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あんのこったあや!お得な短編漫画も収録、ちばてつやの自伝本「屋根うらの絵本かき」 [名作紹介]

本屋に行くと、何か買わなきゃ損、という気持ちになる。
これだから一向に部屋から本がなくならないのだけども。

何かないかと活字の本のコーナーを見ていたら、
ちばてつやの自伝本「屋根うらの絵本かき」を見つけた。

一度、Amazonで見かけたことのある本。
同名の読み切りを再読したくて探していたら出てきたタイトルだったのだが、こちらは活字の本だとわかり、購入を見送っていた。漫画版は「漫画家誕生!」という短編集に収録されていた。

活字本「屋根うらの絵本かき」をパラパラとめくってみると、なんと漫画版も収録されているではないか!同じくちばの満洲時代を描いた傑作「家路 1945-2003」も!
屋根裏4.png
(両作の完全版については過去記事『「てつや嫌いな俺が子供の頃に飽きるまで何度も繰り返し読んだちばてつやの「屋根うらの絵本かき」』参照のこと)

あんのこったあや!って気分だ。
ところが購入してちゃんと読んでみると、漫画版「屋根うら〜」も「家路」もダイジェスト収録。
文章と挿絵で語った満洲時代のエピソードを補完するものとして挿入されているのだ。

逆の意味であんのこったあや!って気分だ。
これ…、こんなダイジェストで両作の良さが伝わりますかね?
神をも恐れぬ所行だ!(作者もチェックしてるんだろうけども)
あんのこったあや.png>
(画像は「ひねもすのたり日記」)
 
他にこの本に収録されている漫画は、
「ダメーッ」
「魔法のエンピツ」
「ーと、ぼくは思います!」の3本。
いずれも単行本初収録だそうである。

どれも面白いけども、母の目を盗んで禁止されていた漫画を書いていた頃を振り返った漫画、「ダメーッ」が特に良かった。
あんのこったあや3.png
(将来を不安視していた息子が、禁止していた漫画でお金を稼いできたことに逡巡するこの2コマが好き)

この本によるとこの時、ちばを厳しく暖かく指導した貸本屋の社長、石橋国松さんへの恩義から、「ハリスの風」の主人公は石田国松になったという。後年、草野球で石橋さんのおい御さんと出会い、すでに鬼籍に入られたことと、生前ちばの活躍をとても喜んでいたと聞いたと本には書かれていて、目頭が熱くなった。
あんのこったあや1.png
 
ところで、
カンヅメ中にふざけて編集者に電気あんまをしたところ、蹴っ飛ばされてガラスに突っ込み大怪我をして、トキワ荘の面々に代筆してもらったエピソードも本には出てくるのだけれども、それの漫画版「トモガキ」はこの本には収録されていなかったりする。(追記:この記事の2年後にトモガキ収録の短編集が発売されました
あんのこったあや2.png
なぜなのか。
蹴っ飛ばして大怪我させてしまった編集者が嫌がってるとか、
出演した漫画家への許可とかそんな感じなんですかね。
 


ちばてつや自伝 屋根うらの絵本かき

ちばてつや自伝 屋根うらの絵本かき

  • 作者: ちば てつや
  • 出版社/メーカー: 新日本出版社
  • 発売日: 2017/01/06
  • メディア: 単行本



ひねもすのたり日記 (第1集) (ビッグコミックススペシャル)

ひねもすのたり日記 (第1集) (ビッグコミックススペシャル)

  • 作者: ちば てつや
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2018/01/30
  • メディア: コミック



タグ:ちばてつや
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