巨匠が描く!燃えよ鬼のツンデレ副長!横山光輝「少年忍者 風よ」 [歴史漫画]
元祖ボーイズラブという説もある手塚治虫の新選組が、地上波で映像化されてる。
アニメだと思っていたら実写ドラマだったのね。
「三国志」「徳川家康」など、歴史漫画といえば横山光輝。
横山光輝が新選組を描いたらどんな感じだろうというのを度々妄想していたのだが、
実際に存在することがわかった。1978年に少年マガジンで描いた「少年忍者 風よ」だ。
「決して復刻してはならぬ。」と、
横山光輝が生前 言い含めていた四大作品のうちのひとつなのだそうだ。
封印作品か。わからねーはずだ。
それが横山の死から2年後に全2巻で出版されている。
巨匠にゃ悪いがすごいありがたい。
みんなも今のうちに買っておこう!
原作は葉山伸。
「少年忍者 風よ」のあらすじは、
戦国時代に衰退した忍者軍団「鈴鹿衆」が再起をかけ、討幕に動き出すというもの。
鈴鹿衆のエースストライカーになるべく育てられた11歳の少年、風太が主人公。
不意打ちで面白かったのだが、
ヒロインのボクっ子美少女忍者の名前が「知恵(ちえ)」で、いい名前だなーと思っていたら、
その名付け親の鈴鹿衆指導者の名前が「牙波羅(げばら)」だった!
こんなの腹筋崩壊ですわ。
肝心の新選組こと試衛館メンバーは、
牙波羅を師と仰ぎ剣術修行にはげむ田舎の若者として登場する。
その中で、もっとも比重高く描かれるのは土方歳三。
定番の鬼の副長イメージだが、風太に対しては鬼のツンデレ副長になっているのが面白い。
しかし新選組的な描写は、池田屋まで。
その後は鈴鹿衆と、敵対する忍者軍団との最終決戦となり、新選組の出番もないまま終わる。
原作者とうまくいかず、人気もあまりなかったのか途中で無理やり終わらせた感がある。
チグハグな部分も目立つ。だから封印作品なのか。
原作者が当初考えていた結末はどうだったのか。
宿命のライバルとして土方歳三を設定したということは、
おそらく五稜郭までは描くつもりだったはず。
だが、彼の所属する幕軍は滅びゆくジリ貧組織である。
そんなのと主人公を五稜郭まで戦わせたって面白くもなんともない。
戦わせるなら幕府より明治政府側の方だろう。
ちょうど漫画の実際のラストは、
組織の都合で牙波羅にいい様に使われていたことを知った風太が、
納得できずに鈴鹿衆の前から姿を消すところで終わっている。
漫画が続いていたら、風太は鈴鹿衆を敵に回し、
土方と協力して五稜郭まで薩長土と戦ったのではないか?
それで風太は最後、五稜郭で戦死するのかな?と考えたが、
土方がデレて、風太だけ五稜郭から逃した方がしっくりくる気がする。
美少女ボクっ子忍者の知恵ちゃんも風太抹殺のための指揮をとらされるが、非情になりきれないだろう。
そのことを見抜いた牙波羅は「男として育ててきたが、しょせん女か」と、風太ともども知恵を抹殺しようとするにちがいない。
そこに颯爽とあらわれた土方が
鈴鹿衆ら政府軍を蹴散らし、二人を逃したところで討ち死にする。
(画像は、ながやす巧「壬生義士伝」)
戊辰戦争が終わり、祝杯を上げる牙波羅。
かつては復権のために清貧に耐え忍んできた彼も、
悲願を達成して気が緩んだか、権力の欲に取り憑かれ堕落していた。
ある日、謎の男女二人によって牙波羅は暗殺される。そこで物語は終わる。
…とまあ、そんな構想を原作者は考えていたのでは無いかと思った。
そういえば、
実際に土方って五稜郭陥落の前に、若い部下を二人逃してるんだよね。
そのうちの一人は市村鉄之助という。
沖田総司が病死せず、市村に成りすまして土方に従軍する漫画「賊軍土方歳三」という作品もある。
たぶんそういう史実から逆算して、
「少年忍者 風よ」は作劇されたのでないかと思うのだ。
うまくいかなかった作品かもしれないが、
横山光輝が新選組を描いたというとこだけとっても貴重な存在である。
目的のために非情になりすぎる組織の必要悪という裏テーマもある。
おそらく薩長土の影の部分も描くつもりだったのだろう。
みなさまはどう思われるか。
つげ義春が描いた幕末もの、「幕末風雲伝」も最近読んだのだけど、
単純に明治政府=善、幕府=悪の勧善懲悪で描いてなくて良かった。
巻末対談によると、つげはあまり幕末の知識もないまま描いたと述べている。
マジだったら結構すげーと思う。
こちらも「少年忍者 風よ」同様に、当初の結末を迎えられなかったらしい。
主人公が新聞記者となって明治政府と戦う続編を構想していたが、執筆はされなかったようだ。
残念ムネン、アトヲタノム!Σ(°Д°;
アニメだと思っていたら実写ドラマだったのね。
「三国志」「徳川家康」など、歴史漫画といえば横山光輝。
横山光輝が新選組を描いたらどんな感じだろうというのを度々妄想していたのだが、
実際に存在することがわかった。1978年に少年マガジンで描いた「少年忍者 風よ」だ。
「決して復刻してはならぬ。」と、
横山光輝が生前 言い含めていた四大作品のうちのひとつなのだそうだ。
封印作品か。わからねーはずだ。
それが横山の死から2年後に全2巻で出版されている。
巨匠にゃ悪いがすごいありがたい。
みんなも今のうちに買っておこう!
原作は葉山伸。
「少年忍者 風よ」のあらすじは、
戦国時代に衰退した忍者軍団「鈴鹿衆」が再起をかけ、討幕に動き出すというもの。
鈴鹿衆のエースストライカーになるべく育てられた11歳の少年、風太が主人公。
不意打ちで面白かったのだが、
ヒロインのボクっ子美少女忍者の名前が「知恵(ちえ)」で、いい名前だなーと思っていたら、
その名付け親の鈴鹿衆指導者の名前が「牙波羅(げばら)」だった!
こんなの腹筋崩壊ですわ。
肝心の新選組こと試衛館メンバーは、
牙波羅を師と仰ぎ剣術修行にはげむ田舎の若者として登場する。
その中で、もっとも比重高く描かれるのは土方歳三。
定番の鬼の副長イメージだが、風太に対しては鬼のツンデレ副長になっているのが面白い。
しかし新選組的な描写は、池田屋まで。
その後は鈴鹿衆と、敵対する忍者軍団との最終決戦となり、新選組の出番もないまま終わる。
原作者とうまくいかず、人気もあまりなかったのか途中で無理やり終わらせた感がある。
チグハグな部分も目立つ。だから封印作品なのか。
原作者が当初考えていた結末はどうだったのか。
宿命のライバルとして土方歳三を設定したということは、
おそらく五稜郭までは描くつもりだったはず。
だが、彼の所属する幕軍は滅びゆくジリ貧組織である。
そんなのと主人公を五稜郭まで戦わせたって面白くもなんともない。
戦わせるなら幕府より明治政府側の方だろう。
ちょうど漫画の実際のラストは、
組織の都合で牙波羅にいい様に使われていたことを知った風太が、
納得できずに鈴鹿衆の前から姿を消すところで終わっている。
漫画が続いていたら、風太は鈴鹿衆を敵に回し、
土方と協力して五稜郭まで薩長土と戦ったのではないか?
それで風太は最後、五稜郭で戦死するのかな?と考えたが、
土方がデレて、風太だけ五稜郭から逃した方がしっくりくる気がする。
美少女ボクっ子忍者の知恵ちゃんも風太抹殺のための指揮をとらされるが、非情になりきれないだろう。
そのことを見抜いた牙波羅は「男として育ててきたが、しょせん女か」と、風太ともども知恵を抹殺しようとするにちがいない。
そこに颯爽とあらわれた土方が
鈴鹿衆ら政府軍を蹴散らし、二人を逃したところで討ち死にする。
(画像は、ながやす巧「壬生義士伝」)
戊辰戦争が終わり、祝杯を上げる牙波羅。
かつては復権のために清貧に耐え忍んできた彼も、
悲願を達成して気が緩んだか、権力の欲に取り憑かれ堕落していた。
ある日、謎の男女二人によって牙波羅は暗殺される。そこで物語は終わる。
…とまあ、そんな構想を原作者は考えていたのでは無いかと思った。
そういえば、
実際に土方って五稜郭陥落の前に、若い部下を二人逃してるんだよね。
そのうちの一人は市村鉄之助という。
沖田総司が病死せず、市村に成りすまして土方に従軍する漫画「賊軍土方歳三」という作品もある。
たぶんそういう史実から逆算して、
「少年忍者 風よ」は作劇されたのでないかと思うのだ。
うまくいかなかった作品かもしれないが、
横山光輝が新選組を描いたというとこだけとっても貴重な存在である。
目的のために非情になりすぎる組織の必要悪という裏テーマもある。
おそらく薩長土の影の部分も描くつもりだったのだろう。
みなさまはどう思われるか。
つげ義春が描いた幕末もの、「幕末風雲伝」も最近読んだのだけど、
単純に明治政府=善、幕府=悪の勧善懲悪で描いてなくて良かった。
巻末対談によると、つげはあまり幕末の知識もないまま描いたと述べている。
マジだったら結構すげーと思う。
こちらも「少年忍者 風よ」同様に、当初の結末を迎えられなかったらしい。
主人公が新聞記者となって明治政府と戦う続編を構想していたが、執筆はされなかったようだ。
残念ムネン、アトヲタノム!Σ(°Д°;
つげ義春「幕末風雲伝」読む。
— ムゲンホンダナ(本棚持ち歩き隊) (@hondanamotiaru) April 27, 2024
龍馬漫画好きの俺も唸る、
1958年に描かれたとは思えない斬新な作品だった。
近藤勇をしのぐ無名の浪人たち。
けっきょく誰に殺されたかわからない龍馬。
おそらく黒幕は薩長土という展開。
巻末対談で作者曰く、
ほとんど幕末の知識がなかったという。信じられない! pic.twitter.com/Rk42C53e7K
2024-05-19 01:10
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