SSブログ

アメリカ人が最も読んだ漫画は桜玉吉説?ベンジャミン・ボアズの「日本のことはマンガとゲームで学びました」 [名作紹介]

原作ベンジャミン・ボアズ、作画青柳ちかの「日本のことはマンガとゲームで学びました」を購入。日本のオタクカルチャーにハマった外人のエッセイ漫画。面白かった。好きな作家に吉田戦車を選ぶとは、相当な日本通である。吉田戦車のどの作品が好きなのか気になる。
ボアズ1.png

衝撃を受けたのは一番最初に読んだ漫画が桜玉吉という部分。
これには玉吉が食えてるかどうか気にかけている60半ばの母も驚いていた。

ボアズ4.png
桜玉吉は「チャーリー野沢」名義、竹熊健太郎原作で「マリオの大冒険」という漫画をアメリカゲーム雑誌のパイオニア、ニンテンドーパワーで連載していた。漫画スタイルがアメリカで受け入れられるかという挑戦的な企画だった。一緒に石ノ森章太郎も「ゼルダの伝説」を連載している。初めて読んだ漫画が桜玉吉というアメリカ人、実は多くてもおかしくない。

この漫画、日本語版も発売されたが正直あまり面白くなかったので単行本は買わなかった。アメリカ人編集者との打ち合わせで、漫画スタイルを受け入れてもらうのに悪戦苦闘した巻末の裏話が面白かったぐらい。「しあわせのかたち」5巻でも単行本が売れてないという描写がある。
ボアズ3.png
そのコマを再び読み直して気づいたのだが、
「最近はビニールに入ってるから中見れないし」というコマがある。
しあわせのかたち5巻は1994年の発行。最近の漫画不振の一因とも言われる単行本シュリンクが、1994年に一般化しだしたということがわかる。22年前だ。

ベンジャミンはいろんな作家や会社の好意で漫画の中で引用をしているが、同時にブックオフを礼賛している。
ボアズ2.png
小林よしのりは「ブックオフはわしら漫画家を食えなくしていく。ブックオフはただの文化破壊でしかない」と発言していたそうだが、同じ意見の作家や出版社は多そうだ。釣り合いが取れているのか、ちょっと不安になる描写である。しかし、「ブックオフが意外と漫画文化に貢献している説」がさらに説得力を増した。もうあまりブックオフも気にされてないと思うけどね。その代わり漫画村が出てきたけど。

 

日本のことは、マンガとゲームで学びました。

日本のことは、マンガとゲームで学びました。

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2015/02/26
  • メディア: 単行本



マリオの大冒険 (ワンダーライフゲームコミックス 1)

マリオの大冒険 (ワンダーライフゲームコミックス 1)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1993/03
  • メディア: 単行本

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。