知ってるつもりですらなかった田中正造の無名時代 [歴史漫画]
以前、
「直訴ブルドーザー、訴状が天皇陛下に届いたのは112年後!」という記事を書いた私ですが、
最近もなんとなく田中正造について調べていて、
1992年5月17日放送の「知ってるつもり?!」という歴史番組を見た。
とうぜん田中正造の回だったのだが、
ゲストのほとんどが田中正造を知らなかったので衝撃を受けた。
司会の関口宏による「田中正造を知ってますか?」との問いかけに、
立川志の輔(落語家)「知らない」
海老名香葉子(作家)「存じ上げない」
マリ・クリスティーヌ(タレント)「初めて聞きました」
加山雄三(歌手/俳優)「僕も知らないんですよ」
唯一、
教育者である北野大(ビートたけしの兄)だけが知っていた。
まあ現在でもそこら辺の兄ちゃん姉ちゃんに「田中正造って知ってるか」と聞いても知ってる人は少ないのかもしれないが、そこそこ見識のありそうなこのメンツでほぼ知られていないのは意外すぎた。
立川志の輔は「人からも博識だと誉められ、自分でも知識がある方だと思っているが知らなかった」と言っていた。
海老名香葉子が、
「孫が学校で習ったらしい」と言っていたので、
田中正造が再評価されたのは意外と近年で、
1980年代ぐらいのことなのではなかろうかということもあるのではなかろうか。
立川志の輔(1954年生まれ)
海老名香葉子(1933年生まれ)
マリ・クリスティーヌ(1954年生まれ)
加山雄三(1937年生まれ)
北野大(1942年生まれ)
ちなみに私の母も田中正造を知らなかった。
自分が田中正造を強く印象付けられたのは、
小学館の「少年少女日本の歴史」18巻。
初版は1983年4月15日だ。
ちなみに1974年に三國連太郎が田中正造を演じた
「襤褸の旗(らんるのはた)」という映画が作られている。
西田敏行、中村敦夫、志村喬、古谷一行など、けっこうな俳優が出演しているが、
あまり田中正造の知名度を高める結果にならなかったということになる。
みなもと太郎(1947年生まれ)が警察署長だった祖父を回想した漫画「松吉伝」に、
祖父の尊敬する人物は田中正造だったと、左翼運動家に聞かされ納得するシーンがある。
人によっては話の通じる話題でもあることが分かる。
(「誰?」と思った読者も多い可能性があるということでもあるね)
歴史上の有名人の認知もジェネレーションギャップがある。
死後の名声も、時代によってあったりなかったり。
はかないものですな。
(画像はみなもと太郎「風雲児たち」ワイド版12巻)
日本の歴史 近代国家の発展: 明治時代後期 (小学館版学習まんが―少年少女日本の歴史)
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1998/02/04
- メディア: 単行本
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