史上初の育児漫画は「来訪者」では?私にとって重要な漫画家 浪花愛 [名作紹介]
浪花愛という作家は私の好きな漫画家の中ではかなりマイナーだと思う。
1980年代にアニパロコミックスというプロ同人誌があり、そこでの連載を毎号楽しみに読んでいた。
アニパロコミックスには他にも巣田祐里子、藤田わか、江口勇などの人気作家が連載していて、浪花愛は自分の中でトップという存在ではなかったのだが、その後 長い年月を重ねて回想すると時々思い出すのは浪花愛の何気ない1セリフ、1コマが何故か多いことに気づくのだった。
人間関係に疲れると思い出す1コマ。
「どんな顔して あえばいいんだろね。」
素朴な自惚れが好きな1コマ。
「え?ここがどこかって?きまってらあ。世界の中心よっ。なんたって俺さまがうまれたんだからなっ」
これらは浪花愛の代表作の一つ、「灰皿猫」の1コマ。
灰皿猫は駅の固定灰皿の台座の中に住み着いた猫が、
タバコの吸い殻を使って占いをして生計を立てるという人情漫画。
浪花愛の代表作がもうひとつ、「来訪者」。
作者の妊娠をエッセイ漫画にしたのが始まり。
コウノトリのセリフ「ほんの一生でいいんですからー」がイイ
その漫画のアンケート結果が悪かったので作者は気が進まなかったらしいが、編集者「Cさん」が続編を望んだ。そのおかげでこのシリーズは、その時にお腹の中にいた子供が就職するぐらいの大長編になった(同人誌含む)のだった。Cさんエライっ!
この「来訪者」こそ、いま巷に溢れる育児漫画の元祖なのではないだろうか?
探せば他にもありそうな気はするのだけど、とりあえず今現在ウィキペディアに書かれている限りでは1990年代に描かれた田島みるくなどの作家による作品が先駆けとされている。
↓ウィキペディアのスクリーンショット
ところが浪花愛の「来訪者」の初出は1986年1月なのだ!
掲載誌のアニパロコミックスを全号所有しているので今まで単行本は買ってなかったのだが、最近「来訪者」で調べ物する際に不便を感じたので、ついに購入することにした。
そしたら単行本が3種類もあったので驚いた。
初の単行本化は1992年、
掲載誌の みのり書房によるもの。事情により全1巻。
Amazonに掲載されたデータによると全197ページなので、アニパロコミックス42号あたりまでの話が掲載されている計算になる。(アニパロコミックスは54号で終了)
みのり書房は1995年に事業停止。
その1995年に来訪者は「ちいさな来訪者」と改題されてラポート社から全5巻で再出版。
巻頭に書き下ろしカラー漫画。途中にエッセイコーナー、巻末にもちょっとした書き下ろしあり。
ラポート版は本編が元々白黒だったものに赤を追加したパートカラーになっている。
初出のイメージが変わってしまう危険を感じて読んでいてハラハラする。
処理も面倒くさそうだし、なんでこんなことをするのかよう分からん。意外と簡単なのか?
いま現在最後になる単行本化が2006年の桃園書房版。全4巻。
1巻だけ借りて現在手元にあるのだが、250ページぐらいあり分厚い。
やっぱり巻頭にカラーでおまけ漫画。あとがきにもおまけ漫画があるが、ラポート社版の使い回しではなく新たに書き下ろししている。印刷も白黒に戻った。
今回自分が購入したのはラポート社版。
ざっと読んでみたのだが、奥付を見るとアニパロ終了後も掲載誌を変えて連載は続いていたようだ。
同人誌で続けていたのは知っていたが、商業誌は知らなかった。
ちなみにラポート社版に収録されているものは一部同人誌のものも含まれている。おそらく桃園書房版も同様だろう。
巻数が多いのでラポート社版が最新の版だと思って買ったのだが、桃園書房が最新だった。
ちょっと失敗したかなと思っている。
でもこれで「来訪者」に関する調べ物をする際に、いちいちアニパロコミックスをひっくり返さなくて済むぞと思った。探してた1コマがあったのだが、アニパロコミックスを全てチェックしても見つけることができなかったのだ。今回、購入した単行本をいつものように裁断して電子化。エラーチェックのために熟読していたら、探していた1コマを単行本1巻に見つけることができた。
それがこのコマ。
見つけたコマは自分の記憶より小さいコマだった。こういう思い込みで見落とすことがよくある。
念の為に前後の話から掲載号を割り出して、次に調べ物する際の反省材料にしようとアニパロコミックスを調べたところ、何度チェックしてもやっぱり見つけられない!
どういうこと???
次回に続く。
1980年代にアニパロコミックスというプロ同人誌があり、そこでの連載を毎号楽しみに読んでいた。
アニパロコミックスには他にも巣田祐里子、藤田わか、江口勇などの人気作家が連載していて、浪花愛は自分の中でトップという存在ではなかったのだが、その後 長い年月を重ねて回想すると時々思い出すのは浪花愛の何気ない1セリフ、1コマが何故か多いことに気づくのだった。
人間関係に疲れると思い出す1コマ。
「どんな顔して あえばいいんだろね。」
素朴な自惚れが好きな1コマ。
「え?ここがどこかって?きまってらあ。世界の中心よっ。なんたって俺さまがうまれたんだからなっ」
これらは浪花愛の代表作の一つ、「灰皿猫」の1コマ。
灰皿猫は駅の固定灰皿の台座の中に住み着いた猫が、
タバコの吸い殻を使って占いをして生計を立てるという人情漫画。
浪花愛の代表作がもうひとつ、「来訪者」。
作者の妊娠をエッセイ漫画にしたのが始まり。
コウノトリのセリフ「ほんの一生でいいんですからー」がイイ
その漫画のアンケート結果が悪かったので作者は気が進まなかったらしいが、編集者「Cさん」が続編を望んだ。そのおかげでこのシリーズは、その時にお腹の中にいた子供が就職するぐらいの大長編になった(同人誌含む)のだった。Cさんエライっ!
この「来訪者」こそ、いま巷に溢れる育児漫画の元祖なのではないだろうか?
探せば他にもありそうな気はするのだけど、とりあえず今現在ウィキペディアに書かれている限りでは1990年代に描かれた田島みるくなどの作家による作品が先駆けとされている。
↓ウィキペディアのスクリーンショット
ところが浪花愛の「来訪者」の初出は1986年1月なのだ!
掲載誌のアニパロコミックスを全号所有しているので今まで単行本は買ってなかったのだが、最近「来訪者」で調べ物する際に不便を感じたので、ついに購入することにした。
そしたら単行本が3種類もあったので驚いた。
初の単行本化は1992年、
掲載誌の みのり書房によるもの。事情により全1巻。
Amazonに掲載されたデータによると全197ページなので、アニパロコミックス42号あたりまでの話が掲載されている計算になる。(アニパロコミックスは54号で終了)
みのり書房は1995年に事業停止。
その1995年に来訪者は「ちいさな来訪者」と改題されてラポート社から全5巻で再出版。
巻頭に書き下ろしカラー漫画。途中にエッセイコーナー、巻末にもちょっとした書き下ろしあり。
ラポート版は本編が元々白黒だったものに赤を追加したパートカラーになっている。
初出のイメージが変わってしまう危険を感じて読んでいてハラハラする。
処理も面倒くさそうだし、なんでこんなことをするのかよう分からん。意外と簡単なのか?
いま現在最後になる単行本化が2006年の桃園書房版。全4巻。
1巻だけ借りて現在手元にあるのだが、250ページぐらいあり分厚い。
やっぱり巻頭にカラーでおまけ漫画。あとがきにもおまけ漫画があるが、ラポート社版の使い回しではなく新たに書き下ろししている。印刷も白黒に戻った。
今回自分が購入したのはラポート社版。
ざっと読んでみたのだが、奥付を見るとアニパロ終了後も掲載誌を変えて連載は続いていたようだ。
同人誌で続けていたのは知っていたが、商業誌は知らなかった。
ちなみにラポート社版に収録されているものは一部同人誌のものも含まれている。おそらく桃園書房版も同様だろう。
巻数が多いのでラポート社版が最新の版だと思って買ったのだが、桃園書房が最新だった。
ちょっと失敗したかなと思っている。
でもこれで「来訪者」に関する調べ物をする際に、いちいちアニパロコミックスをひっくり返さなくて済むぞと思った。探してた1コマがあったのだが、アニパロコミックスを全てチェックしても見つけることができなかったのだ。今回、購入した単行本をいつものように裁断して電子化。エラーチェックのために熟読していたら、探していた1コマを単行本1巻に見つけることができた。
それがこのコマ。
見つけたコマは自分の記憶より小さいコマだった。こういう思い込みで見落とすことがよくある。
念の為に前後の話から掲載号を割り出して、次に調べ物する際の反省材料にしようとアニパロコミックスを調べたところ、何度チェックしてもやっぱり見つけられない!
どういうこと???
次回に続く。
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