１巻の途中で作者が障害者に？２巻が出なかった岸虎次郎の最高傑作「i.d.」

岸虎次郎（きしとらじろう）といえば、ヤンジャンにラッキースケベ的な４コマ漫画を描いていた人という印象だ。時は流れ、コンビニで目に止まったのが「i.d.（アイディー）」。ストーリー漫画も描くんだこの人、と思った。そしてこの漫画は自分の中でも大ヒットだった。周りの評判も良かったが、２巻が出なかった。。。

正統派のモデルを目指すヒロイン。
幼児期の様々なトラウマから笑顔が作れないために売れず、テレアポのバイトや、カメラ小僧相手に愛想を振りまく仕事で鬱屈とした日々を過ごしていた。ライフワークである空手の練習の帰り、チンピラに襲われていた女子高生を助ける。女子高生もまた、学校でいじめを受けたことにより、心に深い傷を負っていた。二人が知り合うことで何か物語が始まる。。。はずだったのだが。。。

ロングヘアで細身のクールな空手女子。
というと、一見安易なキャラ設定だと思うかもしれないが、読んでいてドン引きするような変質者に包丁突きつけられてもまるで動じず、空手技？で一蹴してしまうシーンとか、なかなか爽快なのである。一昔前の安っぽい漫画＆TVドラマの様に、街がレイプであふれている世界観は万人受けとは言えず、もったいないと思う。

ちなみにこの漫画を描いている途中に、作者は身体障害者になってしまったのだそうだ。障害者になっても連載は続いていたそうなので、２巻が出ないことの原因ではないらしい。雑誌で、いじめられっ子の第二ヒロインの友達（これも喧嘩が強い）と第一ヒロインが戦っているのを見た。電子書籍で続刊を出してしっかり完結させてくれたらいいなあと思う。

i.d. (ヤングキングコミックス)

• 出版社/メーカー: 少年画報社
• 発売日: 2009/11/19
• メディア: Kindle版