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藤沢武夫流、会社経営の極意!口当たりの良い物語を作れ!佐藤正明「ホンダ神話―教祖のなき後で」 [名作紹介]

佐藤正明の「ホンダ神話―教祖のなき後で」読み終わった。
長かった。。。
600Pってまあまあ長いと思うけども、副読本として読んだので尚更長く感じてしまった。

ラスト100Pが長かったなあ、、、(しみじみ)
エピローグとあとがきと解説合わせてそれぐらいあるんだもんなあ。
ちなみに解説は北方謙三

さて、書きたかった部分はひとまず置いておいて、
読んでいて最後の最後、エピローグでぶっとんだのはホンダの諸葛亮孔明こと藤沢武夫の言葉。

早いうちに本田宗一郎と身を引く決意を固めた時の二人の会話がこう。

「まあまあだな」
「そう、まあまあさ」
「ここらでいいということにするか」
「そうしましょう」
すると本田はいいました。
「幸せだったな」
「ほんとうに幸福でした。心からお礼をいいます」
「おれも礼をいうよ。良い人生だったな」
それで引退の話は終わった。

 藤沢さんが社内報や自著の中で書いていることもあり、ホンダ論や宗一郎の本の中で必ず出てくる定番ともいうべきエピソードだ。
 本田の歴史を知らない人が読めば、感動的なくだりである。さわやか引退に花を添えるエピソードとして、今日まで語り継がれているが、現役時代の二人の関係は、敬愛より敵愾心の方が強く、社内報に書いてあるようなノンビリしたものではなかった。
 ホンダ神話のシナリオを書き続けてきた藤沢さんが、生前このエピソードについて解説してくれたことがある。

「あれは良かっただろう。(あたしが創作した中で)最高の傑作だ。ああしておけば、西落合(宗一郎)も(あたしも)傷がつかない。逆にホンダのイメージが高まる」

 大半のホンダの子供たちは、引退の舞台裏を知っている、だからこそ「創業者に関した本は、一切読まない」と口を揃える。しかし時間が経つにつれ、こうした”くさい”エピソードもいつしか独り歩きしてしまう。

 
藤沢さーん!!

ちなみにこのエピソードは「本田宗一郎物語(1988年)」にはしっかり採用されているが、「本田宗一郎本伝(1992年)」「学習まんが人物館本田宗一郎(1996年)」には出てこない。
ホンダ神話.png

藤沢さんといえば、宗一郎を開発に専念させ本田の経営を一手に担った人であったと同時に、作家の五木寛之、谷崎潤一郎とも交流がある芸術を愛した人だったという。そういうところで培ったスキルが、ホンダのイメージアップ戦略にもつながってくるのだ。そして神話を作る一方で、神話を壊そうとしもしていた。だからこんなぶっちゃけをする。
 

次回から、書きたいことをボチボチ書いていきたい。
結構ややこしい話になるので構成を考えるのが大変だ。

ちなみにこの「ホンダ神話」という本、オックスフォード大学出版から英訳本も出ているという。そこのやりとりが後書きにも書かれているが面白い。長くなので今回はこの辺で。
 

つづく。

 

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