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山本おさむ「赤狩り」6巻発売!30年の時を経て、黒い牝牛のエピソードコミカライズが蘇る! [名作紹介]

山本おさむの「赤狩り」の6巻がいつの間にか出ていた。
ついに今回は「黒い牝牛」の話が!

映画「黒い牝牛」にまつわる話を知ったのは、
1987年の「栄光なき天才たち(伊藤智義/森田信吾)」
黒い牝牛5.png
共産主義に関わり、ハリウッドから追い出された映画人の一人である脚本家のドルトン・トランボが、偽名で脚本を執筆してアカデミー賞をとってしまうという逆転劇が「栄光なき天才たち」には描かれていた。決め台詞は「ハリウッドはあなたの才能までは追い出せなかった」

「栄光なき天才たち」から20年以上経ち、新事実が発覚。
トランボは黒い牝牛どころか、映画史上最高傑作の一つとも言われる「ローマの休日」の脚本も書いていたことが明らかになった。すごすぎる話だ。「赤狩り」では連載開始直後この辺の「ローマの休日」エピソードを詳しく読めるので購入を決めたのだが、6巻でついに「黒い牝牛」の話が読めることとなって感慨深い。
黒い牝牛3.png
「栄光なき天才たち」が描かれた時代は資料も少なかっただろう。インターネットも普及していない。しかも毎回1話完結で、次々と違う人物を取り上げなければならない。だいぶ「赤狩り」の描写とは異なる。調べたわけではないが、「赤狩り」の方が現実に近いのだろう。
黒い牝牛4.png
「赤狩り」が正確に近いのだとすると、「栄光なき天才たち」はほとんど想像で描かれたということがわかって驚く。何か物語の定型から当てはめた感はあるが、チョイスとその発想の瞬発力とセンスが最高だなと読み返して思う。今読んでも好きなエピソードである。

「赤狩り」でもフィクションの部分は多い。
あとがきのメイキングにて明示しているが毎度面白い。
(語るエピソードと収録巻のズレが気になるが)


ちょっと気になったのが帯。
4巻が町山智浩で、ちょっと左っぽいイメージを出してきたのだが、5巻の伊藤潤二(ホラー漫画家)を挟んで、今回は「(前略)政権批判すると反日のレッテルが貼られる現代ニッポンの薄っぺらさが二重写しになる挑発的な傑作。」と書いてある。
黒い牝牛2.png
そこまではまあ良いのだが、背表紙部分にかかる小さいスペースにまで「政権批判すると反日のレッテルが貼られる現代ニッポンの薄っぺらさが二重写しになる挑発的な傑作。」とわざわざ入れ込んできて、この辺が描き手にとってよっぽど重要なんだなあと少し呆れた。
黒い牝牛1.png
帯の推薦文を書いた人の名前で検索してみた。
亀和田武(かめわだたけし)という70歳のおじいちゃんで、
元雑誌編集長でコラムニストだそうだ。

その辺を調べるとウィキに以下のように書いてあった。
明確に反安倍晋三(同じ、成蹊大学の卒業生)を打ち出しており、2017年8月1日の朝日新聞コラムでは、"いまは非道な悪徳政治家になった男に地獄から脱出する一度だけの機会を与えたいと思う。晋三くん、君が救われる道はひとつ、いますぐ辞任して政界から去ること、それだけだよ。"とコメントをしている。(ウィキ)

よっぽど反日扱いされて辛いらしい。
でもそこは「ネトウヨ」批判でなく、「現代ニッポンの薄っぺらさ」と書いてるんだから反日扱いされても仕方ないんじゃないかなあ。韓国批判してヘイトだと言われるのと、あまり変わらんのじゃないかなと思う。あと、どこに国でもそういう構造はあると思うし。

栄光なき天才たちは読後感よく、ハッピーエンドっぽい結末になっていたが、実際は「黒い牝牛」のあともトランボの苦難は続いていたという。いや、これからが本番なのだろう。

 
今回初めて黒い牝牛の予告を見てみたが、カラー映画なのね。
なんか白黒ってイメージだった。



赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD (6) (ビッグコミックス)

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  • 作者: 山本 おさむ
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2019/10/30
  • メディア: コミック



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