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イスラム教の戒律よりも日本人のルールの方が難解だ?ハスナ(日本人)の「イスラム夫と共存中」 [名作紹介]

古本屋でなんとなく買った「イスラム夫と共存中」が奥深かった。

作者で妻のハスナ(日本)と、旦那のハサン(モロッコ)の、異文化交流エッセイ。イスラム教とは何か?ということを、ものすごく身近な話題を絡めて紹介してくれてます。

まあ2001年のアメリカ同時多発テロを見てきている世代は、どうしてもイスラム教ヤバイってなりますわな。

そんなにヤバくないよーってことも散々言われていますけども、親米の日本はキリスト教圏のライフスタイルが浸透してるから、どうしてもイスラム教圏は遠い異質の存在に見えてくるわけです。

同じように警戒していた奥さんですけども、旦那の方にしたら奥さんは「神をも恐れない危ない連中」だと思っていた「無神論者」。お互い様なワケです。神の視点からみたら。
イスラム夫1.png
 
イスラム教って日々のお祈りとか、決まりとか色々ややこしいんじゃないのという意見に対しては、時間厳守とかゴミ出しのルールとかケータイの契約プランだとか、日本における決まりごとを守る方がよっぽど大変という、大変に頷けるお答え。確かになあ。。。色々空気を読まないといけないし。
イスラム夫2.png

もともとイスラム教の戒律は、平和な共同生活を送るための理に適った生活の知恵から来ているというのもよく言われる話です。今の時代にそれはないんじゃないのというルールもありますけど、国や地方によってはだいぶ緩くなってると漫画では紹介されており、旦那ハサンもルーズな部類に入ると思います。歴史的に見ても、イスラム教はキリスト教圏の国に侵攻しても、異教徒の信仰を許して共生してたりしてますし、イメージよりもはるかに柔軟な人たちなのかもしれません。

漫画を読んでいるとイスラム教いいかも、と思えてくるのですが、「うーん、これは。。。」と引いてしまうのが一箇所。助け合いの精神が強すぎて、「困ったことがあったら何でも言ってね」という社交辞令に対し、イスラム社会では本当に「本気でなんでも言ってくる」そう。しかもその助けは「神のご加護」なので、負い目を感じる気持ちも少ないのだという。まあよく出来ているといえばよく出来たシステムなのだけど、なかなか核家族化の進んだ日本人には馴染めないかも。。。
イスラム夫4.png
 
この漫画でイスラム教の緩さを象徴する一番印象的なフレーズは「インシャッラ」
神の思し召しを、という意味の言葉ですけども。

何を言っても、最後にそれを付け加えれば角が立たない便利なフレーズとして使われているそうです。
イスラム夫3.png

他の漫画では「インシュアラー」って書かれてたような気がします。
「インシャッラ」と口に出していうと、発音が本格的になったような気がしますので、皆さん一度声に出して発音してみてください。

インシャッラ!
 
インシャっら.png
(画像は本宮ひろ志「サラリーマン金太郎」

インシャラー.png
(画像は真刈信二/中山昌亮「オフィス北極星」

笑える 腹立つ イスラム夫と共存中

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  • 作者: ハスナ(日本人)
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2018/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



笑える 腹立つ イスラム夫と共存中【単行本版】

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  • メディア: Kindle版

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