、自らメガホンを取るからには
資生堂のCMみたいな、
あるいはアレクサンドル・ペトロフの「老人と海」みたいな手書きアニメ、
あるいは誰も見たことのない最新CG技術を駆使した全く新しい映像表現になるはずである。
おそらく井上雄彦はプロデューサーからそう口説かれたのだろう。
なので声優が全とっかえになるのは当然で、あれが炎上する意味がよく分からない。
アニメから入ったので思い入れがあるのだろうけども、カツ丼屋に入ったらカツ丼が出てきたと絶賛される映画アニメ版シティーハンターを例に挙げて批判するのはかなり的外れだと思う。
(画像はにしかわたく/初田宗久「ブラック企業やめて上海で暮らしてみました」)
そんな全く新しい映像表現になって当然の映画スラムダンクなのに
公開前の予告(三井編)を見たらプレステのバスケゲームを連想するCGのクオリティ。
いいとこどりで見せる予告編でコレでは、
ひょっとしたら世紀の大凡作になるのではと不安になったが、実際見てみると少し上向き(ガンプラが動いてるように見えるガンダム映画ぐらいには)に見える。もちろん重要なシーンでは資生堂成分たっぷりだ。
観衆のモーションはかなり雑な印象。
そこは割り切って労力を他に向ける方針だと考えるとあまり気にならなくなる。
山王戦の冒頭といえば、
リョータが花道に変顔で合図を送るシーンだが、
顔アップにすることなくさりげなく演出しているので、ここで作品のコンセプトが見えた。
山王戦を、極力、実際の試合時間で再現して見せるというチャレンジではないかと思った。
長回し(カット割を行わず、役者が演技を長時間続ける演出法)を見ているような感覚だった。
悪くするとダイジェスト版、はしょってるなどと批判されることもあるだろうが、
俺的には、あそこは裏でああいうやりとりがあったんだよなーという楽しみ方ができた。
例えば原作では山王の監督がタイムを取ろうとしたけど、
湘北の選手交代を防ぐために思いとどまるというシーンがある。
あれもなんの説明もなくさりげなく流して終わっている。
上映時間は2時間4分だったらしい。
けっこう長く感じた。
リョータの回想シーンが所々に挿入されるのだけれども、あれ全部いらないと思った。
徹夜明けで見に行ったのだが、ところどころ気を失いかけたのは回想シーン。
ちなみにラストシーンはアメリカに渡った沢北とリョータが再戦するというもの。
完全に宮城リョータが主人公の映画として作られている。
なぜこうなったのか?
色々考えたが、
この企画を成立させるための三つの条件があったと思う。
ひとつは先に述べた「全く新しい映像表現」だということ。
さらに作者が外せなかったのは「山王戦を描く」ということ。
最後の三つ目は、
「スラムダンクを初めて見る人のための映画にする」というテーマがあったと思う。
スラムダンクを初めて見る人のために山王戦を再構成するとなると、
五人の中で最もフィジカルが劣る宮城リョータが、
最も観客の最大公約数に近く、共感を得やすいと井上雄彦は考えたのではなかろうか。
そう理解すると分かってくる事がある。
続編はないということだ。
芸術家肌の漫画家である井上雄彦にとって、
アレ以上のものは描けないと言う「山王戦」を題材にするからには、
一回こっきりの映画化のはずである。
(画像は山田玲司「絶望に効く薬」)
一回こっきりの再アニメ化なのになぜタイトルが「THE FIRST SLAM DUNK」なのか。
そのタイトルが発表されたときは、
いかにも続編ありきのタイトルという感じがして混乱した。
山王戦をやるのかと思っていたが、第一話から映画化するのか?それとも全国大会一回戦から?みたいに。
「THE FIRST」は初見さんのためのスラムダンクという意味があったのだろう。
映画から入って漫画を読んで「アレはそうだったのか!」と思ってもらえればいいと。
もちろんプロデューサーサイドの「シリーズ化を諦めたら試合終了だよ」という願いも込められているのだと思う。
例によって平日の昼間の回だったけど、けっこうお客さん入ってた。
女性客や男のひとり客も多い。
以下ネタバレありで感想を書きます。
ネタバレ嫌な人は画面をスクロールさせずにブラウザバックしてください。
(画像は二ノ宮知子「平成よっぱらい研究所」)
微妙なCGで描かれた映画冒頭は、少年時代の宮城リョータ。
あいつ沖縄出身だったのか。
それにしても何故リョータから…という疑問のまま、ついに本編がスタート。
(ありえないと思っていたが、宮城の少年時代を描いたストーリーという書き込みは見かけていた。)
タイトルが入るところで迫力の手書きのアニメーションで湘北の五人が登場して身構える。
続いて手書きアニメで現れたのは山王のメンバー!
山王戦をやるのか!
それを知ったのがこの瞬間。
公開から三日目だったけど、ネタバレ回避できてよかった。
もちろんネット利用を控えめにしていた。
唐突に、そして淡々と試合が始まる。
芸術家肌の井上雄彦が許諾し、自らメガホンを取るからには
資生堂のCMみたいな、
あるいはアレクサンドル・ペトロフの「老人と海」みたいな手書きアニメ、
あるいは誰も見たことのない最新CG技術を駆使した全く新しい映像表現になるはずである。
おそらく井上雄彦はプロデューサーからそう口説かれたのだろう。
なので声優が全とっかえになるのは当然で、あれが炎上する意味がよく分からない。
アニメから入ったので思い入れがあるのだろうけども、カツ丼屋に入ったらカツ丼が出てきたと絶賛される映画アニメ版シティーハンターを例に挙げて批判するのはかなり的外れだと思う。
(画像はにしかわたく/初田宗久「ブラック企業やめて上海で暮らしてみました」)
そんな全く新しい映像表現になって当然の映画スラムダンクなのに
公開前の予告(三井編)を見たらプレステのバスケゲームを連想するCGのクオリティ。
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— 映画『THE FIRST SLAM DUNK』公式 (@movie_slamdunk) November 18, 2022
試合開始まであと14日
◢
『THE FIRST SLAM DUNK』
12.3公開#SLAMDUNK #SLAMDUNKMOVIE pic.twitter.com/x6Bn2B0pQO
いいとこどりで見せる予告編でコレでは、
ひょっとしたら世紀の大凡作になるのではと不安になったが、実際見てみると少し上向き(ガンプラが動いてるように見えるガンダム映画ぐらいには)に見える。もちろん重要なシーンでは資生堂成分たっぷりだ。
観衆のモーションはかなり雑な印象。
そこは割り切って労力を他に向ける方針だと考えるとあまり気にならなくなる。
山王戦の冒頭といえば、
リョータが花道に変顔で合図を送るシーンだが、
顔アップにすることなくさりげなく演出しているので、ここで作品のコンセプトが見えた。
山王戦を、極力、実際の試合時間で再現して見せるというチャレンジではないかと思った。
長回し(カット割を行わず、役者が演技を長時間続ける演出法)を見ているような感覚だった。
悪くするとダイジェスト版、はしょってるなどと批判されることもあるだろうが、
俺的には、あそこは裏でああいうやりとりがあったんだよなーという楽しみ方ができた。
例えば原作では山王の監督がタイムを取ろうとしたけど、
湘北の選手交代を防ぐために思いとどまるというシーンがある。
あれもなんの説明もなくさりげなく流して終わっている。
上映時間は2時間4分だったらしい。
けっこう長く感じた。
リョータの回想シーンが所々に挿入されるのだけれども、あれ全部いらないと思った。
徹夜明けで見に行ったのだが、ところどころ気を失いかけたのは回想シーン。
ちなみにラストシーンはアメリカに渡った沢北とリョータが再戦するというもの。
完全に宮城リョータが主人公の映画として作られている。
なぜこうなったのか?
色々考えたが、
この企画を成立させるための三つの条件があったと思う。
ひとつは先に述べた「全く新しい映像表現」だということ。
さらに作者が外せなかったのは「山王戦を描く」ということ。
最後の三つ目は、
「スラムダンクを初めて見る人のための映画にする」というテーマがあったと思う。
スラムダンクを初めて見る人のために山王戦を再構成するとなると、
五人の中で最もフィジカルが劣る宮城リョータが、
最も観客の最大公約数に近く、共感を得やすいと井上雄彦は考えたのではなかろうか。
そう理解すると分かってくる事がある。
続編はないということだ。
芸術家肌の漫画家である井上雄彦にとって、
アレ以上のものは描けないと言う「山王戦」を題材にするからには、
一回こっきりの映画化のはずである。
(画像は山田玲司「絶望に効く薬」)
一回こっきりの再アニメ化なのになぜタイトルが「THE FIRST SLAM DUNK」なのか。
そのタイトルが発表されたときは、
いかにも続編ありきのタイトルという感じがして混乱した。
山王戦をやるのかと思っていたが、第一話から映画化するのか?それとも全国大会一回戦から?みたいに。
「THE FIRST」は初見さんのためのスラムダンクという意味があったのだろう。
映画から入って漫画を読んで「アレはそうだったのか!」と思ってもらえればいいと。
もちろんプロデューサーサイドの「シリーズ化を諦めたら試合終了だよ」という願いも込められているのだと思う。
THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE (愛蔵版コミックス)
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2022/12/15
- メディア: コミック
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