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もしも核戦争後にモヒカンがいなかったら?リアルな核戦争後の世界を描いたジャンプ漫画!ひらまつつとむの「飛ぶ教室」 [名作紹介]

ひらまつつとむの「飛ぶ教室」を電子化。
1985年から少年ジャンプで連載され、打ち切られた漫画で単行本全2巻。

なんと核戦争後の世界を生き抜く少年少女たちという異色のストーリーで、
打ち切り作品ながらも現在まで強い印象を残している作品だ。もちろん北斗の拳とは違う、リアルな世界である(でも時々、北斗の拳そっくりなタッチになる)。
飛ぶ教室1.png
たまたま巨大シェルターが作られた学校の生徒だったため、生き延びることができたという設定。主人公たちが調査した結果、他にも巨大なシェルターが出てくるのだが、現実にそこまで巨大なシェルターというのは作られているのだろうか?素朴な疑問。
飛ぶ教室2.png
数々の核戦争後の世界豆知識が出てくるが、この漫画における核戦争の原因は、巨大隕石落下の爆発を核攻撃だと勘違いした事によるコンピューターの誤作動の様だ。ちなみに、この漫画のコンピューターの描写は、聞くと答えてくれる昔ながらのアレで前時代的。一応「データが少なすぎる」と真っ当なことは言ってはくれるのだが。
飛ぶ教室3.png
お米から放射能が検出されるという、2011年あたりによく見た描写もある。
1985年の漫画なので、四半世紀前に先取りした感がある。
飛ぶ教室4.png
唯一の大人、北川先生。
映画化したら、演じるのは北川景子だろう(安易)。
飛ぶ教室5.png
2巻の巻末にはプロトタイプになった読切版を収録。
こっちの方が出来が良いという声もあり、なるほどなと思う。
暗い話になり過ぎない様にか、連載版はキャラクターデザインがかなりポップな感じに変更されているが、多少やりすぎな感じがしないでも無い。

ちなみにリアルタイムで読んでた頃は小学生だったが、半分よく分からないで読んでいたと思う。シェルターの描写は「お泊まり」って感じでワクワクしてた。連載予告に呆然とした記憶がある。

特にタイトルが「飛ぶ教室」である。どんな漫画だ?って思った。ケストナーの小説から引用したものだが、知るはずもない。そっちはいまだに読んだことがないが、ちょっと意識の高さが正直打ち切り臭を感じさせたものである(ハイラインの「夏への扉」も引用したりしている)。

さらに言えば、「飛ぶ教室」の2年前に放送されたアニメ、「銀河漂流バイファム」と話の骨子が同じであるのは致命的だったのかもしれない。核戦争は異星人ロボットの襲来、シェルターは宇宙船に置き換えられる。子供たちの精神的な支柱であった唯一の大人である女性が死ぬところも同じである。当時の子供達には、どこかで見たと思わせてしまっても不思議ではない。

だが、新しいジャンルを切り開こうとした姿勢は尊敬に値するとは思う。
近年、「約束のネバーランド」を読んだ時、なぜかこの漫画を連想した。
ちなみに「飛ぶ教室」が始まった1985年の少年ジャンプの発行部数は450万部。
 
2015年に復刊ドットコムより、カラーページなどを完全再現した復刻版が発売されている。


飛ぶ教室 1 (少年ジャンプコミックス)

飛ぶ教室 1 (少年ジャンプコミックス)

  • 作者: ひらまつ つとむ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1986/02
  • メディア: 新書



飛ぶ教室 2 (少年ジャンプコミックス)

飛ぶ教室 2 (少年ジャンプコミックス)

  • 作者: ひらまつ つとむ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1986/04
  • メディア: 新書



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