「序章」だけじゃない!それぞれの「シン・カメンライダー」ここにあり [時事ネタ]
YouTubeに映画「ULTRAMAN」の感想を三人で語ってた動画があったので見た。一人は「なぜ早く見なかったんだと後悔した」と言う感想。二人目は「面白いけどヒットはしないでしょ」という意見。三人目は「古い」とか段々とトーンダウンしていって、ちょっと聞いていて落ち込んだ。まあそんなもんだ。
「平成ライダーを意識してる」って意見は違うと思うが、デザインが仮面ライダー・シンに引っ張られて失敗していると言うのはなるほどなと思った。ライダーは怪物だけど、ウルトラマンは神仏モチーフ。S.I.Cっぽいと言うのはその通りで、元ネタだと思う。進撃の巨人を先取りしてる感というのはなるほどと思った。
で、今回は引き続き「シン・ウルトラマン」ネタで、「シン・カメンライダー」について語ってみたいと思う。
昭和の仮面ライダーは度々原点回帰するけども、その究極とも言える作品が1992年の「真・仮面ライダー序章」であることはよく知られている。今のアメコミヒーロー映画の原点とも言える、1998年のティム・バートンの「バットマン」のフォロワー作品だと思う。
2005年に公開された「仮面ライダー THE FIRST」もシン・カメンライダー的な作品と言えるだろう。何かそれまであった気がする「生物感を出すのが仮面ライダーのあるべく姿」という呪縛から解き放たれ、特撮ヒーロー然とした姿を原点として再構成した作品だった。
2012年にはちょっと面白いことが起こったと思う。
ライダーではないが、30年ぶりの「宇宙刑事ギャバン」の新作が劇場映画として作られたのである。劇場映画といっても、「シン」的な意気込みはなく、いつもの東映の特撮番組ぐらいの温度で作られているのだ。
「序章」も「THE FIRST」も、映画「ULTRAMAN」も、バットマンやスパイダーマン的なヒットまで起こせてはいないという意味では失敗だろう。その失敗から東映が学んだのは、特撮ヒーローは「シン」にしなくてもいいのでは?本来やってきた様式美を見せればいいんじゃね?すぐに、安く出来るし〜ということではなかろうかと思う。
最近23年ぶりに公開された劇場版シティーハンターも、「カツ丼屋でカツ丼を注文したらカツ丼が出てきて満足」みたいな高評価で話題になった。ここから数年はこれを狙うのがトレンドになるのかもしれない。
そもそも日本映画は作家性を重んじるあまり、陰鬱で難解な作品が多くなり、イメージが悪い時代があった(今もそうなのかも知れない)。きっちりお客さんを満足させて帰らせる作品が確実に増えるなら、映画会社の体力も増え、陰鬱で難解でもお客さんに受け入れられる作品が出てくるかも知れないので、悪い傾向とも言えない。
さてさて、仮面ライダー好きな漫画家と言えば島本和彦。その作品の中に「仮面ライダーZO(ゼットオー」のコミカライズがある。念願のオファーに気合十分だったことだろう。作画のテンションが非常に高い。
単行本に同時収録されている短編、「仮面ライダーBLack」も渋い。タイトルこそBLackだが、島本オリジナルのキャラクター模擬戦用改造人間「ブラックダミー」が主役で、彼が脱走して追っ手と戦う話になっている。BLackは原作版と同様に生物然とした姿で変身ベルトをしておらず、こだわりを感じさせる。
冒頭の説明ではダミーはBLackとほぼ同等の能力とされているが、劇中では非力っぽく描かれている。
練習台として殺されるだけの存在とボヤいたり、仲間が次々と殺される中、恥も外聞もなく逃走する。そのことを責められ、クライマックスでは蛮勇をふるい、レンガを握りしめて相手を撲殺する「ライダーパンチ」で泥臭く戦う。
島本の「シン・カメンライダー」ここにありといった感じである。この本が1993年。
2005年に江川達也の「THE FIRST」コミカライズが発表された。江川達也も仮面ライダー好きな作家として知られ、中学生の頃に「仮面ギャーコツ」という漫画を描いていた。しかし「THE FIRST」はウルトラ低クオリティの作品になってしまい、読んだ島本和彦が「描きたくないなら描くな」と批判したことは語り草になっている。「ZO」を読んでいただけにその怒りが実感できた。【追記】島本と江川は交流があると山田玲司が語っているのを聞いた。世間で思われているニュアンスとは少し違うのかもしれない。
逆にいうと、そのウルトラ底クオリティで出版社がとりあえず許すほど、当時の江川達也は大作家だったわけである。江川達也は永井豪リスペクトも強い作家で、1998年に「シン・デビルマン」とも言うべき「ネオ・デビルマン」に参加している。単行本の表紙を見ると、名前が一番でかい。その作品は記憶に残るほどでもないが、まあ期待に応えられるぐらいのものを描いていたと思う。この時に「シン・カメンライダー」をオファーされていたら。。。と思うと色々と惜しい。
最近、まじかるタルるートくんを全巻買い直したので、江川達也論をそのうちにやりたい。
「平成ライダーを意識してる」って意見は違うと思うが、デザインが仮面ライダー・シンに引っ張られて失敗していると言うのはなるほどなと思った。ライダーは怪物だけど、ウルトラマンは神仏モチーフ。S.I.Cっぽいと言うのはその通りで、元ネタだと思う。進撃の巨人を先取りしてる感というのはなるほどと思った。
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で、今回は引き続き「シン・ウルトラマン」ネタで、「シン・カメンライダー」について語ってみたいと思う。
昭和の仮面ライダーは度々原点回帰するけども、その究極とも言える作品が1992年の「真・仮面ライダー序章」であることはよく知られている。今のアメコミヒーロー映画の原点とも言える、1998年のティム・バートンの「バットマン」のフォロワー作品だと思う。
2005年に公開された「仮面ライダー THE FIRST」もシン・カメンライダー的な作品と言えるだろう。何かそれまであった気がする「生物感を出すのが仮面ライダーのあるべく姿」という呪縛から解き放たれ、特撮ヒーロー然とした姿を原点として再構成した作品だった。
2012年にはちょっと面白いことが起こったと思う。
ライダーではないが、30年ぶりの「宇宙刑事ギャバン」の新作が劇場映画として作られたのである。劇場映画といっても、「シン」的な意気込みはなく、いつもの東映の特撮番組ぐらいの温度で作られているのだ。
「序章」も「THE FIRST」も、映画「ULTRAMAN」も、バットマンやスパイダーマン的なヒットまで起こせてはいないという意味では失敗だろう。その失敗から東映が学んだのは、特撮ヒーローは「シン」にしなくてもいいのでは?本来やってきた様式美を見せればいいんじゃね?すぐに、安く出来るし〜ということではなかろうかと思う。
最近23年ぶりに公開された劇場版シティーハンターも、「カツ丼屋でカツ丼を注文したらカツ丼が出てきて満足」みたいな高評価で話題になった。ここから数年はこれを狙うのがトレンドになるのかもしれない。
そもそも日本映画は作家性を重んじるあまり、陰鬱で難解な作品が多くなり、イメージが悪い時代があった(今もそうなのかも知れない)。きっちりお客さんを満足させて帰らせる作品が確実に増えるなら、映画会社の体力も増え、陰鬱で難解でもお客さんに受け入れられる作品が出てくるかも知れないので、悪い傾向とも言えない。
さてさて、仮面ライダー好きな漫画家と言えば島本和彦。その作品の中に「仮面ライダーZO(ゼットオー」のコミカライズがある。念願のオファーに気合十分だったことだろう。作画のテンションが非常に高い。
単行本に同時収録されている短編、「仮面ライダーBLack」も渋い。タイトルこそBLackだが、島本オリジナルのキャラクター模擬戦用改造人間「ブラックダミー」が主役で、彼が脱走して追っ手と戦う話になっている。BLackは原作版と同様に生物然とした姿で変身ベルトをしておらず、こだわりを感じさせる。
冒頭の説明ではダミーはBLackとほぼ同等の能力とされているが、劇中では非力っぽく描かれている。
練習台として殺されるだけの存在とボヤいたり、仲間が次々と殺される中、恥も外聞もなく逃走する。そのことを責められ、クライマックスでは蛮勇をふるい、レンガを握りしめて相手を撲殺する「ライダーパンチ」で泥臭く戦う。
島本の「シン・カメンライダー」ここにありといった感じである。この本が1993年。
2005年に江川達也の「THE FIRST」コミカライズが発表された。江川達也も仮面ライダー好きな作家として知られ、中学生の頃に「仮面ギャーコツ」という漫画を描いていた。しかし「THE FIRST」はウルトラ低クオリティの作品になってしまい、読んだ島本和彦が「描きたくないなら描くな」と批判したことは語り草になっている。「ZO」を読んでいただけにその怒りが実感できた。【追記】島本と江川は交流があると山田玲司が語っているのを聞いた。世間で思われているニュアンスとは少し違うのかもしれない。
逆にいうと、そのウルトラ底クオリティで出版社がとりあえず許すほど、当時の江川達也は大作家だったわけである。江川達也は永井豪リスペクトも強い作家で、1998年に「シン・デビルマン」とも言うべき「ネオ・デビルマン」に参加している。単行本の表紙を見ると、名前が一番でかい。その作品は記憶に残るほどでもないが、まあ期待に応えられるぐらいのものを描いていたと思う。この時に「シン・カメンライダー」をオファーされていたら。。。と思うと色々と惜しい。
最近、まじかるタルるートくんを全巻買い直したので、江川達也論をそのうちにやりたい。
仮面ライダーBLACK イミテーション7完成!
— すぐる (@muranusi) August 15, 2022
暗闇で目が光ってる仮面ライダーってかっこいい!と思ってたのでそうした
どうしてこの色になったかは自分でも不明
館長さんの原型が流れるような動きが多かったので、筆跡を積極的に使い動きを強調した(3枚目がわかりやすい)
カッコいい!#ジロー模型 pic.twitter.com/djnrwJR9gM
仮面ライダーZO 完全版 (IDコミックス/REXコミックス) (IDコミックス REXコミックス)
- 作者: 島本和彦
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- メディア: コミック
2019-03-08 10:16
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