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映画「空母いぶき」が航海前に炎上沈没?佐藤浩市のインタビューを読むべく400円払って実際に雑誌を読んでみた [時事ネタ]

航海直前の映画「空母いぶき」が炎上、沈没しようとしている。
脇役の佐藤浩市が自らの発案で、難病持ちの実在の人物を揶揄する様なアレンジを加えたことが雑誌インタビューで明らかになったからだ。

そもそもこの企画は、まず安っぽい改変が目についた。
本田翼演じる、映画オリジナルの女性キャラクターがそれである。どうでもいいんだけど、こういう改変で映画の格というものがそんなに高くないことは伝わってしまう。

佐藤浩市の話のついでに驚愕の改変が明らかになった。
原作は、中国の侵略から日本を守るという非常に攻めた漫画なのだが、なんとそれが映画では正体不明の謎の軍事組織の侵略から日本を守るという、非常に守りに入ったアレンジが加えられたというのだ。総理大臣はからかうけども、中国さんは怒らせたらシャレにならんから自粛。そんな構図になっていて、非常に脱力してしまう。

映画会社も慌てて火消しに走った。
割と素早い対応に驚いた。

たかがネットと侮り、爆死していった先立のことがついに教訓になったのだろうか。映画はフィクションであり、安倍総理の潰瘍性大腸炎とは一切関係がないのだという。まあ、そんなわけねーだろと思うが、そう言うしかない。

そもそも1役者の言いなりになって脚本を変えてしまう監督ってなんなのよ。
脚本に口出す役者は基本ロクでもない、と言うのを昔何かの本で読んだ気がする。
ジェームズキャメロンはターミネーター1作目のラストを改変しようとする上層部に拳銃を突きつけて抵抗したそうだ。

三谷幸喜の「ラジオの時間」という、ベテランのご機嫌とりで脚本がコロコロ変わってしまうラジオドラマの生放送の悲劇を描いた映画もある。まあ折り合いをつけて仕事をするのはそれはそれで尊いかもしれないのだが、いったい1役者に脚本変えさせてしまう空母いぶきの監督ってどんな奴なのよ?とウィキペディアを読んでみた。

>テレパックのテレビドラマのAD・演出補などを経て、1986年に共同テレビ入社。共同テレビジョン役員待遇エグゼグティブディレクターなどを歴任し、現在はフリー。

だそうだ。
よく分からんけども役員待遇エグゼドエグゼスとか、なんかすごそうだ。
もう70歳のおじいちゃんだそうである!
それでも佐藤浩市には勝てないのか?
三國連太郎の息子だからか?

2000年に織田裕二主演のアクション映画「ホワイトアウト」の監督をしているが、このオーディオコメンタリーを聞いたことがある。監督をお付きの二人が褒めちぎる、そんな印象だった様な記憶がうっすらある。間違いだったらごめんなさいだが、実家の蔵書の中からホワイトアウトのDVDを探す気力がない。パッケージ捨てたし。

もう一つ今回の戦犯がいる。
問題のインタビューを掲載した雑誌編集者と、削除を求めなかった映画会社の広報だ。後者は今頃火あぶりにされているかもしれない。。。雑誌編集者の方は何を思ってインタビューを載せたのか。お腹が痛い総理に改変して、原作ファンが「なるほど!面白そうだ!」と思うと思ったのだろうか。無残に改ざんされまくってしまったことへの抗議だったのだろうか。

で、「切り取りだ!雑誌を読めば問題ない発言であることが分かる!」という人もいるので、実際に雑誌を買って読んでみた。コンビニで買った。400円は結構高いなと思ってしまう。普段あまり雑誌を買わず、ジャンプ200円ぐらいの時代の感覚でいるからだ。雑誌にはクリアファイルが付録でついていて、それが落ちない様に厳重にテープで止められているので立ち読みはできなかった。電子書籍も販売されていない。

梱包用のテープは綺麗に剥がすことができた。
クリアファイルは出演者である本田翼の寝顔が印刷されており、思わず「わあかわいい!」と思ってしまう出来だ。
胃腸炎1.JPG
インタビューをチェックする前に、パラパラと雑誌を読んでみる。
どんな連載陣か全く知らないけども意外と打率が高い。「ひねもすのたり日記」「劉邦」「正直不動産」は単行本を買ってるし、「海帝」「ブルージャイアント」も気になってる。「気まぐれコンセプト」の企画もあるし、他に永井豪、細野不二彦、さだやす圭、原秀則、小山ゆう、黒鉄ヒロシ、石原まこちんなどが描いている。ビッグな作家が描いているからビッグコミックなのだそうだ。きわめつけはゴルゴ13だ。

空母いぶきがどこで連載しているのか知らなかったが、ビッグコミックなのだろうか。
この号は本編が載っておらず、映画の宣伝のための特別編が掲載されている。映画版のコミカライズともいうべき内容で、かわぐちかいじが描く斉藤由貴、小倉久寛が面白い。中井貴一は全然似てないのだが、今はこんな顔してるのだろうか。本田翼はどこか似てるのだが、ちょっと顎の骨格が良すぎてニューハーフっぽい。
胃腸炎4.JPG
(画像はもちろん斉藤由貴である)

で、問題のインタビューを読んだが、安倍総理になり切ることで、その重圧がよくわかったという風に読めないこともなかった。

インタビューが「やりたくなかった。体制側の人間を演じることに抵抗がある」(左翼思考)→「アレンジしました」(1役者の都合で原作を改変したと読める)→「ストレスでお腹を下す設定にした」という流れなので、ここまで読めば全く擁護はできない。

わずか1P半分に満たないインタビューなのだが、原作から引用したコマが「明日、私が下す命令で人が死ぬ。」と、「下す」ことを強調している様にも見える。深読みすれば、原作ではこのコマの後吐いているので、こう改変されたんですよと訴えている様にも見える。
胃腸炎2.JPG
が、佐藤浩市のインタビューはその後、「総理になると責任で人格が変わる」という発言があるので、自らの考えの及ばない高い意識の領域に安倍総理がいるという風にも読める。専守防衛とは何かを考える映画になっていると結んでいるので読後感はあまり悪くない。

ちなみにその前の4Pの解説記事でも「ストレスに弱くお腹を下す」改変があることに触れており、映画にとっては重ねて伝えたいほどに重要なPRになる改変だと関係者が考えていることは間違いない。
胃腸炎3.JPG

空母いぶきの映画公開は5月24日だそうだ。
果たして興行はどうなるのか注目してしまう。

そもそも映画は失敗して当たり前のものだと俺は思っている。町山智浩はクソミソに貶すのだろうなあというのは以前から思っていた。

炎上商法というのはあるが、この映画の場合はあまり良い方向に行かないと思う。これでヒットする様なら、炎上がなければもっとヒットしただろう。戦艦映画としてはこの後に「アルキメデスの大戦」が控えている。今から広報担当者はピリピリしていることだと思う。

とりあえず俺はどちらもあまり見る気がしてない。
そういえば映画のPRのために、空母いぶき単行本3冊をセットで600円で販売してるのが驚いた。


 

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