SSブログ

茶髪が流行り出した時代の漫画、竹内桜「ぼくのマリー」 [名作紹介]

「ぼくのマリー」全10巻を電子化した。
(ちなみにKindle Unlimited対象作品である)

恋する冴えない男子学生が、
天才的な頭脳でマドンナそっくりのロボットを作り騒動を巻き起こすというコメディ。
ロボットは可愛い容姿と裏腹にとんでもない怪力の持ち主で、
鳥山明の「Dr.スランプ」の青年誌版といえばイメージがしやすいと思う。

まりい7.png

作者の竹内桜はきたがわ翔のアシスタント出身で、
きたがわ作品で華のあるモブを描く人として連載前から印象に残っていた。
ひょうたんみたいな面長の顔、ルパン的な華奢なプロポーションのキャラクターはかなり独特だ。

まりい2.png
(きたがわ翔が逆にアシスタントをしている回もある)

分かりやすく、明るい作風で連載開始と共に人気を博しアニメ化もした。
連載中にエヴァンゲリオンが始まり、そこから人気に火がついた宮村優子が声優を担当。
宮村は「ぼくのマリー」単行本のおまけページによく姿を見せていた。

「ぼくのマリー」終了後、一転して竹内桜は寡作となる。
新作はなぜかヤングジャンプから移り、ヤングアニマルで「特命高校生」を開始。
オカルトバスターズ的な内容で、少し暗い作風だったが面白かった。
しかしいまだに何の説明も聞かれないまま1巻打切り状態。

集英社から短編集も発売されたが暗い内容のものが多い印象で、
ひょっとしてこっちの方が本来の作者の姿で、
「ぼくのマリー」的なバカバカしい話を求められるのは苦痛だったのかなと思った。

ぼくのマリー終了1997年。
短編集の発売が1999年。
特命高校生が2000年の刊行ときて、

再び竹内桜が自分のアンテナに引っかかったのは2006年の「ちょこッとSister」のアニメ化だった。
漫画の連載は2003年からだったらしい。
自分が苦手な、いわゆる萌え系っぽい作品だったのでいまだに読んでいない。

「ぼくのマリー」でもあった妹萌な要素を、さらにガチ目にした感じ。
自分にとっては興味がないジャンルなのでそれ以降、
竹内桜の作品を読むことは無くなってしまった。
しかし作者が自分本来の道を見つけ、再浮上したと思うと喜ばしい。

 
今回、改めて「ぼくのマリー」を読み返してみたが面白かった。
主人公の女性に奥手なメガネ大学生は、連載当時の自分と強く重なる部分があって、
思い出して読んでいて辛くもある。

まりい1.png


ちょっと本筋と関係ないとこで印象的なのが、
作者が流行り物に対して浴びせる冷ややかな視線である。

「髪の毛錆びてる」=茶髪もこの頃から。
まだ金髪にしている人も珍しかった気がする。
北野武が金髪にしたことで批判していた識者もみな黙り込んだ。
まりい3.png

女性のカバンを持ってあげる男
当時人気だった深夜番組「トゥナイト2」で特集されてそうな文化。
まりい5.png

ズボンの腰履き。
服役したアメリカ人ラッパー発祥の文化なんだそうで、ズボンを下げて下着の上半分を見せて歩くというとんでもなく頭悪そうなスタイルが流行った。
まりい6.png

漫画を読んで時代がわかる。

 
おまけ漫画も好き。
まりい4.png

後書きで書かれていたのだが、
マリー以前の竹内作品の中に飯島愛の半自伝漫画があったらしい。
どんなだ?と探してみると、やはりTwitterにあった。ツイッターは何でもあるなあ。


 

ぼくのマリー (1) (ぶんか社コミックス)

ぼくのマリー (1) (ぶんか社コミックス)

  • 出版社/メーカー: ぶんか社
  • 発売日: 2021/09/22
  • メディア: Kindle版



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。