SSブログ

漫画史上最高のミスリードが仕掛けられた「とっても探検隊」を読め! [名作紹介]


とっても少年探検隊 1 (ジャンプスーパーコミックス)

とっても少年探検隊 1 (ジャンプスーパーコミックス)

  • 作者: あろ ひろし
  • 出版社/メーカー: 集英社クリエイティブ
  • 発売日: 1985/10
  • メディア: 新書


80年代の鳥山明の著作、「ヘタッピ漫画研究所」でも述べられていたが、一昔前は「探検物」は描き手にとって人気ジャンルだったのだそうだ。その頃はTVでも「川口浩探検隊」という番組が人気だった。しかし探検物でヒット作というと、ちょっと思い浮かばない。自分の蔵書では「秘境探検ファム&イーリー」ぐらいだろうか。

最近購入し直したのが、あろひろしの「とっても少年探検隊」。

tanken1.png

高度8000メートルにある教室。
ジャングルの様な園芸部のビニールハウス。
まるで南極大陸の様な冷蔵庫。
小学校の探検部が超マンモス学校の数々の謎に挑んでいくギャグ漫画である。
tanken2.png

連載当時、自分が初めて読んだ回は6話目だったろうか。山登り物のパロディの様な話だ。テント代わりになったり、高射砲になったり、万能キャラのヌーボォが好きだった。後年、森永のお菓子キャラクター「ぬーぼー」が出てきた時は、大丈夫かとドキドキしたものだ。
tanken3.png

今読んでもギャグも面白いし、女の子も可愛い。鳥山明の様な特別な華やかさはないが、画の達者さでいえば肩を並べるクラスだと思う。同作者の「Morumo 1/10 」でもそうだったが、作中にさりげなくマニアックな謎が仕掛けられているのがすごい。単行本のオマケページで初めて種明かししているのだが、初見で気づいた人はすごい。そして気づいた人は実際いるのだ。我こそはと思わん人は是非チャレンジしてほしい。

wikiによると桂正和のヒット作「ウイングマン」休載の穴埋めとして始まったそうで、当初の構想よりも短めで終わったことがあとがきで語られている。

tanken4.png

華道部の女の子がかわいく、ラストでは敵キャラになるはずだったのだそうだ。なんか「究極超人あ~る」っぽいが、当時はおかっぱの妹キャラがマッドサイエンティストとコンビでラスボスになるというのが流行りだったのだろうか。

今回読み返してしみじみと続き読みたかったなあと思っていたら、続きが出ていた!知らなかった。さっそくAmazonで注文してみた。

実は正直、あろひろしはあまり好きな漫画家ではなかった。
子ども時代、「〜探検隊」の作者だと思って読んでみるとガッカリすることが多かったような気がする。まだ自分のリビドーがどうなるのかハッキリ決まっていない思春期の頃は性転換ネタに対する本能的な拒否反応が強く、それが原因だったのかもしれない。「〜探検隊」の巻末読み切りの話も強烈な印象を残す作品だが、オカマキャラが苦手だった。シュウマイの上のグリンピースの様に、除けて食べたかった。

とっても少年探険隊 2 (ジャンプスーパーコミックス)

とっても少年探険隊 2 (ジャンプスーパーコミックス)

  • 作者: あろ ひろし
  • 出版社/メーカー: 創美社
  • 発売日: 1993/03
  • メディア: 新書

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。