「毎日パンツかえてるかーい」を流行語にしようとして打ち切りになった、桂正和「プレゼントフロムLEMON」 [名作紹介]
苦節15年の晴れ姿、
それでは歌っていただきましょう!
…という演歌歌手のダイナミックな倒れ方。
心臓に疾患があったんだけど、倒れ方の方が死因になりそうだ。
ジャンプ打ち切り漫画列伝、
今回は桂正和の「プレゼント・フロム LEMON(れもん)」を紹介。
連載開始は1987年の33号。同年51号で終了している。
レモンは桂正和の連載3作目。
前2作はどちらも東映特撮ヒーローへのインスパイアを感じさせる漫画だった。ウイングマンはアニメ化されるなどヒットするも13巻で完結。ヴァンダーは2巻で打ち切り。
もうヒーロー路線は鉱脈がないという方々の判断があったと思われる。
第3作目はアイドルものになった!
志半ばに亡くなった不遇の天才演歌歌手の父を持つ沢口麗紋が芸能界に殴り込みをかけるというストーリー。しかし読者の反応は厳しいものであった。単行本2巻で終了。
当時、すでに自分はジャンプを買わなくなっていたが、桂正和が今度はどんな変身ヒーローものを描くのだろうとワクワクしていた。すでに読んだ友達に、どんな漫画なのと聞くと、「レモンの形のクロスを装着して戦うんだよ」とニヤニヤして返されたのを覚えている。読んでみても今度の漫画は変身ヒーローじゃないと理解するのに、何週かかかってしまった。
演歌から話が始まるというのは最大の失敗だったと思う。
正直、これで9割5分の読者が引いただろう。
この年まで、若者にも演歌を聞かせたいという企画を山ほど見てきたが、もう断言する。
若者の間で演歌がもてはやされることは絶対ない。
プレゼントフロムレモンは演歌の復興を狙った漫画ではないかもしれないが、
中途半端に演歌を題材に取り入れたことで、連載開始前から終わっていたと思ってしまう。
実力があるのに、敵プロデューサーの妨害で芸能活動がうまくいかないという展開も良くないと思う。いわゆる少女漫画でありがちな、いじめられ抜いても幸せになるというプロットである。少年漫画においても、怪我などのアクシデントや敵の妨害工作で人気を得ようとする同様のプロットが当時氾濫しており、読者はもっと純粋な戦いを切望していた。
これで終わったのがキン肉マン。
知性の神と言いつつ、セコイ妨害手段しか用いないスーパーフェニックスに読者は飽きた。
キン肉マン終了の、わずか11週後に始まったのがプレゼントフロムレモンであった。
で、最近購入して、ちゃんと読み返してみたのだけれど、意外と悪くない。
打ち切りが妥当だと思うけれど、ある程度ちゃんとまとまっている。
特に主人公がスカートめくりが特技だというのが桂正和作品の中では画期的だったと思う。
桂正和の漫画で苦手なのは主人公が女嫌いのカマトト野郎が多いところ。
あれだけエロい絵を描きまくれるのに何故だ?
「Hな人だと思われたくない!」中学生のような自意識が邪魔をしているとしか思えない。
なぜもっと「うる星やつら」の諸星あたるのように、
「ダッシュ勝平」の坂本勝平のように、性欲に素直になれないのか?といつも不満に思っていた。
ウイングマンの後半の敵はスケベキャラが多く、特にスノープラスの話は絶品だった。
何故ああいう主人公を描けなかったのか?
打ち切り漫画なのにプレゼントフロムレモンの巻末は豪華。
1巻で渡辺満里奈、2巻で酒井法子と対談している。
連載開始前の宣伝企画かなと思ったが、酒井法子が単行本を読んでいる写真が掲載されている。
さすがジャンプだ。打ち切りになった漫画の単行本でもそれだけお金をかけるとは、よっぽど売り上げが見込めてるんだなと思った。
奥付をみると1巻の初版が1988年の3月15日で、購入したのが1991年8月15日の3版。
2巻が1998年7月15日初版、1992年3月15日の4版だった。
…1年ごとに増刷してるのかな。
打ち切り漫画が4年も増刷されてるって、すごい世界だ!
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それでは歌っていただきましょう!
…という演歌歌手のダイナミックな倒れ方。
心臓に疾患があったんだけど、倒れ方の方が死因になりそうだ。
ジャンプ打ち切り漫画列伝、
今回は桂正和の「プレゼント・フロム LEMON(れもん)」を紹介。
連載開始は1987年の33号。同年51号で終了している。
レモンは桂正和の連載3作目。
前2作はどちらも東映特撮ヒーローへのインスパイアを感じさせる漫画だった。ウイングマンはアニメ化されるなどヒットするも13巻で完結。ヴァンダーは2巻で打ち切り。
もうヒーロー路線は鉱脈がないという方々の判断があったと思われる。
第3作目はアイドルものになった!
志半ばに亡くなった不遇の天才演歌歌手の父を持つ沢口麗紋が芸能界に殴り込みをかけるというストーリー。しかし読者の反応は厳しいものであった。単行本2巻で終了。
当時、すでに自分はジャンプを買わなくなっていたが、桂正和が今度はどんな変身ヒーローものを描くのだろうとワクワクしていた。すでに読んだ友達に、どんな漫画なのと聞くと、「レモンの形のクロスを装着して戦うんだよ」とニヤニヤして返されたのを覚えている。読んでみても今度の漫画は変身ヒーローじゃないと理解するのに、何週かかかってしまった。
演歌から話が始まるというのは最大の失敗だったと思う。
正直、これで9割5分の読者が引いただろう。
この年まで、若者にも演歌を聞かせたいという企画を山ほど見てきたが、もう断言する。
若者の間で演歌がもてはやされることは絶対ない。
プレゼントフロムレモンは演歌の復興を狙った漫画ではないかもしれないが、
中途半端に演歌を題材に取り入れたことで、連載開始前から終わっていたと思ってしまう。
実力があるのに、敵プロデューサーの妨害で芸能活動がうまくいかないという展開も良くないと思う。いわゆる少女漫画でありがちな、いじめられ抜いても幸せになるというプロットである。少年漫画においても、怪我などのアクシデントや敵の妨害工作で人気を得ようとする同様のプロットが当時氾濫しており、読者はもっと純粋な戦いを切望していた。
これで終わったのがキン肉マン。
知性の神と言いつつ、セコイ妨害手段しか用いないスーパーフェニックスに読者は飽きた。
キン肉マン終了の、わずか11週後に始まったのがプレゼントフロムレモンであった。
で、最近購入して、ちゃんと読み返してみたのだけれど、意外と悪くない。
打ち切りが妥当だと思うけれど、ある程度ちゃんとまとまっている。
特に主人公がスカートめくりが特技だというのが桂正和作品の中では画期的だったと思う。
桂正和の漫画で苦手なのは主人公が女嫌いのカマトト野郎が多いところ。
あれだけエロい絵を描きまくれるのに何故だ?
「Hな人だと思われたくない!」中学生のような自意識が邪魔をしているとしか思えない。
なぜもっと「うる星やつら」の諸星あたるのように、
「ダッシュ勝平」の坂本勝平のように、性欲に素直になれないのか?といつも不満に思っていた。
ウイングマンの後半の敵はスケベキャラが多く、特にスノープラスの話は絶品だった。
何故ああいう主人公を描けなかったのか?
打ち切り漫画なのにプレゼントフロムレモンの巻末は豪華。
1巻で渡辺満里奈、2巻で酒井法子と対談している。
連載開始前の宣伝企画かなと思ったが、酒井法子が単行本を読んでいる写真が掲載されている。
さすがジャンプだ。打ち切りになった漫画の単行本でもそれだけお金をかけるとは、よっぽど売り上げが見込めてるんだなと思った。
奥付をみると1巻の初版が1988年の3月15日で、購入したのが1991年8月15日の3版。
2巻が1998年7月15日初版、1992年3月15日の4版だった。
…1年ごとに増刷してるのかな。
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プレゼント・フロム LEMON SIDE-A (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 桂正和
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/04/01
- メディア: Kindle版
プレゼント・フロム LEMON SIDE-B (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 桂正和
- 出版社/メーカー: 集英社
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