SSブログ

最古の痴漢は戦国時代? 漫画は痴漢をどう表現してきたのか [心に残る1コマ]

峰なゆかの自伝漫画、「AV女優ちゃん」が最近すごい。
前回、連鎖する弱い者いじめの話を書いたが、「AV女優ちゃん」第13話がまさにそんな話で衝撃を受けた。正直、峰なゆかはもう出がらしのお茶だと思っていた。失礼しました。

「AV女優ちゃん」14話は
「私に勇気をくれてありがとう痴漢の人…」という衝撃のモノローグで終わる。
痴漢5.jpg
中学時代、「ドブ」と呼ばれスクールカーストの底辺だった著者が、痴漢に遭遇したことから女性としての自信を取り戻し高校デビューするキッカケとなったことによるひとことだ。

いいのかよ!?と戸惑いながら欄外を見ると注釈がある。
痴漢は犯罪です。本作は、多感な時期の少女が痴漢被害の経験を時に「女性として肯定された」と認識してしまう危うさを描くことは作品として意義があると考えたうえで掲載したものであり、痴漢犯罪を肯定する意図は全くありません(編集部)

著者が痴漢に遭遇してそう思ったことは事実だから問題ない。
いや問題なくはないが、誤解を招く危うさもはらんでいるからこそ、この漫画は価値があると思う。
十ぱ一絡げに表現規制していいという話ではない。
 
そんな時に「ハナムラさんじゅっさい」(2011年)を電子化していて、痴漢行為の肯定と誤解を招きかねない表現を見つけた。「ハナムラさんじゅっさい」は、パッとしない漫画家が美人編集者に恋をする実話をもとにしたラブコメ。ヒロインである美人編集者は主人公にエロ漫画を依頼しにくる。エロ描写に嫌悪感がないので、「痴漢ものが意外と需要がある」などと言って主人公を戸惑わせる。
痴漢4.jpeg
雑談なので「イケメンなら可」などとなんの覚悟もなく本音を吐露している。もちろん実話をもとにしたフィクションなので、脚色である可能性もある。まあでも、こんな発言をする女性もいても全然おかしくないとは思う。

 
昔、ある雑誌の創刊号で、痴漢のコツを特集した雑誌があったそうだ。
すげえなあと思う。なぜ当時炎上しなかったのだ。
今なら絶対アウト。頭おかしいと思う。

痴漢行為を描いた漫画はどんなものがあっただろうか。
例えば入浴シーンを覗くなんてのは山ほどありそう。
条件を絞って見て、お尻に触る行為限定、ただしセクハラを兼ねるものは除くと条件を絞ってみると思いつくものは数点。もちろん探せばもっとあるのだろうけども、今回思いついた物だけを紹介する。

克・亜樹「ふたりエッチ」8巻。(1999年)
触られて嫌な思いをしたってだけのエピソードだけど。
犯人は主人公の知らないところで逮捕されていた。
痴漢2.png
ちなみに前述の「AV女優ちゃん」では高校デビューした峰なゆかが学校でこの漫画を読んでいる。

安永航一郎「陸軍中野予備校」5巻。(1988年)
難関大学への受験勉強でストレスをためて痴漢行為がやめられなくなってしまう男が出てくる。自らを「さわり魔」と自称する。「幸い僕は顔がいいので泣いて謝れば許してもらえる」というとんでもないセリフが飛び出すのが印象に残っている。最終的に少し変態気味のガールフレンドを紹介することで解決する(?)。
痴漢1.png

新田次郎/横山光輝「武田信玄」8巻(1988年)
戦国時代の痴漢用語、「かなめつき」という言葉が出てくる。要突き、つまり大事なとこを触るという意味なのだろう。女中として潜り込んだスパイを見つけ出すために使用する。どういうリアクションをするかで、軍事訓練の経験があるかどうかを試すというわけだ。
痴漢3.png
「かなめつき」は本当にあった言葉なのだろうか?
ざっとググってみたが、それらしい言葉は出てこない。新田次郎の創作かもしれない。男尊女卑のウルトラ激しそうな戦国時代で、そんな概念があるのかという疑問はある。

 
ちなみに自分は痴漢ものはAVでもあまり興味がない。
電車に乗る時は両手吊革です。
イケメンなので、まあ誤解されることはないと思うけど。

こないだ久しぶりの飲み会があって、女性に触られまくりました。
最初は席が狭いせいかなと思ったけど、どんどんボディタッチが激しくなって大変でした。
私に勇気をくれてありがとう痴女さん、って感じです。
 


痴漢とはなにか 被害と冤罪をめぐる社会学

痴漢とはなにか 被害と冤罪をめぐる社会学

  • 作者: 牧野 雅子
  • 出版社/メーカー: エトセトラブックス
  • 発売日: 2019/11/07
  • メディア: 単行本



男が痴漢になる理由

男が痴漢になる理由

  • 作者: 斉藤章佳
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2017/08/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。