失われたゲーム史はまた失われるのか?発売されて7年経って分かったロールプレイングゲームサイドVol.1のすごさ [ゲーム]
ロールプレイングゲームサイド Vol.1 (GAMESIDE BOOKS)
- 作者: ゲームサイド編集部
- 出版社/メーカー: マイクロマガジン社
- 発売日: 2014/07/30
- メディア: Kindle版
「ロールプレイグゲームサイドvol.1」というゲームムックの、
とある特集記事の素晴らしさが発売されてから7年経って理解できた。
特集記事のタイトルは、「真説・コンピュータRPGの起源」。
それによるとおそらく現存する世界最古のコンピュータRPGはpedit5。
さらにウィザードリィの元になったウブリエットってゲームがあったということを明らかにしています。
いや、今更新事実が出てくるとは思わないじゃないですか。
コンピュータゲームみたいなそこそこ新しいジャンルで。
しかもウブリエット以前のコンピュータRPGの記事も満載なわけですよ。
もう理解の範囲外。
というか、
ウィザードリィといえばコンピュータRPGの元祖も元祖と持ち上げられてきた作品。
「わしゃapple2を輸入して英語でプレイしたもんじゃあ。」なんて言う人がいようもんならキャバ嬢も絶対尊敬のまなざしですよ。
で、鼻持ちならないゲーマーは
「ドラクエ?ウィザードリィのパクリじゃん」とか言い出す。
でもそんな古参たちからウブリエットの話なんて聞いたことがない。
俺もファミコン版がブームの頃はいろんな特集記事を読みましたよ。
製作者のロバートウッドヘッドのインタビューも読んだ。
特に好きだったのは渋谷洋一のコラム。
当時、浴びるほどウィズ知識を収集したのに、
RPGサイドに書かれてた記事は初耳も初耳。
渋谷洋一も忍者増田も須田PINも
ウブリエットやpedit5の話なんかしたことがない。(はず)
繰り返しますが、
コンピューターゲームような比較的歴史の浅いジャンルで、
こんな重要な新事実が、丸ごと真空パックされて今更浮かび上がってくるとは思いませなんだ。
ウィズ以前のそういったコンピュータRPGは件の記事によると、
アメリカの大学のコンピューターネットワーク上にあったというのです。
わからねえわけだ、そこんとこは感心するぜ。
ちなみに1991年に発売されたムック、ウィザードリィマガジンの解説にそれらしい記述を探すと、
「アンドリューはイリノイ大学が開発したゲームの管理を任されていた」「アンドリュー・グリーンバーグがテーブルトークのRPGダンジョンズ&ドラゴンズをもとに組んだプログラムを雛形にWizardryの制作を開始したのである」とある。ここを突っ込む人がいなかったというわけだ。
だからRPGサイドを読んだ直後は、
ひょっとして俺が知らなかっただけ?とか思ってしまいましたよ。
ゲームから離れてた時期もあったし。
思い直したのは、ドラクエに関わったとあるプログラマー書いた電子書籍に、RPGサイドの記事がすごい!と書いてあったからなのでした。それがムック発売から7年後。ああ、このレベルの人でも知らなかったんだって。
だからなのか?
このRPGサイドというムック、
売れなかったのか次の号で休刊に。
世の中間違っとるなあ。
けっこう情報がアップデートされてないマニアも見かける。
あるゲームムックでは今でもウィズが元祖と紹介されていたり、
別のムックでは「いや市販されてないからウィズが元祖なのだ」なんて書かれてたりもする。
さびしい話なので、電子書籍で買ってたのを、紙の本でも買い直しました。
最初に買ったのは2015年なんですな!ムックの発売から1年以上経ってたのか。。。
そして、このことをブログに書こう!…と思ってから一年。
ついにお蔵出し。さっさと書けよと自分でも思うが、なかなか上手く書けなくてねえ。
2020年に発売された
「蘇る伝説のRPG大全vol.1」にもウブリエットや、それに影響を与えた古典RPGの紹介記事が載っています。テーマを絞っているのでこちらの方が読みやすい。
RPGサイドは資料的な価値が高い。どちらもおすすめです。
ちなみに、自分がこのRPGサイドを買ったきっかけは、
ケムコのRPG、「真田十勇士」製作者インタビューが読みたかったからなのでした。
— ムゲンホンダナ(本棚持ち歩き隊) (@hondanamotiaru) November 3, 2023
ロールプレイングゲームサイド Vol.1 (GAMESIDE BOOKS)
- 作者: ゲームサイド編集部
- 出版社/メーカー: マイクロマガジン社
- 発売日: 2014/07/30
- メディア: Kindle版
ロールプレイングゲームサイド Vol.2 (GAMESIDE BOOKS)
- 作者: ゲームサイド編集部
- 出版社/メーカー: マイクロマガジン社
- 発売日: 2015/04/14
- メディア: Kindle版
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