空前の車中泊漫画ブーム?「今夜は車内でおやすみなさい」「#離婚して車中泊になりました 」 [注目作品]
子供の頃、車中泊に憧れた。
日本全国、気ままに車であっちこっちを旅し、車で寝泊まりする。
今そんな車中泊漫画が流行りなのか?
近年発売された車中漫画ふたつをご紹介。
まず最初の車中泊漫画は、
小田原ドラゴンの「今夜は車内でおやすみなさい」。
工場でバイトする売れない独身中年漫画家が、雑誌の企画で実費で車中泊に挑戦する内容だ。
おそらく作者の体験をもとにしたフィクションということなのだが、
漫画の主人公のみじめさ加減が非常にリアルで身につまされてる。
あとキャンプブームもあって興味本位でやってみたけど、作者の性に合わないのか意外とすることがない(それでなんで4巻も続くんじゃ?)という結末も、自分が体験するはずだった未来という感じがして読んでて虚無感に囚われる。
むかしヤンマガで小田原ドラゴンのキャバクラ通い漫画を楽しく読んでいた時の期待で手に取った漫画だが、この車中泊漫画は読んでいてどんどん暗い気持ちになってしまうので2巻から先を買っていない。
これを書いてる現在4巻まで出ているのだが、出るとすぐ入手困難に。紙の本は元値もそこそこ高いのだが、全て3倍以上のプレミアがついている。なぜか増刷もかけられてないようである。
もうひとつの漫画は井上いちろうの
「#離婚して車中泊になりました」だ。
1994年に、ちばてつや賞優秀新人賞を受賞した人気漫画家だったが年収が激減したなどがキッカケで離婚(同棲18年、結婚3年なんだと)。結婚時に購入したマイホームを売って車中泊生活に。それを漫画にしてTwitterに投稿したところ話題になって単行本化に、という流れ。最近2巻が発売された。
ちばてつやも認めただけあって、地味だがリアリティのある日常の風景の描写がしみじみ面白い。真似したくなるが、やっぱり年中車で移動するというのは結構な負荷が車にかかるようである。
もうひとつシビアなのがニオイの問題だ。
2巻で知人を車に乗せると「犬小屋のにおいがする」と言われていて読んでいてドン引きした。
いや、そうなんじゃないかと思ったよ。
一時期格闘技ジムに通っていたけども、汗のにおいってのは相当なもの。
頑張って雑巾掛けしても、一番にジムに入ると強烈なにおいがこもっている。
風通せばなんとかなるんだけど。
自分の部屋だって、ベッドのシーツや布団に寝汗が染み込むし、ソファにも。
車中泊してなくても車のシートだって少しづつ汗のにおいが染み込んでいく。
だから普段なるべくエアコンを我慢しないようにしている。
車中泊していてくさくならないはずがないのだ。
漫画では楽しげな様子は伝わってくるけどにおいは伝わってこない。
やっぱりそうだったかと、ちとショックだった。
ちなみに漫画の作者は夏場は車のエンジン切って作業するそうである。
なかなか独り暮らしで気付きにくいだろうけども、相当なものではなかろうか。
さて、子供の頃に見た車中泊漫画の決定版といえばこれだろう。
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の52巻、「我が夢フェラーリの巻」 だ。
フェラーリ信望者のサラリーマンが一大決心してマイホームを売ってフェラーリを購入。
ツーシーターの車に家族四人が住むという、まさに秋本治の本領発揮ともいうべきギャグ漫画だ。
「ラジエーターのお湯で顔を洗う」というコマなどは、ラジエーター=熱湯が、という私の持っている数少ないメカニック知識のひとつで、ごくたまによく知ってますねと感心されることがある。
子供の頃は普通にそんなこともあるのか楽しそうぐらいに読んでいたが、
大人になったいま読み返すと「ありえなさ感」が倍増して余計に面白い。
この話が収録されたこち亀の52巻は、
リカちゃん人形のマニアックおもちゃネタから始まって、
使い捨て自転車などのアイディア発明回、
ドリフのコントみたいな城を冒険する黄金の鯱鉾伝説、
両さんが日本刀造りに没頭する工作回など、こち亀を象徴するような名作回が揃っている。
こち亀の黄金期がどこかについては議論があるが、
自分はやはり50巻近辺ではないかと思う。
日本全国、気ままに車であっちこっちを旅し、車で寝泊まりする。
今そんな車中泊漫画が流行りなのか?
近年発売された車中漫画ふたつをご紹介。
まず最初の車中泊漫画は、
小田原ドラゴンの「今夜は車内でおやすみなさい」。
工場でバイトする売れない独身中年漫画家が、雑誌の企画で実費で車中泊に挑戦する内容だ。
おそらく作者の体験をもとにしたフィクションということなのだが、
漫画の主人公のみじめさ加減が非常にリアルで身につまされてる。
あとキャンプブームもあって興味本位でやってみたけど、作者の性に合わないのか意外とすることがない(それでなんで4巻も続くんじゃ?)という結末も、自分が体験するはずだった未来という感じがして読んでて虚無感に囚われる。
むかしヤンマガで小田原ドラゴンのキャバクラ通い漫画を楽しく読んでいた時の期待で手に取った漫画だが、この車中泊漫画は読んでいてどんどん暗い気持ちになってしまうので2巻から先を買っていない。
これを書いてる現在4巻まで出ているのだが、出るとすぐ入手困難に。紙の本は元値もそこそこ高いのだが、全て3倍以上のプレミアがついている。なぜか増刷もかけられてないようである。
もうひとつの漫画は井上いちろうの
「#離婚して車中泊になりました」だ。
1994年に、ちばてつや賞優秀新人賞を受賞した人気漫画家だったが年収が激減したなどがキッカケで離婚(同棲18年、結婚3年なんだと)。結婚時に購入したマイホームを売って車中泊生活に。それを漫画にしてTwitterに投稿したところ話題になって単行本化に、という流れ。最近2巻が発売された。
ちばてつやも認めただけあって、地味だがリアリティのある日常の風景の描写がしみじみ面白い。真似したくなるが、やっぱり年中車で移動するというのは結構な負荷が車にかかるようである。
もうひとつシビアなのがニオイの問題だ。
2巻で知人を車に乗せると「犬小屋のにおいがする」と言われていて読んでいてドン引きした。
いや、そうなんじゃないかと思ったよ。
一時期格闘技ジムに通っていたけども、汗のにおいってのは相当なもの。
頑張って雑巾掛けしても、一番にジムに入ると強烈なにおいがこもっている。
風通せばなんとかなるんだけど。
自分の部屋だって、ベッドのシーツや布団に寝汗が染み込むし、ソファにも。
車中泊してなくても車のシートだって少しづつ汗のにおいが染み込んでいく。
だから普段なるべくエアコンを我慢しないようにしている。
車中泊していてくさくならないはずがないのだ。
漫画では楽しげな様子は伝わってくるけどにおいは伝わってこない。
やっぱりそうだったかと、ちとショックだった。
ちなみに漫画の作者は夏場は車のエンジン切って作業するそうである。
なかなか独り暮らしで気付きにくいだろうけども、相当なものではなかろうか。
さて、子供の頃に見た車中泊漫画の決定版といえばこれだろう。
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の52巻、「我が夢フェラーリの巻」 だ。
フェラーリ信望者のサラリーマンが一大決心してマイホームを売ってフェラーリを購入。
ツーシーターの車に家族四人が住むという、まさに秋本治の本領発揮ともいうべきギャグ漫画だ。
「ラジエーターのお湯で顔を洗う」というコマなどは、ラジエーター=熱湯が、という私の持っている数少ないメカニック知識のひとつで、ごくたまによく知ってますねと感心されることがある。
子供の頃は普通にそんなこともあるのか楽しそうぐらいに読んでいたが、
大人になったいま読み返すと「ありえなさ感」が倍増して余計に面白い。
この話が収録されたこち亀の52巻は、
リカちゃん人形のマニアックおもちゃネタから始まって、
使い捨て自転車などのアイディア発明回、
ドリフのコントみたいな城を冒険する黄金の鯱鉾伝説、
両さんが日本刀造りに没頭する工作回など、こち亀を象徴するような名作回が揃っている。
こち亀の黄金期がどこかについては議論があるが、
自分はやはり50巻近辺ではないかと思う。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 52 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 秋本治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/12/04
- メディア: Kindle版
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