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車田正美初期短編集「真友仁義(まぶだちじんぎ)」を読んでみたよ [名作紹介]

車田正美の初期短編集、「真友仁義(まぶだちじんぎ)」を買って読んでみた。

車田正美で「仁義」と言ったら「男坂」の菊川仁義。
なので男坂のプロトタイプ的な漫画なのかなと思っていたら、特に関係なかった。

むかし少年ジャンプがやっていた愛読者賞用に描いた短編を集めたものだと思われる。
刊行は1983年4月15日。
同じく愛読者賞用作品の短編集、「実録!神輪会」は1983年8月15日。
わりと立て続けに出されていた。

「真友仁義」の掲載作品は以下の通り

「真友仁義」
仁義に熱いケンカ好きの少年に美少女の恋人ができるが、彼女はケンカ嫌い。
ケンカをしたら絶好だという言葉に、次第に覇気を失っていく。
そんな中に起こった友人の危機に、加勢するべきかどうか葛藤するというのがクライマックス。

周囲からOKされるわけがないと思っていた愛の告白に、あっさりOKされる展開。実に漫画らしいけども、俺なんかリアルに既視感があるな。。。いちゃつき描写が妙に冴え渡っている。ドキッとするコマもある。
真友仁義2.png

当時は「リングにかけろ」連載中だったのだろう。作品内で宣伝していたパワーリストの実物がショボかった件についてリアルな感想を述べているが、いいのだろうか。これで「ドラゴンリスト」に改名させられた訳ではあるまいな。
真友仁義1.png

ちなみに自分も体を鍛える際にパワーリストよく使ってます。
品質もだいぶ良くなったのでしょうけども、擦れて痛いってのは結構あります。

「白帯大将」
柔道の強豪校から転向してきたが、補欠だったのを隠して崇め奉られるという「キャプテン」と同じパターン。主人公が香取石松そっくり。まあ動かしやすいのだろうなと思う。近年の車田漫画の主人公は気を抜くとすぐ石松化してしまうような気がする。そう思うと、結構持ち堪えてるなと思う。
真友仁義3.png
 
この他は、車田正美の連載デビュー作である「スケ番あらし」が六話掲載されている。「スケ番あらし」は読んだことなかったので、単行本「スケ番あらし」にも収録されている内容なのかどうか分からない。

ヒロインの荒神山麗(こうじんやまれい)は「リングにかけろ」の高嶺菊の原型っぽい。
それにしても絵が古い。車田正美が川崎のぼるの影響を受けていたことは知っているが、それを強く感じさせる。こうしてみると、「リングにかけろ」連載開始までに作家として何段かレベルが上がってるように見える。
真友仁義4.png
 
「真友仁義」「白帯大将」を読むと、愛読者賞に真摯に取り組んでたんだなあと思う。真面目に短編を描いている。「実録!神輪会」掲載作品になると、いい意味で肩の力が抜けて、楽屋落ちではあるがものすごくエンジョイ感がある。

おそらく愛読者賞挑戦4年目になるのであろう。
「実録!神輪会」掲載の第二話、「リングにこけろ」は愛読者賞1位を獲得したのだそうだ。

 

真友仁義 車田正美 初期短編集

真友仁義 車田正美 初期短編集

  • 作者:
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 1983
  • メディア: 単行本



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