タイガーマスクの正体はどう管理されていたのか？３通りの楽しみ方ができる「プロレススーパースター列伝」 [心に残る１コマ]
前回からの続き。
かつて社会現象を起こした謎の覆面レスラー、タイガーマスク。
その正体は佐山サトル？と早々に突っ込まれるが、当然一生懸命否定。
タイガーマスクの生みの親であり仕掛け人の一人である梶原一騎は、
少年サンデー連載中の漫画「プロレススーパースター列伝」の中で、
・タイガーの正体はイギリスで活躍したミスターカンフーですよ、
・メキシコでも戦ってましたよ、
・キックボクシングでマーク・コステロにボコボコされて負けて泣いた佐山サトルなんかじゃ無いですよなどと弁明。
ところが当時学研から発売された「アイドルコミックス実録まんがタイガーマスク」では
・タイガーはイギリス時代はサミー・リーというカンフースタイルで戦ってましたよ、
・メキシコでも戦ってましたよ、
・キックボクシングでマーク・コステロにボコボコされて負けて泣いたことがありますよ、と台無しな描写。
おまけに本名は言えないけど、生年月日は正直に公開。
ちなみに佐山サトル説には否定も肯定もしていない。
（画像の記者はクマクマンボこと熊久保英幸だろうか。若い）
はたして新日本プロレスはタイガーマスクの正体を隠す気があったのかなかったのかに迫るシリーズ最終回。
そもそも列伝にある、タイガーの正体を探る記者たちはいたのかという話。
毎日現場で顔を合わせていた選手がある日覆面をかぶって現れて、誰だか分からないということはないだろう。そもそも探る必要がないし、プロレスマスコミは団体と共犯関係にある。積極的に内部情報をリークするようだったら、普段の生活が成り立たなくなる。
なにしろ社会現象であるから外部のマスコミも興味を持つとしても、知人のツテを使って記者友達に聞けば終わる話である。わざわざタイガーマスクの前に現れて、「ちゃーんと調べたンスよ。白状しちゃいなさいよ」なんて言うこともないだろう。
（ちなみにこの記者、後で出てきてイベントでタイガーに挑戦するアマレスの学生のそっくりである）
正体が佐山サトルだということは隠しようがない。
プロレスに関わる人たちや、熱心なプロレスファンはみんな知っていたはずだ。
もちろんそんなことは列伝には描けない。
タイガーの正体を真剣に知りたがっていたのは、タイガーブームからプロレスに入ってきた純情な少年少女だけだったのだと思う。で、仮に正体は佐山サトルですと発表したところで「すげえ！…で、誰？」で終わってしまう話だ。他に何もプロレスのことを知らないのだから。自分がタイガーの正体を知ったとき、まさにそんな感じだった。
・子供の頃、タイガーの正体はいったい誰なんだとワクワクしながら読んだ列伝。
・ほどほど大人になった頃に読み返した列伝は、
必死になってタイガーの正体を隠している（苦笑）って印象。
・実はそれほど正体を隠そうとしてないと分かってから読む列伝は、
バラすわけにはいけないけど、佐山がタイガーになるまでの苦労をなんとかして伝えずにはいられなかったという風に読める。あの「そう単純かどうか」には、そう言う意味も込められていたのではないか。
一冊で３通りの読み方が出来て奥深い。
そもそも、列伝は一人のプロレスラーに集中してスポットを当ててエピソードを語る構成の漫画。タイガーマスク編に唐突に挟み込まれる佐山サトルのエピソードは、よくよく考えてみれば違和感があり、不気味ですらあった。これは今後のことを見据えての構成だったのではないかと今は思う。
タイガーマスクは30年以上前にTVアニメ「タイガーマスク二世」のタイアップで生まれた企画。
アニメは失敗したが、プロレスの方は大ヒット。
なにしろアニメ準拠のキャラクター商品のパッケージに、アニメではなくプロレスラーの方の写真を使うのだから、その影響の凄まじさがわかる。
いまだにそのキャラクターはプロレス界で生き続けているが、本来なら２、３年と続くものではない。当然いつかタイガーマスクを辞めて、素顔の佐山サトルに戻って活躍するのだとプロレス関係者は考えていただろう。
その日のために梶原一騎は佐山サトルのエピソードを盛り込んだ。
素顔への移行がスムーズに行くように、実話をベースに脚色。
イギリス時代のリングネーム、サミー・リーそのままだとサミーから佐山とバレるので、ミスターカンフーとした。。。（アイドルコミックスではそのままサミー・リーと書いている）
その梶原一騎が暴行事件で逮捕された日。
佐山タイガーマスクの最初の終わりの始まりが1983年5月25日。
奇しくも1983年5月25日は、
自分が所有する「アイドルコミックス実録まんがタイガーマスク」の第二刷と同じ日であった。
この本の三刷があったのかどうか。
持っている人の報告を待ちたい。
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かつて社会現象を起こした謎の覆面レスラー、タイガーマスク。
その正体は佐山サトル？と早々に突っ込まれるが、当然一生懸命否定。
タイガーマスクの生みの親であり仕掛け人の一人である梶原一騎は、
少年サンデー連載中の漫画「プロレススーパースター列伝」の中で、
・タイガーの正体はイギリスで活躍したミスターカンフーですよ、
・メキシコでも戦ってましたよ、
・キックボクシングでマーク・コステロにボコボコされて負けて泣いた佐山サトルなんかじゃ無いですよなどと弁明。
ところが当時学研から発売された「アイドルコミックス実録まんがタイガーマスク」では
・タイガーはイギリス時代はサミー・リーというカンフースタイルで戦ってましたよ、
・メキシコでも戦ってましたよ、
・キックボクシングでマーク・コステロにボコボコされて負けて泣いたことがありますよ、と台無しな描写。
おまけに本名は言えないけど、生年月日は正直に公開。
ちなみに佐山サトル説には否定も肯定もしていない。
（画像の記者はクマクマンボこと熊久保英幸だろうか。若い）
はたして新日本プロレスはタイガーマスクの正体を隠す気があったのかなかったのかに迫るシリーズ最終回。
そもそも列伝にある、タイガーの正体を探る記者たちはいたのかという話。
毎日現場で顔を合わせていた選手がある日覆面をかぶって現れて、誰だか分からないということはないだろう。そもそも探る必要がないし、プロレスマスコミは団体と共犯関係にある。積極的に内部情報をリークするようだったら、普段の生活が成り立たなくなる。
なにしろ社会現象であるから外部のマスコミも興味を持つとしても、知人のツテを使って記者友達に聞けば終わる話である。わざわざタイガーマスクの前に現れて、「ちゃーんと調べたンスよ。白状しちゃいなさいよ」なんて言うこともないだろう。
（ちなみにこの記者、後で出てきてイベントでタイガーに挑戦するアマレスの学生のそっくりである）
正体が佐山サトルだということは隠しようがない。
プロレスに関わる人たちや、熱心なプロレスファンはみんな知っていたはずだ。
もちろんそんなことは列伝には描けない。
タイガーの正体を真剣に知りたがっていたのは、タイガーブームからプロレスに入ってきた純情な少年少女だけだったのだと思う。で、仮に正体は佐山サトルですと発表したところで「すげえ！…で、誰？」で終わってしまう話だ。他に何もプロレスのことを知らないのだから。自分がタイガーの正体を知ったとき、まさにそんな感じだった。
・子供の頃、タイガーの正体はいったい誰なんだとワクワクしながら読んだ列伝。
・ほどほど大人になった頃に読み返した列伝は、
必死になってタイガーの正体を隠している（苦笑）って印象。
・実はそれほど正体を隠そうとしてないと分かってから読む列伝は、
バラすわけにはいけないけど、佐山がタイガーになるまでの苦労をなんとかして伝えずにはいられなかったという風に読める。あの「そう単純かどうか」には、そう言う意味も込められていたのではないか。
一冊で３通りの読み方が出来て奥深い。
そもそも、列伝は一人のプロレスラーに集中してスポットを当ててエピソードを語る構成の漫画。タイガーマスク編に唐突に挟み込まれる佐山サトルのエピソードは、よくよく考えてみれば違和感があり、不気味ですらあった。これは今後のことを見据えての構成だったのではないかと今は思う。
タイガーマスクは30年以上前にTVアニメ「タイガーマスク二世」のタイアップで生まれた企画。
アニメは失敗したが、プロレスの方は大ヒット。
なにしろアニメ準拠のキャラクター商品のパッケージに、アニメではなくプロレスラーの方の写真を使うのだから、その影響の凄まじさがわかる。
いまだにそのキャラクターはプロレス界で生き続けているが、本来なら２、３年と続くものではない。当然いつかタイガーマスクを辞めて、素顔の佐山サトルに戻って活躍するのだとプロレス関係者は考えていただろう。
その日のために梶原一騎は佐山サトルのエピソードを盛り込んだ。
素顔への移行がスムーズに行くように、実話をベースに脚色。
イギリス時代のリングネーム、サミー・リーそのままだとサミーから佐山とバレるので、ミスターカンフーとした。。。（アイドルコミックスではそのままサミー・リーと書いている）
その梶原一騎が暴行事件で逮捕された日。
佐山タイガーマスクの最初の終わりの始まりが1983年5月25日。
奇しくも1983年5月25日は、
自分が所有する「アイドルコミックス実録まんがタイガーマスク」の第二刷と同じ日であった。
この本の三刷があったのかどうか。
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