ジョジョにとって偉大な轍か?少年ジャンプ連載、小室孝太郎「ワースト」 [名作紹介]
クイズ、なんの漫画でしょう?
太陽を嫌う不死の生物を相手に第一部、二部、三部と主人公が代替わりして戦う。
一部の主人公は死に、二部の主人公は老人になって三部でも活躍。
三部の主人公は反抗的で、話の冒頭で牢屋に入れられる。
以上の条件を満たす少年ジャンプで1979年に連載開始した漫画は何?
答えは小室孝太郎の「ワースト」でした!
前回読んだ「全身漫画家」の中で、
あの毒舌な江川達也が5ページも使って解説していた
小室孝太郎の「ワースト」を買って読みました。
YouTubeで漫画解説していた時にもらったリクエストで存在を知って、
それ以来なんとなく興味があったんですよ。
この漫画、なんと新装版やら復刻版やらで5種類の単行本が出ている。
それぐらい熱狂的なファンがいる作品ということだ。
ジャンプコミックス版
サンコミックス版
朝日ソノラマ版
若葉社版
復刊ドットコム版
自分が買ったのは現在一番最後に出た判である復刊ドットコム版。
もともと全4巻だったものを2巻にまとめて定価が一冊3500円!
中古で買いましたけど、それでも2冊セットで4000円ぐらいしました。
復刊ドットコム版は連載時のものを忠実に再現することをテーマにしている。
その上で過去に加筆されたページも縮小してコメント付きで紹介。
ジャンプ巻末の著者コメントも全て収録。
表紙からわかる通り小室孝太郎は手塚治虫のアシスタント出身。
読んでみると、石ノ森章太郎の影響も強いなと思いました。
全世界に降り注いだ謎の雨を浴びた地球人の多くが、謎の生物「ワーストマン」に変化。
ワーストマンは不死身。人間を襲ったり、繭を作って分裂したりでどんどん数が増えていく。
なんとなく雨にうたれなかった主人公は生き残った仲間達とワーストマンを倒す方法を模索するという話。
最初、リチャード・マシスンの「地球最後の男」か?と思った。
ウィルスミス主演映画の「アイアムレジェンド」の原作だ。
「地球最後の男」は藤子F不二雄の「流血鬼」の元ネタでもある。
が、江川達也によると「ワースト」は
「トリフィド時代」という1951年の英国製SF小説がベースになっているという。
トリフィド時代で検索してみたがそのお話は、
謎の流星雨の光によって多くの人が盲目になってしまい、
遺伝子操作で生まれた肉食植物トリフィドを管理しきれなくなった結果、
トリフィドが人を襲い暴れ回るといったものなんだそうだ。
ちょっと回りくどいプロットじゃないか?
なんとなく
「トリフィド時代」+「地球最後の男」=「ワースト」の方がしっくりくる気がするのだが、
調べてみたらこの二作品の映画版をセット販売するメーカーもあるようで、
けっこういいとこ突いてるような気がする。
映画といえばジョージAロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」も
トリフィド時代(原題:ザ・デイ・オブ・ザ・トリフィド)のフォロワー的映画だという。
ちなみに「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」は「ワースト」より2年早い。
で、
肝心の漫画「ワースト」の感想なんだけれども、正直言うとお値段以上の満足はなかった。
作画も拙いし、サバイバル物としても描写にリアリティがない。
ときどき作者が劇中に登場して茶化す展開もしらける。
そもそも、今やゾンビ映画や漫画、ゲームが腐るほどある時代である。
ワーストはのちのいろんな漫画家に影響を与えたのだろうが、
そうやってもう消費され尽くされて骨も残っていない漫画だと自分は思う。
が、これを少年時代に読んでいたら、そりゃあ一撃食らわされるよなあとも思う。
江川達也も意外と純朴なとこ残してるんだなと思えて微笑ましい。
やっぱり誰しも少年時代に読んだものが一番なのだ。
ちなみに1986年にコロコロコミックに掲載されたホラー漫画、
「滅びの魔光伝説」は、謎の光を浴びた人々が凶暴化するストーリーで、
めちゃめちゃ怖かったのだが最初の光のとこだけトリフィド時代っぽさがあるなと思う。
ジョジョの荒木飛呂彦もこの漫画を読んだのだろうか。
荒木飛呂彦が「武装ポーカー」でデビューしたのは
「ワースト」連載開始の翌年なので読んでないはずはない。
荒木飛呂彦が好きそうな作風だと思うのだが、その著作で言及しているのを見た事がない。
ワーストの連載開始時期はもはや一読者というより商売敵と認識する年齢だったのかもしれない。
が、リスクが伴うジョジョの主人公代替わりというアイディア。
それをプレゼンする際に、「ワースト」は絶好の成功例として挙げられたことは間違いない。
太陽を嫌う不死の生物を相手に第一部、二部、三部と主人公が代替わりして戦う。
一部の主人公は死に、二部の主人公は老人になって三部でも活躍。
三部の主人公は反抗的で、話の冒頭で牢屋に入れられる。
以上の条件を満たす少年ジャンプで1979年に連載開始した漫画は何?
答えは小室孝太郎の「ワースト」でした!
前回読んだ「全身漫画家」の中で、
あの毒舌な江川達也が5ページも使って解説していた
小室孝太郎の「ワースト」を買って読みました。
YouTubeで漫画解説していた時にもらったリクエストで存在を知って、
それ以来なんとなく興味があったんですよ。
この漫画、なんと新装版やら復刻版やらで5種類の単行本が出ている。
それぐらい熱狂的なファンがいる作品ということだ。
ジャンプコミックス版
サンコミックス版
朝日ソノラマ版
若葉社版
復刊ドットコム版
自分が買ったのは現在一番最後に出た判である復刊ドットコム版。
もともと全4巻だったものを2巻にまとめて定価が一冊3500円!
中古で買いましたけど、それでも2冊セットで4000円ぐらいしました。
復刊ドットコム版は連載時のものを忠実に再現することをテーマにしている。
その上で過去に加筆されたページも縮小してコメント付きで紹介。
ジャンプ巻末の著者コメントも全て収録。
表紙からわかる通り小室孝太郎は手塚治虫のアシスタント出身。
読んでみると、石ノ森章太郎の影響も強いなと思いました。
全世界に降り注いだ謎の雨を浴びた地球人の多くが、謎の生物「ワーストマン」に変化。
ワーストマンは不死身。人間を襲ったり、繭を作って分裂したりでどんどん数が増えていく。
なんとなく雨にうたれなかった主人公は生き残った仲間達とワーストマンを倒す方法を模索するという話。
最初、リチャード・マシスンの「地球最後の男」か?と思った。
ウィルスミス主演映画の「アイアムレジェンド」の原作だ。
「地球最後の男」は藤子F不二雄の「流血鬼」の元ネタでもある。
が、江川達也によると「ワースト」は
「トリフィド時代」という1951年の英国製SF小説がベースになっているという。
トリフィド時代で検索してみたがそのお話は、
謎の流星雨の光によって多くの人が盲目になってしまい、
遺伝子操作で生まれた肉食植物トリフィドを管理しきれなくなった結果、
トリフィドが人を襲い暴れ回るといったものなんだそうだ。
ちょっと回りくどいプロットじゃないか?
なんとなく
「トリフィド時代」+「地球最後の男」=「ワースト」の方がしっくりくる気がするのだが、
調べてみたらこの二作品の映画版をセット販売するメーカーもあるようで、
けっこういいとこ突いてるような気がする。
映画といえばジョージAロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」も
トリフィド時代(原題:ザ・デイ・オブ・ザ・トリフィド)のフォロワー的映画だという。
ちなみに「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」は「ワースト」より2年早い。
で、
肝心の漫画「ワースト」の感想なんだけれども、正直言うとお値段以上の満足はなかった。
作画も拙いし、サバイバル物としても描写にリアリティがない。
ときどき作者が劇中に登場して茶化す展開もしらける。
そもそも、今やゾンビ映画や漫画、ゲームが腐るほどある時代である。
ワーストはのちのいろんな漫画家に影響を与えたのだろうが、
そうやってもう消費され尽くされて骨も残っていない漫画だと自分は思う。
が、これを少年時代に読んでいたら、そりゃあ一撃食らわされるよなあとも思う。
江川達也も意外と純朴なとこ残してるんだなと思えて微笑ましい。
やっぱり誰しも少年時代に読んだものが一番なのだ。
ちなみに1986年にコロコロコミックに掲載されたホラー漫画、
「滅びの魔光伝説」は、謎の光を浴びた人々が凶暴化するストーリーで、
めちゃめちゃ怖かったのだが最初の光のとこだけトリフィド時代っぽさがあるなと思う。
ジョジョの荒木飛呂彦もこの漫画を読んだのだろうか。
荒木飛呂彦が「武装ポーカー」でデビューしたのは
「ワースト」連載開始の翌年なので読んでないはずはない。
荒木飛呂彦が好きそうな作風だと思うのだが、その著作で言及しているのを見た事がない。
ワーストの連載開始時期はもはや一読者というより商売敵と認識する年齢だったのかもしれない。
が、リスクが伴うジョジョの主人公代替わりというアイディア。
それをプレゼンする際に、「ワースト」は絶好の成功例として挙げられたことは間違いない。
人類SOS! トリフィドの日 完全版(日本語吹替収録版) [DVD]
- 出版社/メーカー: 有限会社フォワード
- 発売日: 2019/09/27
- メディア: DVD
コメント 0