赤塚不二夫誕生の瞬間が読める藤子不二雄A「愛…しりそめし頃に…」 [名作紹介]
「まんが道」の続編、
「愛…しりそめし頃に…」を読んだ。
まんが道は大好きなのだが、「愛しり」はずっと敬遠してた漫画だった。
雑誌連載中にたまたま読んだのが、
写生した風景画を見開き三連続ぐらいで公開した回で、
「ああ、もう加齢で漫画が描けなくなったのだな」と思った。
(直後にウルトラジャンプで絵物語を始めたのを見てガッカリしたのもある)
徐々に端々の情報が入ってきて、買って読んでみたらちゃんと漫画だった。
買ったのは最初のバージョンで全12巻。
巻末に当時の漫画をそのまま収録していて、全6巻の後発版にはこれがない。
ちゃんと漫画になっているのは安心するのだが、けっこう大味。
なかなかドラマチックな展開にならない。
ラーメン屋「松葉」のしのぶちゃんがヌードモデルをやっているという衝撃の展開があるが、やってましたとただそれだけで、どういう事情があったのかとか描かれてないし、そこからドラマが展開するわけでもない。
この物語はどこに着地するのかと少しイライラしながら読む。
事実通り描いているからしょうがないのかなと思うが、けっこう脚色も多いとあとで知る。
しのぶちゃんのヌードモデルの件が事実なのかどうか検索して調べてみるが分からなかった。
後半になってこの漫画のキモだなと思う箇所が二箇所登場する。
テラさんこと、寺田ヒロオである。
急成長し激変する漫画業界に疑問を抱き、行動がどんどんおかしくなってフェードアウトしていく様が途中まで語られている。
この「漫画」という概念を狭く定義してしまい失敗していく人を追っていきたいというのが、自戒の意味を込めた自分のテーマの一つ。だから寺田ヒロオについて興味深いことが書かれているらしい本を見つけると、つい買ってしまう。
もう一つのキモは売れっ子になって豹変する赤塚不二夫。
赤塚不二夫といえばバカボンそっくりで、いつもアル中というイメージ。
むかし伊集院光のラジオで、おじゃまんが山田くんのトキワ荘替え歌で「赤塚くんこの頃まだ素面」という歌詞があった。
どうにもまんが道の赤塚のイメージ(イケメンで下積み続けてる感)と繋がってこなかった。
ちょうど並行して長谷邦夫の「漫画に愛を叫んだ男たち」を読んでいた。
長谷邦夫は赤塚不二夫のブレーンだった作家の一人だそうである。
そこに赤塚がタモリの才能を見出して、だんだん芸能の仕事に脱線していく様が描かれていた。
赤塚不二夫の葬式でタモリが白紙のカンペを見ながら「私もあなたの作品の一つです」と弔辞を読んだのが話題になったが、嗚呼あれはそういうことなのかと腑に落ちた。だが勿論まだ「まんが道」のイメージとつながらない。
その後、「愛しり」を読んで、赤塚豹変の瞬間に遭遇する。
これは強烈だった。
今までボンヤリ捉えていた赤塚不二夫のイメージに一本筋が通った気がする。
ちなみに幼い頃はバカボンのアニメを再放送で楽しんで見ていたが、10代ぐらいの頃に大ヒットした「おそ松くん」のアニメは苦手で敬遠していた。漫画の方も、再ブームでマガジンやボンボンに再録されるのを見かけては嫌だなあと思って読んでいなかった。どちらかといえば私世代はあまり興味を持ってないのではなかろうか。おそ松くんのアニメは見ていても、漫画を持ってる友人を当時見たことないような気がする。
「愛しりそめしころに」は「怪物くん」の連載がスタートしたエピソードで終了する。
ちなみに怪物くんの頃は実際はトキワ荘に住んでなかったらしい。
もっと読みたいなあと思うのだが、あとは書籍などで補完するしかないのかなと思う。
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「愛…しりそめし頃に…」を読んだ。
まんが道は大好きなのだが、「愛しり」はずっと敬遠してた漫画だった。
雑誌連載中にたまたま読んだのが、
写生した風景画を見開き三連続ぐらいで公開した回で、
「ああ、もう加齢で漫画が描けなくなったのだな」と思った。
(直後にウルトラジャンプで絵物語を始めたのを見てガッカリしたのもある)
徐々に端々の情報が入ってきて、買って読んでみたらちゃんと漫画だった。
買ったのは最初のバージョンで全12巻。
巻末に当時の漫画をそのまま収録していて、全6巻の後発版にはこれがない。
ちゃんと漫画になっているのは安心するのだが、けっこう大味。
なかなかドラマチックな展開にならない。
ラーメン屋「松葉」のしのぶちゃんがヌードモデルをやっているという衝撃の展開があるが、やってましたとただそれだけで、どういう事情があったのかとか描かれてないし、そこからドラマが展開するわけでもない。
この物語はどこに着地するのかと少しイライラしながら読む。
事実通り描いているからしょうがないのかなと思うが、けっこう脚色も多いとあとで知る。
しのぶちゃんのヌードモデルの件が事実なのかどうか検索して調べてみるが分からなかった。
後半になってこの漫画のキモだなと思う箇所が二箇所登場する。
テラさんこと、寺田ヒロオである。
急成長し激変する漫画業界に疑問を抱き、行動がどんどんおかしくなってフェードアウトしていく様が途中まで語られている。
この「漫画」という概念を狭く定義してしまい失敗していく人を追っていきたいというのが、自戒の意味を込めた自分のテーマの一つ。だから寺田ヒロオについて興味深いことが書かれているらしい本を見つけると、つい買ってしまう。
もう一つのキモは売れっ子になって豹変する赤塚不二夫。
赤塚不二夫といえばバカボンそっくりで、いつもアル中というイメージ。
むかし伊集院光のラジオで、おじゃまんが山田くんのトキワ荘替え歌で「赤塚くんこの頃まだ素面」という歌詞があった。
どうにもまんが道の赤塚のイメージ(イケメンで下積み続けてる感)と繋がってこなかった。
ちょうど並行して長谷邦夫の「漫画に愛を叫んだ男たち」を読んでいた。
長谷邦夫は赤塚不二夫のブレーンだった作家の一人だそうである。
そこに赤塚がタモリの才能を見出して、だんだん芸能の仕事に脱線していく様が描かれていた。
赤塚不二夫の葬式でタモリが白紙のカンペを見ながら「私もあなたの作品の一つです」と弔辞を読んだのが話題になったが、嗚呼あれはそういうことなのかと腑に落ちた。だが勿論まだ「まんが道」のイメージとつながらない。
その後、「愛しり」を読んで、赤塚豹変の瞬間に遭遇する。
これは強烈だった。
今までボンヤリ捉えていた赤塚不二夫のイメージに一本筋が通った気がする。
ちなみに幼い頃はバカボンのアニメを再放送で楽しんで見ていたが、10代ぐらいの頃に大ヒットした「おそ松くん」のアニメは苦手で敬遠していた。漫画の方も、再ブームでマガジンやボンボンに再録されるのを見かけては嫌だなあと思って読んでいなかった。どちらかといえば私世代はあまり興味を持ってないのではなかろうか。おそ松くんのアニメは見ていても、漫画を持ってる友人を当時見たことないような気がする。
「愛しりそめしころに」は「怪物くん」の連載がスタートしたエピソードで終了する。
ちなみに怪物くんの頃は実際はトキワ荘に住んでなかったらしい。
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