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釣りだけじゃない!鷹匠漫画も描きまくった矢口高雄はどういう作家だ? [名作紹介]

Kindle Unlimitedに豊富にあるのもあって、
矢口高雄の動物漫画ブームが私のとこに来ています。

ちょっと気になるのが、
矢口高雄はセルフリメイクが好きな作家なのか?という疑問。
例えば鷹匠(たかじょう)漫画ばかり何度も書いているのだが、
同じジャンルというのではなく、その中の展開、エピソードまで似通っているのだ。
この漫画、前も読んだぞ?という感覚に何度も遭遇する。

マタギ列伝
はばたけ!太郎丸
最後の鷹匠
鷹の翁(ニッポン博物誌)
爪王(野生伝説)」。
爪王(野生伝説)のみ原作が戸川幸夫

たかじょう3.png

矢口高雄歴の浅い自分でもこれだけ見つけることができた。
年代を調べてみたら、けっこう1970年台に集中してるね。
キャリアが長いのだから、もっと分散してるのかと思ってた。

5作中、4作品が野生の鷹を捕まえ、調教する話。
さらに4作品中、3作品が籠手をつけずに生肌を晒して鷹を腕に留まらせるという、
一か八かの大勝負に出るという展開。

たかじょう4.png

さらに2作品が、鷹匠が鷹に片目をくり抜かれて隻眼になる。

たかじょう6.png
(画像左1975年「マタギ列伝」、画像右1979年「鷹の翁」)

自分が今のとこ最後に読んだ矢口高雄の鷹匠漫画、
「はばたけ!太郎丸」は若年層向けに描かれたのか、少年鷹匠が主人公。(掲載誌はしんぶん赤旗)
この少年も目玉くり抜かれてしまうのか?と読んでいてハラハラしてしまった。

鷹調教のクライマックスが呼渡り(おきわたり)というイベントで、
要するに慣らした鷹がリードを外しても戻ってくるかどうかを試す。
鷹が戻って来なければ捕まえることは出来ないしで、今までの苦労が水の泡!
「マタギ列伝」は盛大に失敗するので面白い。手に汗握った。

調教中の鷹は人間の与える餌を必ず拒んで衰弱するのだが、
少年向けの「はばたけ!太郎丸」は、調教で衰弱する鷹を可愛そうに感じて逃してしまう。
それでも鷹が戻ってくるという、変則的鷹匠スタイル。そんなメルヘン鷹匠漫画は5作中2作品。
メルヘン鷹匠漫画は熊と戦う。他、3作品はキツネがラスボスだ。

キツネに苦戦する鷹を見かねて、大きな足音を立てて助けに行き、
雪崩に巻き込まれて死ぬバッドエンドなのが「最後の鷹匠」と「鷹の翁」。
地震に巻き込まれて死ぬのが「マタギ列伝」。

たかじょう1.png

まだ俺は矢口高雄坂を登り始めたばかりだからよ、
これからもまた新たな鷹匠漫画を見つけるかもしれない。

このブログを読んでいる君も矢口高雄坂を登ってみないか。
鷹匠漫画から入るなら、漫画的な面白さで言えばマタギ列伝。
鷹匠の描写の細かさで言えば「野生伝説」中のエピソード、爪王がオススメだ。

 
そしてオマケ。
自分が最初に読んだ鷹匠漫画、
1995年「爪王(野生伝説)」に登場する軟弱な弟子入り志望者(画像右)が、
1975年の「はばたけ!太郎丸」にも出てきてた(画像左)のがなんか面白かった。
たかじょう5.png
 


マタギ列伝(上)-新装版 (中公文庫)

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  • 作者: 矢口 高雄
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2019/04/23
  • メディア: 文庫



はばたけ! 太郎丸(1)

はばたけ! 太郎丸(1)

  • 作者: 矢口高雄
  • 出版社/メーカー: オフィス漫
  • 発売日: 2018/12/07
  • メディア: Kindle版



ヤマケイ文庫 ニッポン博物誌

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  • 作者: 矢口 高雄
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: Kindle版



ヤマケイ文庫 野性伝説 爪王/北へ帰る

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  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 2018/06/02
  • メディア: Kindle版



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