梶原一騎が出てくる漫画を探してみたよ！

こないだ、ちばてつやの活字本「屋根うらの漫画かき」を購入したことを書いたが、購入の決め手になったことのひとつに、梶原一騎がイラストで描かれていたというのがある。全部で三点。クールな表情がいい。大きな背中で語られたイラストもある。

梶原一騎といえば、大山倍達から直接指導を受けた極真空手の有段者で武闘派の漫画原作者。

ヤクザの刺客と戦ったり、つのだじろうを監禁したり、編集者に暴力ふるって逮捕されたり、まあ見た目は完全に×××な人だ。だけどもちばてつやのことは認めていて、原作を大幅に脚色されても許していたという話は有名だ。ちばてつやも少年時代はなにをやらせてもダメな気弱な少年だったというが、よくそんな梶原に譲らず、我を通せたものだと思う。

「ちょいとばっかりツラの印刷がいいからって大の男をコケにしくさってェ〜！」
自伝漫画「男の星座」の、このセリフがすごい好き。

あまりにもキャラの違う二人のコンビは「化学反応」と呼ばれ、あしたのジョーは今なおリスペクトされる異常な傑作となった。漫画の中で死んだ力石の葬式を実際に行うということになって、ちばは普段着で迎えのタクシーで待っていたが、梶原が喪服でやってきたので慌てて着替えたというエピソードが面白い。「なぜ力石を殺したんだ」「ジョーはどうやって生きていけばいいんだ」と嘆くファンを前に、凸凹コンビはなにを思っていたのだろう。連載中の回想エッセイ漫画「ひねもすのたり日記」に是非書いていただけないだろうか。こんど新刊出るけど、どうなのかな。

ところで、梶原一騎が出てくる漫画はどれぐらいあるのだろう。
怖い人なので、実際に描いた作家は少ないと思う。
漫画の中でこっそり悪口を描いたつのだじろうは監禁されたという。

ちなみに「屋根うらの漫画かき」には、つのだじろうからちばの漫画「ハチのす大将」の考証ミスを指摘する巻き物が届いたエピソードが明かされている。

次原隆二の「少年リーダム」に、編集者も恐れおののく原作者賞の審査員が登場する。

少年リーダム原作の「さらば、わが青春の少年ジャンプ」を読むと、これは梶原一騎をモデルにしていたことがわかる。少年リーダムを読んだ時、リアリティの薄いキャラだなあと思ったものだが、梶原一騎への畏怖からこんなキャラクターになってしまったのかもしれない。連載時にはすでに亡くなって20年以上経っているのだが。もうちょっと梶原一騎を匂わせてくれれば絶対に面白くなるとこなのになあ。。。

小林まことの自伝漫画「青春少年マガジン」にも梶原一騎が登場する。
柔道をやっていた小林まことに優しかったという。このエピソード好きだ。


車田正美の大ヒット作「聖闘士星矢」のフェニックス一輝は梶原一騎がモデルなのかもしれない。
孤高の一匹狼で女に弱い。
イッキなんて名前、他には北一輝ぐらいしか知らない。
ということはアンドロメダ瞬のモデルは真樹日佐夫！？

　

「屋根うらの漫画かき」によると、ちばと梶原の出会いは草野球だったという。
野球もするのか梶原一騎！（よく考えると「巨人の星」の原作者なんだけども）
審判をやっていたちばの際どいストライク判定に、不満そうにひと睨みしてきたという。
ああ、漫画で読みたい。

　
そういえば、「剛Q超児イッキマン」なんて野球アニメもあったな。
変な名前だと思ってたけど。。。まさか？


＜追記＞
小林よしのりの「格闘お遊戯」というギャグ漫画に、火事花一揆（かじばないっき）というキャラクターが登場するらしい。梶原はギャグ漫画家をリスペクトしていたので抗議されることがなかったのだろうとゴーマニズム宣言エクストラ挑戦的平和論下巻で分析されている。

「格闘お遊戯」は1979〜1981年に月刊少年ジャンプで連載されたそう。上巻が現在アマゾンで18000円の値段がついている。

モデルガン戦隊の宮田淳一が描いた「実録まんがタイガーマスク」に登場する梶原一騎。ちなみにこの本が増刷された日に梶原が逮捕されている。



★Amazon欲しいものリストで支援する
（クリックするだけでも応援になります）

ちばてつや自伝 屋根うらの絵本かき

• 作者: ちば てつや
• 出版社/メーカー: 新日本出版社
• 発売日: 2017/01/06
• メディア: 単行本

タグ：集めてみた 似顔絵大会 梶原一騎