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クイズです。ヤマカンは右か左か?ヤマカンで描いてみよう! [歴史漫画]

横山光輝の「鉄甲軍団」という短編集を読んだ。

横山光輝時代傑作選 鉄甲軍団ほか八編 (講談社漫画文庫)

横山光輝時代傑作選 鉄甲軍団ほか八編 (講談社漫画文庫)

  • 作者: 横山 光輝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/12/12
  • メディア: 文庫

その中に山本勘助が出てくる短編が二編あった。
が、そのどちらも顔が極端に違うので驚いた。

山本勘助は戦国武将の武田信玄の軍師として有名な人物。
足が悪くて隻眼のオッサンというのが世間のイメージ。
一か八かの当てずっぽうを意味するヤマカンという言葉は山本勘助の名前から来ているらしい。

横山光輝はよっぽど山本勘助が好きなのか縁があるのか、連載作品「隻眼の竜」では主人公として描いている。新田次郎原作「武田信玄」でも山本勘助を描いている。そのどれも顔が違うというのは愛着があるんだか無いんだかよく分からない。この辺のドライさが、荒木飛呂彦に影響を与えた所以なのかもしれない。

鉄甲軍団(1968年)の山本勘助
ヤマカン3.png
主人公なのだが、ひねりのない主人公顔である。

死者踊り(1973年)の山本勘助
ヤマカン2.png
主人公を助ける恩人として登場。
主人公がブサイクなので、合わせてブサイクとしてちょび髭のドジなおっさんとして描写。

隻眼の竜(1977年)の山本勘助
ヤマカン4.jpg
死者踊りが原型になったと思われる作品。
主人公なので横山作品定番のイケメン顔に。
鉄甲軍団と顔が違うのは年月による作風の変化と言えないこともない。
顔の傷が増えている。

武田信玄(1977年)の山本勘助
ヤマカン1.png
…って、隻眼の竜と同時期に描かれてるのね。
片目でもないし傷もない。足が悪いこともない(普通に忍者的な身体能力がある)。

この山本勘助は武田信玄に忠誠は誓っているが容姿も行動もあまりヒーローっぽく描かれていない。
ひたすら地味であるが、重要という不思議なキャラクターである。
隻眼の竜との差別化はもちろん、新田次郎の原作があったからこその描写なのだろうなと思う。

 
ところで、山本勘助の隻眼って右なのか左なのかどっちなんだ。
長年実在を疑われていたぐらいの人なので、肖像画も信憑性があるのかないのか分からない上に、右バージョンも左バージョンも存在する。

一番有名だと思われる肖像画は右バージョンだろう。
松本楓湖(まつもとふうこ/1840〜1923)の作品。
ヤマカン5.jpg

左バージョンを描いているのは歌川国芳(1797〜1861)
ヤマカン6.png

横山光輝は一貫して右バージョンで描いている。

1988年の大河ドラマで西田敏行が演じた山本勘助は隻眼ではなかった。
ヤマカン8.jpeg
2007年の大河ドラマで内野聖陽が演じた山本勘助は左バージョン。
ヤマカン7.png
寄せとるなあ。。。素晴らしい!
現在、左バージョンで二次創作されてるのが多い気がするのはコレの影響だと思われる。

キティちゃんも左。






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