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けなすために「聖闘士星矢 The Beginning」を観に行く [実写映画化希望!]

約束された爆死映画。
けなすために「聖闘士星矢 The Beginning」を観てきましたよ!
でも意外に面白かったのでした!いやあ、この監督、才能あるわ。

毎度混乱するチケットの事前購入ですが、今回は事前にコンビニで買えた。1500円。
印刷されたコードを入力し、当日にネットで座席予約。そこからさらに映画館で発券。
日曜昼で劇場ロビーは大にぎわい。世間はGW初日なのか?併設の駐車場は満車で止められず。
みんなスーパーマリオを観に来たのかな?
星矢のシアターはお客さん5人!こりゃあ間違いなく死んでそう。

なぜ俺はこの映画をけなしたかったのか。
クロスのデザインがダメ。これに尽きる。
青銅だから青?ペガサスだから模様いっぱいつけてみましたな感じ。
なによりフルフェイスのヘルメットってのは。。。

せいんとせいや6.jpg

eiga.comのトメック・バギンスキー監督インタビューによると、

バギンスキー監督:聖衣は完成までに最も長いプロセスを要しました。最初はいろいろなデザインを作りました。もちろん、原作漫画やアニメを強く踏襲したデザインもです。また、特にハリウッドの著名デザイナーにも多く案を出してもらいました。

デザイン集出してくれ!

しかし、プロジェクトの最初期にそうしたデザイン案を車田正美先生にお見せしたときに、「こうじゃないんだよね」と言われたんです。原作の再現が大事なわけではない、と。車田先生は「自分は聖衣を最初に描いたとき、古代ギリシャの鎧をベースに作っていた」とも言っていて、ハッと気づかされたんです。

今までのデザインを全部捨てて、実際にギリシャやヨーロッパの鎧をつくる鍛冶屋に協力をあおぎ、「やはり『聖闘士星矢』のシルエットは残したい。そのうえでどうすれば」などと相談しながら、本物の西洋の鎧と同じ製法で創出していきました。

なんとあのデザインは車田正美お墨付きだった!
…だからどうしたという感じ。
そこは「先生、それは違います!」って食い下がるべきところだろう。

さらに予告では、原作の辰巳徳丸にあたるマイロックというキャラクターが暗黒聖闘士っぽい敵をやっつけていたので気づいた。辰巳をこんな強キャラにしてるということは、紫龍、氷河、瞬は出てこないという推測ができる(実際出てこなかった)。誰が観に行くんだそんな映画!

そんな映画を観に行く俺。
で、観てみたら、意外と面白かった。ギャフンという話。
いやこの監督、いい仕事してますわ。

魔鈴さんのもとで修行する星矢がコスモに目覚め、一輝を倒すまでというのが大まかな構成。
「岩を割ってみせて」からの「原始でできている」理論などもきっちり再現してくれている。
真剣佑は非常に格好良く、まさに星矢。最後の最後で披露するが筋肉もバッキバキだ。
あの体は相当苦労して作ったに違いない。

せいんとせいや1.png

少し気になるのは、特訓しても星矢の服がまるで痛まないし、髪も綺麗にセットされたままだということ。アニメ版における、クロスを装着すると服が変わるというのを映画でも再現しているので、その辺はあまり気にしない方針らしい。

アンディ・チャンがコーディネートするアクションも良い。殺しに行く殺陣だ。即興で映画の常識を覆そうなんてラフさはなく、おそらく綿密にバギンスキー監督と打ち合わせて画面を作っている。
庵野監督はコレですらリテイク出すのかもしれんが。

クロスはペンダントに内蔵されているおり、「Ω」やCGアニメ版と同じ方式。
違うのは、ペンダントからクロスボックスが出てくるところだ。

装着シークエンスは思ったよりかなりかっこいい。何故これをもっと予告で流さないのか。
ペガサスクロスの最初のデザインは最初期の原作版のデザイン、というよりカシオスと戦った時の防具に似ている。「クロスは進化変形する」というのを暗示していて非常に良いと思う。

せいんとせいや2.png

せいんとせいや5.jpeg

そして最終決戦で問題のペガサスクロスのお披露目となるわけですが、
やっぱり格好悪い。カッコ悪すぎる。台無しである。

せいんとせいや6.jpg

ペガサスクロスはいわば主人公である。
主人公を変えて、誰が観に来たいと思うのか。
せめてヘルメットで無ければと思う。こういうのは俳優の顔を見せるためにラストバトルでは脱ぐのがお約束だが、聖闘士星矢は脱がない。ラストバトルがほぼCGなので、頭髪をCG化するのが面倒なのだろうか。
 
しかもこのカッコ悪いヘルメットがポスターのメインビジュアルなのである。
それでお客さんなんか来るわきゃない。

その辺を隠して予告編作り直せば客入りも多少上向きになると思うのだが、、、

敵を最新の科学力を持った巨大企業にして、カーチェイスにガンアクションと一般層を取り込もうと盛りだくさんだ。その中で特に成功しているのはクリスチャンベールのように見栄を切る辰巳マイロックのガンカタなのだが、それは聖闘士星矢本来の持ち味では全くないのが問題だ。

全方位に向けて楽しめる映画にしようという監督の心尽しは伝わってくるが、それは同時に尖ったところのないありふれた作品に近づける作業になり、作品が持つ爆発力を抑えてしまった結果になってしまっていると思う。

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一般人客を呼び込みたいので色々脚色したら、一般人も原作ファンも見に来ませんでした。
こんなこともう何回繰り返すのか。

公開前から勝負あった感じになっている。
なぜかファムケ・ヤンセンが生き残ったが、続編は無いだろう。残念でならない。

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あと気になったのが、覚醒して暴走するアテナを止めるクライマックス。 まっ裸になった真剣佑が助けるのだが、特にロジックがあるわけでもなく「最後に愛が勝つ」な感じなのはどうかと思う。

一輝が射手座のペンダントをちらつかせて次回を匂わせて終わるのだが、そんなことをするよりも射手座のクロスを装着させて止めさせるべきではなかったのか。覚醒したアテナの服装が変わってしまうのは許せるのだが、暴走が止まると元の服に戻ってしまうのは非常に安っぽい。
 
安っぽいついでに「高度な科学力で不思議なパワーを解析して超人兵士を量産する」みたいなアレンジもかなり作品に安っぽさを醸し出させていると思う。実写ストリートファイターな空気が充満していて、観客を遠ざけている。
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