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伝説のブラックコブラは実在したッ! [あの人は今]

沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝―

沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝―

  • 作者: 細田昌志
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/10/29
  • メディア: Kindle版


「沢村忠に真空を飛ばせた男: 昭和のプロモーター・野口修 評伝」という3000円もする活字の本をちびちびと読み進めている。

ボクシングのプロモーターをしている野口氏が、いよいよキックボクシングの構想し、空手家を連れてタイ遠征に行くのだが、その対戦相手にいきなりブラックコブラが出てきて驚いた。

ブラックコブラ、
空手バカ一代6巻(文庫版)に登場する強豪ムエタイ選手である。
ブラックコブラ.png

私は一時期、シンラパムエタイというムエタイ専門誌を愛読していたのだが、この空手バカ一代のブラックコブラの登場には首を傾げた。ムエタイっぽくない名前だからだ。

まあ空手バカ一代連載時の頃のムエタイは知らないし、読者にとってもムエタイは今よりずっと未知の領域だったことだろう。アタチャイフェアテックスとかサムゴーギャットモンテープみたいな名前にするよりブラックコブラにしたほうが強そうに聞こえるだろう。そういう梶原一騎一流の脚色ということだろうと納得はしていた。

試しに「ブラックコブラ ムエタイ」で検索すると、Yahoo知恵袋の記事が出てくる。

ブラックコブラ3.png

Q>英語だし、タイ人の名前としては不自然です、本名判れば教えて下さい。

A>そのような人物は存在しません。梶原一騎の創作です。

という容赦のない答えがベストアンサーとされている。


しかし件の「沢村忠に真空を飛ばせた男: 昭和のプロモーター・野口修 評伝」には
ハウファイ・ルークコンタイは「ブラックコブラ」の異名を持つ軍人から転向した選手だった。
サラッとそう書いてあるのである!

ブラックコブラ2.png

「ハウファイ・ルークコンタイ」で検索すると、2016年に書かれたブログの記事に同じことが書かれていた。自分もよく読んでいたはずの、大山倍達ファンのブログである。ちなみに「沢村忠に〜」は2020年初版の本。

そのブログによると、ハウファイ・ルークコンタイの異名が「ブラックコブラ」だというのは空手家の黒崎健時の証言だそうである。

タイ抗戦の時に黒崎健時は別のタイ人と対戦して負けており、その模様はプロレススーパースター列伝のタイガーマスク編でも描かれている。言うまでもないが、列伝の作者は空手バカ一代と同じ、梶原一騎である。

この試合の模様はYouTubeでも見ることができるのだが、本当に凄まじいヒジだった。漫画とはちょっと違うのでぜひ見ていただきたい。「沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝―」によると、黒崎はこの試合を恥とし、映像を回収して世に出せないように動いたという関係者の証言があるそうだ。(なので動画リンクは紹介しない)
ブラックコブラ6.png

話を戻すが、
ハウファイ・ルークコンタイことブラックコブラと対決したのは黒崎健時でも大山倍達ではなく、藤平昭雄という空手家で、2ラウンドで藤平が勝利している。

ですので
A>そのような人物は存在しません。梶原一騎の創作です。

というのも間違いではないのだが、
ブラックコブラの本名はハウファイ・ルークコンタイという答えの方が、質問者が求めるもののような気がする。

 
ちなみに「空手バカ一代の研究」という、1997年に書かれた本も持っているのでついでに調べてみたのだが、ブラックコブラのことは書かれていなかった。

 

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