30年前も売れていたダンジョン飯漫画、栗橋伸祐「ダンジョン・マスター」 [ゲーム]
ゲームになったわけでもないのに、
アニメ化きっかけでファミ通で「ダンジョン飯」特集が組まれたことがあった。
まあ、ダンジョン飯効果でウィザードリィなどの古典タイトルも再び注目されるようになったし、
そういったゲームの世界観を参考にしたような漫画も増えた。柔軟な対応と言える。
その時に読んだ、ダンジョン飯の作者のインタビューによると、
父親の影響でああいったゲームに馴染みがあったらしい。
そうか、そりゃそうなっちゃうわな。ゲホゲホ。
モンスターを食べることで注目されたゲームといえば「ダンジョン・マスター」だ。
その漫画版を見つけたので、せっかくだから購入してみた。
作画は栗橋伸祐。
どこかで見た絵柄だが、全く知らない漫画家だ。
検索しても情報が出てこない。
ダンマスの奥付を見ると、なんと一年で五刷りの爆売れである。
出版された1993年は、
神崎正臣の「ストリートファイター2RYU」も出版されており、これは40万部も売れたという。
ゲームコミカライズの華やかなりし時代だったということもあったのだろう。
内容は可もなく不可もなく。
絵は結構好みなのだが、冒険活劇は適正じゃないのではというのが正直な感想だ。
モンスターを食べる描写も、作品の中ではそれほど比重を置いた描写がなされていない。
だがしかし、自分はこの漫画を読んでいて、
作品内容とは全く関係のない強烈な違和感を感じていた。
この漫画家、絶対知らないけど、読んだことあるぞ?
違和感の正体は、後書き漫画まで読み進めたところで判明した。
スペシャルサンクスを乃美康治に送っていたのだ。
乃美康治(のみやすはる)、メガドライブファン、いや電撃メガドライブ読者には、
ロムPちゃんの作者として記憶されてる方も多いと思う。
乃美氏は秋田書店の漫画誌で、「押忍!ガンバ」「大浮遊船時代」などを描いていた漫画家である。
私はロムPちゃんの影響で「大浮遊船時代」を読み出し、ハマっていた。
そこから、乃美氏が同人誌を出しているという情報を入手し、姉に頼んで数冊買ってきてもらったことがあったのだ。
そこに寄稿していたのが、
「ダンジョン・マスター」コミカライズの栗橋氏だったというわけである。
印象深かったのが「とりあたまくん4」に掲載されていた「辺塞」という作品。
辺塞(へんさい)とは辺境の要塞ということである。こんな言葉があるのね。
ちなみに作家名は「大連」となっている。おおむらじ、と読むらしい。
軍人と浮浪児の少しセンチメンタルになる交流を描いた11ページの短編で、実に丁寧に描かれている。
1992年作と記載されているので、ダンジョン・マスターとあまり変わらない時期に描かれたのだろう。
別の同人誌には、学童誌に掲載されたと思われる学習漫画の再掲載があった。
ひょっとしたらこの「辺塞」も流用という可能性もある。
同人誌もピンキリだろうけども、このクオリティは素晴らしい。
商業誌に発表されてなかった可能性もあると思うと勿体無い気がする。
あれから時が経ち、乃美氏も栗橋氏も近況はわからない。
さみしさを感じる。
栗橋伸祐さんはラノベ原作の
「おっちゃん冒険者の千夜一夜」
という漫画を書いているのを最近見ました。
by sig (2024-07-14 01:02)
ありがとうございます。
サンプル読んでみましたが良作っぽいですね。
by hondanamotiaruki (2024-07-15 08:52)