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だがために戦う?パーフェクトマタギ漫画、矢口高雄「マタギ列伝」 [名作紹介]

「ニッポン博物誌」に続いて、Kindle Unlimitedで矢口高雄の「マタギ」を読む。

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マタギといえば毛深いオッサン猟師というイメージだが、
この「マタギ」は、サイボーグ009みたいな猟師漫画だった!
主人公は長髪のイケメン。マフラーを風になびかせ、
超人的能力を持った仲間たちと連携してクマを狩るのだ!

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途中まで読んだところで、これもまた紙の本でも買わねばなるまいと思った。
調べてみると「マタギ」以外に「マタギ列伝」という作品があることを知る。
マタギ列伝は未完に終わった作品で、マタギはそのリメイク的作品であるという。

…というわけで、マタギとマタギ列伝上下巻の3冊を取り寄せる。

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ニッポン博物誌も分厚かったが、この3冊もめちゃくちゃ分厚い。

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(3冊合計で2342ページ!)

電子書籍のマタギが読み途中だったが、紙の本のマタギ列伝を先に読み始める。
当然、絵が古い。惜しいなと思いながら読んでいるのだが、そのうち気にならなくなる。

マタギ列伝の主人公は、修行によって様々なマタギ・アビリティをゲットしていき、
パーフェクトサイボーグっぽいマタギになっていくのが痛快だ。
リメイク的続編であるマタギは、続きを描くためにその辺が省略されており、
絵はキレイなんだけど読み返すと物足りない。

そんなマタギ列伝も、
修行中に唐突に起こった天変地異によって、
主人公の生死不明という打ち切り的最終回を迎えてしまう。

あとがきで事情を説明しているのだが、
掲載誌だった秋田書店とのトラブルによるものらしい。
そのトラブルの肝心要の部分がなんだったのかはボカされてる。
矢口高雄が墓まで持っていってしまった!

おのれ秋田書店め!
しかし双葉社に移籍して始めた「マタギ」も、
ほとんど新しいエピソードを描けぬまま、中途半端に終わっているのだった。

結局、こういう完結しない運命にあるガウディ的作品だったのかもしれない。

 
それにしてもこんな漫画があったとは知らなかった。
10年以上前か、それなりインターネットも普及していた時代に、
鷹匠について調べてたことがあったのだけれども、この漫画に行き当たることはなかった。
良作と巡り合うのは難しい。

今回、名作マタギを知れたのはKindle Unlimitedのおかげだ。
デジタル立ち読み文化バンザイ。

 

ヤマケイ文庫 マタギ

ヤマケイ文庫 マタギ

  • 作者: 矢口 高雄
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 2017/10/16
  • メディア: Kindle版



マタギ列伝(上)-新装版 (中公文庫)

マタギ列伝(上)-新装版 (中公文庫)

  • 作者: 矢口 高雄
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2019/04/23
  • メディア: 文庫



マタギ列伝(下)-新装版 (中公文庫)

マタギ列伝(下)-新装版 (中公文庫)

  • 作者: 矢口 高雄
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2019/04/23
  • メディア: 文庫



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コメント 1

智

マタギ列伝!私もこれキッカケで矢口高雄にハマりましたよ。特に序盤のカッコよさは尋常じゃないなと。三四郎ハードボイルド過ぎる。
中盤あたりから迷走してきて、鷹匠になっちゃってからは、これってどうなの?と思って読み進めると打ち切りエンド、、、。そして「マタギ」の方ではセルフリメイクエピソードなのに魅力が減衰していて悲しくなりました。
あと、これ読んだ後はやたらとマタギ用語を使いたくなりますね!シカリとかレッチュウとか。
by 智 (2023-06-09 00:55) 

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