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40もの作家を仕切ったトニーの辣腕!「大合作」 [名作紹介]

前回の「ガンスミスキャッツ」を読むきっかけはなんだったのか。
漫画雑誌「アフタヌーン」の10周年企画、「大合作」だったかもしれない。
大合作c.png

「大合作」はアフタヌーン誌の1997年あたりの連載陣を総動員させた合作漫画である。
14周年には「大合作2」が行われ、その2本を収録した単行本化も出ている。

つうかあの時まだアフタヌーン10周年って、そんなに新しい雑誌だったのかよ!と、今になって驚いた。それが今や36周年ぐらいになるのだから、自分も歳をとるわけだ。ウィキを見た感じでは、第3回は無いみたい。このイベントを仕切る漫画家の負担が重すぎることは想像に難くないので納得だ。

第一回を仕切ったのがトニーたけざき
第二回が園田健一
両方でスーパーバイザーとしてあさりよしとおがクレジットされている。

執筆陣によっては怒り出しそうな無茶な発注をしているが、
みんなノリノリで引き受けているように読めるので、
そこは仕切った作家の天才性というものを感じさせるのだった。

また、無茶でも各漫画の持ち味を最大限に引き出しているようにも感じられる。
なかなか自分が連載している雑誌でも掲載作品の全てを読んでる作家は少ない気がするのだが、その点、読み込んでいる感じがあって感心する。ちなみに連載作品は40本ぐらいあったそう。

超ベテラン、松森正作画の「Ω オメガ」もこんなことになってしまう。
大合作1.png
ちなみにオメガのデザインは雨宮慶太で脚本が井上敏樹
雨宮慶太は大合作2で題字を書いている。1の題字は鄭問ですよ!


シリアスな拷問漫画、「勇午」の別府勇午もありえないセリフを吐く。
大合作4.png
(この辺がガンスミスキャッツネタでもあり、読むきっかけになったのかもしれない)

そして何と言っても当時一番の目玉だと思っていたのが、「寄生獣」ミギーの再登場!
大合作6.png
アフタヌーン最初のウルトラメガヒットと言ってもいい寄生獣は大合作当時、連載は終了しており、久しぶりの登場に心が躍った。しかもこの大合作ではついにミギーに感情が芽生えたりするのである。

 
漫画だけでなく執筆陣のコメントまで掲載。
これが特に面白いのだ。
みな楽しんで参加しているのが伝わってくる。

 
コラボイラストのページもある。
小川雅史沙村広明が描いた「菫画報」のイラストがクオリティ高い。
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「大合作2」は桜玉吉のページが多いのが嬉しい。
 

そういえば小林まことの「青春少年マガジン」で、少年マガジンでも24周年記念に合作企画があり、自身が総監督を務めたことが語られていた。
大合作b.png
こちらの合作漫画、「スリーウッドクリエーション号殺人事件」は小林氏が言うには「誰の単行本にも載せるわけにはいかない したがって見たい場合は当時の少年マガジンを探すしかないというしろものだ。」なんだそうで、同じ講談社が出版した「大合作」は奇跡の単行本化と言えるのかもしれない。中古なら割とお求めやすい値段なので、欲しい人は今のうちに買いましょう。



大合作 (KCデラックス)

大合作 (KCデラックス)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/02/20
  • メディア: コミック



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