倒産危機?殺人で訴えられた猛獣・本田宗一郎。恐喝で逮捕された消費者団体も猛獣だった? [心に残る1コマ]
本田宗一郎を殺人罪で告訴した消費者団体の代表者二人。
その二人が恐喝で逮捕された話の続き。
なあんだ、ゆすりたかりの類だったのねと安堵し、
そのことについて詳しく描かれた本を読み始めたら、
出だしが、正義感強い一般人が巨大企業に潰されるニュアンスで始まっていてびっくりした。

この一連の騒動は、
本田宗一郎を殺人罪で訴えた団体の名前から、
「ユーザーユニオン事件」として記録されている。
結末をざっくりいえば、本田宗一郎は無罪。
欠陥車として指摘された車、「N360」も問題なし。

だがユーザーユニオン、てめーはダメだ。
そういう感じ。
ユーザーユニオンは安倍治夫と松田文雄が作った消費者団体。
当時、アメリカで問題化した欠陥車という概念が日本でも浸透。
その問題を報道し続ける朝日新聞が、事故を起こしたN360ユーザーから相談を受けたのが発足のキッカケになった。
恐喝で逮捕された二人はどんな人物だったのか。
安倍治夫はもと検察官の弁護士。
ずいぶん頭の良かった人のようである。
松田文雄は元車メーカーの人。
団体のテクニカルな面を担当していたようだ。
欠陥車という言葉はこの人の造語だそうである。
二人ともずいぶんエネルギッシュな人だったようだ。
本を読んで、組織では煙たがられるタイプという印象を受けた。
敵も多かった。
当時のホンダ社長、河島喜好(かわしまきよし)は松田にこう言った。


「あなたの気性の激しさはうちの宗一郎と同じだ。あなたがもしホンダに入っていたら宗一郎と毎日喧嘩ですよ。」
二人はある意味、本田宗一郎のような猛獣タイプの人間だったのかもしれない。
それがのちの恐喝で逮捕の伏線になっていることは間違いない。
ちなみにホンダはこの事件で宗一郎を一切露出させようとしなかった。露出させれば、頭に血が上った宗一郎が何を言い出すかわからない。社内に軟禁された宗一郎は、社内で誰彼かまわず捕まえて、欠陥車騒動に対する悪態をついてウサをはらしていた。
正直、この松田と安倍に同情的になれるかというと、ちょっと疑問だ。
本では冒頭から、安倍が人権派であることを強調するために、団地妻を狙った強姦殺人死刑囚の減刑を求めたエピソードを紹介している。。。うーん、共感できねえ。。。あと、二人して裁判中にイスラム教徒に改宗した事が同じ本に書かれていて、うん、もうワケわかんねえっすって感じ。当時はそんなのが流行ってたんですカネー。
でも安倍と松田は身銭を切って活動していたそうだ。
特に安倍の持ち出しは多かったらしい。
本にはその額が二千万円近いと書かれている。
ホンダも二人が揺すりたかりだったら、そっちの方がありがたかっただろう。
ホンダ幹部は二人に八千万円を渡して様子をうかがった。
そしてそれがあくまでも「見舞金」であることを強調した。
二人が着服したら、そこでホンダの勝利である。
なにしろ相手は当時のホンダの四半期分の利益に匹敵する20億円を要求しているのだから。
八千万円で済んだら安いものだ。
しかし二人は若干の経費を引いて、残りを全額クライアントに渡したという。
やべえ、こいつらガチだ。ホンダ幹部は青ざめた。
しかも敵は二人だけではなかったのである。
ホンダは自ら多くの敵を作り、それによって今、追い詰められようとしていたのだった。
続く。
その二人が恐喝で逮捕された話の続き。
なあんだ、ゆすりたかりの類だったのねと安堵し、
そのことについて詳しく描かれた本を読み始めたら、
出だしが、正義感強い一般人が巨大企業に潰されるニュアンスで始まっていてびっくりした。

欠陥車と企業犯罪―ユーザーユニオン事件の背景 (現代教養文庫―ベスト・ノンフィクション)
- 作者: 正孝, 伊藤
- 出版社/メーカー: 社会思想社
- 発売日: 2020/04/07
- メディア: 文庫
この一連の騒動は、
本田宗一郎を殺人罪で訴えた団体の名前から、
「ユーザーユニオン事件」として記録されている。
結末をざっくりいえば、本田宗一郎は無罪。
欠陥車として指摘された車、「N360」も問題なし。

ハセガワ 1/24 ヒストリックカーシリーズ ホンダ N360 NI プラモデル 20285
- 出版社/メーカー: ハセガワ
- 発売日: 2016/11/06
- メディア: おもちゃ&ホビー
だがユーザーユニオン、てめーはダメだ。
そういう感じ。
ユーザーユニオンは安倍治夫と松田文雄が作った消費者団体。
当時、アメリカで問題化した欠陥車という概念が日本でも浸透。
その問題を報道し続ける朝日新聞が、事故を起こしたN360ユーザーから相談を受けたのが発足のキッカケになった。
恐喝で逮捕された二人はどんな人物だったのか。
安倍治夫はもと検察官の弁護士。
ずいぶん頭の良かった人のようである。
松田文雄は元車メーカーの人。
団体のテクニカルな面を担当していたようだ。
欠陥車という言葉はこの人の造語だそうである。
二人ともずいぶんエネルギッシュな人だったようだ。
本を読んで、組織では煙たがられるタイプという印象を受けた。
敵も多かった。
当時のホンダ社長、河島喜好(かわしまきよし)は松田にこう言った。

「あなたの気性の激しさはうちの宗一郎と同じだ。あなたがもしホンダに入っていたら宗一郎と毎日喧嘩ですよ。」
二人はある意味、本田宗一郎のような猛獣タイプの人間だったのかもしれない。
それがのちの恐喝で逮捕の伏線になっていることは間違いない。
ちなみにホンダはこの事件で宗一郎を一切露出させようとしなかった。露出させれば、頭に血が上った宗一郎が何を言い出すかわからない。社内に軟禁された宗一郎は、社内で誰彼かまわず捕まえて、欠陥車騒動に対する悪態をついてウサをはらしていた。
正直、この松田と安倍に同情的になれるかというと、ちょっと疑問だ。
本では冒頭から、安倍が人権派であることを強調するために、団地妻を狙った強姦殺人死刑囚の減刑を求めたエピソードを紹介している。。。うーん、共感できねえ。。。あと、二人して裁判中にイスラム教徒に改宗した事が同じ本に書かれていて、うん、もうワケわかんねえっすって感じ。当時はそんなのが流行ってたんですカネー。
でも安倍と松田は身銭を切って活動していたそうだ。
特に安倍の持ち出しは多かったらしい。
本にはその額が二千万円近いと書かれている。
ホンダも二人が揺すりたかりだったら、そっちの方がありがたかっただろう。
ホンダ幹部は二人に八千万円を渡して様子をうかがった。
そしてそれがあくまでも「見舞金」であることを強調した。
二人が着服したら、そこでホンダの勝利である。
なにしろ相手は当時のホンダの四半期分の利益に匹敵する20億円を要求しているのだから。
八千万円で済んだら安いものだ。
しかし二人は若干の経費を引いて、残りを全額クライアントに渡したという。
やべえ、こいつらガチだ。ホンダ幹部は青ざめた。
しかも敵は二人だけではなかったのである。
ホンダは自ら多くの敵を作り、それによって今、追い詰められようとしていたのだった。
続く。
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