編集王に俺はなる!ワンピースよりも3年早かった土田世紀の「編集王」6 [シリーズ]
編集王第七エピソードは新人の新連載立ち上げエピソード。
漫画嫌いの新人編集者、本占地。持ち込み当番で担当した新人が可愛い女の子だったことで戸惑いつつ、彼女の光るセンスに仕事へのやりがいを持ち始める。持ち込み作品は悪役編集者や編集長も絶賛。準入選を果たし、二人は連載用作品の執筆を始める。ところが編集長は持ち込んだネームをロクに読みもせず、用意しておいたアイディアを勧める。実績のない新人コンビと、雑誌の売り上げを二倍にした辣腕編集長とどちらが売れる漫画を分かっているか?という理屈だ。なんとか前向きに受け止めようとする二人。しかしそれは雑誌の売り上げを上げるために新人を使い捨てにする編集長のいつもの手だった。。。という話。
「進撃の巨人」を少年ジャンプがスルーしたことで、雑誌の批判のタネにする人を、まとめサイトのコメントなどでたまに見かける。別冊マガジンが出した利益をそのままそっくりいただけたのだとしたら、確かに大きな損失だろう。しかし、ジャンプ編集部にしたって売れる漫画が確実にわかるなどとは思ってないことは、ジャンプが「10週打ち切り」と言う言葉を生み出したことからも証明されている。ジャンプ版編集王とも言うべき「バクマン。」でもそんなセリフがあった。
最近、Kindle読み放題の「マンガで食えない人の壁 -プロがプロたる所以編」で、敏腕編集者として知られる佐渡島庸平が、モーニング連載中の株取引漫画「インベスターZ」を最初にジャンプに持ち込んだ話をしていてぶっ飛んだ。「ドラゴン桜」「砂の栄冠」などの大ヒットメーカーの三田紀房の作品である。それを雑誌のカラーに合ってないと蹴っ飛ばすジャンプも尋常ではない。作品の面白い面白くないは主観的なものである。発言権を強めるためには売れたと言う実績が何よりものを言うはずだが、ジャンプはそんな要素も超越して雑誌のカラーに収まることが何よりも大事なのだ。などと書くと何か尊大で偉ぶったニュアンスになってしまうが、よくいえばこれは「自分たちが面白いと思えるものはこうだ!」と言う確固たる信念、編集方針である。思いっきり主観的な考え方なのだ。誰もが主観を貫きたいと思っている。しかし頂点に立てるものは一人。どこかで結果と折り合いをつけ、バランスをとってしまうものだ。主観を貫いて業界1位。なんとも羨ましい話ではないか。
(好きなシーン。この後、主人公が「痛いとこ突きやがる」とニヤリと笑う。)
今回の編集王のエピソードでの編集長のやり方がどうかと言う感想は特にない。作品をどこで発表したいかと言うのも、ある種の作家の打算だからだ。時代が変わったというのもある。昔、作品がアニメ化された漫画家が、「ジャンプは俺の才能を見抜けなかった」とコメントしていたのを思い出す。その漫画家は今はあまり見かけない。アニメ化された作品のタイトルを聞いてもピンとくる人も少ないだろう。その結果に、ジャンプも何もコメントを持たないはずだ。忙しいだろうから。
(このエピソードで同作者のヒット作「俺節」のキャラクターがカメオ出演。昔、友達と本屋に行ってこの漫画を買った時、どんなの?と聞かれて「演歌漫画だよ。」と答えたら「お前スゲえな」と感心されたことを思い出す。」
漫画嫌いの新人編集者、本占地。持ち込み当番で担当した新人が可愛い女の子だったことで戸惑いつつ、彼女の光るセンスに仕事へのやりがいを持ち始める。持ち込み作品は悪役編集者や編集長も絶賛。準入選を果たし、二人は連載用作品の執筆を始める。ところが編集長は持ち込んだネームをロクに読みもせず、用意しておいたアイディアを勧める。実績のない新人コンビと、雑誌の売り上げを二倍にした辣腕編集長とどちらが売れる漫画を分かっているか?という理屈だ。なんとか前向きに受け止めようとする二人。しかしそれは雑誌の売り上げを上げるために新人を使い捨てにする編集長のいつもの手だった。。。という話。
「進撃の巨人」を少年ジャンプがスルーしたことで、雑誌の批判のタネにする人を、まとめサイトのコメントなどでたまに見かける。別冊マガジンが出した利益をそのままそっくりいただけたのだとしたら、確かに大きな損失だろう。しかし、ジャンプ編集部にしたって売れる漫画が確実にわかるなどとは思ってないことは、ジャンプが「10週打ち切り」と言う言葉を生み出したことからも証明されている。ジャンプ版編集王とも言うべき「バクマン。」でもそんなセリフがあった。
最近、Kindle読み放題の「マンガで食えない人の壁 -プロがプロたる所以編」で、敏腕編集者として知られる佐渡島庸平が、モーニング連載中の株取引漫画「インベスターZ」を最初にジャンプに持ち込んだ話をしていてぶっ飛んだ。「ドラゴン桜」「砂の栄冠」などの大ヒットメーカーの三田紀房の作品である。それを雑誌のカラーに合ってないと蹴っ飛ばすジャンプも尋常ではない。作品の面白い面白くないは主観的なものである。発言権を強めるためには売れたと言う実績が何よりものを言うはずだが、ジャンプはそんな要素も超越して雑誌のカラーに収まることが何よりも大事なのだ。などと書くと何か尊大で偉ぶったニュアンスになってしまうが、よくいえばこれは「自分たちが面白いと思えるものはこうだ!」と言う確固たる信念、編集方針である。思いっきり主観的な考え方なのだ。誰もが主観を貫きたいと思っている。しかし頂点に立てるものは一人。どこかで結果と折り合いをつけ、バランスをとってしまうものだ。主観を貫いて業界1位。なんとも羨ましい話ではないか。
(好きなシーン。この後、主人公が「痛いとこ突きやがる」とニヤリと笑う。)
今回の編集王のエピソードでの編集長のやり方がどうかと言う感想は特にない。作品をどこで発表したいかと言うのも、ある種の作家の打算だからだ。時代が変わったというのもある。昔、作品がアニメ化された漫画家が、「ジャンプは俺の才能を見抜けなかった」とコメントしていたのを思い出す。その漫画家は今はあまり見かけない。アニメ化された作品のタイトルを聞いてもピンとくる人も少ないだろう。その結果に、ジャンプも何もコメントを持たないはずだ。忙しいだろうから。
(このエピソードで同作者のヒット作「俺節」のキャラクターがカメオ出演。昔、友達と本屋に行ってこの漫画を買った時、どんなの?と聞かれて「演歌漫画だよ。」と答えたら「お前スゲえな」と感心されたことを思い出す。」
タグ:編集王
2016-12-14 11:55
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