SSブログ

編集王に俺はなる!ワンピースよりも3年早かった土田世紀の「編集王」7 [シリーズ]

編集王、第8エピソードは、いよいよ主人公が「担当」となる。
作家は第1エピソードに出てきた大物漫画家。
作家本人には仕事に対する意欲は無く、作品も現場に任せっきりでクオリティも低いのだが、過去のネームバリューのおかげで一定の収益が見込めることから出版社は彼を使い続けていた。

「誰が困るのか?」という大人の話。
それをぶち壊したくなるのが主人公。
全てをぶちまけ、また昔のような名作を作ろうと作家に持ちかける。

自らどん底にいることを認めた作家は各漫画雑誌の編集長に土下座して謝罪。
売れない時代にひたむきに下積みをしていた作家の過去を思い出した編集長たちは謝罪を受け入れる。
しかし再出発の祝杯で作家が悪酔いして暴行、逮捕。世間に大ニュースとして広まってしまい作品は全て打ち切りに。作家は重度のアルコール中毒だったのだ。

編集王、屈指の名エピソードの一つである。
作家のマンボ好塚は、ベテランで「塚」なので、手塚治虫がモデルなのかと思っていたので、業界ではこういう評価なのか?と長年疑問だったのだが、ウィキによると武闘派の中の武闘派として知られる梶原一騎など、複数の漫画家を合成して作られているキャラクターだそうだ。ちなみに編集王の作者もアル中で死亡していることから、実体験も盛り込まれているのかもしれない。
編集王8c.png
保釈されて出てきた好塚が、スタッフによって荒らされた職場をみてショック受けるコマは、江川達也の職場として紹介する書き込みなどもあるが、言い得て妙である。
編集王8d.png
「どのスイッチを押せば読者がついてくるか俺は知り尽くしているんだぞ」というセリフは、本人が言いそうだという意味で江川達也的である。江川達也論はまた別にやりたいが、典型的な大作家の転落エピソードなのかもしれない。

編集王8a.png
(好きなコマ1:「そんな事言って楽しそうじゃないですか。」「まあな。少なくとも今は酒よりな」

編集王8b.png
(好きなコマ2:「泣き言を言う権利はあなたにないでしょう。アルコールに依存するやり方を選んだのはあんたなんだから。あんたと同じぐらいデリケートで、それでもアルコールに依存しないで生きている人間だってゴマンと居るんだから。」

編集王8e.png
(好きなコマ3:気がはや過ぎるが、玉吉の四十九日にはお参りしたい)


[まとめ買い] 編集王(ビッグコミックス)

[まとめ買い] 編集王(ビッグコミックス)

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: Kindle版

タグ:編集王
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。