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押井守も認めたマイナーゲー「ノスタルジア1907」製作裏話満載の「転清・アート・ドット・ワークス」 [ゲーム]

「ノスタルジア1907」というゲームは不思議なゲームだ。
どっちかというとクソゲーな印象だったけども、良い思い出感もある。

転清インタビュー集という2冊セットで5千円近くする同人誌を購入。デザイナーとして参加したノスタルジアについて色々語っていて、それが驚愕する内容満載だった。
転ノスタルジア1.png
ノスタルジアは最初パソコン版が出ていて、その後メガドライブ(メガCD)版が発売。これが一番売れたバージョンらしく、自分が遊んだのもコレなのだが、製作者の評判がすこぶる悪い。移植を担当した会社とのコミュニケーションがうまくとれていなかったらしい。ちなみにX68000版が至高とのこと。
転ノスタルジア2.png
メガCD版でフルボイス化は失敗だった?
予告編ではプロの声優を使っていたのだが、下請け会社が費用を浮かせられると劇団を採用。制作者によると、ヒロイン以外のクオリティが低く、結局費用も普通通りかかってしまったとのこと。「主人公がなんで山田康夫なんだよ!」には笑ってしまった。山田康夫では無いが、確かにそれを意識したような演技になっていた。まあ確かに全体を通して変なノリだった記憶はある。ただ、ゲームが変だったので、マッチしていたとも思えるので、不評と書いてあってショックだった。

セーブできない鬼仕様。
コレなー。なんか記憶ではペラ紙一枚で言い訳していたような気がする。「セーブ出来ない方が面白いよ」みたいな。実際のところは下請けに技術力がなく、本体についているバックアップ機能が使えないというアホみたいな実態だったらしい。パスワードコンテニューも検討していたが、それも無くなり、最終的にはゲームを4章に分けて選べるようにしたということだ。

ところがである。
このゲームはアドベンチャーというよりムービーゲームに近いのだが、一つ立てて記憶しておかないといけないフラグがあるのだ。「時限爆弾が仕掛けられた豪華客船」が舞台なので、爆弾解体のシーンが2度ある。お約束の「赤か青かどちらか切れ」という展開になるのだが、1度目の解体でどちらか切ってフラグを立てて記憶しておかないと、2度目の解体がどちらを選んでも失敗となり、ゲームがクリアできないのだ。結局のところ、ほとんど通して遊ばないとクリア出来ず、アクの強い声優の喋りと悶絶の台詞回しも飛ばすことができず、耐えに耐えてプレイしていたような気がする。
転ノスタルジア3.png
当時は疑念のレベルだったのだが、今回製作者によってはっきり名言されているのを読んで衝撃を受けた。。。さらに、当時ファミコン通信の業界怪談特集に掲載された嘘くさい怪奇現象ネタも、はっきり宣伝のための作り話だと明言されている。
転ノスタルジア4.png

ノスタルジアは続編も発表されていたが、開発元であるシュールドウェーブ(タケル)潰れてしまい、パソコン版のみであまり話題にならずに終わってしまったらしい。ずっといつか遊べるのだろうかとは思っていた。製作者は変わってしまっているらしいが。。。

ちなみに、あの押井守が製作者にコンタクトを取りに来たというエピソードも同人誌では語られている。電話を取った人が押井守を知らなかったために終わってしまった話だそうだが。自分的にあまり押井守は好きでは無いが、世界的に名の通った映画監督である。ブツブツ独り言の多そうな作風はノスタルジアの世界観に非常にマッチしている。何かコラボがあればと思うと残念である。

 

転清・アート・ドット・ワークス【インタビュー編】(資料系同人誌/B5判/258ページ)

転清・アート・ドット・ワークス【インタビュー編】(資料系同人誌/B5判/258ページ)

  • 作者: ぜくう
  • 出版社/メーカー: 密林社
  • 発売日: 2011/11/06
  • メディア: ムック



転清・アート・ドット・ワークス【アートワーク編】(資料系同人誌/B5判/262ページ)

転清・アート・ドット・ワークス【アートワーク編】(資料系同人誌/B5判/262ページ)

  • 作者: ぜくう
  • 出版社/メーカー: 密林社
  • 発売日: 2011/05/29
  • メディア: ムック



ノスタルジア1907 MCD 【メガドライブ】

ノスタルジア1907 MCD 【メガドライブ】

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: Video Game

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コメント 2

サンフランシスコ人

「あまり押井守は好きでは無いが、世界的に名の通った映画監督....」

押井守の『天使のたまご』........

http://roxie.com/production/angels-egg/

4/14 サンフランシスコの映画館で上映.....
by サンフランシスコ人 (2023-04-11 04:21) 

hondanamotiaruki

天使のたまご懐かしいですね。見たことないですが。

実写作品の方は見ると眠くなるとジョシュ・バーネットも言ってましたけど、出資者に損させたことはないそうです。だから映画を作り続けられるのだとか。意外!

by hondanamotiaruki (2023-04-14 13:45) 

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