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警察学校における壮絶ないじめ漫画。「警察官をクビになった話」のハルオサンは天才だ。 [名作紹介]

ちょっと前の話。
ふと本屋に行ったら、
ハルオサンの「警察官をクビになった話」という本が平積みしてあった。

警察官をクビになった話

警察官をクビになった話

  • 作者: ハルオサン
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2020/03/17
  • メディア: 単行本


あ、これって以前、ネットで話題になったやつじゃね?という直感が働き購入。
やっぱりそうだった。

ちょっと病んだ感じの、一見絵ごころの無さそうな絵で、
それでも容赦なく心にえぐりこんでくる描写に打ちのめされ、天才だと思った。
ハルオサン1.png

警察学校でのイジメ体験談漫画なのだが、
病んだ感じの描写から、病んだ感じの作者像を連想させる。

フルメタルジャケットのデブのように、
いじめの標的になりやすい人なのかという興味を持って読み進めた。
結局のところ実像は分からないけども、本に描かれた描写からは、そこそこ普通の人っぽい描き方をしている。
 

警察学校の指導教官からの陰湿なパワハラで、
徐々に仲間もマインドコントロールされ、いじめに加担していく。
どっかの海外の刑務所映画みたいなサイコパスの流れだ。
読んでいて、何度も憤った。
ハルオサン3.png
この指導教官を死刑にしろ!
警察は何をやってるんだ!
コメント出せ!どうせ隠蔽か!
…なんてことを考えてしまう。

また絵がすごい。
一見、稚拙な絵なのだが、ニュアンスを120%余すことなく伝えてくる。
そう意味で達者すぎる絵だ。

ただ題材が題材なだけに暗い。凹む。
何度も繰り返して読みたい&浸っていたい世界観ではない。
表現者として新鮮だけども、特に目新しいテーマということもない。
読む人は確実に選ぶ。

 
読了後、この著者のハルオサンという人物について「少しだけ」調べてみた。
なんとこの漫画以前にもブラック会社に勤めた話をブログに書き、
あっという間に大反響を巻き起こし、あっという間に書籍化されているという。

天国に一番近い会社に勤めていた話

天国に一番近い会社に勤めていた話

  • 作者: ハルオサン
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/12/01
  • メディア: 単行本


彼について書かれた記事を読むと、
他にも不幸な体験をいっぱいしてるという。
不幸を引き寄せる体質?
…それとも作話師?

もともとプロなのでは無いかと疑う人もいるらしいが、プロだからどうなのという話だ。表現力は圧倒的に本物だ。技量がどうであろうと、反響は狙って起こせるものではない。それを狙って起こせる者、あるいは反響が常に自然とついて回る者がプロなのだ。そういう圧倒的な本物感を感じてしまった。カリスマ性がある。

でも繰り返しになるけども、
繰り返し読みたくない作品ではある。

警官を目指すという人は一読しても良いのではなかろうか。
警察関係者もこれを読んで、事実であろうがなかろうが、こういった実態があるかもしれないという目で国民から見られてるという危機感を持っていただければいいなあと思う。

 

警察官をクビになった話

警察官をクビになった話

  • 作者: ハルオサン
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2020/03/17
  • メディア: 単行本





特大写真、「フル・メタル・ジャケット」鬼教官、右手に大砲

特大写真、「フル・メタル・ジャケット」鬼教官、右手に大砲

  • 出版社/メーカー: Movie Images
  • メディア: おもちゃ&ホビー



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