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元祖ガンダムビルドファイター「プラモ狂四郎」。そのプラモシミュレーション再現への挑戦の歴史 [シリーズ]

ロボットはかっこいいけど、話がポカーンだったガンダム。
そんな子供の頃の自分が熱狂したガンダムが「プラモ狂四郎」
VR的な機械を使って、自作のプラモで戦う漫画だ。
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このプラモシミュレーション、当時読んでいて、「いますぐは無理だけど、数年すれば実現可能なんじゃ無いか?」と思わせるワクワク感があった。しかし1982年の連載開始から36年経っても実現していない。
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プラモ狂四郎に憧れたかどうかは分からないが、1996年にプレステで『ZEX-D』(ゼクシード)というゲームが発売された。同梱のプラモのデータがゲームに反映されるという、まさにプラモ狂四郎のようなコンセプト。シリーズ化の構想もあったようだが、これっきりだったようである。まあそりゃあそうだ。やったことはないが、おそらくパーツの内部に仕込まれた電子回路を使って、パーツの差し替えデータを送り込むという仕組みだろう。任天堂のアミーボと同じだ。内蔵チップが肝で、フィギュアなんて飾りです。偉い人にはそれがしらけるのが分からんのです。ちなみに価格が19800円。心意気だけは買う。

 
2006年にリリースされ、現在も稼働してるっぽい「戦場の絆」は、大型筐体でガンダムのコクピットを再現したアーケードゲームで、まさに夢にまで見たプラモシミュレーションの世界だ。プラモは関係ないけども、よくよく考えてみるとプラモはどうでもよく、ガンダムに乗り込んで戦いたいのが本質だったと気づかされる。

 
『ZEX-D』、「戦場の絆」に共通するのはポリゴンだ。
それ以前のゲームの表現技術ではプラモシミュレーションの再現に近づけるのは困難だった。ゲーム会社でポリゴン表現への先陣を切ったのは1988年のナムコ「ウイニングラン」というレースゲーム。1996年に同じナムコからアーケードでリリースされた「トーキョーウォーズ」は、ポリゴン表現された戦車による通信対戦ゲームだが、企画当初はロボットものだったそうである。しかし、プロデューサーの澤野和則が待ったをかけたそうだ。

>ロボットなんて初めて遊ぶのにどうやって操作したらいいか分からないじゃないですか。誰も乗った人が居ないのに。そんなしちめんどくさいものをテーマにするんじゃないよ!って怒って、戦車ならよく分かるだろ?って。
(「ギャラクシアン創世記 澤野和則伝」より)

わかってないなあ、と思う。ちなみにこれに対し、聞き手が「一般の人が戦車に乗ったことがあるのか?」とツッコミを入れている。

 
わかっているのは日本人よりも外人だったようだ。
1990年に「バトルテック」という大型筐体&ポリゴンで表現された通信対戦ロボットバトルがあった。日本でも92年に稼働していたそうだが、全く見たことがなく、雑誌で仕入れた知識しかない。なんと1プレイ1000円。だから流行らなかったのか。なんか大学生がサークル作って遊んでいるとかいう記事を読んだことがある。戦場の絆は1プレイ500円だ。プラモシミュレーションは金がかかる。クラフトマンのマスターは狂四郎から金をとっているのを見たことがないのに。
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(「LOGiN」1995年6月16日号)

2002年のXbox用ゲーム「鉄騎」は大型専用コントローラーを同梱し、家庭用ゲームにありながらコクピット感を演出した。価格は19800円だったそうである。『ZEX-D』と同価格。こちらもあまり売れなかったようだが、ゲーム史に残る伝説となった。

今年秋に、スクエニからアーケードでリリースされる「星と翼のパラドクス」は「大型筐体」「通信対戦」「ポリゴン表現されたロボット」と、久しぶりにプラモシミュレーション魂を感じさせるゲームだ。密閉型ではないので「戦場の絆」からは退化している感もある。

やはり「戦場の絆」がプラモシミュレーションに最も近いというのが結論になるか。プラモ狂四郎から24年かかって「戦場の絆」。それから12年、大きな技術革新がないわけだ。プレイヤーを気絶させたり、プラモをぶっ壊す技術の到来が待たれる。
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