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吉田豪が二冊読み比べると沁みると語っていた、いかりや長介自伝「だめだこりゃ」、いかりや浩一「親父の遺言」を読んだ [日記]

吉田豪のトークをyoutubeなどでよく聞いている。本もたぶん何冊か持っている。そんな吉田豪が香山リカとの対談をしたとツイッターでつぶやいていたので実話ナックルズを買ったのだけれども、全然面白くなかった。。。ちょうど持ってた本にも香山リカとの対談が載っていたのでそちらも読み返してみたのだが笑えるところがない。読み込み方が足りないのだろうか。

それにしてもすごい雑誌だな実話ナックルズ。男の星座続編読みたさに週刊大衆読んだとき以来の衝撃だよ。もう二度と買わないよ。

で、二冊読み比べると染みる本だと吉田豪がラジオで語っていた、いかりや長介の「だめだこりゃ」と、その息子いかりや浩一の「親父の遺言」を購入して読んだ。こっちは面白かったよ。

昭和の国民的人気番組「8時だよ全員集合」末期。主役のドリフターズのいかりや長介はリーダーでありながら企画会議から外され、後番組は後輩をメインにあずかり知らぬところで進められていたと自ら「だめだこりゃ」の中で書いている。

それを息子は「親父の遺言」で、後番組のTV放送を自宅で見ながら「なるほどなあ。。。」と呟きながら、何度もビデオを巻き戻して繰り返し見ている親父の姿を証言している。
いかりや2.png
…とまあ、そんなエピソードに惹かれて二冊読んでみたのだけれども、最後泣ける。そもそもいかりや長介は自分の父親とキャラクターが似ているのだ。癌で死んだところも。俺は父の癌についてあまり興味を持たなかった(触れたくなかった)けれども、「親父の遺言」は闘病生活の辛さについて詳しく描かれており、親父もこうだったのかなあと思うと泣けて泣けてしょうがなかった。

孫を抱く写真も染みて染みてしょうがなかった。
そっくりだ。
いかりや1.png
 
子供の頃から大好きだったドリフターズだが、TVで見る姿以外は何も知らなかったので、その辺を知れたのも面白かった。

俺が見る以前に一世を風靡したというギャグ、東村山音頭とか何が面白いのかずっとわからなかったが、最初の歌が単なる前フリだったとこの本を読んで知った。「池袋ウエストゲートパーク」で森下愛子がやってた「イッチョメイッチョメ」というギャグは東村山音頭だったのかー。

 
【ドリフクイズを考えてみたよ】
この中で、ドリフに途中から加わったメンバーは誰でしょう。

いかりや長介
仲本工事
高木ブー
加藤茶
志村けん

 
<答え>
全員

志村けん、と答えるのが大体の日本人の常識だと思う。売れないバンドのドリフターズのテコ入れとして、いかりや長介(当時は本名)が加入したのだそうだ。ミュージシャンとしてイマイチだったいかりやはコミックバンドに生きる道を見出しており、結局のところ他のメンバーは肌が合わずに脱退して別バンドを結成。新人の加藤しか残らず、そこからメンバー探しに奔走。仲本と高木、荒井注が加わったという。

 
「だめだこりゃ」では仕事の裏事情など。「親父の遺言」では息子から見たプライベートについて語られている。

奥さんが3回も変わっているところなど、目を引くところだ。売れないミュージシャンだったいかりやを水商売で養っていた最初の奥さんは、いかりやが売れたことで逆に生きる張り合いを無くし、結婚生活が上手くいかなくなったらしい。

二人目の奥さんなど、おしゃれで美人でいきなり二人の子供の母親になったにも関わらずかいがいしく働きまくる良い人だったのだそうだが、膠原病になって働けなくなったことからうつ状態になって、自殺に等しい亡くなり方だったそうだ。

女の子ことで日々悩んでいる自分だが、結婚したらしたでお金があっても色々あんだなあと思った次第である。

 
最後に、いかりや長介の父のエピソードを。
寄席が好きで、「目が肥えているから俺を笑わせたら一人前」と息子の長さんによく言っていたらしい。それでもバンドマンになることには反対だったそうで、それを長さんは「堅気の誇り」と分析している。以下に一部を引用する。

どんなに芸人やその芸が好きでも、あくまで一人の客としてであって、芸人の仲間に入ることではない。人気芸人の方がずっと金持ちで、社会的地位も高かろうと、こちらが堅気の客としての立場を守っていればこそ、「あいつはもうダメだ」などとも言えるのである。

まあこんな好き勝手な書評ブログを書いている俺だからか、なんか頭に残ったらしい。自分が好き勝手すること全てを正当化したいわけではないが、昔気質のオッサンスタイルでなければ許されないという変な思い込みがある。

長さんの父親は未熟な芸人にはそっぽを向いて観覧するアピールをしていたそうで「芸人はこうやって育てるもんなんだ」と吹聴していたという。俺はこれには賛同しないけども。
 


だめだこりゃ (新潮文庫)

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  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/05/31
  • メディア: Kindle版



親父の遺言

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  • 作者: いかりや 浩一
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